VAIO Laboratory PCV-R70 の CPU・HDD 換装とメモリ増設
PCV-R70 の CPU・HDD 換装とメモリ増設
次は、CPU と HDD を換装します。1GHz、90GB ですよ。すごいですよ。
※各画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

まず、最初から入っている Pentium III 550MHz を外します。CPU はけっこう固めに挿さっているので、本体をしっかり押さえた上で垂直に抜き取ります。
標準の PenIII-550MHz は 0.25μm プロセスの Katmai コア、SECC2 パッケージの製品。FSB 100MHz、内部倍率 5.5 倍、L2 キャッシュ 512KB(アクセススピードは CPU クロックの 1/2)というスペックになっています。
こちらが今回換装する、Pentium III 1.0GHz。0.18μm プロセスの Coppermine コアで、FSB 100MHz、内部倍率 10.0倍、L2 キャッシュ 256KB(アクセススピードは CPU クロックと等速)。
1GHz の PenIII にはいくつかパッケージがあるのですが、間違っても 1.0BGHz と表記のある CPU を R70 用に買ってはいけません。1.0BGHz は FSB 133MHz、内部倍率 7.5 倍なのでこれを R70 につけると 750MHz の CPU として動作してしまいます。もし 1GHz の CPU を 750MHz で使いたいという奇特な方がいれば、私は止めはしませんが、そんな無駄なことをする人はいないですよね(^^;
今回購入したのは SECC2 パッケージなので、アダプタなしでそのまま取り付けることができます。
入手した PenIII-1GHz はバルク品のため、CPU クーラーが付属していません。というわけで、CPU クーラーの代名詞・山陽電気製(販売・オウルテック)の「CPU-P3/2」という製品。PenIII-550 はヒートシンクと電源ファンのみで動作できていましたが、1GHz はさすがに発熱も多いかな?ということでファン付きのクーラーをつけておくことにしました。ショップでは「1GHz にも対応」という触れ込みだったので、これくらいつけておけば安心かな、と。
CPU を差し替えたところ。同じ SECC2 なので特に問題なく差し替えることができます。
CPU ファンの電源ケーブルをマザーボードに接続するのをお忘れなく。忘れると、たぶん熱暴走します(^^;
続いて、HDD の換装。この R70 はソニーのメモリ増設サービスと同時にハードディスク増設サービスも受けており、HDD は 20GB(IBM DJNA-352030)が 2 本、計 40GB が入っています。これで R70 の内蔵ベイが埋まってしまっているため、増設には最初から入っている HDD を外さなくてはなりません。
ソニーの純正サービスを受けて増設された方のドライブには、「PCVA-IH200 ハードディスクアップグレードサービス」というシールが貼られています。このシールで、VCL に修理依頼した際の保証の有無を確認しているのでしょう。しかしこの HDD 交換、サービス料込みで \80,000、訪問サービス料にさらに \10,000 支払っているとか。保証料込みとはいえ高いですねー。20GB HDD が当時 \40,000 としても 2 倍の金額。
今回換装する HDD は、IBM の「DTLA-307045」。7,200 回転、45GB の HDD。これを 2 本用意して、今入っている 2 本の 20GB HDD と入れ替えます。
NEC のシールが貼られていますが、これは IBM が NEC に OEM したものが市場に流れたものだからで、中身はちゃんと IBM 製です。ショップでも IBM 製として売られていますが、同じ製品でも NEC 名義のものの方が若干安く出回っているようです。ブランドイメージの違いでしょうか?
DJNA-352030 が入っていたマウンタに DTLA-307045 を取り付け、ジャンパでマスター/スレーブの設定を行います。写真では、上のドライブがマスター、下のドライブがスレーブに設定されています。
HDD の取り付けまでが完了したら、組み立て直しておもむろに電源を入れ、動作チェックを行います。というか本当は、ひとつひとつ交換しては動作チェック、の方が安全なんですけどね。
BIOS 起動画面では、ちゃんと「Pentium III 1000MHz Processor」「Memory test : 524288K OK」「IBM DTLA-307045」が表示されています。「1000MHz」の表示が何とも言えませんね。R70 でもここまでできるのか、みたいな。
今回は HDD も総入れ替えになったので、パーティションの設定を行った上で OS のセットアップを行います(詳細は省略)。
Win98 上の「システム情報」を見るとこんな感じ。PCV-R70 で PenIII-1000MHz、メモリ 512MB の証拠画像です。キャッシュメモリが 256MB なのが Coppermine コアの証。
HDBENCH の結果です。残念ながら改造前の結果は取っていません(^^;とりあえず、目標は「R73K に勝とう!」ということなので、Win2000 での R73K と比較してみましょう。ちなみに比較対象のマシンは、ほぼノーマルの R73K(PenIII 866MHz、RIVA TNT2 Pro、Maxtor 94610U6、PC133 SDRAM 256MB)、および私の自作機(Druon 600MHz、Millenium G400DH、IBM DPTA-372730、PC100 SDRAM 128MB)です。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.22 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
ProcessorPentium III 1002.13MHz[GenuineIntel family 6 model 8 step 6]
CacheL1_Data:[16K] L1_Instruction:[16K] L2:[256K]
VideoCardRage 128 GL SD AGP (日本語)
Resolution1024x768 (16Bit color)
Memory522,888 KByte
OSWindows 2000 5.0 (Build: 2195)
Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
  IBM DTLA-307045
  IBM DTLA-307045
Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
  SONY CD-RW CRX100E
Adaptec AHA-2940U2/U2W PCI SCSI Controller
  MELCO DSC-UGTV 2.03
  MELCO DSC-UE Series 1.40
  MELCO DSC-UE Series 1.50
  ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
PCV-R70改 18189 45690 45511 12894 8896 17610 37
PCV-R73K 18457 39557 39406 14331 14897 20354 59
自作機(Duron 600) 17886 26736 31409 12795 16680 21194 74
  Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
PCV-R70改 23536 29594 7830 304 24037 18711 3885 D:\20MB
PCV-R73K 35774 30303 6538 554 21973 22480 2316 C:\20MB
自作機(Duron 600) 46167 4331 7558 549 18268 21740 15235 C:\20MB
ビデオカードの性能差(R70:RAGE128、R73K:TNT2)とメインメモリのクロック(R70:100MHz、R73K:133MHz)で差をつけられて ALL の値ではほとんど R70 と R73 の差はありませんが、やはり CPU 自体の速度はメチャ速と言っていいでしょう。むしろメモリとグラフィックでこれだけ差をつけられておきながら、それを CPU と HDD だけで詰められるだけのパワーアップができた、ということができます。元バイト先の VAIO はほぼムービー作成専用機になっているため、ビデオ性能があまり重視されないことを考慮すると、事実上 R70 が R73 を抜いたことになります。本当は 440BX(UltraATA/33 止まり)の限界でせっかくの高速 HDD の性能を活かし切れていないのが残念ですが、それでも十分に速いです。 でもこうしてみると私の自作機も負けていませんね。Duron ってやっぱり速かったのか。あと G400 の 2D 性能の高さも光っています。でも、DDR Athlon 1GHz、欲しいなあ。

こんな感じで、R70 を 1GHz-512MB-90GB(SCSI 外付けまで全て足すと 158GB!)というモンスターマシンに生まれ変わらせることができました。これならば RX70 にも性能的に引けを取らない、最強の R70 にできたと言っても過言ではないでしょう。
ベンチ結果以外の体感ですが、1GHz、もう次元の違う速さですね。仕事場には R70 の他にも R73K があるのでハイエンドクラスのスピードは多少見慣れているつもりでしたが、1GHz はもう 1 段階速い。Win2000 にメモリ 512MB、という構成の賜物でもあるんでしょうが、普通重いはずの Illustrator、Premiere が面白いほどに速く起動するんです。Word や Photoshop なんかもうメモ帳やペイントの如き軽さ(笑)。いや、嘘じゃなくマジでそれくらい速い。私も速いマシンが欲しくなってしまいました。やっぱり Athlon 1GHz 買うかなあ。

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