VAIO Column
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(2002/02)


[ Network VAIO ] 2002/02/27(Wed)
昨日発表になった「Network VAIO」ですが、各ニュースサイトにもけっこう大きく取り上げられています。

ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/broadband/0202/26/vaio.html
http://www.zdnet.co.jp/news/0202/26/netvaio.html
PC Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0226/sony.htm
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2002/02/26/633888-000.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/02/26/10.html

昨日の Column で「Network VAIO とは、筐体のことではなくて、ネットワークを使ったソリューションやスタイルまでひっくるめたもの」である、というところまで書きましたが、今日はその続きから。
結局、あのクイズの答えは「未来のネットライフスタイル」という言葉に集約されていたと思うんですよ。でも、「未来」という言葉も入っている通り、「ストリーム」とか「ヴィジョン」が指すものが「Network VAIO」で実現されるのはまだ先の話なのではないかと。単発の製品として「Network VAIO」という名称を考えたとき、それはあまりにもマーケティング上のインパクトを優先しているようにも見えますし、「Network VAIO」と呼ぶにはまだあまりにアプリケーションもコンテンツも少なすぎるような気がしますが、そういうものを全て実装して、「Network VAIO」が「VAIO」になったとき、即ち「Network VAIO」が意味するところのものを全ての VAIO が当たり前に実現できるようになることが、「Network VAIO」が目指す到達点なのではないかと。

・・・とのっけから禅問答のような話になってしまいましたが。

先月、VAIO W の先行展示を見にソニービルに行った際に、「バイオ&WindowsXP Supporter's Site」でお世話になったソニースタイルの担当者の方に偶然お会いする機会があって、そのときにいろいろとお話をしたんですが、その話の中で「これからは、ハードウェアとかプロダクトデザインじゃなくて、ネットワークを使った新しいスタイルを提案してみたい。そのときに使われる『箱』は VAIO かもしれないし、VAIO じゃないかもしれない」みたいなことを仰っていて、ちょうど私も似たようなことを考え始めていたところだったので(この話はまた別の機会に、と思っているのですが)、うんうん、ということがあったのですが、今にして思えばあの話は Network VAIO を踏まえてのことだったのかもしれません。

今回の Network VAIO はソニスタ限定ということですが、単に本体色にオリジナルカラーを採用したモデルを用意したり、吉田カバンや BEAMS とのコラボレーションによるアクセサリを添付したり、「WORKS」モデルと称して店頭販売分にはないプレミアムのついたハードウェアを販売したり、消滅しかけている(笑)BroadBand Club のようなプロジェクトを立ち上げたり、と今までも数多くの「ソニスタらしさ」をユーザーにアピールしてきました。しかし、それらはどれもが「販売のため」のプロモーションであったのに対し、この Network VAIO は明らかに今後の VAIO の可能性を示すもの。単なるポーズでも、広告でもなく、大がかりなシステム開発を伴う VAIO の新展開の「パイロットテスト」(大規模な展開を開始する前に、本番環境の限られた範囲内で行われる評価のためのテスト)的な意味合いを持っています。どちらかというと「ソニスタの企画」ではなくて「ソニーの戦略」ですね。
それは、Network VAIO の記者発表会にソニスタの佐藤一雅社長だけでなく、ソニーの安藤国威社長兼 COO(元パーソナル IT ネットワークカンパニープレジデント、即ち VAIO 産みの親の一人)が登場されたことからも明らかです。

こういったことを考えると、先日のソニースタイルとソニーマーケティングの合併の発表
http://www.jp.sonystyle.com/Company/Press/020129.html
は、まさにこういうことをやるためのものだったのだ、と合点がいきます。今まではどちらかというと「一販売店」であった Sony Style ですが、ソニーが直接動かせる販売チャネルとなったことで実験的な試みがやりやすくなります。逆に、Sony Style がやりたくても「一販売店」という立場上できなかったことも、今までよりずっとやりやすくなるでしょう。
また、対象となる顧客層が「PC は初めて」という全くの初心者ユーザーでなく、ある程度 VAIO のコンセプトを理解し、かつオンラインショッピングができる程度のコンピュータリテラシと環境を持ったユーザーに限定できる Sony Style であるからこそ、Network VAIO のようなコンセプトの製品のパイロットができる、というのも大きいでしょう。
(ちょっと話が横道に逸れますが、ダイレクト販売に関して興味深い記事が
http://ascii24.com/news/i/keyp/article/2002/02/24/633467-000.html
にあったので一読してみてください。直販に限らず、モバイルノートの開発に関する Interesting な記事で、読む価値は高いです。)

閑話休題。

「Network VAIO」の当面のアピールポイントはやはり「ソフトウェアのネットワークインストール」機能と「オートアップデートサポート」機能の 2 つでしょう。VAIO もここ 2 年くらいの間でかなりオリジナルアプリが増え、また各アプリ間の連携が前提となった仕様になりつつあります。その結果、他メーカー製品以上にプリインストールのアプリが膨大な数になり、購入やリカバリ直後に使わないアプリを削除し、環境を整える手間がありました。また、人によっては「使いもしないものがたくさん入っているけど、不要なものははじめから入れないでその分安くしてほしい」と思ってもいるでしょう。Network VAIO のようにオリジナルアプリを取捨選択できることは、ユーザーにとってもメーカーにとってもメリットのあることですし、メーカーの観点で言えばライセンスの管理もよりやりやすくなります。
こういうことができるようになったのは、やはり「オリジナルアプリに、プリインストールでなくともユーザーが『お金を出してでも欲しい』と思えるだけのバリューがついてきた」からにほかならないと思います。HDD の肥やしになるよりは、ニーズのあるところで確実に使われる方がアプリも幸せというものです(笑)。また、(ここから先はサードパーティ製アプリということで、将来的な話になりますが)RX7x を買ったけど Adobe Premiere は要らないとか、RX6x だけど Premiere LE じゃなくてフルバージョンの Premiere が欲しい、とかいったニーズも確実にあるはずです(もっとも、こういうことをすると下位モデルに比べてコストパフォーマンスに劣るハイエンドモデルが売れなくなるという弊害は出そうですが)。

しかし、ネットワーク経由でのアプリケーションソフトの購入・管理ができるようになる、ということは必ずしも「Network VAIO」の本質ではないような気がします。アプリケーションのダウンロードアップデートサービスはあくまでネットワークを利用したソリューションの一つに過ぎず、それが本質であるならば「Software Downloading VAIO」、あるいは VAIO ではなくサービスそのものが前面に出てくることでしょう。そこをあえて「Network VAIO」というネーミングにした、ということは「LinkGarage」のようなコンテンツ寄りのサービスが最終的な目標なのだと思います。
Network VAIO を母艦とし、未来の CLIE や Network Walkman、VAIO ノート上で直接ストリーミングデータを再生させる。そういうものが、Network VAIO の目指すところなのでしょう。
でも、現在のネットワークインフラでは、モバイルでブロードバンド向けコンテンツは厳しい。かといってデスクトップ VAIO の中のメールデータを読める、だけでは今後の普及に向けての「一押し」が足りない・・・。何かしらのコンテンツなりスタイルなりを Sony Style 側が提案してくるのではないでしょうか。

いずれにせよ、今後この「Network VAIO」タイプが VAIO の主流、少なくとも一定の比率をしめることになると思います。反響次第、ということもあるでしょうが、ソニーが組織を変えてまでやろうとしていることですから、今後の方向性を象徴するものであることは間違いないはずです。私としても注目していきたいと思います。

みなさんは、この「Network VAIO」がどんなスタイルを提供してくれると思いますか?


# 500,000 アクセス突破しました。いつもありがとうですー。
# 今後ともがんばりますので、よろしくお願いします m(_ _)m


[ The Answer ] 2002/02/26(Tue)
20 日から Sony Style で公開されていた新製品名前当てクイズの正解が発表されました。
http://www.jp.sonystyle.com/Network/answer.html

正解は、

ネットワークバイオ

でした。

http://www.vaio.sony.co.jp/Info/products_020226.html
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Store/Vaio/index_network.html

「Network VAIO」とは、VAIO にソニー(ソニースタイルかな?どっちだろう)が提供する新しいサービス「Hotnetwork サービス」を組み合わせたもの。「Hotnetwork サービス」とは、
http://www.jp.sonystyle.com/Hotnetwork/details/index_v.html
に詳細がありますが、
  1. ソフトウェアダウンロードサービス
  2. ソフトウェアアップデートサポート
  3. 外出先から VAIO のデータにアクセスできる「LinkGarage
の 3 つの機能を指すようです。ソフトウェアのダウンロード/アップデートサービスについては当初ソニーアプリのみのサポートでゆくゆくはプリインストールでないものも含めた他社製アプリへの展開も視野に入れているようですが、ま、要はパッケージソフトのオンライン販売とか Windows Update のソニー版みたいなイメージだと思います。VAIO 独自のハードウェアに依存する「Giga Pocket」等を除くアプリはプリインストール/添付されず、ネットワーク越しにダウンロードしてインストールすることになります。
「LinkGarage」についてはソニスタ側も試行錯誤という段階に近いでしょうから、まだまだ発展途上ではあるでしょうが、とりあえずは自宅 PC 内の PIM データやローカルのメールファイルを(同期という概念ではなく、直接)外出先からも閲覧できるもののようです。いずれはデスクトップ VAIO にある動画や音楽データをモバイル環境から取り出せるようにする目論見があるんでしょうが。

この「Network VAIO」として今回提供されるハードウェアは JX10G のカスタム版、「PCV-JX10GN」。
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Store/Vaio/Nwjx/
カスタム版、といっても、特にハードウェア的な差異があるわけではなく、ソフトウェア的にプリインストールアプリを削ってその代わり「Hotnetwork サービス」のクライアントソフトウェアが導入されるもの、と考えていいでしょう。プリインストールアプリが削られて別途購入、となっているだけあって安くなって(JX10G と比べて \25,000 ほど安い)います。これは嬉しい。
でも「ブロードバンド/常時接続環境を前提とした」とソニーさん自らのたまっている割には、アナログモデムがついている時点でちょっと萎え。外したら外したで検証にかかるコストの方が高いから、完全に JX10G と同じ構成で出したということなんでしょうが。でもなー。実際 Network VAIO のアナログモデムの稼働率ってどれくらいなんだろう。限りなく 0 に近いような(^^;


っていうか、この「Network VAIO」そのものではなくて、今回のクイズとして見た場合「Network VAIO」ってアリだったんでしょうか?(^^;少なくとも、今までだって VAIO にはネットワーク端子はついていたわけだし。標準で Gigabit Ethernet と IEEE802.11a 両搭載とかじゃないと、回答としてはちょっとインパクトに欠けるような・・・。上記理由から、実際、「Network VAIO」という回答を予想した人ってどれくらいいるんでしょうね。ソニスタも苦し紛れだったんじゃないかな。もうちょっと違うネーミングもあったんじゃないかと思います。
ま、ハードウェア的見地から言えば今回の「Network VAIO」は言葉としては今までの VAIO に矛盾するわけですが、この「ネットワーク」が意味するものは、Network VAIO が持つコンセプトそのもの。以前、「『VAIO』とは『VAIO という PC』」ではなく「概念そのもの」である、ということを書きましたが、「Network VAIO」の「ネットワーク」も、ネットワーク端子ではなく、ソリューションなり利用形態なり、そういうもののことだと思うんですよね。

掘り下げていくと長くなりそうなので、今日はこの辺で。
続きは(他に大きなニュースがなければ)また明日。


[ Alphabet to Kansaiben ] 2002/02/23(Sat)
ジャストシステムの「一太郎 12」を購入しました。2/8 に発売になっていたのに今まで買わずにいたのは、貧乏だったのもあるんですが(笑)、一太郎はたぶんまず使うことはなく ATOK15 さえあればいい、と思っていたため 3 月に出る「ATOK for Palm OS 日本語グラフィティ対応版」がセットになった「ATOK15 プレミアムセット」まで待ってみようと当初思っていたんですよ。
でも、ZDNet のベータ版レビュー記事
http://www.zdnet.co.jp/mobile/palm/0201/19/r_atokb.html
http://www.zdnet.co.jp/mobile/palm/0201/25/r_atokb.html
を読んでみて、
  • スペースの入力(Graffiti エリアでスタイラスを「→」)で変換の操作にならない等、純正 Graffiti との互換性が低い
  • 操作系がジョグダイヤルに最適化されていて、CLIE 以外の Palm だとそれほど使い勝手が良くなさそう
  • 私は Graffiti をマスターしているので、日本語 Graffiti など不要
  • 今 ATOK for Palm を買っても ARM 搭載 Palm マシンでは使えない可能性大
という理由のもと、今回のバージョンの ATOK for Palm は WorkPad には導入しないという結論に達しました。どうせ今度 CLIE 買ったらついてくるだろうし、そもそも Palm で長文入力しないし。
で、ATOK15 だけでいいや、ということになったんですが、一太郎 11 ユーザーである私は 一太郎 12 のアップグレードパッケージが \8,000 程度で購入可能。ATOK15 単体パッケージも約 \8,000。一太郎 12 アップグレードパッケージに決定。

まずパッケージを開けて気づいたのが、So-net のパンフレットが入っていたこと。そうかー、JustNet ってソニーコミュニケーションズネットワークに吸収されちゃったんだねぇ、と時代の変化を実感。一太郎 12/ATOK15 のインストールに伴い強制的に So-net のオンラインサインアッププログラムをインストールするという余計なことまでしてくれました。っていうか、もう So-net 入ってるし。削除さくじょ。

というわけで一太郎は無視して(笑)ATOK15 を単体インストールしました。当然 ATOK15 の目玉のひとつである関西弁対応の実力のほどを見てやろうじゃない、と思い、関西弁を入力してみようとしたのですが、

・・・はて、何を入力したものやら?

関西人でない私が関西弁モードを使たところで、ドナ伊勢越中年(一般表現モード)、もとい、どないせえっちゅうねん(話し言葉関西モード)。よく考えてみると、標準語を関西弁に翻訳(笑)してくれるならまだしも、関西弁のネイティブスピーカー(笑×2)でもなければ関西弁を入力するシチュエーションってあまりというかほとんどあらへんやん。あんまり意味ない・・・。

まだそれほど使い込んでいない(掲示板書き込みとこの Column くらいにしか使っていない)のでまだまだ目新しい変更点については分かっていない部分も多いのですが、目に見えて便利かもと思った部分がひとつ。

ATOK ナビ(詳細表示)

今までタスクバー内のみに表示されていた(「タスクバーに入れる」状態にしている場合)入力モードの表示が、モード切替時にマウスカーソルの下に表示されるようになりました。これまで入力モードの切り替えを忘れてひらがなを入力したいのに半角英数や直接入力モードで入力してしまってやり直し、という間違いが少なくなかったのですが、これでうっかり間違ったモードで入力してしまうことがかなり少なくなるでしょう。これはかなり嬉しい新機能です。
ただ、いちいち「ひらがなで入力します」みたいなメッセージが出てきて鬱陶しいので、設定で「簡易」モードにして「あ」「A」等のアイコン表示のみに切り替えてやるとかなりスッキリ見やすくなりました。

ATOK ナビ(簡易表示)

そんなところかな。日本語変換の精度なんかはもう 2〜3 代前の ATOK でほぼ完成の域に達しているので、バージョンアップによる変更点の多くが推測変換ATOK ナビといった入力支援系に移っている、というのが最近の傾向でしょう。最近 MYCOM PC WEB のコラム
http://pcweb.mycom.co.jp/column/gyokai/gyokai202.html
にもありましたが、今回の ATOK15 での関西弁対応に始まった方言研究への取り組みや「VoiceATOK」への挑戦など、お世辞にも賢いとは言えない某 IME にはない付加価値を見出そうとしています。Netscape や MS Office に競合する数多くのオフィススィートのように「息も絶え絶え」な製品とは違い、IME に限って言えば「MS の手が回りきっていない」部分がたくさんあります。敵は「タダ」という免罪符を掲げているだけに、必ずしもシェアで勝てると言うことはないでしょうが、ATOK を愛するユーザーは確実にいるわけで。ATOK9 の頃から愛用しているユーザーとしては、がんばってほしいところです。

あ・・・そういえば、インターネットディスク、累計 100MB になったなぁ。今まで 1Byte も使っていなかったんですが、いつの間にやら Web 対応していてサイトのファイル置き場にも使えてしまうんですよね。そろそろサーバのディスクスペースも残り少なくなってきたし、使ってみようかな。


[ Do you want a Cyber one? ] 2002/02/21(Thr)
Sony が Cyber-shot および Mavica の新製品を発表。
http://news.sel.sony.com/pressrelease/2042
http://www.dpreview.com/news/0202/02022005sonydscp.asp
http://www.dpreview.com/news/0202/02022006sonycdmavicas.asp
Cyber-shot の新製品は「DSC-P71」「DSC-P51」および「DSC-P31」。Mavica の方は「MVC-CD400」と「MVC-CD250」。
見た感じ、DSC-P71 は P シリーズの初号機「DSC-P1」のマイナーチェンジ版、P51 はその P71 のレンズ周りを少々変更しただけのようなものに見えます。P5 では沈胴式レンズは二段に伸びる方式に変更されているため、仮に P71 が P5 の後継だとしたらレンズ周りも P5 のものを踏襲してくるはず。サイズ 112.5(幅)×53.8(高さ)×36.2mm(奥行)の P5 に対して P71 が 125×58×44 mm とサイズが増している(ちなみに P1 は 113.0×43.8×53.9mm)ことからも、P5 の直接の後継機、というわけではなく、現在 DSC-P50/P30/P20 がいるレンジを狙って出してきたものと思われます。
DSC-P の後の型番が 2 桁であることもそうなのですが、使用するバッテリがソニーのカメラ用バッテリの代名詞「インフォリチウム」ではなく、単三型 Ni-MH(ニッケル水素)電池であることも、市販のアルカリ電池を利用できる(現在の P50 他はインフォリチウムと単三電池のハイブリッド)手軽さがウリのこのシリーズの後継であることを物語っています。
容積ベースで言うとローエンドの P31 はともかく、上位 2 機種に関しては従来機の 126.0×61.2×53.7mm という筐体サイズと比べて 30%近くものダイエットに成功しています(重量は逆に若干増。ちなみに筐体の材質は金属ではなくプラスチックのようです)。これまでの DSC-Px0 シリーズは P1 にデザインこそ似ているもののサイズは似てもにつかなかったため、Cyber-shot は欲しいけど安くて大きいモデルを買うくらいなら他メーカーで、といって流れがちだった向きにも十分にアピールできるレベルになってきたといえます。Cyber-shot のシェアを拡大する上で、P1 サイズをローエンドにまで持ってくることは命題であったに違いありません。
新シリーズでは、サイズ的なものと同時に、各モデルでの性能の底上げも図られています。これまではローエンドから順に有効画素数 111 万、123 万、198 万とあまり「欲しい」と思えない画素数でしたが、P51/P31 では 2.0 メガピクセル(おそらく 198 万画素)、P71 では 3.2 メガピクセル(おそらく 321 万画素)と、こちらも P5/P3 と肩を並べられるくらいにまで上がってきました。
日本で発売されるとなると、P71 は P3 と同じくらいの価格(\50,000 程度?)、P51 は \40,000程度、P31 は \25,000〜\30,000 程度くらいになってくるんじゃないでしょうか。P5 の下のラインを狙うとするとそれくらい戦略的につけてこなければなりませんし、また最近最も売れ線である 2〜3 倍ズームのコンパクト機(主に IXY DIGITAL シリーズ)とぶつけることを考えてもその程度になってくるんじゃないでしょうか。逆にそこで画素数だけ高くて単焦点、と中途半端さの目立つ P3 はフェードアウト、廉価版は Pxx に任せて P シリーズのフラッグシップとして P5 の後継 P7 を秋に 400 万画素で、という今年の P シリーズの描くシナリオが見えてきそうです。

一方、Mavica シリーズ。個人的にあまり興味がないのでよく調べていませんが(笑)、CD や FD がメディアであることから法人レベルでの使用がかなり多いようで。しかし Mavica も 200〜300 万画素クラスになってくると FD 1 枚に画像が 1 枚すら入りきらないという次元になってきたので、今後 Mavica といえば CD-R デジカメのことを指す、という風になってきそうです。

っていうか、最近仕事が忙しくて英語の資料を読む気力が沸かない・・・。というわけで、仕様表レベルまでしか目を通してません。詳しくは日本版が発売されるときに、ということで。


ソニーがデジタル一眼レフ向けの 1.8 インチ 615 万画素 CCD「ICX413AQ」を発表。
ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200202/02-0220/
PC Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0220/sony.htm
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/02/20/20.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/tech/article/2002/02/20/633764-000.html
F707 が搭載した 502 万画素(総画素数 524 万画素)CCD が出てきたときも「すげぇ」と思いましたが、その上をいく 615 万画素(総画素数 631 万画素)ですよ。もうどういう世界なのか想像もつきません。
でもそれよりもすごいのは CCD のサイズ。今までのデジカメ用 CCD のサイズなんて良くて 2/3 インチ程度だったのが、この「ICX413AQ」では一気に 3 倍弱の 1.8 インチ。CCD が大きいということは通常の銀塩一眼レフと同じレンズが使えるということですから、画素ではなくてレンズレベルでの画質の向上が期待できます。そろそろ高画素化競争も停滞してきたというか、単純な画素の向上が必ずしも画質に貢献する訳ではないですから、レンズや画像の変換アルゴリズムといったものを総合したカメラの総合力がものをいう(私のような素人ではなくて、プロだけに解る世界でしょうが)時代になってきたんでしょうね。そろそろデジカメが「カメラ」として銀塩カメラと同じ地位に就こうとしていることの現れだと思います。

しかしこの CCD、F707 の後継モデルには、サイズ的な問題があって載せられそうもないですね。仮に載せてきたとしても使える画素が今の F707 より少ない、ということになりそう(^^;レンズも変えなくてはならないし、そうなるとフルモデルチェンジになるか CCD 据え置きのマイナーチェンジモデルになるか。
まだ F707 に「使われている」レベルの私はあと 3 年は買い換えないつもり。でもワイド端が大幅に改善されていたら分からないですが。でも、この CCD のサンプル価格が \600,000 ということなので単純に考えてもカメラとしての製品価格は \700,000。F707 の後継機が \700,000 なんてことはないだろうなあ(笑)。


このソニーの CCD 発表のニュースに呼応するかのように、ニコンが 600 万画素クラスの製品と、かつて Cyber-shot の「お家芸」であった回転レンズを全面に出した製品を発表してきました。
Nikon D100
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/whatsnew/2002/d100_02.htm
COOLPIX2500
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/whatsnew/2002/e2500j_02.htm
D100」の方は早くも名機「D1X」の後継か、と思いきや別ラインナップ。「D1」シリーズがニコン銀塩のフラッグシップ「F5」のデジタル版ならば、「D100」はハイアマチュア向け銀塩カメラ「F100」のデジタル版、という位置付けのようです。ニコンのカメラって詳しくない(というかカメラ一般それほど詳しくない)のでよく分からないのですが、カメラとしての機能や画づくりが D1X と D100 では違う、ということになるのでしょうか。マニュアルモードの設定値の幅広さとか。画素数でいったら 600 万画素超の D100 の方が上ですが、それでも D1X の方が 3 倍近い価格をつけているということは、レンズから何から全然違うんでしょうね。
ちなみに、D100 がソニーの 600 万画素 CCD を使うという記述は見あたりませんでしたが、自前なんでしょうか。

回転レンズの「COOLPIX2500」の方は、これまで手堅いデザインが基本だったニコンの製品にしてはいやにポップで受けの良さそうなデザイン。回転レンズは何もソニーの専売特許ではなくてニコンも「COOLPIX995」系統等で以前から出していましたが、今回のは今までになかった斬新なデザイン。今までは、カメラ本体とレンズ部がはっきりと分離した 2 ピース構成という感じだったものが、今回の回転レンズは本体に埋め込まれた(ニコン曰く「インナースイバルデザイン」)レンズが回転し、電源オフ時にはレンズを仕舞う構造も兼ねている、という斬新さ。回転レンズの利便性を持ちながら、携帯時のコンパクトさも犠牲にしない、なかなかやるねぇニコンさん。しかも 3 倍ズームつきで画質は銀塩譲り、デジカメの黎明期から定評の高いニコン製、とあれば、客観的に見てもかなり魅力的な製品であることには間違いありません。できれば私はソニーに F55 シリーズをこういう形で復活させてほしかった(^^;

なんか今年は例年になく気合いが入って見えるニコン。以前から「中身はいい」製品を出していたにも関わらず、デザインやブランドイメージ、CM 戦略で他社に後れを取りがちに見えたニコンですが、ようやくカメラマニアだけでなくあらゆるレンジのユーザーに対する訴求力を高めてきたか、という感じです。D100 の投入は従来のニコンの方向性の延長線上にあるものでしょうが、COOLPIX2500 は明らかに今までのニコンとは違う気合いが感じられます。もしかして、今年のデジカメ市場の「台風の目」はニコンの COOLPIX2500 シリーズ、ということになるかもしれません。


[ Network... ] 2002/02/20(Wed)
今日から Sony Style で新製品クイズが始まりました。
http://www.jp.sonystyle.com/Network/
ソニーが近々発表する新製品の名前当てクイズ、ということらしいのですが、今のところその詳細はほとんど謎に包まれています。土日を除く毎日 15:00、違ったヒントが発表されるということなのですが、〆切がプレスリリースの発表日、と何の前触れもなく突然やってくる〆切なのでスリリング。
現在与えられているヒントは、

> それは、未来のネットライフスタイルへ直結する
> メインストリーム
> ヴィジョンが現実になる瞬間、もう目前です。

ということと、今日のヒント

> メモリースティック?もちろん対応です。

ということ、そして製品名称が

> ネットワーク・・・・・・?

になる、ということだけ。

これだけじゃさっぱり分かりません。
ネットワークウォークマンの最新モデル、という答えじゃあまりにありきたりすぎるので、私なりにちょっと考えてみました。でも、某ネットワークオーディオサイトオーナー予想と被らないようにしないと(笑)。

まず、「ヴィジョン」という言葉が最もヒントになると思います。何かしら映像に関わる製品であることは間違いないでしょう。Macintosh と VAIO がローエンドの一部のモデルを除きラインナップのほぼ全てを液晶ディスプレイモデルにしたことや、21 世紀を「液晶世紀」として全てのディスプレイ/テレビ製品を液晶に切り替えたシャープなどの例を見ても、ディスプレイを使うとすれば何らかの液晶モニタを搭載した製品である可能性は高いのではないでしょうか。また、液晶モニタ採用ということになると、ポータブル製品である可能性も高いです。ノート PC、ヘッドホンステレオ、デジタルビデオ/スチルカメラと取り扱い製品の中にポータブル製品の占める割合の高い Sony Style の状況から考えても、その線の方が濃厚なのではないかと思います。

次に、「ストリーム」。ストリーム、といえば本田技研の人気車種、ではなくて、やはり VAIO ユーザーならば「ストリーミング」という単語を連想するでしょう。オーディオファイルをネットワーク上のサーバから直接ストリーミング再生できるタイプの新しいネットワークウォークマン、という想像もできますが、「ヴィジョン」という単語があることを考えても「ストリーミングビデオ」の方に近い製品なのではないでしょうか。

また、「ネットライフスタイル」という単語を合わせて考えると、airboard のコンセプトに近いものではないか?という予想もつきます。ネットワークエアボード、というのも考えましたが、既に現行の airboard で無線 LAN に対応しているだけに、ちょっとインパクトに欠けます。しかし、ネットワークとの親和性が高く、何かしらのストリーミング再生を視野に入れた製品であることは、「ネットライフスタイル」という言葉からも想像がつきます。

そこで私が予想したのは「ネットワークビデオウォークマン」。DVD ウォークマン「D-VM1」なんかは発展途上ながらもなかなか面白い製品なので、ソニーさんもけっこう実験的にこっち方面の製品に力を入れてきそうな気がします。それに、ソニスタのお客さんなら一般店舗のお客さんよりもそういう実験的な製品に対する食いつきが良さそうですし。
イメージとしては、ネットワーク経由でビデオをストリーミング再生できるウォークマンで、あまり具体的なところまではまとまっていませんが、ストリーミングビデオサーバにしたデスクトップ VAIO の Giga Pocket のビデオを再生したり、PHS を使ってインターネット上の動画ファイルをストリーミング再生したりする(ちょっとまともな「eggy」のようなイメージ?)ものではないでしょうか。メモリースティック内のビデオデータの再生やダウンロードした映像の保存にも対応していたりして。

というわけで、現時点での私の答えは「ネットワークビデオウォークマン」です。
ソニスタらしさ、とか話題性、とかいったことも考慮してあえて少し突飛な回答を出してみたんですが、どうでしょう。
みなさんも応募してみましょう。


[ BeoSound 2 ] 2002/02/18(Mon)
週末、天気が良かった(っていうか暑いくらい)と思ったら、今日はいきなり雪。寒いのなんの。外出日和だったのってホントに土日だけでしたね。どうやら今度の週末もぐずつくみたいだし、ちょうど良いタイミングで写真を撮りに行けたようです。今度の週末を逃すと徐々に雪も少なくなり始めるので、運良く晴れてくれて良かったなぁ。

シグマリ II での PHS 位置情報サービスなんですが、その後、DoCoMo PHS ユーザーの人に聞いてみたところ、DoCoMo の PHS ではけっこう正確に位置が取れる模様。結局 DDI Pocket 向けの位置情報サービスって最寄りの基地局の位置を示しているだけに過ぎないらしいのですが、「いまどこサービス」のインフラが使える DoCoMo の PHS ではちゃんと複数の基地局が受信する電波の強弱から判断してかなり正確な位置まで割り出せるそうです。このあたりはさすがに「いまどこサービス」を以前から提供している DoCoMo に一日の長があるということができそうです。ただ、DoCoMo の PHS は電波の安定性にしろ通信料金にしろ DDI とは比べようもないところが問題。結局のところメインは通信であり、位置情報サービスはおまけでしかないわけで、それだけのために DoCoMo に乗り換えるのもなぁ、という感じです。16MB のフラッシュメモリ内蔵で唯一の CF スロットを有効活用できる「P-in memory」なんかはちょっと魅力的なんですけどねぇ。


さて、今日は個人的にちょっと気になっているニュース。私の大好きな「Bang & Olufsen」がシリコンオーディオプレイヤーを発表しました。
BeoSound 2
http://homepage1.nifty.com/bangandolufsen/Products/system/beosound2.htm
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/bursts/0202/15/07.html
「BeoSound 2」といっても、MP3 プレイヤーとして 2 世代目にあたるわけではなく、「BeoSound 1」は CD ラジオですし、他にもある「BeoSound」シリーズはそれぞれ違うスタイルの製品と、特にポータブルとかシリコンオーディオにまつわるブランドではなく、B&O がリリースするオーディオ製品全般につけられるブランド名のようです。
最近のフラッシュメモリ採用シリコンオーディオプレイヤーとしては特に小ぶりというわけではありませんが、B&O らしいデザインで、なおかつ B&O ですから音もけっこうなものであると想像できます。一度聴いてみたいです。
名作「A8」ヘッドホンがかなりのお気に入りになってしまった私としても欲しいところなんですが、何しろ高い!ポータブルプレイヤー 1 個で \8 万ですよ \8 万。メモステウォークマンが 2 個買えます。あ、でも A8 なんてそれまでお気に入りだった EX70SL が 3 個買える値段だから、それから考えるとむしろ安いのかも!?とか思ってみたり(^^;ソニーとの音の差を考えると 3 倍は妥当なのかな・・・。
最近、MD ウォークマンが死にかけていて、デザイン的にも気に入っているし MDLP 対応だしで修理するか買い換えるか迷っているところなんですよね。繋ぎに初代 Music Clip を引っ張り出してきて使っているわけなんですが、なんかそれなりにいい機器で聴き慣れていると音が悪い(^^;A8 で聴いても耳に「当たる」感じの音なので、MD を修理に出して何かいいシリコンオーディオプレイヤーを買おうかな?と思い始めています。たぶん何台も遊ばせているに違いない某ネットワークオーディオサイトオーナーに交渉してみるという手もありますが(ぉ
とりあえず、発売になったら秋葉のヤマギワに聴きに行ってこよう。


[ 冬野 ] 2002/02/17(Sun)
一週間前の連休中に大雪に見舞われて以来、ずっとぐずぐずした天気の続いていた北陸地方ですが、運のいいことにこの週末はとても良い天気でした。で、前から行きたいと思っていた平村は冬の五箇山(ごかやま)へ。
五箇山は、岐阜県の白川郷と並び、世界遺産として名高い合掌造(深い雪から建物を守るために急な角度で合わせた茅葺き屋根が両の掌を合わせたさまに似ていることから、合掌造と呼ばれています)集落があることで全国的にも有名な地方です。
一年前の冬、たまたま会社の社員旅行で行った白川郷の景色がすごく良かったので、今度はカメラを持って行きたい、と思っていたんですが、白川郷はちょっと距離があるため近場の平村にすることにしました。

いま 野には 大きな竪琴のやうな夕暮れが懸かる。
厳粛に切られた畝から畝へ霜がむすび、風の長い琶音がはしり、最初の白い星がひとつ もつとも高い鍵を打つ。

富山の市街地の方では、連休中に積もった雪もほとんど解け、路肩に黒ずんだ残骸を残すのみとなりましたが、山の方ではまだまだ雪は深く、とても車で二時間で来た場所とは思えないほど。さすがに自動車の通る道は除雪され、通り易くもなっているのですが、村落の中は人が通るところ以外はほとんど雪。路の両脇には人の高さほどもあろうかという雪が、層をなしていました。

冬は古代のやうにひろびろと枯れ、春はまだ遥かだが
予感はすでに天地の間にゆらめひてゐる。

空気の色も、匂いも、味も、都会のそれとは全く違っていました。
せかいを覆う雪も、この冬に最初に積もってからまだどんな人の手も入っていないところ、たくさんありました。
でも、人の手が入らないようなところに、狐か何かの足跡を発見。何か、はっとさせられます。

わたしは此の暮れゆく晩い土をふんで わたしの手から種子を播く、夕日のやうにみなぎつて 信頼のために重い種子を。
それは沈む、深く仕えるもののやうに、地底の夜々を変貌して おもむろに遠い黎明をあかるむために。

辺り一面の白の中に集まって立つ、黒い三角屋根。掌に守られて冬を越す、そんなイメージが、山で三方を、海で北の方角を塞がれた地方の民族性とどこかオーバーラップします。何かを大切に守ることに長けた、悪く言えばどこか閉鎖的な、この地方の縮図であるのかもしれません。

きよらかな 澄んだ凝縮が感じられる。
ただ周囲の蒼然たる沈黙のなかで わたしの心が敬虔な讃歌だ。
そしてもう聴いてゐる、とりいれの野が祭のやうな、燃へる正午が翡翠いろの海のやうな六月を・・・・・・。

喧噪、という言葉とは無縁な村落でしたが、かといって廃れているというわけではなくて、人の生きている息遣いのようなものは、確かに聞こえてきます。ひっそりとしてはいましたが、そこにはれっきとした「暮らし」がありました。
世界遺産に指定されてからというもの、観光地としての産業や景観の保護のために村民の暮らしがずいぶん制限されている、という話は聞きましたが、時期柄か、人はさほど多くなく、気分をリフレッシュさせるのにはとても良い場所だったと思います。

ちなみに、今回の撮影には、DSC-F707(撮影用)、DSC-P5(スナップ用)に加えて先月上京した際に密かに購入していた F707 用の花形レンズフード偏光フィルタキットを携行しました。フィルタキットの方はとりあえずレンズプロテクタのみ使用し、今回は偏光フィルタは利用していませんが。それぞれフィルタ・レンズフードの有無でどの程度画が変わるか比較していないので、今度天気の良い日にでも比較テストがてらどこかに撮影に行こうと思います。
冬場は忙しくてなかなか F707 の出番がなく、デジカメといえばもっぱら P5 ばかり持ち出していましたが、やっぱり使ってみると F707 の方が全然良いですね。比べるとどうしても P5 はオモチャにしか思えません(^^;
しかし写真を撮りに行くといつもワイド端の足りなさに嘆いてしまいます。光学 5 倍ズームのお陰で「寄り」の映像はかなり寄って取れるんですが、「引き」が全然引けない。高いけど、ワイドコンバージョンレンズを買おう。


撮影の帰り、このあたりは蕎麦の美味しい地方ということで、蕎麦を食べに寄り道してきました。何気なく寄った蕎麦屋さんで、定番の山菜蕎麦か鰊蕎麦でも賞味して帰ろう、と思ったんですが、店内の貼り紙にあった「熊肉そば」の文字に妙に気を引かれてしまい、発注。

熊肉そば

本当に熊の肉が入っています。蕎麦も肉も量的に大したこともなさそうだったのですが、非常に野性味あふれる肉に、丼の中にたっぷりと溶け込んだくまエキス、そしてつゆに浮くくま脂。手打ちの蕎麦も珍しい熊の肉もすごく美味しかったんですが、とてつもなくパワフルで重い・・・。帰りの車で、胃の中で熊が暴れているような感覚に囚われました(笑)。でもなかなかの珍味です。機会があれば、一度ご賞味を。


[ C1 Carbon-up ] 2002/02/16(Sat)
2/14 の Column で書いた C1VJ のルックス加工には、実は続きがあります。バッテリとヒンジの変更によって一応旧 VAIO カラーの部分はなくなりましたが、SNC1 の蓋だけ古い色のまま(バッテリ部の色とは微妙に違うんですが)なのがちょっと気に入りませんでした。
最初、ks さんに C1VJ のカーボンルック加工をお願いしたときに、底面および SNC1 の蓋の加工もお願いしていたんですが、さすがに底面は凹凸や吸排気孔が多く、そちら側のカーボンルック化は無理でした(その後 ks さんの加工技術も格段にアップしたそうなので、今ならばフルカーボンルック化もお願いできるかもしれませんが)。それを思い出し、メモリの蓋くらいなら私にもできそうかな?と思い、やってみました。

ワコー「NATURAL LAND」カーボンルック加工用のカッティングシート。ワコーという会社の「NATURAL LAND」という製品です(詳細よく知らない)。イエローハットにて購入。\1,980(定価 \3,000)。たかだか数 cm2 のためにはちょっと高価です(泣)。
おそらくカー用品店であればほぼどこでも手に入るはずなので、入手は容易だと思います。
蓋のサイズに合わせてカットするSNC1 の蓋のサイズに合わせてシートをカットします。私はあまり深く考えずに蓋のサイズ+折りしろくらいの大きさで適当に長方形にカットしましたが、折り曲げ・折り込みまで考えて展開図を作った方が仕上がりはきれいかもしれません。ま、今回のは小さめなのでアバウトにやっても大丈夫だとは思いますが。
なるべくカーボンルックの編み目がまっすぐになるように気をつけます。ナナメったら格好悪いので。
貼るおもむろに蓋に貼り付け、四辺を折り曲げます。四隅に余りができるのですが、私は適当にハサミで切った後、きれいに伸ばしてやりました。シートの厚みで蓋が閉まらなくなるとイヤだったので、今回は特に折り込みはせず余った分を四辺に沿って切り取りました。どうせ筐体が咬んでくれるので剥がれてくることはないだろう、という判断です。
つけるあとはネジ穴の部分に穴を開け、ネジで留めるだけ。
本当は貼り付ける段階で空気が入らないよう霧を吹きながら作業したり、ドライヤーを当てて熱で伸ばしながら作業するのがセオリーなんですが、小さいし貼り直しもきくので普通にペタッで大丈夫でした。気泡が入ってしまわないように丁寧に作業する必要はありますが、Palm の液晶保護シートで慣れていたので大丈夫でした(笑)。
カーボンボンネット風!?作業はけっこう簡単に終わってしまいます。天板をカーボンルックにしたときも思ったんですが、ちょっと走れるクルマのカーボンボンネット風でかっこいいです。「チューンしてあるぞ」感が出ているかな。

もともと蓋の色が気にくわなくて試した蓋のカーボンルック化でしたが、よく見ると蓋も擦れてけっこうテカってきていたのでちょうど良かったです。いくら L バッテリを常用しているとはいえ、底面は多少擦れるのでどうしてもテカってきてしまうんですよね。
そんなわけで、ずっとやりたいと思っていた SNC1 の蓋のカーボンルック化が成功しました。本当はカー用スプレーかタミヤカラーあたりで合う色を探してきて塗ろうかと思っていたんですが、こっちの方が手軽そうだったので(笑)。

で、余ったカーボンシートどうしようかな。50cm×50cm とかあるのでまだ 90%以上余ってます(笑)。クルマのインテリアでもカーボンルックにしてみるか?


[ Travelstar 40GNX ] 2002/02/15(Fri)
IBM が ディスク回転数 5,400rpm/40GB の 2.5 インチ HDD を発表しました。
ニュースリリース
http://www.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2002/02141
PC Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0214/ibm.htm
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/02/14/50.html
東芝が 2/6 に「MK4019GAX」を発表したばかりですが、後を追って IBM からも出てきました。2.5 インチ HDD メーカーの両雄、相譲らずといったところでしょうか。今後ほどなくして富士通日立からも同様の製品が発表されることでしょう。実際の製品はどこがいの一番に市場に投入してくるかも、目が離せないところではあります。
シリーズ名は「Travelstar 40GNX」。2.5 インチ HDD であることを示す「Travelstar」(3.5 インチ IDE は「Deskstar」、SCSI は「Ultrastar」)に最大容量の「40G」、9.5mm 厚を表す「N」(12.5mm 厚は「H」)に新シリーズ「X ファクター」シリーズであることの証「X」がついています。「X ファクター」とは、超高速(eXtra-fast)、超スマート(eXtra-smart)、超薄型(eXtra-lean)を意味するものらしいですが、ここまで「超」を並べられるとちょっと前の女子高生みたいですね(^^;(全くの余談ですが、大学時代の理科系の教授が「『超』というのは『超新星』のように本当に常識を超えた状態を表現するためのものだ。今のように何にでも『超』をつけるのは『超』という言葉の意味を殺してしまう。逆に、『チョー↑新星』でもイカン」というようなことを仰っていました(笑))。
そういえば、東芝の 5,400rpm ドライブは「MK4019GAX」でしたね。末尾に「X」をつけるのが流行っているのでしょうか。
IBM の現行 40GB ドライブ「IC25N040ATCS04」がようやく \30,000 を切り、そろそろ私も C1VJ 用に 1 本買おうかな、と思っていたところでしたが、高速なドライブが出るのでもう少し待ってみようと思います。とりあえず今の IC25N030ATDA04 で容量的には困っておらず、どちらかというと高速化のために欲しかったので。この新ドライブが \30,000 を切るのはいつ頃でしょうか?その頃になると今度は 9.5 インチ/60GB という声が聞こえてきそうですが・・・。

今日はもう一件 IBM 関連のニュース。2/8 の Column で「最近 IBM は WorkPad にあまり力を入れていないみたい(本体以外の周辺機器その他の販売は全て Palm Computing 側に任せてしまったっぽい。Palm はもうとりあえず、という感じで新しい方向に行こうとしている?)」と書いた矢先、IBM が現行の「WorkPad c505」を最後に WorkPad シリーズを打ち切ることが明らかになりました。
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0202/14/e_workpad.html
ケータイ Watch の記事
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/0,,8226,00.html
CLIE の圧倒的な人気と Palm m505 の堅実な売れ行きに押されて影が薄くなりがちだった WorkPad c505 ですし、IBM の売り方を見ても力が入っていないことは明らかでしたが、打ち切りとなると残念な気がしてなりません。今でこそ少数派になってしまった WorkPad ですが、「WorkPad 30J」で初めて日本語版 PalmOS をもたらしたのは WorkPad でしたし、「WorkPad c3」は私が初めて手にした Palm デバイスでした。c505 は現在も仕事にプライベートに毎日持ち歩く私のメイン PDA となっています。そんな、個人的にも Palm 界全体としても歴史のある「WorkPad」ブランド(そういえば、マニアックなところでは「WorkPad z50」なんてのもありましたね。WinCE 搭載の H/PC で、しかもすぐ消えてしまいましたが)がこれを限りに消えてしまうのは、やはり寂しい気がします。
WorkPad といっても結局は Palm Computing からの OEM 品に過ぎないので、クライアント PC 事業の縮小という流れの中で Palm とのハードウェア的・ソフトウェア的な差異を作れないまま、次第に WorkPad の位置づけ自体が宙ぶらりんになってしまった結果であるといえます。とはいえ WorkPad ブランドがなくなった後も、IBM では Palm Computing 社の Palm デバイスを販売するつもりのようですが、あの漆黒の筐体と IBM ロゴの入った Palm デバイスはこれが最後になってしまいました。
今後 IBM が開発する PDA は「MetaPad」ということになるのかもしれませんが、こちらはまだまだ研究段階という雰囲気ですし、これがこのまま現在の PDA と直接競合するものかどうかすら分かりません。ただ、分かっているのは「WorkPad」という思い入れの深いブランドネームが今後無くなってしまう、ということだけです。

ジョグダイヤルとハイレゾ液晶も使いたいし、そろそろ CLIE に行ってみようかな、と思っていた私ですが、幸か不幸か WorkPad という選択肢が無くなったので次は CLIE に行かざるを得なくなってしまいました。次の Palm にしろ カラー版 Edge の噂がある Visor にしろ、ジョグの採用は考えにくいですから、デザインや他の機能にもよりますが、次は CLIE になるだろうなあ。たくさんあるメモステの資源も活かせるし。16MB で \10,000 近くした Palm 純正の SD メモリカードはもったいないですが(^^;
というわけで、夏頃と予想される CLIE のニューモデルには注目してみたいと思います。


[ 私的パートナー ] 2002/02/14(Thr)
先日るう。さんの S-MX に乗って温泉に行った際、C1MRX でのナビを見せてもらったんですが、ナビ台(台、というよりはステーに近い)の固定に旧型バッテリ PCGA-BP52 のヒンジを利用するため、専用の PCGA-BP52A/L ではなくて敢えて PCGA-BP52 を使っており、C1MRX の本体カラーと BP52 の旧 VAIO カラーが微妙にマッチしていないのに気づきました。
今後、旧カラーの 505/C1 用バッテリは流通在庫がなくなるとあとは保守部品として VCL あるいは UPGRADE AREA から直接購入する以外は、旧型機ユーザーもこの新しい色のバッテリを使わざるを得なくなります。で、るう。さんの C1MRX を見ながら

「ウチの C1VJ に新しいバッテリをつけるとこの逆のイメージになるのか・・・」

「でも、色が合わなくなるのってヒンジの部分だけだよなぁ」

「っということは、ヒンジさえ手に入れてしまえば新色のバッテリでも全然問題ない!?」


・・・というわけで、C1MRX 用のヒンジを○○○の××で▲▲▲▲てみました。

ヒンジカバー&TrackPoint キャップC1VJ のヒンジカバー&TrackPoint キャップ(写真左)と C1MRX のヒンジカバー&キャップ(右)。
伝統的な「VAIO カラー」だった C1VJ と違い、C1MRX をはじめとした最近の VAIO ノートで使われている「VAIO カラー」はほとんどネイビーに近い色合いになっていますね。
パーツ価格はヒンジカバーがそれぞれ \300、TrackPoint キャップが 2 個セットで \700、計 \1,365(税込)でした。
っていうか、TrackPoint キャップ高すぎー。ThinkPad 用のは 2 個だか 3 個入って \300 なのに。
TrackPointTrackPoint のキャップを交換してみたところ。キーボードの色とほぼ同じか若干紫がかっていた旧タイプのポインティングスティックと比べてずいぶんと引き締まったイメージです。
最近キャップの滑り止め加工(ファイバーが埋め込んである。参考 URL: http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/9946/trackpoint.htm)が剥げてツルツルどころかトゥルトゥル(笑)になってきて交換したいと思っていたのでちょうど良かったです。
L バッテリヒンジだけじゃなくてバッテリもネイビーに。C1MRX 用の新バッテリ「PCGA-BP52A/L」も一緒に購入しました。新バッテリといっても別に容量が増えているとかいうわけではなくて、単にガワが C1MRX カラーに変更されただけのものです。しかしバッテリってなんでこんなに高いの・・・。ま、最近ヘタってきていてバッテリ駆動しながら AirH" で通信だとバッテリが 3 時間くらいしか持たなくなっていたので、ちょうど買い換え時期だったし良いんですが。
PCGA-BP52A新旧バッテリのラベル。双方とも「PCGA-BP52A」となっていることがBP52A と BP52A/L の中身が同じことを示しています。初代 BP52 は構造的な問題があり、一度微妙な仕様変更が加えられた後 BP52A で容量が増えたのと同じタイミングで根本的に折り曲げ構造が変更されていますが、今回は色以外は全く同じになっています。
カーボンルック with ネイビーブルーというわけで、装着してみました。カーボンルックの黒とバッテリ周辺のネイビーが相まって、ひじょーに渋い感じに仕上がったと思うんですがどうでしょう?
ここまでくるとホワイト×パープルという C1VJ の初期状態とは全く印象が異なってきます。
Looks Chic開いたところ。
内側はデフォルトのグレーのままですが、バッテリと TrackPoint のネイビーがワンポイントで入るだけでかなり締まって見えます。C1Xx と違ってクリックボタンがパープルでなくガンメタだったのも、結果的に統一感を出しています。
この際 C1MRX の英語キーボードも取り寄せてみようかとちょっと思いましたが、却って見た目のバランスが悪くなって駄目か。

という感じで C1VJ の「なんちゃって C1MRX」化(笑)に成功しました。

ノート PC のように常に携行し、人に見られる機会が多いものだと特にそうなんでしょうが、改造やカスタマイズということに味をしめてしまうとどうしても「人とは違うマシン」に仕上げたくなってしまいます。ほぼ極限まで改造を施した(しのさんのご協力によるところも大きいですが)私の 505EX は人に見せても恥ずかしくないマシンだと自負していますが、C1VJ はなかなかハードウェア的に改造できる部分が少ないマシンです。そういうわけで、カーボンルックのような見た目系の改造に走り気味なのですが、そろそろ単なるカーボンルックじゃ物足りなく思い始めていたところでした。カーボンルック C1Vx は私のの他にも何台か存在するようですが、ここまでいじってあるのはまださすがにいないでしょう。
カーボンルックによって渋い外観になっていた C1VJ ですが、バッテリ部の明るめの紫がやや浮き気味だったので、これで全体的なまとまりが出てきたように思います。逆に白っぽい外装のままでバッテリだけブルーになっても違和感があったでしょうから、むしろカーボンルックはこのヒンジ・バッテリ交換のためにあった、と言っても過言ではないかもしれません。
あと、キートップの刻印やキーボード左上の「VAIO」ロゴ等、微妙に昔の VAIO カラーが残っている部分もありますが、その辺はご愛嬌ということで。あ、SNC1 の蓋も微妙に色が違うか・・・どうしようかな。

結局のところ自己満足に過ぎないのですが、マシンのパーソナライズというか個性をアピールできる改造は、性能アップのための改造よりもむしろ楽しみがあったりします。マシンはオーナーを映す鏡、と言ったら言い過ぎかもしれませんが、それなりに使い込んでいるユーザーは、そのマシンにも性格が表れるものだと思っています。外観にも、HDD 内にも、ときには挙動さえも(笑)。
パーツの単体入手には運や根気といった要素もあって簡単にはいかない場合もありますが、交換作業自体は比較的簡単です。興味のある方は試してみてはいかがでしょう。


[ 巨人の腕と僕らのてのひら ] 2002/02/13(Wed)
Intel が StrongARM をベースとしたモバイル向けプロセッサの新製品「XScale」を発表しました。
ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2002/020212a.htm
PC Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0212/intel.htm
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0212/mobile140.htm
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0202/12/n_xscale.html
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0202/12/n_peter.html
ARM ベースの CPU を搭載した PDA は既に PocketPC 各機種が発売されていますが、この「XScale」シリーズは Palm 端末にも採用されることがほぼ確実となっています。これまで高くて 33MHz 程度だった Palm の CPU クロックが一気に 200MHz 程度にまで引き上げられる模様。Pentium シリーズの MMX や SSE に似たマルチメディア処理向けの命令セットも用意されるようで、Palm での音楽や動画の再生がスムーズになることが期待されます。単なる PIM やモバイル Web 端末として使うだけであれば現在の Dragonball プロセッサでもそれほど困ることもないでしょうが、最近の Palm 端末が進もうとしている方向性を考えると、ある程度高い処理性能が求められるわけで、Palm 端末への ARM プロセッサの採用は必然ともいえます。しかし、順調に PocketPC 端末と大差ないハードウェア・ソフトウェア構成になりつつある Palm の現状に対しては、シンプルさを信条としていた頃からの Palm ユーザーとしてはやや不安であり、懐疑の念を禁じ得ないところでもあります。
ですが、当初から Palm プラットフォーム上での音楽・動画再生を目指してきた CLIE シリーズにとっては、ARM プロセッサへの対応は願ってもないことです。T600C で現在までの(ある意味でレガシーな)Palm 端末の集大成ともいうべきモデルを作り上げたソニーですが、XScale という新しいプロセッサ、PalmOS 5 という新しい OS を手にすることで、当初から目指してきた CLIE の「本質」とでもいうべきものに近づいていくのではないでしょうか。
ところで XScale で気になるのはやはりその消費電力でしょうね。XScale を搭載する Palm 端末はそれこそ Windows 95 くらいなら余裕で走らせることができるくらい高性能なのですが、当然それだけ消費電力も高いことは間違いないでしょう。フラッシュメモリを使うことでサスペンド・レジュームが瞬時に行えることから、こまめに電源を入れたり切ったりする運用によって 1〜2 週間は充電なしでも OK という使い方ができていた Palm ですが、音楽や動画が再生できるようになるとそれだけ連続稼働時間も延びてくるわけで。CPU の消費電力の増大が相まって、どれだけ日常的に「まともに」使える端末になるのか興味のあるところです。こればかりは実機が出てこないことには分かりませんが・・・。


ソニーから春モデル限定で CLIE PEG-T600C の新色「セレブレーションレッド」が登場。
http://www.sony.co.jp/sd/CLIE/celebration/
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2002/02/12/633526-000.html
赤です赤。写真で見る限りかなりビビッドな赤。なんかカラーバリエーションとデザインが相まってさらに Visor Edge っぽい雰囲気が増していますが、T600C はかなりイイ(少なくとも私の中では今までの CLIE の中で T600C がベストだと思ってます)ので、色の選択肢が増えるのは嬉しいです。ま、赤いからといって 3 倍速いわけではないんですが(^^;この「セレブレーションレッド」モデルを購入し、ユーザー登録するともれなく特製キーホルダーが貰えるようです。さらに「○○専用」という刻印まで入れてくれるサービスがあったらベストだったんだけどなぁ(笑)。ソニスタでやったりしません?(笑)。
「セレブレーションレッド」という命名にはおそらく春モデルということで新入学・就職祝いのプレゼントにどうぞ、という意味合いが込められているんでしょう。春じゃなかったら「ノーブルスカーレット」「パッションレッド」「コメットオブクリムゾン」「シャ○専用」でいいくらいの色合いですからね。

私は次あたりかなぁ。T600C はよくまとまっているしデザインも悪くないんですが、私としては使い勝手を向上させつつデザインにもう一ひねり欲しい気がします。とりあえず他に欲しいものがいろいろあるせいでもあるんですが・・・。でもやはり次のモデルは ARM ベースなんでしょうね。PalmSource Conference で見せたモックみたいなのだと当分不具合も多そうだから、堅実なものを期待したいんだけど、ソニーさんのことだからまた冒険してくるんだろうなあ。そういう点では完成度の高い T600C は買いなのかもしれません。しばらくは ARM ベースの CPU に対応した(あるいは性能を活かせる)アプリがしばらくは出揃ってきそうもないですし。

うーん、どうしようかなぁ。


[ PHS 位置情報 ] 2002/02/12(Tue)
連休中、東京に行っている間に、例のモバイルアトラス MX で利用できる「ここ Navi 位置情報サービス」がどの程度使えるものか、ちょっと実験してみました。試してみたのは連休中に立ち寄った秋葉原、新宿、立川の 3 駅です。どれもそれなりに大きい街なので、PHS 基地局の数も多いかな、と思って。

キャプチャ画像中のポインタは青が PHS 位置情報サービスが示した位置、赤が実際にいた位置(画像は加工してあります)です。

秋葉原秋葉原駅電気街口付近。
ホントは切符売り場付近にいるんですが、何故か位置情報は線路を渡った中央通り付近を指しています。
っていうか、画面外だし(笑)。
新宿新宿東口。
じゅらくビル(東口から地上に出てすぐ、ヨドバシグッドギア館に入る手前の辺り)にいるはずなのに、マルイヤング館の裏手にいることになっています。
立川立川駅北口。
ここではターミナルビルの入り口を指してます。ビックカメラ前にいるのに・・・。

どの駅でも誤差は 50〜100m といったところ。さすがに基地局の数もそれなりに多いせいか、100〜200m の誤差があった富山と比べると 1/2〜1/4 の誤差、といった感じですが、それでもドンピシャなわけではないので待ち合わせや歩行ナビに使えるレベルではないですね。通信料以外は無料のサービスだからいいようなものの、シグマリオンのようにバンドルされているマシンでなければ \2,400 でアプリを購入しなければならない(しかも試用不可)なのでお金を払ってまで使う価値はないでしょう。DoCoMo 端末だともう少し事情も違うのかもしれませんが、そもそも DDI より基地局が少ない(と思われる)DoCoMo でどれだけの精度が出るかは疑問です。
この「ここ Navi 位置情報サービス」の仕組みは特に公開されていないので分かりませんが、想像の範囲では
  1. 単純に、最寄りあるいは通信に使用中の基地局の位置をそのまま表示
  2. H" がハンドオーバー(基地局の切り替え)のために捕捉している複数の基地局の位置を割り出し、その中心(あるいは重心)となる点を現在位置と認識する
  3. 2 からさらにそれぞれの基地局が受信している電波の強さから、現在位置を算出する
のいずれかではないかと思います。ビーマップのサービスイメージからするとおそらく最も単純な 1 のイメージっぽいですが。誤差から考えてもそんな感じでしょう。

あとはちょこちょこ位置情報の取得に失敗するのが気になりました。通信自体はできているみたいなので、位置情報サーバへの接続に失敗しているのか、位置情報サーバがうまく位置情報を取得できていないのかまではちょっと分からないんですが、どうもターミナル駅周辺みたいに混雑している(=H" 利用者の多い?)場所で失敗する率が高いような感じ。
モバイルアトラスの地図自体はなかなか詳細で良いので、あとは位置情報の精度さえ高くなってくれればいろいろと使えるアプリになるんですけどね。

結局いきつくところは CFGPS なのか?


[ SO211i ] 2002/02/11(Mon)
SO210i に機種変更して以来、端末としての機能にはとりあえず満足してしまってあまり新機種に対する興味もなくなってしまったというか極端なことを言うと「FOMA?何ソレ?」というくらいの携帯電話方面なんですが、気づいてみると 211i シリーズが出ているんですね。ソニーの新端末「SO211i」がこの先週発売になっていました。
ニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/02/whatnew0204.html
製品情報
http://www.sonyericssonmobile.jp/product/docomo/so211i/
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0202/04/n_so211.html
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0202/05/n_so.html
ケータイ Watch の記事
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/0,,8058,00.html
年末に発売された au の「C1002S」に続く、ソニー・エリクソン名義での携帯電話端末第二弾、ということになります。ソニー・エリクソンの i モード端末としては初なんですが、型番は相変わらず「SO」シリーズのままですね。外観はソニー系のデザインで、内部的な構造とか設計にエリクソン側の技術やノウハウが積極的に活かされていく、というイメージなのかな。
私も連休の間に店頭でモックを見てきたんですが、個人的感想としてはイマイチかな。C1002S を見たときもそうだったんですが、それまであったどちらかというとシンプルなデザインイメージとは違ってちょっと無駄な曲線が増えたというか、なんか、イマイチなんですよねー。ZDNet の記事で写真で見る限りは悪くなさそうなんですが、実物を見て SO210i と比べたりしてみると無駄に大きくなったような感じがしてどうも・・・。重さも折り畳みタイプでは最小・最軽量だった SO210i から 10g ほど増えてしまっていますし。全体的に見て、シンプルによくまとまっていた SO210i に SO503i のデザイン的にいけてなかった部分だけを微妙にミックスさせてきた感じなんですよね。直線と曲線が絶妙にバランスしていた(と言ったら誉め過ぎか?)SO210i の美学が。美学が。
というわけであまり気に入らなかったので私は今回は見送り決定です。本当は、SO210i の塗装が早くも剥げてきた(毎日ポケットに入れて持ち歩いているせいか、私の使うケータイってどれも外装の傷みが激しいんですよね。丁寧に使っているつもりなのに・・・)のでちょっと機種変更するなりしたい気持ちもあったんですが。DoCoMo でガワだけ交換してもらおうかと思って聞いてみたら、(代替機は貸してもらえるものの)1 ヶ月くらいかかる、と言われてアウトでしたし(泣)、もうしばらくは SO210i で行こうと思います。211i シリーズのウリである 1.5GHz 帯とのデュアルバンドは田舎じゃ意味がないし、28.8kbps パケット通信なんて AirH" があったら必要ないし。

そろそろケータイも枯れてきましたね。新機種が出たといっても以前ほどときめかないし、FOMA だってあの大きさとパケ料では・・・。何か面白い動きってないものでしょうか。


しかし富山に帰ってきてみたら大雪ですよ。飛行機は降りれなくて 10 分ほど空港の上空で待ち状態になるし、空港に停めていたクルマにはずいぶん積もっていたし。今度の週末までは回復しない見込みだとか・・・憂鬱だなぁ。


[ 無印良品のシグマリオンケース ] 2002/02/10(Sun)
なかなか「これだ!」という製品に出会えず、とりあえずこの辺かな、というわけでサンワサプライの専用ケースに落ち着きそうだったシグマリ II のキャリングケースですが、先日掲示板で Hide さんに教えていただいた無印良品のナイロンケースを試してみました。

私、けっこうこういうガジェット周りの小物をあれこれ試してみるのって好きなんですよね(^^;


MUJI Nylon Passport Case
というわけで無印良品のケース。もともとパスポートケースとして販売されているものなので、旅行にまつわる小物系がいろいろ入るように小さいポケットがいっぱいついていて機能的です。サイズ的にシグマリ II にはぴったりすぎるので、内ポケットに何か入れる余裕すらないのですが(笑)。マジでシグマリにジャストサイズ。ホントはかなりいっぱいいっぱいなくらいです。Hide さんはあえて内ポケットを切り取ってベルクロでシグマリを固定しているそうですが、私は他にもっといいケースが見つかったときにこのケースは他に流用するためにそのままにしておきます(笑)。

like this
ホントにぴったりなこのケース。価格も \900 ほどなので失敗してもあまり痛くありません。
ソフトケースとしてみたときには例のサンワサプライのケースの方がいい感じなのですが、あっちはちょっと野暮ったいのでできれば使いたくないというか。誰かシグマリにジャストサイズでデザインも機能性も「おぉ〜」ってケース作ってくれないでしょうか。

MUJI PDA Multipen
ついでに買ってみた同じ無印良品の PDA 用ペン。黒・赤 2 種のボールペンにスタイラスがついている、いわゆる多色ボールペンタイプのものです。ちょうど WorkPad 用に買った STEADLER と機構(出したいペン先の方を上にして押す、ってこの説明じゃよく分かんないか)ですね。シンプルで質感もそこそこ。とりあえずシグマリと一緒にケースに入れています。


というわけで、悪くないんですがもう一声!という感じかなぁ。ミシンとか持ってればバラして内ポケットを外してクッション材を入れて完璧にするところなんですが。ていうか裁縫そんなに得意じゃないか・・・。
とりあえずこのケースでしばらく使ってみます。モノとしてはまずまずなので。無印の製品ってけっこう好きでいろいろ使ってるんですよね。
情報さんきゅーでした!>Hide さん


[ light the fire within ] 2002/02/09(Sat)
連休につき東京に来ています。1 月は 3 週連続で上京していたせいか、1 週間空いただけで久しぶりのような気がしてしまうのは何故だろう(^^;
しかも、東京に来たにもかかわらずソルトレイクなど観つつ過ごしているし。何しに来たんだい>自分


ところで。

先日会社で使っているマウスを光学式のものに変えたのに合わせて、マウスパッドを新調してみました。
けっこう PC 周りの小物系っていろいろ買って試してみる方なんですが、最近は決定版とも言うべきマウスパッドに辿り着けたので、当分違うのに買い換えなくてもいいかな、という感じです。
というわけで、本日は私が歴代使ってきたマウスパッドの中でも「これは」というのをちょっとご紹介します。

KOKUYO Hard-type MousePad
最初にお気に入りになったコクヨのマウスパッド。
硬いハードタイプマウスパッドだったため、当時デスクトップ機を床置きして使っていた(しかも絨毯だったし)にも関わらずこのマウスパッドのおかげでマウス操作は快適でした。表面に適度なグリッドがついていて、ボールが滑ってしまうこともなく使い勝手は上々。無難なデザインですが、気に入ってしまったので未だに持っています。
古い製品なのでもうラインナップからは消えていますが、マイナーチェンジ版と思われるものは発売中です。個人的にかなりオススメなマウスパッド。

Song Cheer Titan MousePad for TQ Series
自作機のケースをソンチアーの「TQ-700MkIII」(バッタ物じゃないよ!)に換えた頃に出たので買ってみたソンチアーロゴ入りマウスパッド。なんとチタン製
上記理由によりハードタイプマウスパッド派だったので、悪くなかったんですが、金属製ということで冬場にこのマウスパッドを使ってくると手がかじかんできます。そのうち摩擦でロゴのプリントが剥げてきたのもあって、コクヨのに戻しちゃいました。
ちなみにこのマウスパッド、年末に日本橋の某店にて \500 で投げ売りされていました(笑)。

POWERSUPPORT Airpad Pro (Graphite)
コクヨとソンチアーのマウスパッドが気に入ってこの 2 枚を 3〜4 年ほど使っていたんですが、会社用にマウスパッドが 1 個欲しくなって試してみたのがこれ、POWER SUPPORT という会社の「Airpad Pro」。シリコンゴム素材でめちゃめちゃ滑りがいいんですこれ。今まで使ってきたどんなマウスパッドとも違う操作感。
この POWER SUPPORT という会社、もともと Mac 系のサプライメーカーらしく、このマウスパッドも Mac のグラファイトカラーに合わせた感じなのですが、ヘタに VAIO カラーなんかよりはどんなマシンにも合わせやすくて良いです。
但し、半透明なためか光学マウスだとまともに操作できません。

POWER SUPPORT Airpad Pro (Black)
というわけで光学マウス用に、と買ってきた光学マウス対応 Airpad Pro。黒いので光学マウスでも全然 OK です。おそらくただ黒いだけじゃなく、表面にも光学マウスが正確に操作できるような工夫がなされているのかな?

AirSoles
光学マウス用 AirPad Pro にはマウスの滑りを更に良くするための「Airpad Sole」が付属しています(このソールがついているセットを「Airpad Pro 究極セット」というらしい)。普通にマウスの底面にぺたっと貼るだけなんですが、IntelliMouse Explorer のソールと同じ形状になっていて、IntelliMouse Explorer の場合は標準のソールを剥がして貼り替えることになります(ちなみに Apple Pro Mouse 専用版もあり)。
これをつけるとホントにマウスの動きが軽くなります。まさに「エアホッケーをしている感覚」。小さい頃からエアホッケーが大好きだった私はちょっとツボに(笑)。

このマウスパッドの使い心地はやっぱり使ってみないと分かりません。1 枚 \3,000 近くする高価なマウスパッドなのですが、それだけ払う価値はあると思います。マウスはマシンと人を繋ぐ最も重要なユーザーインタフェースなので、こういうところだけはあまりケチケチしたくないです。

ちなみに余ったグラファイトの Airpad Pro はボールマウスを使っている自宅の自作機に回すことにしました。


[ the Source of Palm ] 2002/02/08(Fri)
今日は久々の Palm ネタです。
先日 OS 部門の分割を完了し、OS 部門子会社の名称を「PalmSource」に決定した Palm ですが、新 OS「PalmOS 5」の Preview 版の公開や「PalmSource Conference and Expo」の開催など、ここにきてニュースが増えています。
OS5 で目立った機能としてはやはり高速な ARM 互換プロセッサのサポートであり、それによるアプリケーションの高速化や高機能あるいはマルチメディア/通信に関する能力の向上などが挙げられるでしょう。どちらかというと本来の Palm/Pilot が目指していた方向性というよりは、CLIE や PocketPC 等多機能で複雑な思想に寄っていっているような気がします。CPU が変わるということで、OS のバージョンアップに伴うハードウェア的な変更もこれまでに類を見ない大きなものになるでしょうが、その方向感を見せているのが PalmSource Conference & Expo でソニーが披露した折り畳み型の新 CLIE
http://ascii24.com/news/i/topi/article/2002/02/06/633400-001.html
でしょう。
キーボードを標準装備した Palm 端末。ヒンジの部分に仕込まれた小型カメラ(おそらく PEGA-MSC1 と同等のユニットを搭載しているんでしょう)が DoCoMoFOMA 端末「P2101V」を彷彿とさせます。ハードウェアボタンはキーボード側についており、180°回転することで従来の Palm スタイルで使用する際には完全に液晶のみの状態になります。そのときの操作はハードウェアボタンじゃなくて全てジョグかスタイラスでやってください、ということなんでしょうか。
キーボードを装備することで何をさせようというのか分かりませんが、CLIE 単体(+ワイヤレス通信)でネットワーク接続したときのコミュニケーション能力を高めることや、大画面化(ハードウェアボタンが液晶側にないため)による静止画・動画表示性能の強化を中心としているのでしょう。ARM プロセッサならば Palm の画面サイズ程度の動画や音楽でも楽に扱えると思いますし。
ここで照会されている新 CLIE は開発中のものなので、最終的にこのままのスタイルで登場するということはまずないでしょうが、ARM+OS5 で CLIE がやろうとしていることは何となく分かったような気がします(とはいっても、これだけの情報から読みとれるものは、これまでの路線の延長線上にあるものにすぎないのですが)。おそらく今夏 PalmOS 5 の正式リリースからほどなくして発表されると思われる新 CLIE。少々、注目してみましょう。

私も最近ちょっと CLIE が欲しくなってます。前まで、WorkPad では PIM データやテキストの入力・閲覧と暇つぶしのゲームが中心だったので、スタイラスとハードウェアボタンという操作系でも問題はなかったんですが、AirH" による Palm 単体での通信手段を手に入れてしまうと、どうしても Palm で Web ブラウズを行う機会が増えてきました。で、電車の中で吊り革に掴まりながらふにふにと Web、というときにスタイラス+ハードウェアボタンじゃ都合がよろしくない。Web ブラウジングって基本的にリンクのクリックによって成り立っているでしょう?なのですが、吊り革で片手がふさがっているから、無理矢理 Palm を持っている手の親指でクリックするしかないんですよね。こういうときに、ジョグダイヤルのある CLIE は便利そうだな、と。
普通の Palm のハードウェアボタンでできる操作というと、せいぜい画面のスクロール程度で、ジョグにできるフォーカス(≒カーソル)移動と「決定」のアクションができないんです。長年(初めて PHS から携帯に切り替えたときの SO206 のときからだから、かれこれ 4 年になります)ジョグダイヤルつきのソニー製携帯を使ってきて、i モードもジョグのロール&プッシュで操作する使い方には慣れているので、Palmscape でもついこの操作がやりたくなります。「座ってシグマリ、立ってパーム」という名言(by ふふふさん)もありますが、立って Palm を使うときってやっぱり片手で操作することが多いと思うんですよ。なので、次あたりは CLIE かなぁ・・・と。最近 IBM は WorkPad にあまり力を入れていないみたい(本体以外の周辺機器その他の販売は全て Palm Computing 側に任せてしまったっぽい。Palm はもうとりあえず、という感じで新しい方向に行こうとしている?)ですし、ARM+OS5 搭載機が出たタイミングで CLIE に乗り換えてしまうかもしれません。


掲示板でちょっと話題を振られたので触れてみますが、最近増えてますね。携帯電話 or 通信機能内蔵 Palm 機。
Palm Computing の「i705」や Handspring の「Treo」、Samsung の「SPH-I300」など、日本では未発売のため国内での認知度はそれほど高くないものの、けっこう新製品ラッシュという印象を受けます。Treo はまだ香港で販売開始されただけなので、世界的な販売状況がどうというわけにもいかないのですが、Palm i705 の方はけっこうな人気で Palm Computing のオンライン販売の受注台数記録を塗り替えたとかいう話も聞きます。
しかし、これら PalmOS を搭載した通信端末というのは(完全に企業向けである IBM の「WorkPad 31J」という例外を除き)発売されていません。これは何故か?
というのは、おそらく欧米と比べて日本の携帯電話が「高機能すぎる」ため、それ以上の通信環境を必要とする人が少ないためでしょう。Palm をはじめとした PDA の所有率も確かに上がってきてはいますが、決して多数派とは言えないのが現状だと思います。その点、日本人のほとんどが持つようになった(といっても過言ではないくらいに普及した)携帯電話は、各種 PDA が提供する基本的な PIM 機能を備えています。
私自身、携帯電話をスケジュール帳・メモ帳として利用することは滅多にないのですが、携帯電話あるいは携帯電話メールで連絡の取れる連絡先は全て携帯のアドレス帳の中に入っていますし、メーラ、ブラウザとしての利用はかなりの頻度でしています。それに比べ、Palm のアドレス帳やメーラを利用することはそれほど多くありません。私の場合、Palm の機能と携帯の機能の使い分けが比較的はっきりしているので両方うまく分かれているのかもしれませんが、仮にスケジュール帳とかメモ帳にシステム手帳を使っていたり、手帳すら使っていないような人だと PDA は必要ないのかもしれません。
といったように、日本ではポケベルが女子高生の間で流行ったあたりから浸透してきた「携帯電話が発達、普及する下地」みたいなものと、逆に電話として見たときに PDA は大きすぎること、それらが原因で(現時点では)携帯電話機能を持った PDA がほとんど流行らない(かなり以前から DataScope のようなアプローチもいくつもあるものの、どれも成功しているとは言い難い)市場である、ということができると思います。携帯電話は今ではカラー液晶によってそこそこの表現力を身につけているのに対し、通信機能付き PDA は多くがモノクロ液晶であり、ハイエンド志向の日本市場にはそぐわない、ということも理由の一つでしょう。それに対し、欧米(特にアメリカ)では、携帯電話の高機能化・小型化がずいぶん遅れています。日本(および韓国、台湾)が携帯電話技術では世界の最先端を行き、ヨーロッパがそれから 5 年、アメリカは更に 5 年遅れていると言われています。米国人に日本ではケータイでメールが送れたり、Java が動かせたりするという話をしても信じてもらえない、という話があるほどです。
「電話」がひとつのキーアイテムであった映画「MATRIX」で主人公 Neo が NOKIA を使うシーンが数回ある以外は、電話といえばほとんどが古めかしい電話ボックスであったことが、米国での電話の存在がどういうものであるか、を象徴していると思います(余談ですが、日本で同じ映画を作ったとしたらやっぱりピンチになったら携帯電話、なんでしょうね。いざというときに限って圏外だったり、敵さんの必殺技が携帯ジャマーだったりしそうです(笑))。
少し話が横道に逸れてしまいましたが、ともかく、日本と米国の携帯電話/PDA 市場の温度差というのはこんなものです。PDA が高機能化を目指す上で「通信」というキーワードが出てくるのは至極当然なことで、なおかつ純粋な携帯電話端末の機能が未熟な米国で先行して PDA に通信機能が搭載されるのも分かるのですが、それが果たして「電話」である必要があるかどうかというと若干疑問に感じます。どちらかというと高速パケット網に繋がる機能に的を絞った方が良いような気もするんですけど。
逆に、携帯電話から PDA 側に対するアプローチというのは、日本の携帯電話を見ているとあまり貪欲でないような気がします。結局のところ各キャリアは単なるインフラ屋さんに過ぎないわけで、どんどんハードウェアを売っていくよりはコンテンツやアプリケーションを充実させて、回線使用料やコンテンツ利用料で稼ごうというスタンスです。本日発表された DoCoMo の「infogate
http://k-tai.ascii24.com/k-tai/news/2002/02/07/633431-000.html
も、DoCoMo 側が提供するのはあくまでインフラとコンテンツのみ、というのがこのことを端的に示しています。携帯電話の方は、端末そのものは電話と通信が利用できるアプリが揃っていれば良いわけで、PDA のように PIM 機能が充実していてもキャリアとしてのうまみは少ない。PDA メーカーよりも通信キャリアの方がはるかに力を持っていて、かつ携帯電話市場の発達した日本で、米国のような PDA 一体型電話が流行することはなかなかないでしょうね。何といっても筐体が大きすぎますし。携帯電話メーカーが本気で PDA としてもまともに使える携帯電話を作ってきたら、本来の PDA 市場を席巻してしまうような気はしますが、あり得ないだろうなあ。


[ X21 Docking ] 2002/02/06(Wed)
東芝が 5,400rpm の 9.5 インチ HDD 3 機種を発表しました。
ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2002_02/pr_j0601.htm
PC Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0206/toshiba.htm
ノート用で 5,400rpm というと IBM の Travelstar 48GH、60GH シリーズがありますがこちらは 12.5mm ハイトなので、9.5mm ハイト・20GB プラッタで 5,400rpm というのはこの「MK4019GAX」「MK3019GAX」「MK2019GAX」が世界初、ということになります。
いずれも流体軸受採用ドライブということなのですが、回転数が上がっているだけにどの程度静粛性が確保されているのか気になりますね。4,200rpm の製品と大差ないレベルだといいんですけど。
ノート PC の性能において、一番のボトルネックはおそらく HDD ですから、この高速回転(とはいえデスクトップ(SCSI 接続)で最速のドライブの 1/3 ですが)ドライブによってノート PC の性能の底上げがなされるでしょう。今後他社も追随してくるのではないでしょうか。
ノート PC だけでなく AV 機器や HDD カーナビ等、2.5 インチ HDD の引き合いが多くなるにつれ、大容量化・流体軸受・高速回転と、3.5 インチ HDD 以上に 2.5 インチ HDD の技術革新が進んできていますね。


さてさて。久々の仕事マシン・ThinkPad X21 ネタです。
C1VJ に WinXP を入れるために HDD を買ったことによって余ってしまった IC25N030ATDA04 ですが、先日仕事が一段落したタイミングを見計らって X21 に入れ替えてみました。最近デフォルトの DJSA-220 の回転音があまりにも大きくなってきて、静かな自宅はおろか会社のデスクで使っていても気になるくらいに五月蝿くなってしまったので。で、OS をインストールするわけですが、IBM のビジネス機はプリインストールアプリがほとんどなくて良い感じだし、Disk-to-Disk という HDD からリカバリするための領域があったりするのでクリーンインストじゃなくてリカバリ CD からリカバリしたい・・・というわけで、面倒なことをしなくてもリカバリ可能な CD-ROM ドライブとあと外付け HDD ケースが欲しいなー、と思い、思い切ってドッキングステーションを買ってみました。

ThinkPad Dock IIというわけで ThinkPad ドック II。いわゆるドッキングステーションなんですが、X シリーズ専用ではなくて T シリーズA シリーズにも対応と使い回しがきくんです。AC アダプタなんかもそうですが、ThinkPad って周辺機器類の互換性がすごく高いので、職場なんかではかなり重宝します。
しっかしトレイが邪魔。でかすぎ・・・。
Expansion Ports背面の拡張ポート。ThinkPad 本体から直接出ているアナログモデム・Ethernet・CRT 出力・オーディオ出力の他に、PC カードスロット 2 基・パラレルポート・シリアルポート・PS/2 ポート(キーボード、マウス)・DVI 出力(X シリーズには非対応)・USB 2 ポート・FDD ポートとかなりの拡張性。更に Kensington のワイヤーロック対応セキュリティスロットまでついているのはビジネス仕様の ThinkPad ならではといった感じでしょうか。
Drive Bay and....側面には「ウルトラベイ 2000」。とりあえず 8 倍 CD-RW を装着。いわゆるマルチパーパスベイなので HDD アダプタ をつけて余った DJSA-220 も活かせてます。で、ドライブベイの下にあるのはというと・・・。
PCI Slotなんと PCI スロットが 1 本入るんです。なんかこれで仮に VAIO のオプションだったら某 XR 改造の代名詞氏が泣いて喜びそうな仕様(笑)。
っていうか、ThinkPad 本体と合わせて PC カードスロット 3 本+CF スロットがあれば PCI がある必要もないような。何を挿そうかな?
with X21X21 をセットするとこんな感じ。A4 ノートでも使えるサイズなので、ドックの横幅が若干余り気味です。
それにしてもドックがでかい・・・。


リカバリ可能な CD-RW ドライブ+外付け HDD ケースとして考えるとちょっと高い買い物なんですが、PC カードスロットが増やせたりいろいろ挿しっぱなしにしておいて出勤したときにはマシンをセットするだけ、という手軽さを考えると良い買い物だったと思います。ヘタな省スペースデスクトップよりも拡張性はあるし。ホントはあまり仕事マシン系はネタにしたくないんですが、あまりに最強のドッキングステーションなので思わず紹介してしまいました(^^;
ThinkPad X シリーズというと、他にウルトラベース X2 というドッキングステーションがあり、どちらかというとドッキングステーションとしてはこちらの方が一般的なんですが、(R505 のドッキングステーションモデルをお持ちの方なんかは分かると思いますが)これを装着すると本体の厚みが増してしまってキーボードが打ちづらくなってしまうんですよね。でも ThinkPad ドック II は本体の後ろにくっつける形で、なおかつチルトスタンドにもなるので却ってタイピングはしやすくなります。505EX、C1VJ(ついでにいうと実家の XR1E)とキーボードがチルトできる(あくまで L バッテリ使用という条件付きですが)ノートばかり使ってきた私としては、このドッキングステーションはポイントが高いわけなんです。そういえば、XR のドッキングステーションもチルトする「インタークーラーフラップ」と一体感があって良かったですよね。
R505 の次期モデルのドッキングステーションも、チルトスタンドタイプにならないかな?いい感じだと思うんですけど・・・。

というわけで、ThinkPad も Tualatin 866MHz で WinXP な X23 などが出てきて私の X21 もかなり旧モデルになってきてしまいましたが、性能的なものはともかく拡張性ではまだまだ負けません。ドックなら ThinkPad を買い換えても使えますしね。


[ PHS Navi ] 2002/02/05(Tue)
今日、仕事中に突然某大手 VAIO 系サイトオーナーからメール受信。「日中電話ちょうだい」とのこと。仕事中の時間に電話がほしいとはよっぽどやんごとなき事情に違いない、と思い慌てて電話してみたところ

T氏)「あのさぁ、AirH" ってどぉよ?」


・・・・・・。

おーい。仕事中に電話しろとか言っといてそんなことかーい。

私)「なんで」
T氏)「いや、モバイルアトラス MX が DDI の位置情報サービスに対応したでしょ。だから AirH" にしようかと思って。今日の帰りに買って帰りたいくらいだから、早く知りたいんだけど」
私)「(この地図マニアめっ!)マジっすか?全然知らなかったな。帰ったら試してみます」


・・・というやりとりがありました(ふっふっ、ばらしちゃった)
最近この手のニュースはノーマークだったんですが、調べてみるとどうやらこういうことのようです。

「ここ Navi 位置情報サービス」
http://kokonavi.bemap.co.jp/location/
ケータイ Watch の記事
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/0,,7985,00.html

モバイルアトラス MX「PHS 位置情報対応アップデータ」
http://www.alpsmap.co.jp/overview/letter/20020130/phs.html
ケータイ Watch の記事
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/0,,8009,00.html


調べてみると、位置情報サービスの利用にはどうも「ここ Navi」というアプリが必要らしい。・・・なになに、PC 用と CE 用は別にレジストしなきゃならないの?で、試用不可?ちょっと厳しいなぁ、と思いつつもう少し調べてみるとどうやらシグマリ II には「ここ Navi」はプリインストールらしい。ラッキー、というわけで早速使ってみようとしましたが


ここ Navi for WinCE
うーん、どうも DoCoMo の PHS 専用っぽい。MapionMapFan といったオンライン地図サービスとも連携できるみたいだから、便利そうなんですけど。さすがは DoCoMo のバンドルソフト、というかもともと「今どこサービス」のような位置情報サービスって DoCoMo の方が先行してるわけだから、ある程度は仕方ないか。

そんな感じで H" で位置情報サービスが利用できるのは、今のところ「ここ Navi SDK」に対応した地図ソフト、もっと言えばモバイルアトラス MX とプロアトラス 2002(こちらは近日対応予定)だけみたい。
んで早速対応アップデータをダウンロードしてみました。
http://www.alpsmap.co.jp/support/ma2002/download.html

PHS 自己位置設定
というわけでアップデートしたモバイルアトラス MX の設定画面。サービスの種類(要するに PHS のキャリア)・COM ポート・接続先のダイヤルアップ設定を選択できるんですが、問題なのは WinCE で COM ポートの情報を確認できない(あるいは私が単に設定箇所を知らない)んです。一つ一つ手探りで探していくしかないっぽい。COM1 で試したところいきなりフリーズしてリセットする羽目に・・・。結局 COM2 ポートだったんですが、COM1 でハングした後逆に COM8 から攻めていったために苦労する羽目に(泣)。

PHS 自己位置取得状況
PHS 周りの設定が完了すると、位置情報を取得することができるようになります。しかし、インターネットに繋ぎっぱなしの状態で位置情報を垂れ流し受信できるわけではなく、仮に回線が繋がっていてもいちいち切って ダイヤルアップ→位置情報受信→回線切断 という手順になるのであまりスマートとは言えません。せめて RAS が繋がっているかどうか自動的に判断して、位置情報取得後も回線を切断しない設定ができれば良かったんですが。
そんな感じなので、ナビ的な使い方はできないようです。あくまで「現在位置の確認」に使える程度。ここら辺は本物の GPS じゃないので仕方ないのかな。

現在位置
受信した現在位置は↑のように表示されます。


Σ( ̄□ ̄)ハッ!?

っていうか、この地図首都圏版じゃん!

富山は日本広域表示しか使えないってこと!?


意味ない・・・。

ちゅうわけで、早く地方版も出してね>アルプスさん


一応詳細な緯度経度まではわかるので、Navin' You と照らし合わせて位置情報の精度を確認してみたんですが、どうも 200m 程度の誤差がある模様。位置情報サービスの仕様として 100〜200m 程度の誤差はある、ということを謳っているようなので文句は言えないんですが、これではあまり実用的とは言えないですよね。それともアンテナの少ない地方部ではそれだけ誤差も大きくなるということでしょうか?これでも一応富山の中心街付近なんですけど・・・。

なんかこのままじゃ悔しいので、今週末東京に行ったときにでもちゃんと詳細地図で確認してみます。
もう少し精度が高ければ、それなりに遊べるおもちゃになるんだけどなぁ。


[ sigII on Wireless ] 2002/02/02(Sat)
シグマリ II に無線 LAN カードを買ってみました。
というか給料が出たのでようやく買えましたよ(汗)。CF な無線 LAN って選択肢があまりないので定番メルコの CF TypeII 無線 LAN カード「WLI-CF-S11G」です。
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/w/wli-cf-s11g/
こないだ買った有線 LAN カードとお揃いになってしまいました。

WLI-CF-S11Gこれが WLI-CF-S11G。こないだの LPC-CF-CLT と比べると圧倒的に小さい。盗難防止だか持ち運びだかのためにストラップ用の穴が空いています。
CF Cards手持ちの CF カード類と比較してみました。AirH" よりはちょっと大きいですが、大差ないサイズ。こうしてみると LPC-CF-CLT のってアホみたいな大きさですねー。
with PCWA-C100無線 LAN カード同士ということで PCWA-C100 と比較。PC カードアダプタは CF TypeII 用ということで AirH" 用の PC カードアダプタがそのまま使えます。っていうかメルコ純正のアダプタって \5,000 もするし。買えるかっちゅーの。
at CF Slotsigmarion II に挿してみたところ。これくらい出っ張ります。
もう少しコンパクトでも良いような気がしますが、PCWA-C100 と比べるとこれくらいは許容範囲かな。
Wireless Internetこれで sigmarion II で無線 LAN 環境が。ふっふっふ。
C1 よりも軽いのでこれ 1 台で家の中どこでも、それこそ寝室だろうとキッチンだろうと風呂だろうとトイレだろうと(笑)繋がれます。


カードには PC 用の無線 LAN カード同様無線 LAN ユーティリティも付属していて使いやすいです。なにより ADSL の高速回線がシグマリでも使えるのがいいですね。家庭内モバイルここに極まれり、といった感じでしょうか。仮に秋葉原の無線ホットスポットにいってもこれでわざわざ PC を出さなくて済むし。
ただ、カードもアンテナも小さいだけあって感度がそれほど良くない感じですね。まあ、普通に見通しの利く範囲で使う分には全く問題はないんですが、鉄筋コンクリートなマンションややや見通しの悪い階段のついている家で 1F−2F 間でやりとりする、というのには少し厳しいかも。ま、この製品の性格上、端末を固定してヘビーに通信することもないでしょうから、普通に使えさえすればあとは大した問題じゃないかな。

実はこのカードで ActiveSync の設定がどうもうまくいかないという問題を抱えているんですが、とりあえず有線 LAN で何とかできるしまあいいやという感じであまり気にしてません(^^;

■本日の一品
先週東京に行ったときなんですが、シグマリ II にジャストフィットするケースを購入しました。

Palmpal

こないだ買った MIDORI のモバイルケースがイマイチだったのでもう少しぴったりなものが欲しかったのですが、結局落ち着いたのがサンワサプライ の「PDA-HH4BK」というもの。同社の PDA 関連製品「Palmpal」シリーズのもので、他にブルーレッドのバリエーションがあるんですが、シグマリ本体のガンメタに合わせてブラックにしてみました。
ジッパー式のソフトケースで、さすがに sigmarion と Jornada 専用なだけあってジャストサイズ。CF 型 PHS をつけたままでも使える(さすがに WLI-CF-S11G や RH2000P は無理ですが)ので重宝します。もう少しデザイン的に凝っていてくれれば、という気もしますが。
ただ、このケースに入れて単体で持ち歩くとハンドバッグっぽくておっさんみたいなんですよね(汗)。どうしたものか・・・。


[ Roadmap ] 2002/02/01(Fri)
昨日 QR/R505/SRX のニューモデルが発表になったところでこんな話をするのもナンなんですが、今日 PC Watch の後藤弘茂氏の記事
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0201/kaigai01.htm
を読んでいて気になったことがいくつかあったので、気の早い話ですが今日は次の VAIO ノートについてのお話をひとつ。
(Intel プロセッサロードマップ
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/intel/roadmap.htm
を併せて見ていただくとより分かりやすいかと思います。)

まず、Intel が 3 月には Mobile Pentium 4-M と i845MP チップセットを発表する見込みである、ということ。今まで必ず Intel の最新 CPU を搭載してきている VAIO のフラッグシップノート・GR では当然これを採用するでしょう。しかも、今回は全くの新 CPU となるわけですから、CPU と同時発表になる可能性は高いです。
となると、3 月中、どんなに遅れても 4 月には新しい GR(GR9S/P という型番あたりが順当でしょうか)が発売されるのは間違いありません。他のシリーズに先駆けて GR と FX だけが一足早く発表・発売されたのはこのスケジュールを見越して、とみていいのではないでしょうか。とりあえず最高クロックの Pentium 4-M 1.7GHz 搭載のハイエンド(GR9x)を発売後、1.5GHz 版の Pentium 4-M が出たタイミングでミドルレンジ(GR7x)が出る、という順序のはずです。ローエンド(GR5x)はその次のモデルチェンジまでは Mobile Pentium III-M のままではないですかね。
GR と同じタイミングで動いている FX も Pentium 4-M になる可能性は高いです。もともと大型の筐体ですから、薄めに作ってある GR よりも Pentium 4-M は載せやすいかもしれません。ここまできたら Mobile Athlon 4 路線はないでしょうから、Pentium 4-M にしてくるでしょうね。今回のモデルが「FX77『V』」と、今までの VAIO の型番の伝統からいって最終モデルであるようにみえることから、次はフルモデルチェンジになるかもしれませんね。

R505 は次はスケジュールどおり 5 月発表で間違いないでしょう。CPU は据え置きか、上がってもせいぜい 1.13GHz じゃないかな。放熱機構を強化して無理矢理 1GHz を載せたはいいものの、それほど放熱に余裕があるわけでもなさそうなので、高クロック化は旧 R505 と変わらないくらい厳しいものがあると思います。なんか「クラス最強」にこだわるあまり、意地になって 1GHz を載せてきたはいいけれどこの先苦しみそうですよね、R505 は。重量の増加分の大半は冷却機構っぽいですし。
GR の大型化(15 インチ化は Pentium 4 を載せる放熱設計のため、という側面もあるのではないでしょうか)に引きずられるように巨大化した R505 ですが、やはりどちらかというとモバイルノートというよりは A4 ノートに近い位置付けにスライドしてきたような気がします。SRX と R505 との間にできた隙間にぴったりはまる極薄 12.1 インチノートを 5 周年記念モデルとして・・・というシナリオは、容易に想像できますよね。でも古くからの VAIO ファンとしては 10.4 インチの薄型にこだわりたい気はしますが。

いちばん見えないのが SRX シリーズの次モデル。ロードマップに従って CPU のクロックが上がっていくとすると、低電圧版 Mobile Pentium III-M って次は 933MHz しかないんです。つまり、今の SRX(の i815EM チップセット)がサポートする 100MHz FSB で動作する CPU は 850MHz で打ち止め、ということになります。最も面白みのないセンでは Pentium III-M 850MHz+40GB HDD という「私達が SRX7E/P に求めていたスペック」で出てくる可能性がある(というかこれが一番あり得る)のですが、そうでないとしたらどういう構成になるでしょうか。i815EM B-Step のように Intel に FSB 100MHz 版の Pentium III-M 900MHz を用意させるか、i830M の製造プロセスが微細化して SRX の筐体にも入るようになる(もしくは逆に無理矢理 i830M を詰め込む)か、あるいは DynaBook SS S4 のように ALi/Trident の Cyber ALADDiN-T・・・は、ないだろうなぁ。第一 Cyber ALADDiN のサポートする FSB がどのくらいまでなのか知りませんし。
こう考えると、SRX もこれまでの R505 と同じようにしばらくは苦しむ機種になるような気がします。低電圧版 CPU のクロック向上の速度が比較的ゆっくりしているせいもありますが。そうそう GHz には到達しなさそうだなぁ。

C1M は今回はモデルチェンジがなかったわけですが、昨日も書いたとおり 2 月に TM5800 の量産が軌道に乗った頃に 800MHz 版の Crusoe を載せてモデルチェンジ、になるかもしれないですね。なんかお店によっては C1MRX は生産終了とか言われているようなので、もう少し早く出てくるかもしれませんが・・・。

というわけでちょっと気の早い次期モデル予想、いかがだったでしょうか。なんかここにきてデスクトップは面白くなってきたものの、ノートは無難すぎてつまらないなーという感じになってきたのでそろそろ面白いモデルが出てきてほしいですね。やっぱり 505 の 5 周年記念モデルに期待なのかな。

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