VAIO Column 特別編 「PCG-U101」&「PCG-Z1/P」インプレッション
「PCG-U101」&「PCG-Z1/P」インプレッション
えーっと、ひさびさにベンチマークを取ってきました。(^^;いやぁ、やっぱり気になるでしょ、Banias のパフォーマンス。
万が一ソニーさんから苦情が来た場合は速攻削除しますので、そのつもりで。

まずは U101。U1・U3 等とも比較しています。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
ProcessorPentium III 595.06MHz[GenuineIntel family 6 model 9 step 5]
VideoCardMOBILITY RADEON
Resolution1024x768 (32Bit color)
Memory261,104 KByte
OS5.1 (Build: 2600) Service Pack 1
Intel(R) 82801DBM Ultra ATA Storage Controller - 24CA
プライマリ IDE チャネル
  TOSHIBA MK3004GAH

  ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
PCG-U101 (Celeron 600A MHz) 19203 27782 27742 23548 24004 44516 19
PCG-U1 (TM5800 867MHz) 9946 30473 21522 21446 13002 25583 19
PCG-U3/P (TM5800 933MHz) 10087 32874 23087 23134 13719 27126 0
ThinkPad X21 (Pentium III 700MHz) 14211 31766 31645 9827 10694 16876 14
  Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
PCG-U101 (Celeron 600A MHz) 126774 8153 4454 106 15824 12302 1402 C:\100MB
PCG-U1 (TM5800 867MHz) 7899 7380 2011 77 10705 8285 962 C:\100MB
PCG-U3/P (TM5800 933MHz) 6949 792 1957 17 11539 8401 685 C:\100MB
ThinkPad X21 (Pentium III 700MHz) 9798 12335 4090 103 23021 18354 2862 C:\100MB

システム性能としては旧 U シリーズの約 2 倍ですか。CPU の値(Integer/Float)が思ったほど伸びていないですが、CPU 単体の能力としては同クロックの Pentium III 相当くらいの性能にあたると考えていいでしょう。CPU の数値自体は Crusoe 機に負けていますが、このあたりも動作周波数自体が根本的に違うので順当なところでしょうか。
ただ、体感速度としては旧機種と新機種とで 2 倍、いやそれ以上(個人的な感覚としては数倍)ありそうな感じです。単純な計算の繰り返しにすぎないベンチマークと違い、実作業においてはいろいろな分岐予測やメモリ、I/O アクセスが発生するので、Banias コアではそういったところを最適化するアプローチになっているのではないでしょうか。逆に、HDD 等の I/O 制御をソフトウェアで行っている Crusoe はそのあたりが完全に泣き所になっていて、CPU 自体の性能はそれほど低くはないのに、周囲に足を引っ張られる形で全体的なパフォーマンスが大幅に悪くなっているという印象を受けました。また、グラフィック周りにおいては Crusoe の AGP 非対応がかなり足を引っ張っていて、3D グラフィック性能なんかは数世代前のチップ並みの性能しか出ていないのではないか、と思います。
その点 Banias な U101 では今の時代のノートとして押さえるべきところはしっかり押さえてあり、あのサイズの中で 3Dmark2000 がサクサク動いてしまうということになっています。なにやら FFXI もそれなりに動作するとか・・・。重い WinXP なのに、私が今仕事で使っている ThinkPad X21(Win2000)よりも格段に速いかも、と思ってしまうほどレスポンスがいいですね。今までの U はスティックポインタの使い勝手があまり良くないこともあいまって、「心が広くないと使えない」感じだったのですが、今回はスティックポインタも大幅に改善されていますし、もう快適で快適でどうしよう、という感じです(^^;うーん、これは真剣に買い換えを検討しようかなあ。
続いて Z1 です。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
ProcessorPentium III 1289.30MHz[GenuineIntel family 6 model 9 step 5]
VideoCardMOBILITY RADEON
Resolution1400x1050 (32Bit color)
Memory261,104 KByte
OS5.1 (Build: 2600) Service Pack 1
Intel(R) 82801DBM Ultra ATA Storage Controller - 24CA
プライマリ IDE チャネル
  HITACHI_DK23EA-60
Intel(R) 82801DBM Ultra ATA Storage Controller - 24CA
セカンダリ IDE チャネル
  SONY CD-RW CRX950E

  ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
PCG-Z1/P (Pentium M 1.30GHz) 22615 59730 60302 49095 28413 54573 14
  Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
PCG-Z1/P (Pentium M 1.30GHz) 13197 9598 6238 23 24932 21430 2576 C:\100MB

こちらは比較対象がないので単体での掲載になりますが、CPU はクロック比分しっかりと Celeron 600A より速くなっています。ベンチの数値としてはそれほど目を見張るものでもないのでしょうが、(Z1 に関しては長時間試用していないので何とも言えませんが、少なくとも U101 では)このベンチ結果以上に体感速度が速く感じたことを考えると、HDBENCH 自体がそもそも最近のマシンの実作業や CPU 特性に即したベンチ内容になっていないのではないか、ということも考えられますね。3Dmark2000 やあるいはもう少し実務的なベンチの方がより Centrino の傾向を正確につかめるかもしれません。

Crusoe の登場当時にも思いましたが、この手のモバイル向け CPU ってけっこうベンチ結果と体感スピードに乖離のあるものが多いですよね。Banias は特に単純な演算性能ではなくさまざまな機能をもって高パフォーマンスを実現しているので、その速さを実感するにはやはり一度触ってみるしかないと思います。Crusoe と Banias では、SSE/SSE2 への対応の有無という今日ではかなり大きな違いがありますから、SSE の有無が結果に反映されない HDBENCH ではそのあたりは観測できないでしょう。そういう意味では、SSE/SSE2 や AGP バスの転送速度が如実に結果に反映される 3Dmark2000 をリファレンスとしているカタログページの謳い文句はあながち間違っていないのかも。

・・・というわけでした。
つい最近まで W120 が気になっていた私ですが、もうそんなの気にしている場合じゃないくらいに U101 が気になっています。というか、現時点でのモバイル最強端末じゃないでしょうか?
VAIO Z もなかなかいいですね。A4 サイズのノートは選択肢に入らない私にとってはあまり気にならないモデルではあるのですが、A4 ノートの購入を考えている向きには第一に選択肢に入れるべきモデルに仕上がっていると思います。ホントに V505 を買った人がかわいそうなくらい。(^^;
Banias 搭載機の第一弾がここまで良かったら、やっぱり SRX・C1 の後継にもどうしても期待してしまいますよね。個人的には i855GM チップセットの出荷が開始される 4 月発表なのではないか、と睨んでいるのですが、どうでしょうか。

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