VAIO Column 特別編 「WPC EXPO 2003」レポート
「WPC EXPO 2003」レポート
・・・しかしながら、お断りしておきますが今回 VAIO のレポートは基本的にナシです。本当に見るものがなくて・・・VAIO V も、銀座で見てしまいましたし。
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と、いうわけで、VAIO ブース。少し話題になっていた VAIO のポータブル HDD ビデオプレイヤーです。



・・・正直、あまり良いとは言えません。サイズもやや大きいし、見た目もなんだかまだまだ試作機然としたものが抜けきらない感じがあります。液晶はムラがあって周辺部の表示が暗く、動作はしているものの発売までにはまだ時間がかかるかな・・・といった感じでした。
そもそも、そこまでしてビデオを持ち運ぼうというニーズがあるのか?という質問をぶつけてみたところ、「ビデオプレイヤーという側面ばかりが取り沙汰されているが、本当はそうではなくて『ポータブル HDD』という切り口からアプローチしたもの。近年ポータブル HDD というのは 200〜300 万台規模の市場になっており、大きなニーズが出てきているので、そこにソニーらしい付加価値をつけて製品を提供したい」というようなコメントをいただきました。確かに、ポータブル HDD の数十 GB とある容量ならば、多少余裕のあるスペースに動画や静止画を置いておいてわざわざ PC を起ち上げなくても確認できる方が便利ですよね。しかし、現状でかなりコンパクトにかつ取り回しよく(USB バスパワーで動作する、など)扱えるポータブル HDD に対抗するには、まだまだ大きいと言わざるを得ません。さらに言えば、メモステスロットをつけてデジカメ画像のポータブルストレージ兼ビューワにもなってほしいところ。発売はまだまだ未定で、今回の WPC でユーザーの反応を伺っているところ、というくらいのステータスのようですが、もっともっとがんばってほしいと思います。



そして、VAIO V のコーナー・・・今回唯一のフルスクラッチだというのに、閑散としています。というか、私が写真を撮ったときには誰一人としていない状態でした(笑)。大丈夫なんでしょうか、これ・・・悪くはない製品だ、とは思うんですけどね。




次は CLIE コーナー。New CLIE が出ていました。今までの「パーソナルエンタテインメントオーガナイザー」というタイトルから、「電子手帳 CLIE」というシンプルなイメージに差し替えて分かりやすさを強調したニューモデルです。ある意味、NZ90 の対極にあるモデルといえるでしょう。I/O はシリアルコネクタを除けばメモステ(PRO)スロットと赤外線ポートのみ、というある意味 Palm の原点に立ち返ったとも言えるモデル。現存する Palm OS 端末の中で最もシンプルなモデルかもしれません。ソフトウェアも、Audio Player はおろか NetFront、CLIE Mail すら入っていない状態。完全に PIM としての使用に特化しています。NX80V を PIM として以上にモバイルネット端末として活用している私には、CF スロットがないので使いようがありません(笑)しかし、長らく WorkPad を使ってきた身としては、この薄くてシンプルな筐体にはかなり惹かれるモノがあります。



私の NX80V との比較。高さ、厚さ共にこの新製品の方が圧倒的に小さいです。当然と言えば当然なのですが・・・。ちょうど Palm V や Palm m505 を想像すれば良いでしょうか?つい、触りながら「『Palm』って呼べる端末はせいぜいこのサイズが限界だよなあ・・・」と物思いにふけってしまった私でありました(笑



カラーバリエーションも豊富なようです。スタンダードなサテンシルバー、ホワイト、独特の風合いのあるブラック、レッド、ブルー、ピンク、の 6 色。戦隊モノみたいですが(笑)。個人的には、ブルーが気に入りました。
そして、このニューモデルの最大の特徴とも言えるセンタージョグ。ソニエリ製ケータイとほぼ同じもののようですが、ソフト側の対応がまだまだなのか、携帯電話のそれと全く同じ操作性というのは提供できていないようです。つい携帯と同じ感覚で操作しようとして、できないことが少なくなく・・・これは OS の制限もあったりするのでしょうが、メーカーとして統一されたインタフェースを提供するからには、操作性まで同じものを提供するというのが企業としてあるべき姿勢である、と思います。まだまだ研究開発の余地がありそうですね。

それはそうとこのニュー CLIE。本体の質感も悪くなく、モノ的にはもうほぼ完成しているという感じでした。おそらく今月〜来月中には正式発表されるのではないでしょうか?SJ シリーズの後継として、\20,000〜25,000 くらいで出てくるんじゃないかと睨んでいますが・・・。



同じく CLIE コーナーの一部で展示されていた、レーザー投写型キーボード。サードパーティのもので、昨年の WPC でも NEC あたりのブースで出ていたのとおそらく同じものです。参考出品ですが、技術的にはかなり完成に近づいていて、製品化のための研究開発中という雰囲気でした。多少コツは必要なものの、慣れればある程度普通に入力できそうな感じ。個人的には、キーボードという物体が触感のフィードバックを返してくれること自体がユーザーインタフェースの一つとなっていると考えているので(例えばキートップの形とか、ホームポジションを示す突起とか)、こういう目で見ないとホームポジションもキーピッチも分からないようなものはキーボードの代わりにはなり得ない、と思っているのですが、それでも技術的にはおもしろい製品だと思います。同様の技術では、ペンの動きをレーザーの反射で検知して描かれた内容をトレースするインテリジェントなホワイトボードみたいなものも実用化されていますけどね。
ちなみにこれはクレイドル機能も内蔵していて、電源のあるところでしか使えない模様。モバイルでどこでもキーボードが使える魔法のユニット、とはいかないようですね。



ネットワークウォークマンの新型「NW-MS90D」。512MB メモリ内蔵の小さいヤツです。
カラーリングはブラックというか黒に果てしなく近いダークブラウンというか、とにかく微妙な色。クレイドルもちゃんとブラックなんですね。でも、ななちゃんも言ってましたが MS70D よりもさらに指紋が目立ちます・・・これは何とかならないものでしょうか?というかそろそろ HDD タイプ出さないのでしょうか?



最後に、CD ウォークマンと SoundGate の新製品。CD ウォークマンは全機種 MP3/ATRAC3/plus に対応したのですが、従来の MP3 非対応モデルに比べて厚くなりました。数値的にはそれほど変わっていないようですし、見た目も薄く見えるようなデザイン上の工夫がなされているのですが、無理矢理薄くしましたみたいなので実際はそれなりに厚みがあり、あまりいけてません・・・これなら、MP3 を使わなければ安くなった昨年モデルを買った方が良いかもしれませんね。SoundGate は、ちょっと高級感が増しました。

こんなところですかね・・・ソニーに限らず全般的にだんだん元気がなくなっていくように感じた WPC EXPO でした。ソニーに関してはまだまだこの先に新製品が隠されていそうな気もしたので、少し探りを入れてみたりもしたのですが、うまくはぐらかされてしまって・・・「今年はまだ何ヶ月もありますから」というコメントが、真実を告げているような気がします(笑)2 週間後の CEATEC には、まだ何か新しいものが出てくるのでしょうか?

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