VAIO Column 特別編 VAIO ノート X505 "エクストリーム" インプレッション
VAIO ノート X505 "エクストリーム" インプレッション
SR、R505 の後継が光学ドライブを搭載し、C1、U が姿を消した 2003 年後半の VAIO ラインナップ。VAIO はもはや採算性の高いオールインワンモデルにのみ注力し、VAIO が VAIO らしくあった頃のような「とんがった」モデルはもうあり得ないのか・・・多くのユーザーがそうやって希望を失いかけていたこの年末になって、新星の如き輝きを放ち登場した「VAIO ノート 505 EXTREME」PCG-X505。その姿をいち早くこの眼で確かめるべく、お台場はメディアージュ「sony style」にまで足を運んできました。
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意外にも第三の液晶一体型デスクトップとして登場した VAIO P。白を基調とした筐体にワイド液晶を搭載したデザインで、表現するならば「デスクトップ版 TR」とでもいうイメージですね。
取っ手にもなるフレームに液晶画面を含む本体が浮いているデザインは目新しいです。が、プラスチッキーな質感や角を丸く処理したディティールなどを見ると、高級感はそれほど感じません。リビングや自室にテレビ代わりに置ける VAIO W や V のデザインとは違い、どちらかというとファンシーグッズや文具、小物のような雰囲気を醸し出しています。据え置きを前提とした VAIO V・W とは想定しているシーンも違うのでしょう。



横から見るとこんな感じ。確かに奥行きは短く、ヘタなノート PC よりも省スペースと言えます。このアングルから見た雰囲気は悪くないですね。絵画を飾っておく額縁のようでもあります。
スピーカは液晶下部に後ろ向きに取り付けられており、キーボード奥の湾曲に反響して前に音が飛ぶようになっているようです。



左側面に PC カードスロット、メモリースティックスロット、FDD を、右側面にはコンボドライブ、音声ボリュームおよび液晶の明るさ調節ダイヤルがあります。この辺は VAIO V や W と同じですが、わざわざ FDD がついているのが特徴でしょうか。CD-R/RW や USB メモリが一般的になった現在でも、やはり FD に対する需要は無視できないほどあるということなのでしょうか・・・。



キーボードの裏面には、インジケータ LED が透過する微透明の窓がつけられており、液晶を閉じた状態でも動作状態が確認できます。白の中に色とりどりの光が滲むこのあたりの意匠は TR シリーズと共通のイメージですね。



キーボードはこの手の一体型 PC にはありがちなノート PC タイプのものです。普通のノート PC よりはストロークがありますが、まあ可もなく不可もなくといったところで特筆すべきことは特にありません。キートップのちょっと変なカタチとか、キーボードユニット(特にパームレスト部)の妙に厚ぼったいデザインとか、VAIO というよりむしろ台湾のバッタもんに近い(と言ったら言い過ぎか)変な安っぽさを感じてしまうのは難点ですね。



付属の光学マウス。X505 の付属品に少しデザインは似ていますが、それとは似ても似つかないくらいに安作りです。コスト削ってるなーというのが触っただけで感じられます・・・っていうか、サンプル機だからなのか「ASUS」のシールが貼ってあるんですが(^^;もしかしてこの機種自体日本で企画だけやって台湾に設計や製造を投げてしまった製品なんじゃないだろうか?という気がしてしまいますが・・・本当のところはどうなんでしょうね。



本体背面。なるべく背面に端子や吸排気口の目立たないデザインになるよう工夫したようです。その甲斐あってか、USB コネクタ等が見えなければ背面だけ見てこれが PC だと思う人はあまりいないのではないでしょうか?フレキシブルなスタンドが印象的ですね。



各種コネクタはスタンドの下に隠れるように配置されています。ごちゃごちゃしたものが見えにくいという利点はあるものの、抜き差しは今ひとつしづらいかも。これに周辺機器をごちゃごちゃつける人は少ないでしょうが、マウスの USB コネクタやアンテナケーブルはまず接続するものだと思うので・・・。
また、背面上部にはマウスポケットが、スタンド部には AC アダプタホルダーがついています。PC の本体に布製のパーツが直接取り付けられているのはかなり珍しいのではないかと(笑)。マウスポケットの方は、使うたびに出してきたりしまったりすることを想定しているわりに、マウスをしまうにはいちいちケーブルを抜いてまとめなくてはならないのがスタイリッシュではないと思います(笑)マウスを挿したままポケットに収納してケーブルは半自動的に巻き取れる仕組みを作るとか、いっそのことワイヤレスマウスにするとかいう方策は考えられたと思うのですが・・・コスト削減に起因するコンセプトとの矛盾が見え隠れしてしまう部分ではあります。



X505・P101 の展示とほぼ同時期に、新発売のポータブルビデオプレイヤー「PCVA-HVP20」の展示も同じメディアージュ内で開始されていたので、少しだけ試用してきました。モノ自体は WPC EXPO 2003 の参考展示で見ているのですが、直接触ったり操作したりできるのは今回が初めてです。
本体サイズはやっぱりちょっと大きめ。一昔前のポータブル液晶テレビくらいの大きさに見えます。そして、重さは CLIE NX80V よりも重い感じです。冷却ファンなどに占められている体積が少なくない分、サイズから想像する重量よりは軽いのですが、やっぱり絶対的には軽くないですね。



操作画面はこんな感じ。メニューの作りや GUI のデザインは携帯電話の操作画面に似ています。まあ、普通(ぉ



操作ボタン類は画面の下に。全体的にボタンは小さめです。下に 4 つ並んだボタンなんかはもっと大きくてもよさそうなものなのに・・・。真ん中クリックつきの十字レバーは 4 方向へのストロークが短くてちょっと誤操作が多い感じですね。独立方向キーやセンタージョグのようなインタフェースでも良かった気がします。再生・停止が下の小さいボタンというのもあまり直感的ではないですし。まだまだ発展途上のデバイスというオーラが漂っているように感じます。



動画再生中の画面はこんな感じ。鮮やかできれいに表示できていますが、やはり液晶の周辺部の輝度が低いムラのある画面ですね・・・最近あまりムラのある液晶パネルって見かけませんが、何か品質の高いパネルを搭載できない理由でもあるのでしょうか?解像度については、メニュー表示にはもう少し高解像度でもいい気がしましたが、動画を観る分には十分なクオリティだと思います。扱えるソースのスペックを考えてもこの程度の液晶で十分ではないかと思いました。
デモで使われていたソースが彩度・コントラストの高い映像ばかりだったり、デモ用にコントラストの高めな設定にしてあるから、といった理由があるのかもしれませんが、全体的にバリバリ色が乗りすぎていて長時間見ていると疲れる気がしました。多少画質もいじれるようなので、もう少しソフトな画質に設定し直せばもう少し楽に観られるかな、という感じです。それにしても、液晶やプラズマが CRT に取って代わってから、ソニーのビジュアル製品は以前にも増してコントラストや輪郭強調がキツくなったような・・・自社製パネルが存在しない分、パネルに無理をさせて「目立つ画質」を作ろうとしているのでしょうかね。

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