VAIO Column 特別編 「Do VAIO World 2004」レポート
「Do VAIO World 2004」レポート
type U の〆は先代 U101 との比較、および付属アクセサリ類です。type U は U101 とはかなり性格の異なるマシンになりましたが、どのくらい違うのかはやっぱり気になるわけで。アクセサリに関しては昨年の X505 からの流れですが、標準でいろいろと凝ったモノがついてくる傾向にありますね。しばらく付属品にはこだわらなくなっていた VAIO ですが、昔のこだわりを復活させる良い傾向ではないかと思います。
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先代 VAIO U、PCG-U101 との比較。しかし比べてみるともはや同じシリーズではないですね(笑
フットプリントは確かに U101 より一回り近く縮小されていますが、7.1 インチと 5 インチという画面サイズの違いから考えると劇的に小さくなったという印象は受けません。まあ、画面の周りに操作ボタンが集中しているため、画面サイズほどには小型化はできないのですが。厚みは U50 の方がキーボードや折りたたみ機構がない分 1cm 弱薄くなっています。
画面サイズはこの大きさになると 2 インチの違いでもかなり大きな違いになりますね。U101 の液晶が狭額縁なため実際以上に画面が広く見えるせいもあるのかもしれませんが。ちなみに、U101 はバッテリ駆動のために画面輝度を落としていたりプライバシーフィルタを使っていたりするため本来の明るさよりも暗く見えていますが、「クリアブラック」液晶の効果か実際の輝度も U50 の方が明るく、コントラストが高く感じられます。
VGN-U50 の液晶はホントに細かくて、少し離すと別に近眼や老眼でなくても文字が読めなくなります(笑)この液晶がどのくらい細かいかというと、ドットピッチ(液晶のドットの幅)でいうと PCG-U101 が 0.141mm(180ppi)だったのに対し VGN-U50 では 0.127mm(200ppi)になっているので、かなり窮屈な印象を受けるはずです(ちなみに、細かいと言われる 10.4 インチ XGA や 14.1 インチ SXGA+ でもドットピッチは 0.204mm(125ppi))。一般的なノート PC よりも、「モバイルグリップスタイル」で使われていた従来の VAIO U よりもさらに顔に近い位置で使うことが多くなるでしょうからこのくらい細かい液晶でも実用上は問題ないレベルといえるのかもしれませんが、仮にこのサイズで XGA 以上の解像度があったら逆に使いづらくなってしまうでしょうから、5 インチ SVGA というのは(少なくとも現在の Windows の画面仕様からすれば)妥当なスペックだったのではないでしょうか。
U101 は非常に完成度の高いミニノートだったので、単純なスペックアップ程度ならば買い換えないだろうなと思っていましたが、これだけ違うというか全く別モノになってしまったこともあり、もしかしたら使い分けは可能かも・・・とちょっと思い始めています。ヤヴァイ傾向だ(^^;

付属のキーボード。なんかこれだけ別売りしてほしいという声もけっこう上がっているようで。(^^;確かに折りたたみキーボードとしては凝っていますし、ポインティングデバイスも内蔵していますし、VAIO ロゴも入っているので(笑)単体発売されたらけっこう人気が出るのではないでしょうか。
開いたときのサイズは C1 よりも幅がある感じですね。


キーボードのスペックはキーピッチ 17mm・キーストローク 2mm と、C1 や SR シリーズと同等、ということになっていますが、キーボードユニット自体がプラスチックで剛性がないためかパサパサしたタッチであまり良いとは言えません。まだ X505 の極薄キーボード(ピッチ 17mm・ストローク 1.5mm)の方が打ちやすいと思いました。キートップの形やポインティングデバイスは X505 のそれに似ているんですが、剛性感が全然違います。これならば、慣れている分 U101 のキーボードの方が・・・(笑



キーボード開閉のギミックはけっこう凝ってます。いわゆる Palm などで利用する TARGUS 製の折りたたみキーボードはいったん開いてから横幅を縮めてセットする感じでしたが、type U 付属のキーボードはスライドしながら開くため開くだけでセット完了。簡単です。これでもう少し剛性が高く、チルト可能で USB ケーブルの収納がもう少し凝っていたら気に入っていたんですけどね。
個人的な希望を言わせてもらうと、こういうポータブルキーボードよりもむしろ自宅用のちゃんとしたキーボードを別売りでも良いから用意してほしいと思います。キーボードがちゃんとしてさえいれば本当に自宅ではドッキングしてメインマシン化することも不可能ではないと思っているので・・・。まあ普通に他メーカーのキーボードを買えって話ですが、それだと VAIO ロゴが入ってませんから(ぉ というわけで、ちょっとこだわったキーボードを関連製品として開発しませんか?>開発の方

続いて、本体付属品です。
X505 に負けず劣らずいろいろついてます。


タッチパネルの操作に使うスタイラス。羽のような形から「フィンスタイラス」と呼ばれていますが、フィンというよりは葉っぱの形に近いかも。ストラップの端に括りつけるのが通常のスタイルですが、ストラップが邪魔なときはワンタッチで外せるようにもなっています。
一般的なスタイラスの形であるペン型をしていないため使いづらそうというイメージがあるみたいですが、最近の CLIE の伸縮スタイラスは伸ばしても中途半端な長さにしかならず結局使いづらいので(笑)それを考えると平たくても面積があって持ちやすい(ペンのように持つ、というよりは指先でつまんで扱う感じでしょうか)のでこの形でも悪くはないかなと思いました。非使用時にはストラップにマスコットやプレートのようにして添えられているのもオシャレですしね。このスタイラスが気に入らない人は胸ポケットにお気に入りのスタイラスを忍ばせておくようにすれば問題ないですしね。まあ、初代 505 のように液晶の脇を押すとスタイラスペンが出現したりしたら、それはそれで面白かったのですが(笑

付属のソフトケースは本体用とキーボード用の 2 種類です。さすがにキーボードまで持ち歩くと U101 よりかさばってしまうので、やっぱりキーボードを持ち歩くのはどうかと思うのですが・・・。
ちなみに純正オプションとして type U のスタンドとしても使える海苔巻き式のキャリングケースもありますが、これはこれでちょっとかさばりそう。


ディスプレイ/LAN アダプタとワイヤードリモコン。ディスプレイ/LAN アダプタは X505 に付属のものと機能的には同じですが、形状が異なっています。
リモコンは現行ウォークマンのリモコンにそっくりですね。というか流用しているのでしょうが、本体にあわせて黒くて VAIO ロゴが入っているのでカッコイイです。まあ、HOLD スイッチを入れてディスプレイを切ったとしてもせいぜい 3 時間程度しかバッテリがもたない(標準バッテリ使用時)でしょうから、type U をウォークマン代わりに常用するのは難しいでしょうが、今まで USB ジョグリモコンはオプションであったものの専用のリモコンが付属したことはなかったので、こういうデザインも操作性も良いリモコンがついているだけでちょっと嬉しかったり。

比較してみて感じたのは、「VAIO U」と「VAIO type U」は「いちばん小さい VAIO」というコンセプトこそ共通であるものの、位置付けも想定ユーザーも使い方も全く異なる性格のマシンなんだな、ということです。従来の VAIO U、中でも最終形の PCG-U101 は、慣れれば使えなくはないサイズの標準配列キーボードを搭載し、PC として一通りのことができるいわば「超小型ノート PC のお手本」のようなマシンでした。しかし、今回の type U はキーボードを取り払い、ハナから「従来の PC の使い方」を否定し、ビューワ的・PDA 的になることで新しい使い方を提案しています。デジタイザを搭載していることから Tablet PC とも比較されがちですが、どちらかというとキーボードも搭載したコンバーチブルタイプが主流になりつつある Tablet PC とはやはり本質を異にするものだと思います。
上で「ビューワ的」という表現をしましたが、アプリケーションソフトを見てみてもあまりクリエーションを目的としたものはプリインストールされておらず、載っているのは「Do VAIO」および関連アプリケーションと、見たり聞いたり思いついたりしたことを直感的に書き留めるためのアプリケーションだけ。「VAIO Video Download Manager」などの存在も考えると、やはり今度の type U は単体で何かをするための PC ではなくて「Do VAIO」のモバイルクライアント端末として開発された側面ということを強く感じますね。逆に、現在のバージョンの「Do VAIO」はテレビ録画以外はプレイヤー/ビューワ機能しか持っていないので、ある意味現バージョンの「Do VAIO」にいちばん馴染むのは type U なのかもしれません。

んー、最初は「キーボードがないなら要らない」と思っていた type U でしたが、実物に触れてみてその質感の高さや製品から伝わってくるワクワク感を体験してしまうと、なんか欲しくなってきてしまったかも・・・。
→パート 13 - 関連製品

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