Cyber-shot Laboratory Cyber-shot DSC-F505V
Cyber-shot DSC-F505V
買ってしまいました。実に 3 台目の Cyber-shot、F505V。F505K のあと S70 に始まるスタミナ Cyber-shot S シリーズの発売により従来の「物欲刺激系」デザインの Cyber-shot はなくなってしまうかのようにも思われたのですが、従来の F55K、F505K のデザインをそのまま受け継いだ F シリーズが 300 万画素クラスにパワーアップして帰ってきました。
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やっぱり Cyber-shot はこうでないと、S シリーズはなんかフツーっぽくて欲しいと思えないよね、と主張しているかのようなこのデザイン。F505K のときからかなり欲しかったんですが、とうとう飛びついてしまいました。大砲のようなレンズ部といい、VAIO 505 と同じマグネシウムボディの質感といい、所有欲をくすぐるカメラです。
ただ、残念なことに F505K のボディをそのまま流用して、CCD だけ S70 と同じ 334 万画素のものにしたためか画素を有効に使えておらず、実効画素数が 262 万画素程度まで下がっています。ちゃんと画素を活かせるよう再設計してほしかったですね。一応ソニー独自の画素補完技術と「バリオゾナー」の効果により元の 334 万画素を超える出力画素数を実現していますが。でもまだレンズのポテンシャルを使い切れていない気がします。
F505 の最大の特徴といえるのがこのレンズ、カールツァイス「バリオゾナー」。S70 や一部のハンディカムにも同じレンズが使われていますが、もっとも存在感をアピールしているのが F505 でしょう。「カメラにレンズがついている」というより「レンズにカメラがついている」と形容した方が相応しいかもしれません。このレンズにより光学 5 倍ズーム、デジタルズームとの併用により 10 倍までのズームが可能になっています。
しかしこれだけいいレンズが剥き出しというのはいささか不安。レンズプロテクター買うかな。
レンズの砲身(と言った方がしっくりくる気がするので)にはマニュアルフォーカス用のフォーカスリングのほか、マクロやフォーカスの自動/手動切り替え、などのボタンがついています。またフラッシュは使用時は物理的に開かなくてはいけないので、必要ないときに自動フラッシュを焚いてしまうといった間違いを防ぐことができます。このフラッシュを開くときの「カシャッ」という音とギミックがまたかっこいいんだなあ、これが。
構造上レンズ部は F55 のように 180 度回転、というわけにはいかないみたいですが、それでも 120 度は回ってくれます。さすがに自分撮りはできませんが、ちょっと難しいアングルからの写真も楽に撮れます。
撮影時は必然的にレンズ部を支え、本体には軽くてを添えてシャッターボタンを押す形になります。三脚を使う場合も本体ではなくレンズに固定する仕組みになっています。それだけ F505 がレンズ中心の作りになっているということなんでしょうが、本体が小さい分シャッターボタンがちょっと押しにくい位置になっているんですよね。これはもう少し改善の余地はあると思います。
液晶のサイズ自体は F55 と同じなのですが、レンズ部が本体から離れた分だけ本体のサイズが F55 より小さくまとまっています。また F55K、F505K では黒だったプラスチック部が F55V、F505V では紺色に変更されています。むしろこっちの方が高級感はあるかもしれないですね。
操作系は F55 系と同じく十字キーでメニューをたどっていく方式です。慣れればある程度使いやすいのですが、素速い操作には向いていないので主要な機能くらいはワンキー・ワンファンクションという形にしてほしい気もしますね。
バッテリは F55 シリーズと同じ S サイズのインフォリチウムです。F55K 付属のバッテリが「NP-F10」という型番だったのに対し F505V では「NP-FS11」となっているので多少持ちがよくなっているものと思われます。
F55 と違い、メモリースティックはバッテリスロットと同じ位置にあります。F55 は本体の薄さ的に致し方なかったのでしょうが、本体下部にメモリースティックがあるのは使いにくかったので、これは嬉しい改善点です。
また、標準で 8MB のメモリースティックが付属していますが、画素数を考えると 8MB では心もとないのでここは大容量のものが欲しいところです。
本体上部のパーツをスライドして跳ね上げると、各種コネクタが出てきます。PC に直接接続するための USB コネクタとビデオ出力端子が見えますね。これはなかなかうまい隠し方だと思います。
ちなみに、Cyber-shot 側の USB 端子はソニー独自のミニプラグですが、Music Clip などの端子と共通なので Music Clip に付属のケーブルも使用できてしまいます(だからどうだ、ということはないんですが)。
USB 経由で PC に接続する場合は付属のドライバをインストールする必要があります。F505K には USB 接続キットは別売で、USB ケーブルとドライバ、あとレタッチソフトがセットになったものを \9,800 で別途購入する必要があったのですが、F505V ではこれら一式が最初から付属しています。
USB で接続すると、PC からはストレージクラスとして認識されているようです(マイコンピュータからも「リムーバブルディスク」として見えています)。使いようによっては Cyber-shot を USB メモリースティックアダプタとしても利用できるということでしょうね。
USB 接続の転送スピードを他のメモリースティックアダプタと比較してみました(メモリースティックは MSA-32A を使用)。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.22 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
ProcessorPentium(MMX) 267.23MHz[GenuineIntel family 5 model 8 step 1]
VideoCardNeoMagic MagicGraph 128ZV+
Resolution800x600 (16Bit color)
Memory64,612 KByte
OSWindows 98 4.10 (Build: 2222) A
HDC = Intel 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
HDC = プライマリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)
HDC = 標準 IDE/ESDI ハード ディスク コントローラ
HDC = Sony USB Device Driver
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
CDE = GENERIC IDE DISK TYPE40
F = GENERIC IDE DISK TYPE00
G = Sony Removable Disk Rev 0001
ドライブ Read Write FileCopy Drive
DSC-F505V 389 265 208 G:10MB
MSAC-US1 371 313 203 G:10MB
MSAC-PC1 291 180 213 F:10MB
MSAC-PC2 891 407 433 F:10MB
TOSHIBA MK6412MAT 8461 8774 2208 C:10MB
システムからの見え方といい、速さといい MSAC-US1 とほぼ同じですね。コントローラも同じ物を使っているようですし。Write の値が少し違いますが体感的には誤差程度でしょう。全体的に特に速いというわけではありませんが、それほどストレスを感じずに画像データのやりとりができるレベルだと思います。
別途メモリースティックアダプタを持っていればその方が便利でしょうが、わざわざ購入しなくてもそのまま接続できるのはありがたいですね。といっても最近は USB で直接接続できるデジカメが当たり前になっていますが。

しばらく使ってみましたが、撮影画像の傾向としては従来の Cyber-shot を継承し、鮮やかめでけっこういいと思います。デジカメ特有の性質としてホワイトバランスが崩れやすいという弱点もありますが、PC で簡単にレタッチできてしまうのが逆にデジカメの長所でもありますよね。カラーバランスさえうまく取れていれば、そのままプリントアウトしても構わないくらいではあると思います。
また、スローシャッターに関しても F55K、F505K から大幅に改善されたらしく夜景もきれいに撮れると思います。私はそもそも夜景はあまり撮らないと思うので気になりませんでしたが・・・。
あと、ちょっと気になったのがピントを固定するとき。シャッターボタンを軽く押すとピントが固定されるのですが、そのときに一瞬画像が止まってしまうんですよね。そういう仕様なんでしょうが、最初は少し戸惑ってしまいました。こればっかりは慣れるしかないかな。
全体を通して、画質については普通に使っている分には F55K と比べてどうか、といわれると「あまり違わないかな?」という感想です。確かに画素数は 1.5 倍(実効画素数はもう少し低いですが)になっていますが、その違いはよほど引き伸ばして(A4 サイズ以上にして)プリントしたり、ディスプレイ上で細かいところをじっくり見比べたりしない限り一見違いは感じられないと思います。しかし使い勝手といった点では大幅に改善されていると思います。起動時間やメモリースティックへの書き込み時間などが、F55K と比べてはっきりと違いが体感できるくらい短縮されています。
とにかく F505V はそのスタイルや画質から買ってよかったと思わせるデジカメだと思います。F55K だと気軽に写真は撮れるけど、あまり本格的に撮ってみたいと思うほどではなかったのですが、F505V はレンズの大きさやズーム機能から一眼レフに近い気分でけっこうちゃんと撮ろうと思わせてくれるカメラではないでしょうか。これで光学ファインダがついてくれればもう言うことはなかったんですが、回転式レンズという構造上無理なんでしょうね。ともかく、ちょっとちゃんと撮りたいときには F505V、パーティなどで気軽に撮って遊びたいときには小型で自分撮りができる F55K という風に使い分けていこうと思ってます。
そういえば Cyber-shot PRO シリーズはどうなっているんでしょうか?最近カメラメーカー各社が相次いで新機種を投入しているハイエンドデジカメ(ニコン「D1」など)のセグメントに意欲的な機種を投入してくるとすごく面白いのになあ、と思うんですが・・・。

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