Cyber-shot Laboratory Cyber-shot DSC-T1
Cyber-shot DSC-T1
というわけで、画質を・・・。
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なんというか、雰囲気は良い感じに出ていると思うんですよね。P9 あたりまでは妙にビデオっぽい、作った感じの画になってましたが、最近の Cyber-shot は自然な風合いを残すようになったというか。灼けた壁の色合いなんかはかなりいいセンいってると思います。また、光量が十分に得られるシチュエーションであれば 500 万画素クラス CCD のポテンシャルを発揮してかなりディティールまで美しく再現する力を持っています。
ただ、やはり太陽光下でもシャッタースピードは遅めなのか、光源っぽいところや強い白が入るところはけっこうトんじゃってます。今までひどかった暗部のノイズがかなり軽減され、階調表現すらされているのは素直に嬉しいのですが(本当は今までの仕様がおかしかったのですが)、スタバの前を歩くおじさん達までもが残像拳を使おうとしているあたり(ぉ、ちょっとスローシャッターに振りすぎではないかな・・・と思います。とはいえ、全てのシーンでこんなにスローシャッターになるわけではなく、暗所以外では特に逆光っぽい場面でシャッタースピードが落ち気味になる傾向を鑑みると、どうやらオートモードでのシャッタースピードの自動選択に難があるのではないかと思います。



ちょっとマクロっぽく、静物写真。
ミニカーの写真が若干白っぽくなってしまっているのが残念ですが、ぬいぐるみの写真はなかなかイイ感じに仕上がっています。光源の位置や色にもよるのでしょうが、内蔵の露出計があまり賢くないのかな・・・。これくらいなら後からレタッチで修正できる範囲ですが、一般的にお手軽なコンパクトカメラという位置付けにあたるこの製品の性格を考えると、露出やシャッタースピードはもう少し賢く選択してしかるべきだと思います。



銀杏並木を。同じアングルから、左はストロボなし、右はストロボありで撮影。
やや逆光気味(葉の間から木漏れ日が射してくる程度)で撮ったんですが、前者は盛大に白飛びが発生しています。強制ストロボでシャッタースピードを上げてやる(一般的にカメラはストロボを発光すると自動的にシャッタースピードが速くなる)と、いい感じに抑えた露出に落ち着きました。しかしこれも被写体が風景だったり遠方にあるものならいいのですが、そうでない場合はちゃんとシーンセレクションを使うなりスローシンクロで撮影してやった方がいいかもしれません。でもこのシチュエーションならそれなりに撮れるべきオートでこの結果ってどうよ、と思うのは事実(^^;




けっこう雰囲気は出ると思うんですけどねえ・・・。
解像度は決して低くはないのですが、ブレや白飛びに弱い特徴のせいで解像感が殺されてしまっているのが非常に残念です。やっぱりレンズはテッサーの名を冠しているとはいえ暗い(F3.5-4.4)からなぁ・・・根本的にレンズが明るくならないことにはどうしようもないのかもしれません。こればかりは後継機種に期待・・・といっても、Cyber-shot は代々最低でも 2 世代は同じ光学系を使い回す傾向にあるので、難しいかなあ・・・。



というわけで、次はマクロです。
個人的に静物写真を撮ることがすごく多いので、マクロ性能はかなり重視しています。
DSC-V1 や P8 あたりから Cyber-shot もかなりフォーカススピードは速くなり、マクロ撮影時でもそれ以前のモデルの通常撮影の AF 速度より速いくらいになったのですが、T1 でもそれはしっかり受け継いでいて、かなり高速にフォーカスを合わせることができます。このあたりはもう完全に F707 より新しい部分なので、ウチにあるデジカメの中で起動速度や AF 速度は最速になりました。



で、マクロ。これくらいまで寄れるのは全然普通でしょ、と思うでしょうが・・・。







なんとここまで寄れてしまいます(笑)。これ、T1 に搭載されている「拡大鏡モード」を使って撮影しているのですが、これを使うとなんと被写体へ 1cm の距離まで迫ることができます。私も実際使ってみてビックリするくらい寄れてしまったのですが(笑)、この状態でズームするとちょっとした顕微鏡並みに拡大してくれるのでさらに驚きます。以前、F707 用にレイノックスのスーパーマクロレンズを購入したことがありましたが、あれと同等かそれ以上に寄ることができます。



↑こんな感じで。
左はデスクトップ機で使っている IBM の SpaceSaver II Keyboard なのですが、TrackPoint についている細かい糸くずまで撮影できています。TrackPoint には糸くずがつきやすいので撮影前に念入りに掃除してから撮ったのですが、それでも肉眼ではほとんど見えないくらいの糸くずまでしっかり写ってしまいました。キートップのシルク印刷の微妙な盛り上がりまで確認できるのにも驚きです。
右は腕時計のクロノグラフを。クロノグラフの文字盤の、同心円状の模様まできれいに写っています。これも、顔を相当近づけないと気づかないくらいの模様で、レイノックスのマクロレンズでは写らなかったもの。サードパーティの汎用レンズと T1 内蔵レンズという違いはあるのでしょうが、F707+クローズアップレンズを超えるマクロ性能と言っても差し支えないくらいに強力なマクロだと思います。

拡大鏡モード時の解像感の高さを見てしまうと、やはり T1 のポテンシャルはかなり高いものであるということが分かりました。しかしながら、一般的な撮影ではシャッタースピードが遅いせいで本来の性能の半分も活かせていないということも・・・。単に手ブレが発生しやすい、というだけならば撮影テクでカバーできるのですが、被写体ブレはいかんともしがたいですね。夕刻や屋内での撮影では、半分くらいはブレて使い物にならない写真が撮れていたりします(>_<)
やはり、シーンセレクションをうまく使い分けるなり、強制ストロボのようなテクニックでなんとか使いこなしてやらなければならない、気難しいデジカメなのかもしれません。でもオートでももう少し気軽に使えるように、ファームウェア修正してもらえないのかなあ・・・。T1 もブラックカラーが出たりバリエーションモデルの DSC-T11 が出たり、T1 の光学系を応用した DSC-F88 が出たりしましたが、この暗いレンズが普及してしまうことには私はちょっと危機感を持っています。もう少し、何とかしてもらえないのでしょうか・・・。

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