VAIO Laboratory C1VJ の HDD 交換法
C1VJ の HDD 交換法
というわけで HDD の取り外しまで完了しました。あとは新しい HDD の取り付けとベンチマークなど。
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せっかくバラしたことですし、マザーボードを観賞してみましょう。
といっても目立ったパーツといえば HDD と PC カードスロット、CPU くらいしかありません。CPU は PC カードスロットの手前に配置されています。冷却ユニットに隠れてしまってよく見えませんが、本体左手前にあるのが Crusoe。ヒートパイプなどを使って効率的に冷却されるようになっています。いくら低発熱な Crusoe とはいえ 600MHz で動作しているわけで、それなりに冷やさないと C1 の筐体サイズではさすがに厳しいようです。
それでは、HDD の取り替えに移りましょう。旧い HDD(富士通 MHK2120AT)についている金具を外します。
しかしこの HDD、回転音やシーク音はうるさいし(甲高いから余計耳障りだった)、アクセスは遅いし、で好きになれなかったなあ。
取付金具を新しい HDD(ここでは IBM IC25N030ATDA04)に取り付けます。
よく見ると IBM と富士通では HDD のディスクやヘッドの配置が逆になっているんですね。それに伴いラベルの向きも逆になっています。どうでもいいといえばいいんですが、興味深い部分。
新しい HDD をシャーシに取り付けたら、あとは逆の手順をたどって本体を組み上げるだけ。
生まれ変わった C1VJ。見た目は変わっていませんが、HDD 容量は 2.5 倍になってます。
これなら後継の C1VRX/K や C1VSX/K にも負けないでしょう。
では、お約束のベンチマークを取って総評、といきましょう。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
ProcessorCrusoe 595.14MHz[GenuineTMx86 family 5 model 4 step 3]
VideoCardATI RAGE MOBILITY-M1 PCI
Resolution1024x480 (32Bit color)
Memory245,216 KByte
OSWindows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 2
Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
IBM IC25N030ATDA04-0
Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
ドライブ Read Write Copy Drive
IBM IC25N030ATDA04 17932 14882 1705 C:100MB
富士通 MHK21200AT 12317 9626 1695 C:100MB

こんな感じ。ちなみに OS はいずれも Windows 2000。
読み書きの速度は対 MHK2120AT 比でなんと約 50%も高速化されています。UltraATA/100 対応といわれている IC25N030 ですが、UltraATA/33 までにしか対応していない 82371AB/EB でもこれだけの性能が引き出せている、ということは 2.5 インチ HDD のデータ転送速度はまだまだ UltraATA/33 の幅に収まっている、ということが言えるかもしれません。
そしてこのベンチ結果から気になるのはやはり FUJITSU MHK2120AT の遅さですね。12GB クラスのものなのでそこそこ古いドライブなのですが、それにしても Write の値が 10,000 割れなどかなり淋しい結果としか言いようがありません。Crusoe のディスクアクセス性能を差し引いて考えてもちょっと遅いですね。PC を使っていて感じる「体感的なイライラ感」というのは大抵アプリケーションの起動時間やデータの読み込み時間の長さによるところが大きいのですが、Crusoe マシンにおけるアプリの起動時というのは CMS のキャッシュにアプリの命令が入っていないことによるペナルティ+遅い HDD へのアクセスという二つの要素に加えて不安定な Windows Me、ということで C1VJ の出荷時構成はある意味「最悪の組み合わせ」であると言えると思います。これを速い HDD に変えて Win2000 を載せてやるだけで、劇的に体感速度は改善されます。実際私の環境でも「お、けっこう動作がキビキビしてきたかな」という感じですし。やっぱり 1.5 倍の速度差というのはかなり体感的にも違いますね。

IC25N030 は流体軸受 HDD ということで、やはり気になるその静粛性ですが、驚くくらい静か。ホントに今まで私が使ってきた数々の HDD の中で一番静かですよ。HDD に耳を近づけてみてようやくモーターの回転音と分かる音が聴こえる程度。今までの MHK2120AT は経年変化でかなり回転音がうるさくなり、3.5 インチ HDD にも負けないくらいのその騒音に嫌気がさしていたくらいだったのですが、IC25N030 は Crusoe の CPU ファンの音よりも全然静か。Crusoe のパワーマネージメントで発熱を抑えてやれば、本当に無音に近いくらい静かなマシンができるのではないでしょうか。更に流体軸受のメリットは通常の回転音よりもむしろ経年変化による回転音の増大(通常の HDD では軸受けに使われているボールベアリングが劣化して摩擦音が大きくなる。最近の HDD は低コスト化の弊害か、経年変化による回転音の増大が起こりやすい)が理論上起こらないことなので、長く使ってもうるさくなりにくいし。でも HDD なのでシーク音(ヘッドの「カリカリカリカリ・・・」という音)やヘッドの待避音(時々「カッコン、カッコン」というあれです)は DJSA-220 とほぼ同じものの、シーク音が甲高くて耳障りだった MHK2120AT よりは低い音で「ゴリゴリゴリゴリ・・・」という感じなのでそれほど気になりません。

・・・という感じで、かなり気に入ってます。505EX と ThinkPad X21 用にあと 2 本買っても良いわ、というくらい気に入っているんですが、さすがにそこまでの容量は必要としていないしなあ。
ともかく、この流体軸受 HDD はマジで良いです。価格もこなれてきたので、HDD が足りなくなって困っている人は迷わず買いなドライブだと思います。

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