VAIO Laboratory PCG-C1VJ ハードウェア・レビュー
PCG-C1VJ ハードウェア・レビュー
最後は、私の初代 VAIO・505EX との比較、そしてデバイスマネージャからのハードウェアの考察です。
※各画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

505EX と比較してみました。C1VJ の方が少し厚みがありますが、数 mm といった程度。その分奥行きがかなり短くなっているので、全体としては C1 の方がかなりコンパクトな印象です。
こうしてみると、505 はまだポート周りに若干の余裕があるようにも見えますが、C1 はもうギチギチといった感じ。これは USB ポート増設は無理かな(笑)。
上から見比べてみたところ。こうしてみると、奥行きの差=パームレストの有無、という感じです。SR なんかはまさに C1VJ にパームレストを取って付けたような雰囲気ですよね。
写真では遠近法により C1 の方が幅広に見えますが、実際は C1 の方が少しだけ幅も短いです。
この写真で旧 VAIO(505 カラー)と新 VAIO(SR カラー)の色・質感の違いが分かるでしょうか。旧カラーは梨地っぽくて高級感がありますが、新カラーは白くてつるつる。なんか安っぽいんですよね。
なんかよく見る構図ですが、お約束ということで親子 VAIO の図。
こうしてみると C1 の画面って小さいですね。505 も SVGA なので、表示できる情報量は少ないですが。
これが、C1VJ のために買った USB FDD「PCGA-UFD5」。USB 接続の FDD ですが、BIOS のサポートによりこの FDD からのブートも可能になっています。まあ純正 CD-ROMドライブ+リカバリ CD の組み合わせで DOS ブートはできるんですけどね。世間はレガシー排除の方向に向かっているとはいえ、まだまだ FD は捨てられないので。
FDD の下になっている C1VJ と比べると色の違いがよく分かると思います。今(2000/11 現在)はまだ移行期ですが、そのうちマグネシウム系 VAIO ノートとその周辺機器は全てこのカラーになっていくんでしょうね。ちょっと寂しいですが。
ちなみに、この FDD 自体はワイ・イー・データの OEM 品のようです。
純正キャリングポーチ「PCGA-CP1/V」を買ってみました。本体用ソフトケースの他に、AC アダプタ用ケースが付属しています。実はこれ以前に 505 用に「PCGA-CP5S/V」(写真:C1 の下)を買ったのですが、FDD 用ケースが余っているんですよね(505 用 FDD はちゃんと収まらなかったので)。というわけでこのケースも活用できていい感じです。
「システムのプロパティ」を開くと、お決まりの SONY ロゴのほかに「Microsoft Windows Me」「Transmeta(tm) Crusoe(tm) Processor」の文字が目新しいですね。WinMe の内部バージョンは「4.90.3000」のようです。
Crusoe の CPU コードは「GenuineTMx86」とあまりひねりのない名前。「AuthenticAMD」(「本物」AMD)、「CyrixInstead」(代わりに Cyrix)みたくちょっと皮肉っぽいコードだと面白かったのに。
C1VJ はメモリ 128MB 搭載なのに何故 112MB の表示?とお思いの方もいるかもしれませんが、これは Crusoe の CMS(コードモーフィングソフトウェア)が Windows から触れられない領域に 16MB 分を確保しているためです。メモリ 64MB が標準の WinMe 搭載 VAIO の中で、C1V(と GT1)だけがメモリを 128MB 積んでいるのはこのためです。64MB だと実際使えるのが 48MB になってしまうので。
「デバイスマネージャ」で全てのデバイスを表示したところ(画像は合成)。興味深いデバイスがいろいろあります。
まず、チップセット。ノースブリッジは Crusoe に内蔵されているのですが、ノースブリッジにまつわるデバイスはほとんどが標準のコントローラで動作しているようです。あまりクセのないノースブリッジ機能と言えるかもしれませんが、逆に言えばドライバレベルでのチューニングがしづらいということも言えるかもしれません。サウスブリッジは 440BX チップセットなどでも使われている、Intel の 82371EB のようですね。これはいわゆる「サウスブリッジ」の機能を持っていれば何でも大丈夫なんでしょうが、実績が多く安定している 82731EB が無難な線というところなのでしょう。
メモリースティックスロットは「Sony MSC-U01」。内部的にはこの型番のリムーバブルドライブが入っているようです。型番に「U」がつくことから USB で接続されているようです(実際「接続別に表示」すると USB コントローラに繋がっています)。
ポインティングデバイスは IBM の TrackPoint の OEM 品そのままみたいです。しかもレガシーデバイスが排除されているのかと思いきや、TrackPoint は PS/2 接続なんですね。内部的に USB を変換しているわけでもなさそうだし。
ところで、モニタに「規定のモニタ」が 2 つぶら下がっているのはどういうことなんでしょう?
えーっと、一応、HDBENCHです。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.22 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
ProcessorNo Data 595.42MHz[GenuineTMx86 family 5 model 4 step 3]
VideoCardRAGE MOBILITY-M1 PCI (日本語)
Resolution1024x480 (32Bit color)
Memory113,732 KByte
OSWindows Millennium 4.90 (Build: 3000)
HDC = Intel 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
HDC = プライマリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)
CD = GENERIC IDE DISK TYPE40
S = Sony MSC-U01 Rev 1.00
ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
9930 21125 15538 15843 10431 20268 19
Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
11724 13147 1392 125 12912 11941 1496 C:\20MB

他のCPUとの比較は以下の通り。
CPU Integer Float
Crusoe 600MHz(PCG-C1VJ) 21125 15338
MMX Pentium 233MHz(PCG-C1) 8660 6641
MMX Pentium 266MHz(PCG-505EX/64 改) 9761 7375
Pentium II 266PEMHz(PCG-C1XE) 12051 12009
Pentium II 333MHz(PCG-XR1) 15071 15016
Pentium II 400MHz(PCG-C1XF) 15941 16745
Pentium III 600MHz(PCG-XR1 改) 27144 27039
Druon 600MHz(自作機/ASUS A7V) 26733 31411
整数演算に関しては Pen3-450〜500MHz、浮動小数点演算に関しては Pen2-350MHz 程度の性能というところではないでしょうか。まあ Pen3 に換算して 500MHz 程度の数値が出ているということで、まあ期待通りかな、という感じではあります。実際に操作してみても特に引っかかり等は感じませんでしたし。とりあえず C1X シリーズよりは速いようですが、それでも浮動小数点は C1XF の Pen2 400MHz よりも低いなどちょっと苦手みたいなので、ゲームをやったり動画を再生したりということにはあまり向いていないのかもしれません。
いずれにしろ、私としては 505EX より大幅に速くなっていることには間違いがないので問題ナシ(笑)。でもやっぱり動作はちょっと緩慢な気がするのですが、これは Crusoe のせいというよりも WinMe によるところが大きいかな。いずれ別の OS(Win2000 または Win98)を入れてみるつもりです。

以上でした。まだまだあまりいじれていないので突っ込んだことは書けませんが、新しい CPU を搭載しているだけあっていろいろと面白そうなハードだと思います。質感が損なわれてしまったのはちょっと残念ですが、ずっと同じようなものを出し続けるよりは新しさを求めていくメーカーの姿勢というのは評価できるものです(新しく出したもののセンスは別として)。
というわけで、まあ、分解とか換装とか、ご期待の記事(笑)はまた追い追いやっていきますね。一応保証期間始まったところなので、あまり冒険はしたくないんですよ・・・(^^;

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