VAIO Laboratory PCG-C1MSX レビュー
PCG-C1MSX レビュー
最後は、C1MSX 最大の特徴でもある Giga Pocket LE の後、総括といきましょう。
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ポートリプリケータを接続して Giga Pocket LE で TV 観賞するときはこんなイメージになります。ポトリのケーブルが短いので、けっこう取り回しが大変。ケーブルの収納を考えてこの長さにしたのでしょうが、扱いづらくなるので実用重視でケーブルを長めにするか、いっそのこと DC コネクタも全部ひっくるめて本体横にドッキングできるタイプにしてほしかったように思います。
あと、アンテナの同軸ケーブルの重さに引っ張られてコネクタが抜けてしまうことが少なくないので、そのあたりも考えたつくりにしてほしかったですね。
「Giga Pocket LE」。VAIO ノートシリーズに登載された、初の Giga Pocket です。
さすがに専用エンコーダチップ「MPEG2 R-Engine」を搭載しているだけあって、録画は余裕。ほとんどもたつきを感じません。チューナで受信した映像をリアルタイムで観ているだけであれば、なんとか他のアプリを起ち上げても問題ないレベルなので、TV を観て気になった情報や URL をそのまま Web で調べることだってできます。C1 はワイド画面なので、ウィンドウモードの Giga Pocket LE の隣でブラウザを起ち上げたり、ということも楽勝。
全画面モード(ノーマル)。ワイド画面に通常の 4:3 の画面を表示させているため、左右に黒い無駄なスペースが生じています。
ちなみに、MPEG-2 のエンコードはハードウェアで処理しているためけっこう軽いのですが、デコード(再生)は Crusoe がソフトウェア処理しているので非常に重いです。ビデオカプセル再生中は、ほとんど他の作業ができません。
全画面モード(ズーム)。画面の上下を切って、できる限り拡大して表示するモードです。画面の上下の情報量が多くない番組であれば、このモードでも快適に観賞することができます。例えば野球中継を観るのに、ひいきのチームが負けているときなんかはスコア表示が隠れて最適です(ぉ
Giga Pocket LE for C1 の開発中のバージョンでは、確か横に引き延ばして表示する「ワイドモード」があったはずなのですが、製品版ではなくなっていますね。何か問題があったのでしょうか?けっこうあれば便利かも、と思っていたのですが・・・。
Giga Pocket は初体験だったのですが、思った以上に画質もきれい(写真じゃよく分かりませんが)だし、かなり使いやすいかも、と思いました。ビデオ録画をするのにいちいちテープを用意したり、巻き戻したりする手間が要らずすぐ録画・再生できることがこんなに快適だとは、思ってもみませんでしたね。実は NEC の SmartVision Pro for USB も持っていたんですが、ほとんどビデオテープからのキャプチャ専用になっていましたし。こんなに便利なら、もっと早くから使えば良かった、と思いますが、画質や使い勝手まで含めてこれだけ完成度が高いのは、デスクトップ VAIO で長く磨かれてきた成果とパッケージ製品ならではのソフトウェア・ハードウェアの連携のうまさによるところが大きいと思います。
録画モードは通常(MPEG-2 4Mbps)と高画質(MPEG-2 8Mbps)の 2 種類がありますが、通常の地上波放送や VHS/S-VHS からのキャプチャであれば 4Mbps で十分だと思います。というか、4Mbps モードと 8Mbps モードの差が判らないくらい 4Mbps モードの画質が(一般的なソースからの録画であれば)十分にきれい。ただ、スポーツなど動きの激しいものになると、コマ落ちしたりブロックノイズっぽいものが見えたりするので 8Mbps モードで録った方がいいかもしれません。
Crusoe 搭載 C1 ということで「やっぱり遅いんじゃないの?」と気になる方も少なくないことでしょう。一応ベンチ結果を掲載しておきます。

  PCG-C1MSX PCG-C1VJ 改
CPU Crusoe TM5800 867MHz Crusoe TM5600 600MHz
サウスブリッジ ALi M5229 Intel 82371AB/EB
RAM DDR 128MB + PC133 256MB PC100 SDRAM 384MB
HDD TOSHIBA MK4018GAS IBM IC25N030ATDA04
ビデオチップ ATI MOBILITY RADEON-M ATI RAGE MOBILITY-M1
解像度 1,280x600/32bit 1,024x480/32bit
OS Windows XP Home Edition Windows XP Professional

HDBENCH 3.30
  ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
PCG-C1MSX 13527 30149 21622 23344 13250 29072 19
PCG-C1VJ 改 10154 20532 14352 18886 12536 24568 0

  Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
PCG-C1MSX 13997 7152 3251 25 19886 16844 1270 C:\100MB
PCG-C1VJ 改 7184 1149 1935 152 13889 15237 1590 C:\100MB

CPU についてはクロック周波数が C1VJ の約 1.5 倍弱ということで、ベンチ結果もそれに従った数値になっていますが、CMS が格納される部分のメインメモリが DDR SDRAM 化されたことで処理の初動はかなり高速化され、実際の使用感としては Crusoe 特有の「引っかかる」感じは大幅に軽減されています。ビデオチップも RAGE MOBILITY から MOBILITY RADEON へ世代が変わり、大幅に高速化。WinXP 化した C1VJ ですが、同じ WinXP なのか!?と思ってしまうくらい描画速度が目に見えて違います。
全体として、確かに処理によっては「ちょっと遅いなー」と感じることはあるものの、それでも使い物にならないレベルでは全然ないです。CPU クロックは C1VJ の 1.5 倍ですが、体感速度は C1VJ の 2 倍はある感じです。これで Win2000 なんかをインストールしたらもっと高速なんでしょうね。感覚的には仕事マシンの ThinkPad X21(Mobile Pentium III 700MHz、Win2000)よりもちょっと劣るかな、くらいです。普通にテキスト打ったり Web を見たりする分には大して違いを感じません。
というか、速度的なものよりも画面解像度が C1VJ から比べて大幅に上がっている(約 1.56 倍)のが快適で快適で。この解像度に慣れてしまうと、もう C1VJ には戻れなくなりそうです(^^;

デザインといい、機能といい、性能といい、かなり申し分ないレベルまで強まってきた C1MSX。もうかなり気に入ってしまいました。難点を挙げるとすれば、フニャフニャのキーボード&クリックボタンと、冷却ファンが C1VJ と比べて若干よく回るので気にするとうるさく感じてしまうことくらいでしょうか。ULV Mobile Pentium III-M 搭載ならばもっと・・・と思わないこともないですが、Crusoe のおかげでこの発熱レベルで抑えられているわけですし、私の C1MSX の使い方では Crusoe で不満に感じることもあまりないので、これで十分かな。
ただ、Giga Pocket LE で TV を録り溜め始めると、40GB の HDD なんてすぐに底をついてしまいます。マメにデスクトップマシンにデータを逃がしてやるか、60GB の 2.5 インチ HDD が出たら速攻買うかしないとなあ。ま、私はそこまで TV 観ない人なので、大した問題にはなりませんが。

ともかく、新しい私の相棒よ、これからよろしく、ってことで。

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