VAIO Column 特別編 「AKIBAX 2001」レポート
「AKIBAX 2001」レポート
AKIBAX 2001」に行ってきました。今年の AKIBAX はちょっと観るべきものが少なくて、ソニー以外で店頭でまだ入手できないものの展示といえばせいぜい NEC の「LaVie T」と NTT DoCoMo の「FOMA」程度でしょうか?しかも FOMA はショーケース越しの展示なので触れず、LaVie T は個人的にあまり興味がないので(笑)じっくり観てきませんでした。というわけでソニーブースのみ(というかほぼ GR と CLIE のみ)ですがちょっとレポートしてみようと思います。
AKIBAX といえば秋葉原駅前広場で行われる野外イベントのため、ほとんどのブースがちょっとした屋根がついたテント状のブースのため、空調もあまり効いておらず暑いんですが、ソニーブースだけはしっかりしたプレハブ状の建物で、空調も効いた良いブースを持っていました。というかソニー、会場の一番良い位置に一番大きなブースを持っていたような・・・。まあ、おかげで涼しく観てくることができたんですけどね。
※各画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

いきなり発見、ウワサのニュー VAIO「PCG-GR9/K」。今回の AKIBAX にはこれを見に行ったと言っても過言ではありません。
発売前の製品であり、試作品の展示ということで今回は C1VJ のときよりもガードが固く、2 台の展示機に説明員さん 3 名という防御っぷりでした(笑)。でもまぁベンチを取るのが今回の目的ではなかったし、説明員さんも前回より気さくな方だったので(笑)和気あいあいといろいろな話を伺ってくることができました。
GR のボディカラーは XR のそれを踏襲している感じ。R505 シリーズとも同じ色合いですね。スクエアでソリッドな印象を与えるデザインは、Z505 ユーザーなんかにはウケが良さそうな感じです。
展示機はボディの剛性がちょっと足りないかな?という作りでしたが、説明員さんによると「試作機ですから・・・(汗)製品版ではちゃんと改善されていると思います。きっと。」ということでした。でも実際の質感としては悪くないと思ったので、購入を考えている方はその点、期待していいと思います。
キーボード部分。「エンハンスト・リニア・ムーブ機構」という新機軸を採用しているこのキーボードですが、XR の「ステンレスメカキー」とはそもそも構造が全然違うということでした。とにかくキータッチにこだわった XR に対し、GR では薄さを稼ぐために多少キーストロークを削ってもそこそこのキータッチを実現するために今回の機構を採用したんだとか。確かにキータッチは XR に比べると多少劣るかな?と思いましたが、それでもあまり悪くはないかな、と(個人的には)感じましたね。しかし実際のキータッチ以上に打鍵音が(対 XR 比で)かなり静かになっているようなので、家庭での使用などにおいてはメリットが大きいのではないでしょうか。
センタージョグ。C404S のセンタージョグを流用していた R505 のセンタージョグと違い、GR では大ぶりのセンタージョグを新しく起こしてきています。実際これくらい大きいとセンタージョグも使いやすいですね。デザイン上のアクセントにもなっていてイイ感じです。
液晶を閉じた状態でのセンタージョグの様子。本体外側にジョグが見えていることから、プログラマブル・パワーキーとして動作するように考えているんだろう、と思って聞いてみたところ「すっ、すいません。全然考えてません」とのこと(汗)。この位置にきたのはむしろ使い勝手を考慮してのことのようです。確かに R505 のように 2 つのクリックボタンの間に配置された小さなセンタージョグよりは、本体のへりの部分の大きめのセンタージョグの方がストロークを大きくとれるので操作はしやすくなります。使い勝手は確かに良さそうな感じ。
オプションのポートリプリケータ。本体の拡張、というよりはケーブルマネージメント(電源や LAN、 USB、パラレルといった各種ケーブルを挿しっぱなしにしておいて、持ち運ぶときはポトリを外すだけでよい)のため、といった位置付けのようです。本体の USB ポートは背面にあるのでポトリをつけると隠れちゃうんじゃないの?と思ったら、ちゃんと 1 ポート(と LINE IN/OUT 端子)は隠れてしまわないように切り欠きが用意されていて、2 ポート分はポトリ上にジャックを用意してあるのでちゃんと 3 ポート使えるようになっています。けっこう芸が細かいな、と思った部分。
正直なところ私は GR にはあまり期待していなかったのですが、実際見てみて「もしかして XR より良いんじゃないの?」と評価がほぼ 180 度変わってしまいました。確かにギミックとか目を引くような奇抜さとかは少ないですが、その分細かいところの作りはしっかりしていましたね。ソニーさん的には結果的におとなしめになってしまった今回のデザインに関しては、「XR の奇抜すぎるデザインを受け入れてくれないユーザーが少なくなかったため」の大幅な方針転換だということです。ギミックや奇抜なデザインを期待して下さっている既存ユーザー様方には申し訳ないですが・・・というようなことも仰っていました。確かに好き嫌いはあるかもしれないですが、実際の使い勝手や飽きのこないシンプルさ、という点では今回の GR は悪くないんじゃない?と思います。反面、「VAIO ノートのフラッグシップがそんなことでどうする!」という気持ちもありますが・・・。
ビデオメモリが 8MB とハイエンドノートにしては少なめな点に関しては、やはりゲーマーや 3DCG クリエイターはあまりターゲットにしていない、と仰っていました。Premiere LE が添付されていることもあり、ノートで動画編集をやってほしい、という気持ちがあるようです。高解像度・広視野角液晶にハイスペック CPU で動画の編集や再生をどんどんやって、Handycam も買ってね!ということでしょうか?(笑)CPU の処理性能がノートでも十分に高くなってきているので、ここらで本格的にデスクトップの置き換えとしてのオールインワンノート、という位置付けなのでしょうか。GR では XR よりもかなり「薄さ」を強調していますが、あまりモバイルは重要視されていないようです。
ソニーの VAIO 事業が 2 分割されてから、デスクトップとノートでの方向性の違いというのが少しずつ見えてきていますが、オールインワンノートは動画編集機能などを前面に押し出してもうデスクトップの代替として家庭に入っていき、デスクトップはビデオデッキとしての役割とセミプロ向け動画・3DCG 編集機としての役割にシフトしていっているような気がします。この GR の発売でその色が更にハッキリしたのではないでしょうか。

そうそう、GR の下位モデル(GR1 とか GR7 とか?)は説明員さんの個人的意見として「まだ聞いていませんが、そのうち出てくるでしょうね」ということでした。GR9 は \35 万前後とお高いですが、GR7 あたりが出てくるとしたらお買い得度は高そうです。
Cyber-shot ブースもけっこう力入っていました。主に DSC-S シリーズと昇華型プリンタをメインに展示していましたが、来月発売の P シリーズの最廉価モデル「DSC-P20」も展示されていました。サイズ的には P30 や P50 と同様で、質感はちょっとオモチャっぽいかな?という印象を受けました。前面にクリアパーツを使用しているあたりが特に。
今回の AKIBAX のもう一つの目的がこの新 CLIE「PEG-N600C」。紫 CLIE です。やはりハイカラー対応がウリなだけあって、静止画・動画再生を前面に押し出していました。
本体カラーの紫は VAIO に近いけどちょっと違うかも?SO502iWM あたりに近い気がします。でも Z505 などちょっと前のマグネシウム VAIO ノートにはマッチしているかもしれません。ただ、残念なのがクレイドルが普通のシルバーなんですよね。せっかくだからこのあたりもこだわってほしかったです。
PEG-N700C に Bluetooth アダプタ「PEGA-BT700」をつけて C413S とワイヤレス接続のデモ。
少し触らせてもらいましたが、Bluetooth 接続では 40kbps しか出ないということで PIAFS64K などに比べるとちょっとストレスが溜まります。Bluetooth HotSync もできるようですが、これも 40kbps 制限があるとか・・・これだとちょっと使う気が起きないですねー。しかもこれは PalmOS 側の制限らしいので、他機種用に Bluetooth アダプタが出てきても同じく 40kbps しか出ない可能性があり、ちょっと心配なところです。
ちなみに PalmOS 4.0 な N600C は後日アップデータの提供によって対応するとのこと。
「CLIE で音楽を聴いているロボット」のパフォーマンス(実はただのパントマイム)。CLIE ブースでは N600C の展示もあったものの、やはり音楽再生機能のある N700C の方に力を入れているな、という印象をもちました。N700C の PalmOS 4.0 版もそう遠くないうちに出てくるのではないでしょうか。
CLIE ブースでは「これはどういう商品なんですか?」という質問がけっこうお客さんから出ていて、まだまだ PDA の認知度って一般的にはそれほど高くないのかな?と思わされましたが、VAIO ブースよりもむしろ CLIE ブースの方が盛況だったくらい。やっぱり注目度は高いようですね。

と、本当に観るところの少なかった AKIBAX ですが、GR はかなりいろいろ見れてよかったです。でも一人で 20 分くらい GR の前を占拠してごめんなさい!>並んでいた方。でも 2 台展示されていたからいいよね?(と、言い訳してみる)
しかし今回の AKIBAX での最大の収穫はあの暑い中、冷え冷えの発泡酒を出してくれた生搾りブースかもしれない・・・。

[Back] [Back to Top Page] Copyright (c) 1999 - 2005 Brown Sugar. All rights reserved.