VAIO Column 特別編 「Sony Dream World 2002」レポート
「Sony Dream World 2002」レポート
さて、お次はドラスティックなモデルチェンジが行われた VAIO デスクトップシリーズです。やっぱり RZ と HS には要注目。
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2 年間続いた RX シリーズもついにフルモデルチェンジ。RX78 を待たずして(笑)RZ シリーズにバトンタッチしました。今回の VAIO ブースではやっぱりこの RZ が一番多く並んでいたんじゃないかな?それくらい今回は「ホームサーバー」としての RZ にフォーカスが当たっている感じがしました。
サイバー感が増した RZ の筐体。RX の筐体もけっこう好きでしたが、さすがに 2 年も見ているとちょっと飽きてしまったというのもあり、無彩色の本体に光るブルーの LED が新鮮に映ります。つやつやホワイト×シルバーグレーな他のデスクトップ VAIO シリーズと違い、ソリッドなイメージは「エンタテインメント PC」というよりはサーバやワークステーションのそれに近いのかもしれません。
しかし R シリーズの頃は小さいと思っていたマイクロタワーケースも、スモールフォームファクタな HS や JX のようなラインが広がっている今となってはちょっと大きく感じますね。
本体のイメージをシャープにまとめた中央の黒いライン上には、電源ボタンと各種 LED が並んでいます。このラインが RZ のデザイン上の最大のアクセントであると同時に、機能をシンプルにまとめているのがニクいですね。
個人的にはモノトーンな今回のデザインはけっこう好きかも。
フロントパネルは同じく FDD、各種接続コネクタ部分のフタが開くようになっています。このあたりは基本的に RX シリーズと同じですが、フロントの USB 端子が USB 2.0 対応になったのが嬉しいところ。でもそろそろメモステスロットも MagicGate 対応にしてほしいですねー。
今回は付属スピーカもデザイン変更。同社のマイクロコンポ「Qbric」やホームシアター向けサラウンドスピーカにも似た楕円形のデザインになっています。音がどの程度のものなのか分かりませんが、やっぱりそこそこのものでしかないのかなぁ。
最上位モデル「PCV-RZ70P」のみに付属するジョグコントローラ。テンキーパッド程度の大きさでよくまとめられたコントローラで、昔「VAIO GEAR」として売られていた USB ジョグコントローラよりはデキが良さそうです。
でもプラスチック製でとても軽く、ジョグを回している最中によくコントローラ本体が滑ってしまったので、その辺の使い勝手は良くなさそう。もう少し重量を持たせても良かったのではないでしょうか?>ソニーさん
今回「ルームリンク」が付属する(MXS5R のみ)以外はマイナーチェンジにとどまった MXS シリーズはもう一つ展示に派手さが欠けるような気がしました。フルモデルチェンジした RZ を前面に押したかったのでしょうが、「ホームサーバー」としての機能的には MXS シリーズの方がコンセプトに合致しているはず。個人的には非常に良いマシンだと思っているので、もっと気合い入れてマーケティングしても良かったのでは?
さて、問題の(?)VAIO HS。血統機種となる LX シリーズからガラッとイメージを変えてきました。何だか「中肉中背、ずんぐりむっくりした JX」という感じです(笑)。デザイン的にはイマイチかなぁ・・・。
HS 本体のフロントパネル。
ホントに JX シリーズに雰囲気は似ていますね。ただ、高さと奥行きが JX よりもコンパクトなので置き場所にはあまり困らないでしょうし、液晶の裏側にほぼ完全に隠しておけるのは良いですね。でもそれだと「VAIO W と何が違うんだ」ということにもなりますし、SFF モデルの増えてきた最近は棲み分けが非常に難しい(^^;
フロントパネルを開くとこんな感じ。
けっこうセコい作りだった JX よりちょっとはマシに作られているようです。
デスクトップ VAIO 初搭載となる「MOTION EYE」。実効画素数 31 万画素の CMOS センサカメラです。
基本的にイメージセンサは CMOS よりも C1 の MOTION EYE に搭載されている CCD の方が画質が良いのですが、何故敢えて CMOS なのかと伺ったところ「HS の液晶には CMOS の方が都合が良かったから」とのこと。おそらくは実装関係で小型化の容易な CMOS イメージセンサを採用したんだと思いますが、明るめの室内というシチュエーションを前提にできるデスクトップでは CMOS の画質でも十分きれいに撮れるという判断もあったのかも。
HS の MOTION EYE は使わないときにはしまっておけます。でもソフト的に検知する仕組みがないので、この状態で「Network Smart Capture」を起動すると、白い液晶の縁が映ってしまうというお寒い状態に(笑)。
ちなみにこの MOTION EYE ですが、初物ということで今後まだ画素数アップの予定はあるようです。Giga Pocket の画質と見比べてしまうと、MOTION EYE の画像は確かにちょっと物足りない感じがしますからね。
ペンタブレットモデルの「PCV−HS80BT5」も展示されていましたが、LX 初登場時よりはあまりペンタブレットに力が入っていないようでした。HS はどちらかというと MOTION EYE によるビジュアルコミュニケーションに主眼が置かれていて、ペンタブレット HS は LX でペンタブレットを愛用していた人の買い換え用途やこれから PC で絵を描きたいという人向けのニッチなモデルになるような気がします。
デスクトップ VAIO ブースは混んでいてスタッフの方をなかなか捕まえられなかったのですが、できれば「Windows XP Tablet PC Edition」についてのソニーの考えなんかも聞いてみたかったなあ。

今回のデスクトップ VAIO ブースは RZ を中心に、あとは HS を少し、という感じでひたすら RZ のプロモーションに力が入っていたのが印象的でしたね。RZ+ルームリンクという組み合わせを売りたいソニーの意気込みが強く感じられました。
その一方で、Adobe の協力を得て Premiere のデモをやっていたり、ビデオ編集や DVD オーサリングのコーナーも充実していました。RZ70P もジョグコントローラが付属になっていよいよ「ビデオ編集機」として売り出そうという気があるんじゃないか?という雰囲気でしたし。でもこういうことをするつもりがあるならもう少し RZ70P の「ノンリニアビデオオーサリングマシン」的な性格を前面に出して売っても良いような気がします。以前あった「GARAGE」モデルみたいなものを出すとか、オーサリングに関係ないソフトを省いて安定性を向上させたものとか。Giga Pocket 中心の下位モデルと売り方が一緒くたになっているのが非常に残念。
新モデルも安定して売れ続けるであろう VAIO W はいいとして、気になるのは JX シリーズの今後。Giga Pocket を外したことについては「ユーザーや販売店が機種選定時に迷うことがないように、JX シリーズと HS シリーズとの違いを明確にするため敢えて JX シリーズの VAIO のエントリーマシンとしての位置づけを再定義した」みたいな説明をいただきましたが、前の JX11G シリーズは個人的に価格、性能、機能、拡張性の絶妙にバランスした良機だと思っていただけに JX の弱体化は非常に残念です。ま、これで今シーズン JX シリーズを買おうと思っていたユーザーの大半は W か HS に流れるでしょうから、せっかく出した HS が大失敗に終わるということはないでしょうが、うーん、もったいないなあ。
→パート 4

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