VAIO Column 特別編 「WPC EXPO 2002」レポート
「WPC EXPO 2002」レポート
ソニーブースに続いては、松下・シャープブースです。
ともに極薄ノートの新ラインナップを発表したばかりですが、両方ともホントに薄くて軽いです。
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Panasonic ブース。松下はこの WPC EXPO が行われた東京ビッグサイトのほど近くに、9 月にショールーム「Panasonic Center」をオープンしたばかりですが、この新しいショールームの内容を一部切り取ってきたような雰囲気でした。
松下電器はちょうど PC と AV 機器を接続する新規格「HighM.A.T.」マイクロソフトと共同で発表したところですが、やはりこの松下ブースでも「ホーム AV ネットワーク」ということを最も大きなキーワードとしていたような気がします。
新登場の極薄ノート「Let's Note LIGHT T1」。夏モデルとして登場した B5 ジャストサイズ「Let's Note LIGHT R1」の上位クラスとなる、B5 ファイルサイズ(12.1 インチ液晶)のサブノートです。重量は 1kg を切っており、ホントに軽い。重量対サイズ比が R1 よりも小さいこともあって、R1 よりも軽く感じてしまうくらい。でもけっこうスカスカな感じがしたり、外装の質感に欠けることがあったりで、ちょっと安っぽい印象は否めません。
でもこの軽さと USB 2.0 の標準サポートは羨ましいかも。
1GB 版 SD メモリーカードの動作デモを行っていました。なかなか 256MB 版が出てこないメモステ陣営との差をさらに広げてきましたね。メモステも早く大容量版出さないのかな。
この松下ブースはともかく、「Panasonic Center」の方では松下製品に限定せず SD カード協賛企業グループ全体での展示になっていたりと、とにかく協賛企業と関連製品の多さをアピールしてメモステ陣営に対するアドバンテージをアピールしよう、という戦略に見えます。
トヨタ自動車、松下電器産業、アサヒビールなど異業種企業の共通ブランド「WiLL」のロゴと、SD カードのロゴが入ったこの化粧コンパクトのように見える製品、なんだか分かりますか?
実はこれ、「SV-AV30」という、動画や音声も録れるコンパクトデジカメなんです。
本体を開くと液晶ディスプレイが現れます。
サイズ的にはストップウォッチ等と同じくらいの大きさなんですが、これで案外キレイな動画が撮れます。動画フォーマットは MPEG-4 で、静止画サイズは 640x480。Cyber-shot U や EXILIM とは趣を異にする製品ですが、ミニマムサイズの動画デジカメで、デザインも良い。ちょっと欲しくなってしまいました。
新登場のブロードバンド TV チューナ「Broadnow」のデモも行われていました。「ブロードバンド TV チューナ」って何?と思われるかもしれませんが、地上波チューナにネットワークコネクタ、HDD ビデオレコーダ機能、Windows Media デコーダを内蔵し、地上波 TV 放送だけでなくブロードバンド配信のストリーミングビデオ放送も受信できるというもの。
「Broadnow」のデモでは、バンダイチャンネルのストリーミング放送を実際に受信していました。ビットレート 1.0Mbps ということで、さすがに大画面 TV での観賞には厳しいものがありますが、それでも現状のネット配信であることを考えると十分にキレイ。今後、FTTH やオーバー 10Mbps の ADSL/CATV サービスが本格的に普及してくれば、本当にインターネットがテレビ局を超える時代がやってくるかもしれません。
WPC EXPO の開催前からかなり気になっていた 10.4 インチ版の新 MURAMASA、「PC-MM1-H1W」。Crusoe TM5800 867MHz、15GB HDD、USB 2.0 を備えたサブノートです。重量約 950g は松下の「Let's Note LIGHT R1」の 960g を超えて「世界最軽量」。もうここまでくると一時期の携帯電話の軽量化競争と同じで、グラム単位の軽量化を競う意地の争いといった感じがします。でも、少なくともモバイルの世界においては、軽いことはいいことです。
本体デザインはシンプル、プレーンでなかなかスマートにまとまっています。個人的にはけっこう「グッとくるデザイン」だと思うんですがどうでしょう?「MURAMASA」以来の最近のシャープ製品には、初代 505 対抗で「Mebius PJ1」を開発したとき以来の気合いを感じます。
でも、スペック的に VAIO U と同程度っぽいので、モバイルで重い処理をさせるのには向いていないかも。
この薄さを見てくださいよ。液晶の上端部に向かってエッジを絞っていく処理がなされていることもありますが、それでもかなり薄い。松下の R1 を超えて世界最軽量を実現しているというのも頷けます。
エッジを鋭くカットしているあたり、剣の刃のように見えます。まさに「MURAMASA」といった感じ。
ウワサの専用クレイドル。内部的に USB 2.0 で接続され、母艦 PC の外付け HDD として使えるという仕様になっています。何でもかんでもクレイドルにすればいいのか、と言われていますが、Crusoe のパワーや本体のサイズから考えて、ありきたりなドッキングステーションではなくてクレイドルを使うことで HDD 内のデータのみを活かそうという割り切りは、ある意味斬新です。
クレイドルに立ててみたところ。「リムーバブル HDD」という使い方はともかくとして、挿すだけでサクッと充電できたり置き場所を取らないというのは魅力的だと思います。でも、倒れやすそう・・・(笑)。
このクレイドルには賛否両論いろいろありますが、実際に発売されてからの市場の反応はどのようなものになるでしょうね?
12.1 インチ版 MURAMASA のときもありましたが、本体背面パネルのカラーバリエーション案も展示されていました。MURAMASA のユーザー層を想定してか、シックなカラーリングのものが多く展示されていました。
このカーボン風パネルにも見覚えがありますが(笑)、MURAMASA の鋭いイメージにマッチしていてなかなかかっこいいです。
これは CEATEC でも展示されていた Linux Zaurus の新製品。キーボード付き、VGA 液晶を備えたものです。CLIE NR/NX シリーズと同じく「オープン&ターン」の動作で、キーボードスタイルとタッチパネルスタイルを切り替える事ができます。
画面を見てみましたが、かなり高精細で CLIE NX よりもキレイかも、と感じるくらいでした。年内の発売を目標にしているそうですが、ちょっと楽しみです。

松下、シャープ(と、あと東芝)は現在 B5 クラスのサブノートの薄型軽量化の牽引役を担っているメーカーだと思います。数字至上主義でユーザー不在のところで軽量化競争をするようなことになるのはどうかと思いますが、ちょっと前の Intel CPU の TDP 上昇で大型化の方向に振られてしまったサブノートを再び高モビリティの方向に引き戻してくれるこれらのメーカーの動きは歓迎したいところです。来年の Banias の登場によってこの傾向に拍車がかかりそうですが、VAIO も薄型サブノートの復権があるのでしょうか?
→パート 3

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