VAIO Column 特別編 | 「Do VAIO World 2004」レポート |
「Do VAIO World 2004」レポート |
デスクトップ VAIO の〆は、開発中のコンセプトモデル「type X」。年末までの発売を目標としている新モデルですが、やはり、噂通りバケモノなようで・・・。 ※各画像をクリックすると大きい画像が表示されます。 |
全てのチャンネルの全ての時間帯をごっそり録画してしまう。これは、「予約録画」のみならず「おすすめ」という新たなテレビの楽しみ方を提案していた CoCoon チャンネルサーバーの概念すら覆す、全く別次元のテレビ録画のやり方だと思います。全部入ってしまうんだから、わざわざ番組を選んで録画する必要はないでしょ。そんな、誰でも思いつきそうだけどまず誰もやらなかったテレビ録画のやり方を、type X は実現しようとしているようです。 しかし、これだけ膨大な量の番組を録画してしまうと、どうやっても全ての番組を観ることができないのは当然として、観たい番組に辿り着くだけでも相当な労力を必要としそうです。「タイムシフト」というテレビ録画の原点に立ち返るならば、「いつ・どのチャンネルで放送された」という情報は必要なく、「どんな番組が観たい」という欲求をキーに録画タイトルを検索できるビューを使うのが理想的だと思うんですよね。まあ、今回は「全てのチャンネルの全ての番組を全て録画する」という type X の性格をコンセプチュアルに提示するためわざと「タイムマシン」を中心にデモを行っていたのだと思いますが、実際の使用では CoCoon のようにジャンル別やキーワード別に目的の番組を探していくスタイルが標準になるのではないでしょうか。 気になるのは常に録画状態になっているため電源が入りっぱなしになること。ただでさえデスクトップ PC ベースなのに HDD を回転させ続け、エンコーダチップに負荷をかけ続けるということは消費電力は恐ろしいことになりそう・・・と思ったのですが、どうやらテレビ録画実行時は PC 部分の電力供給を切ってチューナ/エンコーダとディスクだけで動作させることも可能なよう開発しているとか。それもすごい。 あとはやはり全ての番組を録画するとなると HDD が 1TB あってもすぐに足りなくなってしまうことでしょうか?特に、デジタル放送に対応して HD 映像をそのままのクオリティで録画できるようになったら、あっという間にディスクがいっぱいになってしまいそうです。これに対する解決策は現在、物理的に HDD をどんどん増設していくか、DVD+R DL を使って積極的にデータを退避させていくしかなさそうですが、どれも根本的な解決になっていないんですよね。やはりこういう使い方をするには 10TB 単位の HDD が当たり前になり、なおかつある程度インテリジェントに録画タイトルを取捨選択(録画時なのか、録画後時間が経ってからなのかは分かりませんが)する仕組みが必要になってくると思います。まあ、発売まではまだ半年近くあると思いますから、それまでにできるだけのことはチャレンジしていってほしいですね。 あと、価格はどう考えても \50 万近くにはなってしまいそうな予感。民放チャンネルの少ない地方の事情なども考えて内蔵チューナを減らしたり HDD を少なめにした廉価なバリエーションモデルが登場する可能性はありますが、それでも DVR 専用機がものすごい勢いで低価格化してきている現状を鑑みると、チャンネル数分スゴ録を買った方がいいよ・・・と言われないよう type X の存在価値を高めていくのはかなり大変そう。動きの速い最近のデジタル家電業界を逆に引っ張っていく製品が作れるかどうか、おそらくあと半年は開発陣は過酷な日々を送るのでしょうね;; →パート 10 - type U (1) |
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