VAIO Column 特別編 「New VAIO Days」レポート
「New VAIO Days」レポート
「VAIO 第 2 章」として新たなシナリオの幕が落とされた 2004 年夏の VAIO。これに続く第 2 章第 2 幕、2004 年秋 VAIO がデビューしました。フルモデルチェンジの後は地味なマイナーチェンジ、という大方の予想を裏切っての意欲的な新製品の投入――VAIO type T および VAIO type M が、やはり今回の目玉といえそうです。
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まずは VAIO type T。



最薄部約 25mm、重量 1.38kg。そして、シックな薄型のデザイン・・・ようやくハードモバイラーの期待に応えられる 10 インチクラスのモバイルノートが登場したと言えそうです。モバイルでは昨冬の 505 EXTREME がありましたが、あれはスペック・価格ともにかなり乗り手を選ぶ特殊なマシンでしたからね。今回は、オールインワンノートとして必要最低限のポイントは押さえつつ、可能な限り薄く軽く仕上げた堅実な作品に仕上がっています。技術的には松下の「Let'snote R3」あたりの方ががんばっている面も大いにありますが、できれば他メーカーに流れたくないという古くからの VAIO ユーザーも少なくないのではないでしょうか?(^^;そういう人には今回の type T、なかなかオススメだと思います。



type T には 2 色のカラーバリエーションが存在しますが、こちらは「バーガンディーブラウン」。Brown Sugar 的には「ブラウン」っていうだけでk(略
といってもカタログ上は「ブラウン」となっていますが、実物はかなり赤に近い色。新しいレンガの色と表現するのが一番近いでしょうか?少なくとも一部で言われている中学校のジャージの色とかではありません(ぉ
表面は梨地よりももっと粗くざらざらした加工がなされていて、確かに少し革っぽい手触りがあります(革ほどしっとりしていませんが)。モバイル PC の表面加工というと、こだわった製品でもどうしてもピアノフィニッシュばかりになりがちですが、ピアノフィニッシュとは全く反対のアプローチのこんな仕上げもなかなか悪くありません。また、赤系の筐体色も VAIO では初めて。なかなか新鮮です。



こちらが「ミッドナイトブルー」。濃紺というか、光の当たり具合によってはブラックにも見えなくない色合いです。でも表面がバーガンディーブラウン同様マットなシボ加工になっているので、黒くのっぺりしていた type S の筐体よりも質感は高いと思います。
バーガンディーブラウンと比べると無難なカラーですが、これはこれで悪くないですね。個人的には、男性がビジネス中心で使うならミッドナイトブルー、女性や男性でもホビー用途ならバーガンディーブラウンがいいんじゃないかと思いました。



天板および底面。
2 スピンドルということで厚みはまあ多少ありますが、比較的薄く見えるデザインになっています。天板の微妙なアールのかかり具合とかシャープなイメージのボディラインはけっこう好みかも。後部のバッテリの出っ張りが全体的なデザインのバランスを崩しているのがかなりもったいないです。とはいえ、どちらかというと好きなデザインであるのは確かですね。
底面には冷却用の吸気(排気?)スリットとポートリプリケータ用のコネクタ以外には何もなし。増設用メモリスロットはキーボードを外したところにあるのでしょうか?ポトリのコネクタが剥き出しなのがちょっと残念です。



厚さのイメージ。サイドから見るとそうでもないですが、手前から見るとけっこう薄く見えますね。前作 type TR が分厚かっただけに、よけいに薄く見えるのかもしれません。
両サイドのヒンジ部に「VAIO」の彫り込みロゴが入っているのが昔の VAIO みたいでこだわりが感じられますね。しかし逆に VGA コネクタや USB ポートが剥き出しになっているのが何とも・・・。ちなみにメモリースティックスロットは MagicGate 機能に対応していません。メモステもそろそろ終わりなのかなぁ・・・ベータマックスの失敗から何も学んでいないんでしょうか>ソニーさん



パームレストの右手前にヘッドホン出力・マイク入力が。ジャックの右にあるのはボリュームスイッチとミュート/サウンドエフェクトボタンです。このサウンドエフェクトボタンは SonicStage Mastering Studio のヘッドホン用オーディオフィルタと連動していて、使用するヘッドホンに最適なエフェクトをかけることができるようになっています。type T はポータブル DVD プレイヤーとしてもそれなりに使えるようになっている(あくまで Windows 上での再生になりますが)ので、バーチャルサラウンドヘッドホン機能にも対応していればなお良かったんですが。



キーボードは別段打ちやすいということもないのですが、本体側の密度が高いせいか剛性感があってタッチは悪くないと思います(少なくとも TR や type S よりは)。
キーボードは昨シーズンの type S あたりからカーソルキーが一段下げられて使いやすくなりました。(XR や GR などの一部モデルを除き)キーボードをコストダウンの対象にしがちだった今までの VAIO と違い、最近はようやくマン−マシン・インタフェースのユーザビリティを考えてくれるようになってきたみたいですね。欲を言えば最上段のファンクションキーと数字キーの間にセパレータを入れてくれるともっと使いやすくなるのですが・・・。



ヒンジ部に設けられた DVD 操作ボタン。このボタンを使ってダイレクトにソフトウェア DVD プレイヤー(Do VAIO および WinDVD)を操作することができます。左端の「DVD」ボタンを押すと自動的に DVD プレイヤーが起動するようになっているのですが、プレイヤーの起動時間はかなり長め。喫茶店や新幹線内などの外出先で DVD を観たいという用途には、あまり相応しくないかと(ぉ



自慢の「クリアブラック液晶」。ワイド画面で明るく、黒がしっかり引き締まっている上に発色が濃密でつい見入ってしまうディスプレイです。Windows のデスクトップ画面ですら、アンチグレア処理された液晶を見るのがいやになってしまうくらいきれいに見えます。正直この液晶のために type T が欲しいと思えるくらいなんですよね・・・もちろん DVD 再生には最適なディスプレイで、7 インチ前後の液晶を搭載したポータブル DVD プレイヤーとは格の違う表示品質を誇っています。



付属のバッテリ。なんとわざわざヒンジ部の DVD 操作ボタンにあたる部分を切り落としています(笑)でもプレイヤーの起動にあれだけ時間がかかるならぶっちゃけボタンは要らないかと(ぉ どうせなら Windows を介さずに DVD プレイヤーとして使えればいいんですけどね・・・。
type T で提供されるバッテリは 8 時間もつこのバッテリのみ。できれば出っ張らないタイプの S バッテリも出してほしかったんですが、ソニーさん的には「8 時間」というのを一つのセールスポイントとしているようなので、駆動時間が短くなってしまう S バッテリの発売は期待薄かな。個人的には省電力モードで 3〜4 時間もってなおかつ軽い、というのが一番バランスが良い気がするのですが、どうでしょう?



type TR を持っていないので X505 との比較。
type T はバッテリの出っ張りが気になる・・・と思っていましたが、奥行きでいうとバッテリの出っ張りを含めても X505 の奥行きより若干短いくらいしかないんですね。そう考えるとバッテリが出っ張っていてもまあ許せる気はしました(本当はバッテリの幅が本体と揃えられている方が良かったですし、重量的な面で考えても S バッテリにして軽く持ち運びたいという欲求はありますが)。ちなみに横幅はワイド液晶の分 type T の方が大きいです。
薄さは・・・X505 と比べるのはさすがにかわいそうだったかな(^^;X505 はこうしてみるとアンチグレア液晶なのがちょっとさみしいですね。



type T 用のキャリングケース 2 種。ソニスタ限定の本革キャリングケースと、純正のスウェード調セミハードケース。本革の方は一枚皮で作ってあったり VAIO の型押しロゴが入っていたりとこだわりまくりでかなり質感が高いです。type T のバーガンディーブラウンと一緒に使いたい感じ。
純正のセミハードケースも純正の割にはなかなかよくできているんですが、この本革ケースの仕上がりの前には霞んじゃいますね(^^;

type T はこんなところ。予想通り、可もなく不可もなく・・・という感じではなく、思ったより完成度の高い良いマシンに仕上がっているな、というのが感想です。正直なところ、X505 を持っていなくてお金があったら type T を買ってしまっているかもしれません。メモリ 512MB、コンボドライブ、WinXP HE あたりで抑えれば Pentium M モデル(1.10GHz)でも \200,000 でお釣りが来るくらいに安いんですから。1 スピンドルじゃないこととか多少厚いこととか多少重いこととか HDD が 1.8 インチなこととか不満は確かにありますが、おそらく今の VAIO の流れからいってモバイルでこれ以上の仕様の製品は当分でてこないんじゃないかと思います。そういう意味でもこの type T は「買い換えたいけどなかなかタイミングがつかめなかった」モバイル系 VAIO ユーザーに送る決定版、といえるのではないでしょうか。いや、私も実はけっこう欲しい・・・。
→パート 2 - type M

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