VAIO Column 特別編 「CEATEC 2004」レポート
「CEATEC 2004」レポート
CEATEC 2004 に行ってきました。
今回のソニーの目玉はなんといっても「VAIO type X」。秋冬モデルの主力は一足先に発表、発売まで始まっていましたが、この CEATEC に合わせる形で大型商品となる VAIO type X を発表してきました。
では、恒例のイベントレポート、いってみましょう。
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過去 10 年間で最大規模となる台風 22 号、通称「マーゴン」が接近するまっただ中で開催された 2004 年の CEATEC。私が足を運んだ最終日はまさにこの台風が関東地方を直撃した当日でした。台風の影響で最終日は 13 時で閉会となり、かなり駆け足で回らなくてはならなくなりましたが、とりあえずソニーブースだけはしっかりと見てきました。



この秋、「Sony Hi-Vision Quality」のキーワードを掲げたソニー。今回の CEATEC ではまさにその「ハイビジョン」を中心とした展示となっていました。フルモデルチェンジを遂げた WEGA HVX シリーズ、QUALIA 005、SXRD リアプロジェクションテレビ(参考出展)、HDV カムコーダ HDR-FX1、そしてハイビジョン録画対応 VAIO。HD(ハイビジョン)およびデジタル放送に関連しないものはあえて展示しないくらいの勢いでハイビジョンにフォーカスしていたのが印象的でした。



まずは、QUALIA 005。LED バックライト「トリルミナス」を搭載した液晶テレビで、LCD WEGA HVX シリーズの上位機種となるモデルです。ソニーブースの中でも最も目立つ位置に配置されていたせいか、台風で人出が少なくなっていた幕張メッセの中でも特に人だかりができていました。
画質の方は噂には聞いていましたが、輝度・コントラストともに他の液晶テレビとは比較にならないレベル。隣に展示されていた WEGA HVX とは別次元と言っても良いくらいの強烈なインパクトある映像を見せてくれていました。液晶方式でありながらプラズマよりも明るく色再現性も高いのでは?と思ったくらいでしたね。



これがバックライト「トリルミナス」の実物。普通は蛍光管が使われている部分に三色の LED バックライトが仕込まれています。生で見ると眩しいくらいの明るさで、これが QUALIA 005 のえもいわれないような明るさを作り出しているんですね。


続いて、こちらは QUALIA 004 にも使われている LCOS(Liquid Crystal On Silicon)デバイス「SXRD」を採用したリアプロジェクションテレビ(参考出品)。北米で発表された 70 インチのリアプロですが、米国では「QUALIA 006」の名前で同国での QUALIA ブランドの第一弾として発表されたものです。この製品そのものが国内発売されるかどうかは分かりませんが、ここ 2 年間新製品のなかった国内向けリアプロの新製品がそろそろ発表されそうな雰囲気はあります。



で、これがその画質。撮影に使った DSC-F828 の 4 色 CCD のおかげでそれなりに再現はできていますが、それでもまだ収めきれていないほどに強烈な「赤」が表現されています。「強烈な」というのは決して嫌な意味ではなく、これだけ鮮やかな赤でありながら嫌みがないというか、良いスピーカを使うとボリュームを上げても耳につく感じがないのと同じように、まだまだ深い色を受け止めるだけの余裕がある、という感じなんですよね。フェラーリの紅さだけでなく、人肌の血色の良さや空の抜けるような青など、UHD ランプでありながらハロゲンランプを使っている QUALIA 004 に勝るとも劣らない表現力を持ったテレビだ、という感想を持ちました。



このテレビを横から見たところ(横がかなり壁に接近していたためこれ以上引けなかった)。リアプロながら十分な薄さで、覗き込む人が後を絶たず(笑)ブラウン管の時代から、日本ではテレビをコーナーに置くことが多かったので、液晶やプラズマよりもむしろリアプロの方がコーナーへの収まりは良いのでは?と個人的には考えています。
二年前の「GRAND WEGA」シリーズは当時のリアプロにありがちだった輝度ムラ(幕面の周辺部になるに従って暗くなる)や視野角の問題があり、画質的には今ひとつ、という感じでしたが、仮に SXRD パネルでなくても十分に液晶やプラズマと並べられるクオリティになったと思います。しかも価格的には液晶やプラズマよりも随分安くなるので、そろそろ国内でもリアプロの人気が高まってきても良い頃ではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。今年はソニー以外にも三菱やエプソン、三洋などがリアプロジェクションテレビの新製品を発表していますし、ブレイクの予感はあるのですが・・・。



今回のソニーブースでは「トリルミナス」や SXRD をはじめ、ハイビジョン関連の自社技術にまつわる展示にかなり力が入っていたのも印象的でした。QUALIA 005 と WEGA HVX シリーズに登載された「WEGA ENGINE HD」、「XMB(クロスメディアバー)」、デジタルアンプ「S-master」など、テレビをもう一度ソニーの主力製品とすべく社内のあらゆる部門から集めてきた技術・デバイスにはソニー自身かなり自信を持っているようでした。このほか、CLIE VZ90 に搭載された次世代ディスプレイ「有機 EL」の展示など、来るべきハイビジョン時代に備えた新デバイスを前面に出し、「ハイビジョンクオリティ=ソニー」という印象を消費者に植え付けたい考えのようでした。

今回のソニーブースはテレビ関連の展示のインパクトが強かったですね。特に「005」「006」の両 QUALIA の印象が強烈でした。もはやこの画質を目にしてしまうと SD 品質のテレビはおろか並みのプラズマや液晶ですら物足りなく感じてしまう画質であったことは確かです。どちらも決して安いものではないですが、通常のプラズマ・液晶テレビの相場を考えると他の QUALIA 製品ほど割高感を感じるものではないと思います。今 40 型以上の薄型テレビを考えるなら、十分に検討に値する製品ではないでしょうか?
→パート 2

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