Cyber-shot Laboratory Cyber-shot DSC-P9
Cyber-shot DSC-P9
と、いうわけで、ごくあっさりと DSC-P5 を手放し DSC-P9 に鞍替えしてしまいました。オートフォーカス機能やノイズリダクション機能の大幅な強化もさることながら、デザイン面でのブラッシュアップがなされ、他機種展開となった DSC-P シリーズのフラッグシップモデルに相応しい高級感を身につけた DSC-P9。400 万画素・光学 3 倍ズームとかつての Cyber-shot のフラッグシップ「DSC-S85」と同等以上の性能を身につけた名機に仕上がっています。
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P シリーズの基本路線である「スティックスタイル」を継承しながらも、P5 より更に軽くコンパクトになった DSC-P9。カタログスペック上での小型軽量化は P5 から比べれば僅かなものですが、設計の妙か手に持った感じでは P5 よりも随分小さく軽くなったような印象を受けます。
本体色は F707 に近いチタン系のメタリックカラーに変更され、ハイエンドモデルらしい金属の質感を表現することに成功しています。筐体は、四辺の角を落としたいわゆる「C 面カット」のようなボディラインになっており、実際のサイズ以上に小さく感じられる工夫がなされていると同時に、カットラインがデザイン上のアクセントも兼ねているようです。
P9 の高級感を演出するダイヤカットロゴ。従来のモデルでは「SONY」ロゴだけだったダイヤカット技術が「4.0 MEGA PIXELS」ロゴにも使われ、P9 の質感を向上させています。こういうのを見ているだけでニンマリしてしまう私は、見事にソニーの策略にハメられているのでしょうか?(汗)
P5 ではゴム素材が点状に配置されていたグリップ部は、金属製の出っ張りに変更されました。下方にかけて微妙に出っ張りが大きくなっていますが、これは何度もモックアップを作り直して微調整を繰り返したんだとか。苦労の甲斐あってか、これがまた案外ホールド感があって持ちやすいんです。
背面は基本的に P5 と大差ないものの、ズームボタンや端子カバー等のプラスチックパーツも本体と同じ金属色に塗装され、デザインの統一感が増しています。このあたりも最上位機種ならではのこだわりというか。
あと、十字キーの遊びがちょっと大きすぎてセンターが分かりにくいのが×(ロットにもよるかも)。
液晶上部には「Cyber-shot」の彫り込みロゴが。やっぱり「へこ文字」ロゴは VAIO ユーザーには(以下略)。というか、505EX のプリント VAIO ロゴがトラウマとなっている私にとって、この「へこ文字」が購入動機のひとつになったことは言うまでもありません(笑)。
P5 の同じ部分にあった液晶表示パネルがなくなり、充電の残り時間等が確認できなくなりましたが、そんなことより「へこ文字」の方が 1,024 倍重要です(ぉ
出っ張りが少なくなったモードダイヤル周辺部。出っ張りが少なくなったおかげで、デザインがかなりスッキリして見えるようになりました。
これによってモードダイヤル自体が若干回しにくくなったのですが、その分モードダイヤルの周囲の切り込みが改良され、回しづらさを軽減しています。こういった何度もモックを作り直して確認したであろう部位を見ると、開発者の方の職人的なこだわりが感じられますねー。
バッテリ/メモリースティックスロットは P5 と同じく側面からアクセスできますが、蓋が横開きから縦開きに変更されています。
本体と蓋の境目が前面から見えないようにしたい、というデザイナーのこだわりによるものだそうですが、こういったこだわりが P9 のセールスポイントなんですね・・・。
サイドの蓋を少し押し下げると、蓋が跳ね上がってきます。
対応バッテリは P5 と同じくインフォリチウム C。フル充電で 80 分程度の撮影が可能です。やっぱりサブバッテリはないと不安な感じ。
電源を入れてから撮影可能になるまで、2〜3 秒。かなり高速だと思っていた F707 の起動時間と同等か、更に短いです。これにはビックリ。ちなみに、起動時間が短いためか、撮影モードでは起動時の「Cyber-shot」ロゴは省略されています。
レンズの伸張速度も高速化されたせいか、レンズが飛び出してくるときの「み゛ーっ」という音がうるさくなった気がします。

P9 を使ってみて驚いたのは、その動作速度。起動時間が驚異的に短いのもそうなんですが、画像の記録がそれに輪をかけて速い!最大サイズ(2,272x1,704)撮っても F707 で 1,280x960 で撮るよりも速く書き込みが完了してしまいます。おそらくバッファの使い方が大幅に改善されたのでしょうが、これまでかなり速いと思っていた F707 よりも更に速いので、もう「爆速」と言っていいくらいに速いです。これにはビックリ。
オートフォーカス精度は、マルチポイント AF 機能のおかげで P5 からかなり改善されました。P5 のときのように後ろピンになってしまうケースが随分なくなりましたね。それでもピンがずれそうになるときがあるのですが、その際はセンター AF に切り換えて一旦フォーカスロック、という従来のやり方しかないですね。光量の足りない場所でピントが合わなくなりがちなのですが、そのときにマニュアルで設定できる箇所が少ないのが難点です。
暗所といえば、暗いところで撮影品質が大きく落ちるのがこのカメラの弱点でしょうか。暗いところだと、極端に画像に乗るノイズが多くなります。P5 よりも目立つくらい。おそらく、P5 と同じレンズを使って画素数だけ向上させたことの弊害でしょうが、いつでもどこでも撮りたいスナップ系カメラでこれはちょっと辛いかも。しかも、テレ(ズーム)端では更に暗くなってしまうので、暗いところではズームはほぼ使えないと思った方が良いのかもしれません。本体の質感と同じくらい、レンズの明るさも見直してもらえれば・・・。
ま、暗いところ以外では P5 より(カラーバランスを含め)かなり画質は向上していますから、買い換えた意味はあったのですが、欠点の多くが解消されただけに、暗所での撮影品質に関しては非常に残念です。

と、思ったら P9 の発売後すぐに下位モデルである P2 が出てしまいましたね。200 万画素ですが、レンズとの相性はむしろこのくらいの方が良いような気もします。画素数以外の撮影機能はほぼ全て P9 のそれを継承して、しかも買いやすい価格設定がされているので、バランスとしては P2 の方が良さそうですね。暗所撮影も、画素数が低い分ノイズの乗りが抑えられているかもしれませんし。
ダウングレードになってしまうので P9→P2 の買い換えはまず有り得ないのですが、Sony Style 限定の「ALL BLACK」モデルはかなりソソります。私の用途からいって P2 でも十分だし・・・ちょっと早まったかな?という気がしないでもありません。が、画素数表示のダイヤカットロゴは P9 だけ。当面、このダイヤカットロゴを眺めてニヤニヤしていることにします(笑)。

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