My CoCoon Days New CoCoon Impression

新 CoCoon「NDR-XR1」「NAV-E900」インプレッション
2003 年の春モデルとして、CoCoon の新製品 2 カテゴリ 3 製品が発表されました。
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200304/03-0403/
これに伴い、Sony Style でも例によって「Meet SonyStyle!」イベントを開催し、新 CoCoon をいち早く体験できる場を設けてくださいました。私も早速参加し、新しい CoCoon の雰囲気をつかんできたので、ここでレポートしたいと思います。

新しい CoCoon のひとつ、「CoCoon デジタルレコーダー NDR-XR1」。HDD レコーダに加えて DVD-R/RW までついた優れモノです。従来の「CoCoon チャンネルサーバー」とは違った、比較的オーソドックスなデザイン。しかも、デカッ(笑)。売り場でも競合製品を押しのけて目立つこと間違いなし(^^;
CSV-E77 とは違ったメカメカしいデザインは、やはり DVD オーサリングという AV マニア的作業をする意識の上ではこちらの方向性の方がマッチするだろう、という理由だそうです。確かに CSV-E77 みたいなイージーな雰囲気だと DVD オーサリングという感じでもないですからね。
天板に貼り付けられた「Network Digital Recorder」のエンブレム。
実際の設置時には真っ先にラックや他のデッキで隠されてしまうであろう場所なのですが(笑)、こういうところにも無駄に気合いが入っているのは、ソニー製品ならではでしょう(^^;
本体の右上部には対応フォーマットのロゴがズラリ。
DVD-R/RW、メモリースティック、i.LINK、CD-DA、DTS、ドルビーデジタル・・・とりあえず現行の基本的なデジタルフォーマットは一通り揃えました、というところでしょうか。
本体の操作パネル(とはいってもリモコン操作がほとんどになるので、本体の操作ボタンは必要最小限しかついていません)に配置された簡易液晶ディスプレイ。CSV-E77 が本体のユーザーインタフェースとしては電源ボタン、十字キー、そして「おまかせ・まる録 2」用の青い LED インジケータくらいしか備えていなかったことを考えると、ずいぶんちゃんと揃えられた感じがします。このあたりは後述しますが、やはりこのデジタルレコーダは従来のビデオ機器的アプローチが強いな、と感じる部分ですね。
トレイ式の DVD-R/RW ドライブ。なんということはないトレイ式です。
トレイの上に配置された青いインジケータ、そして中央下の「CoCoon」ロゴは、Linux 家電であること以外に比較的共通点の少ない「CoCoon」シリーズのアイデンティティとしてあえて共通化されているそうです。
背面はこんな感じ。
やっぱり BS アナログの装備は大きいでしょう。番組ソースの幅が大きく広がります。次は BS デジタルや CS への対応が進めば最強なんですけどね。
映像は D2 プログレッシブ出力対応、音声はもちろん DTS・ドルビーデジタルを光出力可能で、映像 DAC は 108MHz/12bit と DVD-Video プレイヤーとしてのトレンドもしっかり押さえてあります。DVD の再生環境としても悪くないですね。
ソフトウェア面をみてみましょう。
今回は CSV-E77 とは違ってちゃんとファミリーでの使用を前提とした設計になっており、HDD をフォルダ管理することが可能になっています。これで、録画した映像が誰のものか、しっかり整理することが可能になります。むしろ今までなんでできなかったんだろうという感じですが。
HDD がフォルダ対応になったことで、各フォルダごとの使用状況がヴィジュアルに確認できるようになりました。80GB と限りある HDD ですから、誰がどのくらい使っているか分かった方が便利ですよね。しかし、フォルダごとの HDD 使用量の上限は設定できない(というか運用も考えてあえてそうしていない)そうです。
番組表は従来の「G ガイド」ではなく Web ベースのものに変更になりました。
従来は局別、時系列順だった番組表ですが、今回は単なる時系列の他にジャンル中心のビューや番組データベース内の検索ができるようになりました。趣向にもよりますが、これはなかなか使いやすいかも。
DVD の作成画面。
通常は録画データを元にオーサリングしていくのですが、好みによって簡単な編集ができたり動画データが DVD-R/RW の容量より大きくなるときは、写真のような画面でカット編集していきます。ビットレートを下げて最エンコード、ということはできないみたい。
DVD オーサリングということで、メニューなんかも簡単に作れます。背景画をテンプレートから選択し、簡単に作っていくことができます。
編集機能自体はそれほど高機能ではないみたい。どちらかというと、録った番組をテンプレートを使ってどんどん DVD 化していく、みたいなことの方が得意のようです。より深い編集を行いたければ東芝あたりを買った方が良いかも知れません。

NDR-XR1 の方はとにかく「自分の観たい番組を狙い録りして、録れたら片っ端から DVD にしていく」というアプローチみたいですね。「おまかせ・まる録 2」がついていないことからも分かるように、とりあえず何でも録画して溜めておきます、というものとは全く逆のアプローチであるということがよく分かりました。
しかし、編集能力としてはそこまで多機能ではない(普段ユースには十分な程度かもしれませんが)ことを考えると、「とりあえず複合機の必要に迫られたから出してみました」的な匂いがして、比較的凡庸なハイブリッドレコーダに落ち着いてしまっているような気がするんですよね。ネットワークも普段は番組表取得くらいにしか使わないですし・・・。内蔵の Web ブラウザを絡めた ISP のコンテンツ提供みたいな話もあるようなので、これの今後次第では化けるかな・・・という希望はなくはないですが、現状では「CoCoon」の名を冠する必要は必ずしもなかったかな、と思います。

期待されていたこのハイブリッド CoCoon ですが、誰もが当然つくものと思いこんでいた「おまかせ・まる録 2」がサポートされず、HDD は 80GB、DVD オーサリング機能もそこまで高機能ではない・・・と、スペックとしてもう一声足りないなあ、というのが正直なところ。本当は 3 月中にも発売される予定だったらしい、という噂を聞いたことがあるのですが、何らかの理由で一ヶ月遅れ、その隙に松下からドカンと発表された「DIGA」に完全にインパクトを奪われてしまいました。既存の VHS ビデオユーザーへの買い換え需要の喚起、という意味では松下の衒いのないアプローチの方が受け入れられるでしょうし、ラインナップの広さでも松下(と東芝)が完全に優位に立っています。NDR-XR1 は「CoCoon」シリーズであることの優位性をアピールできていないような気がするのですが、既存のテープメディアの置き換えに終わらない「ネットワークに繋がることの意味」をもう少し解りやすく見せてくれないと、競合製品との違いは伝わらないのではないでしょうか?
個人的には、コンセプト云々よりももっと高機能(有り体に言えばチャンネルサーバー機能搭載で、より高度な DVD オーサリング機能搭載)にしてくれれば、購入対象になったんですが、残念ですね。

後半はホームシアターシステムです。
→後半へ続く

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