Road to Home Theater | ホームシアターへの道 |
ヤマハの実力 DSP-AZ2 |
AV アンプが新しくなりました。 ヤマハ DSP-AZ2 希望小売価格 \180,000 借り物やいただき物が多い我がホームシアターですが(笑)、今回も、誕生日プレゼントということでとある方からいただいたものです。かなり高価なものなのにもらってしまっていいのー?とちょっと恐縮してしまいましたが・・・。ちなみに、市販品とはちょっと違う訳あり品(以下自粛)ですが、スペックは市販品と同じようです。 これまで使っていた「STR-DB1070」と比べてどうかというと、価格的には DB1070 の上位機種にあたる STR-VA555ES や VZ555ES とほぼ同グレードということになるため、DB1070 よりは 1 クラス上ということになりますね。DB1070 はフロント 3ch+リア 3ch+サブウーファの 6.1ch サラウンドに対応していましたが、AZ2 はこれにフロントエフェクト 2ch を加えた 8.1ch サラウンドに対応しています。うちには、まだ 5.1ch 分のスピーカしかありませんが。(^^; 同社の AV アンプはかなり幅広いラインナップを誇っていて、フラッグシップ機としては「DSP-AZ1」という製品があるのですが、この AZ2 は普及価格帯でできる限り AZ1 に迫る機能・性能を目指した高級機です。DTS-ES、DTS 96/24、DTS Neo:6、ドルビーデジタル EX、ドルビープロロジック II などのフォーマットに完全対応しているのも最新機種ならでは。 ヤマハのアンプはその名が示すとおり DSP による仮想音場を作り出す機能がセールスポイントになっています。DSP タイプの AV アンプというとソニーの AV アンプも「Digital Cinema Sound」という独自の DSP を搭載していますが、そういう意味ではマルチチャンネルサラウンドに対する考え方はソニーもヤマハも近いところに立っているということができるかもしれません。 本体デザインは至ってシンプル。電源ボタンとインプットダイヤル、ボリュームダイヤル以外は目隠し板の奥に隠されていて、極力フラットな印象を与えるようになっています。ちょっと小洒落たデザインの DB1070 と比べると、無骨すぎてちょっと物足りないかも。白色発光+ブルー LED に慣れた目には、ヤマハの伝統的なアンバーの表示パネルも少々野暮ったい印象を受けます。まあ、音が良ければそれで良し、ということなのかもしれませんが、やっぱりこうして比べるとソニー製品のデザインはうまいよなあ、と思わせられますね。 背面には端子類が超びっしり。STR-DB1070 の入出力の数にも驚きましたが、AZ2 はそれを軽く上回っています。通常の AV アンプよりも広いはずの I/O パネルに所狭しとコネクタが並べられています。8ch 分に加えて、フロントは A/B 2 系統のスピーカが接続できるため、10 本分のスピーカ端子が並んでいるこのパネルはかなり壮観。 今時の AV アンプらしく、映像入出力はコンポーネント端子に加えて D(D4)端子も備えられています。テレビとプロジェクタに出力するためにコンポーネントまたは D 端子の映像出力が 2 系統欲しかった私には朗報。さらに、DB1070 ではできなかったコンポーネント出力からの OSD(オンスクリーンディスプレイ:設定画面をテレビやプロジェクタに表示。DB1070 では S 端子とコンポジット出力のみ OSD 対応)に対応しているのも嬉しいところです。 ただ、DB1070 と違って AM/FM チューナを内蔵していないため、ラジオを聴ける環境がなくなってしまったのが残念と言えば残念かな。ま、それほど使う機会はないのですが。 今まで使っていた STR-DB1070 と比較しても、本体の高さは一回り増しています。大きめの筐体にコスト内で可能な限り物量を投入しているという気合いが本体サイズからも伝わってきますね・・・本体重量 22.0kg というのも伊達ではありません(DB1070 は 13.2kg)。動かすのも一苦労です(笑)。 ただやはりデザインセンスはソニーの方が・・・。他のデッキとのデザインも、シリーズで揃えている DB1070 の方が当然マッチングは良いんですよねえ。 付属のリモコンは、テンキーも備えたボタンのたくさんあるタイプ。DB1070 のシンプルかつ使い勝手の良いリモコンに慣れた私には、ちょっと使いづらいかも。というか、マニュアルが付属していなかったので使い方が分かりません(ぉ ただ、学習タイプのリモコンなので、各機器に合わせたセッティングをしてマクロも登録すればかなり使い勝手は良くなりそうです。でもその前に AV リモコンを買ってしまうかも。 この AZ2 は訳あり品ということで電源ケーブルが付属していないため、別途購入してきました。PC 用の電源ケーブルでも代用できるのですが、せっかくいいアンプなのにあまり安物の電源ケーブルもどうかと思って。と、いうわけで、これはオーディオテクニカの「AT-PC600」という OFC ケーブルです。電源ケーブル 1 本で \5,000 もしました(;_;)が、高いだけあってコネクタの作りなんかはかなりしっかりしています。これでもオーディオ用電源ケーブルの中ではいちばん安い方なんですけどね・・・。 本当に電源ケーブルでそこまで音が変わるのか?というのは私もちょっと疑問に思っているのですが、あいにく比較できるケーブルを持っていないので試せていません。でも、電源ケーブルに何万もかけるのはどうかと思います・・・。 もうひとつ。DB1070 との音質比較用に、ケーブルの抜き差しを容易にするためにバナナプラグを買ってきました。スピーカケーブルに合わせて、Monster Cable の「QLGMT-H」という製品です。圧着やハンダではなくねじ込み式で簡単に脱着できるのがポイント。2 組(4 本セット)で実売 \4,000 もします。スピーカ 5 本分で \12,000 もしました・・・(T_T)こういう小物系にかかるコストも馬鹿になりません。 DB1070 の代わりにラックに収めようと思ったら、高さが増しているせいでそのままでは入りませんでした。仕方がないのでラックの棚板をずらして何とか収納しましたが、かなり窮屈。アンプとプレイヤーの上側に隙間がないので、熱がこもらないかちょっと心配です。そろそろラックもちゃんとしたものに換えないといけないかな? 実際のところ、音の方はどうなのか?ということで、STR-DB1070 と聴き比べてみました。DB1070 も曲がりなりにも 10 万円クラスのミドルレンジ製品なのですが、定価ベースで倍近いアンプの実力やいかに? 私はホームシアターにおいては映画よりもむしろ音楽の再生に重点を置いているので、まずはオーディオとしての音の比較を。DB1070 は比較的サラッと聴きやすい音にまとまっていて嫌いではないのですが、AZ2 は全音域を通じて DB1070 よりもパワーがあり、音がどんどん前に出てくる感触です。非常に元気のある音で、低域も DB1070 より太くて輪郭がはっきりしています。例えば、Earth, Wind & Fire の「After The Love Has Gone」では、終盤のサックスが DB1070 では「インストの一部」という印象しかなかったのが、AZ2 では情感をもった「演奏」として表現され、サックスが生々しく自己主張してます。歌ってます。これにはちょっと驚きました。 映画のサラウンド再生に関しては、DSP をかけない素の音では思った以上にさらっとしていて、各チャンネルの分解度では DB1070 の方が高いかな?という気がする反面、AZ2 のこういう音を「チャンネル間のつながりが良い」というのかな?と思いました。サラウンドスピーカの自己主張が弱い感じがするんですよね。今まで DB1070 と同環境で直接比較したアンプがないので、どちらの方向性が正しいのか、ちょっと判断ができていません。 ヤマハの代名詞である DSP については、プログラム数は多いものの実際に使えるのはほんの一部だな、というのが感想です。ひどい風呂場エコーになってしまうものが少なくなく、(使い方にもよるのでしょうが)ちゃんと使いたいと思えるのは映画ソースにムービーシアター系プログラムをかけるという用途くらいかな。でも、アンプ自体の音はパワフルでけっこう私好みなので、素の音でも十分聴けちゃいます。ってそれだとヤマハを使う意味がないのかもしれませんが。(^^; しばらく聞き比べてみて思ったのですが、音の方向性については少し掴めたような気がする反面、ディテールの違いについては今のスピーカでは聴き分けるのは難しいです。このクラスのアンプの実力を出し切るには、もう少しレンジの広いスピーカでないと力不足かもしれません。スピーカが小さいせいで、中域以下の量感が全然出ないんですよね・・・。そろそろ、もっとパワーの出せるトールボーイスピーカが欲しいですね。その前に、まずまともなスクリーンが欲しいですが・・・。 ■現在のシステム構成:
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