VAIO Laboratory 505EX でオーバー 8GB の HDD を使用する
505EX でオーバー 8GB の HDD を使用する
PCG-505EX では BIOS の制限上、8GB 以上の HDD を利用する際は HDD の全領域を使用できないと言われていました。しかし、以下のようなトリッキーな方法により 8GB 以上の HDD でも全領域が利用できることがわかりました。

以下の情報は、しのさんに提供いただいたものに管理者 Brown Sugar が少々加筆修正したものです。どうもありがとうございました>しのさん

これまで、505EX(および初代 505、505X)では 8GB 以上の HDD では全領域が利用できないということが言われていました。実際、8.1GB の容量を持つ東芝「MK8113MAT」では、BIOS SETUP(VAIO を起動直後に「F2」キーを押す)の「Advanced」→「Primary IDE Adapter」で

TYPE : USER
Cylinders : 16383
Heads : 15
Sectors/Track : 63

に変更し、8.1GB 中の約 7.9GB までを使用する設定にすることが Tips として知られていました。しかし、12GB など大容量のドライブではこの方法で万一認識できても無駄になる領域が大きくなってしまい少しもったいないです。そこで、かなりイレギュラーな方法ですが、以下のような操作を行うことによって 8GB 以上のドライブの全領域を使用することができるようになります。
以下の方法は東芝製「MK1214GAP」(9.5mm 厚、12GB)での例です。シリンダ数 23579 というのは、HDD の背中のラベルに書いてあった「LBA 23579」のことです。これ以外のドライブについては、シリンダ数をドライブに記述されている値に読みかえるなどして対処してください。
  1. HDD を交換後、HDD の BIOS 設定を AUTO→USER に変更。領域開放されていない HDD の場合はシリンダ数を 4200(例)に設定。領域開放されていれば 23579 にセット。
  2. FD で起動して、領域開放されていない HDD の場合は領域開放してからシリンダ数を 23579 に変更。再度 FD で起動します。
  3. DOS が立ちあがったら FDISK。これで約 12GB が認識されます。
  4. その後 BIOS 設定で、シリンダ数を 4200(例)に設定。FD で起動して FORMAT。
ポイントは、領域開放されていれば、BIOS 設定でシリンダー数を 23579 に設定することであっさり 12GB の認識ができるのですが、領域確保後だとシリンダー数を 4200 とか小さい値(8000 くらいでもOKでした)にしないとブートできなくなってしまいます。したがって FDISK 前にシリンダー数を 23579 に設定して FDISK した後、4200 に再設定することで問題は解決します。4200 に設定してもエクスプローラではきちんと 12GB と表示されます(Notebook Setup では BIOS の設定通り 2.1GB(4200 の場合)と表示されてしまいますが使用上は問題ないでしょう)。
以下は HDBENCH Ver 2.42 の結果です。HDBENCH のバージョンが違うため、本サイトの別の HDBENCH のデータ(Ver 2.61 を使用)と直接比較はできませんのでご注意ください。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.420 ★ ★ ★
ProcessorNo Data 266 [GenuineIntel family 5 model 8 step 1]
解像度800x600 65536色(16Bit)
DisplayNeoMagic MagicGraph 128ZV+
Memory64,608Kbyte
OSWindows 98 4.10 (Build: 2222)
SCSI[?]=Iomega Parallel Port Zip Interface
SCSI = Panasonic KXLC005
HDC = Intel 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
HDC = プライマリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
CD = GENERIC IDE DISK TYPE40
E = MATSHITA KME CD-ROM08 Rev 1.01
ALL Text Scroll DD Read Write Memory Drive
9575 15845 16536 6344 1349 2490 75 0 9166 8736 25640 C:10MB
Read と Write が交換前に比べて 3 倍くらいになりました。体感速度も 2 倍くらい。Word とかの起動がメチャ速くなりました。
現在はパーティションを切って、2.1GB と 9.2GB で使っています(足すと 11.3GB ですね。ま、約 12GB ということで・・・)。
9.5mm ハイトの HDD でも全然 OK ですよ。もともとケースに多少すきまがあったので、交換しても気になりませんでした。
注意
この方法で 8GB 以上の HDD の全領域を認識させると、BIOS と OS とで領域の認識に矛盾が生じてしまうためかスキャンディスクやデフラグができなくなってしまいます。また、リカバリしてから Windows 98 をアップグレードインストールしようとするとエラーが出てインストールができません。必ずクリーンインストールで OS を導入するようにしてください。Windows 98 のクリーンインストール法については、「Windows 98(クリーンインストール編)」を参考にしてください。
また、Windows 95/98 標準のスキャンディスク・デフラグができなくなる件に関しては、どうも Phoenix BIOS と Windows の絡みの部分のバグのようです。私は未確認ですが、「Phoenix BIOS で制御されたシステムに 32GB 以上の HDD を積み、その上で ScanDisk を実行するとバグが発生する」不具合を修正する MS の下記パッチ
http://support.microsoft.com/support/kb/articles/Q243/4/50.ASP
http://www.microsoft.com/windows98/downloads/contents/WURecommended/S_WUFeatured/bigide/Default.asp
を当てることで、スキャンディスク・デフラグが利用可能になるということです。

・・・ということでした。505EX 以前の機種では CPU の速度もさることながら、メモリ・HDD のアクセス速度がネックになっている部分は多いので(ビデオチップの性能も高くはないのですが)HDD を交換することによる性能向上はかなり期待できます。また、容量がアップするので複数の OS を試したり、MP3 のデータを溜め込んだりと使い道は広がりますよね。私(Brown Sugar)はまだ試していないのですが、この情報を元に 505EX の延命を図ってみようかと思っています。間もなく IBM から 20GB の 2.5 インチ HDD が発売されるようですし。
あ、この情報は 505EX についてしか触れていませんが、マザーボードの仕様が同等なので初代 505 や 505X にも応用できる可能性が高いです。

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