VAIO Laboratory Windows 98(クリーンインストール編)
Windows 98(クリーンインストール編)
VAIO 505EX/64 は Windows 98 無償アップグレード対象モデルなので一応 Windows 98 にはちゃんと対応しているのですが、メーカーが推奨する Windows 98 へのアップグレード法は「リカバリ CD-ROM による HDD の初期化」→「OS のアップグレードおよびドライバアップデート」でした(詳細は「Windows 98(アップグレードインストール編)」参照)。
しかし、リカバリによる初期化ではプリインストールアプリの量も多く、レジストリや HDD 内に不要なデータが多くなるため、システムが不安定になる原因となります。そこで Windows 98 をクリーンインストールすることによって本当に必要なプログラムだけをインストールし、システムの安定運用を図りたいと思います。
ちなみに、このページにおけるクリーンインストールの方法は「CYBALION」を参考にさせていただきました。感謝です。>Tamaさん、nao さん
※注:今回行うようなクリーンインストールを Windows 95 プリインストールモデルで行う場合、「パッケージ版 Windows 98」または「パッケージ版 Windows 95 およびアップグレード版 Windows 98」が必要です。VAIO に同梱されている、レーベル面に「Companion」と表記のある Windows 95 CD-ROM ではアップグレード版 Windows 98 でのクリーンインストールが(おそらく)行えませんのでご注意下さい。
※各画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

データのバックアップと起動ディスクの作成
まずは、データのバックアップです。
個人で作成したデータをバックアップしましょう。各アプリケーションのデータについては各自でバックアップを取ってください。
それから、もうひとつ重要なものをバックアップしておく必要があります。モデムドライバです。データモデムとしてしか利用しないのならば Windows 98 の標準ドライバでも動くかもしれませんが、FAX モデムとして利用したい場合は 505 の HDD からバックアップしておかないと使えません。なぜか、このモデムドライバだけはリカバリ CD-ROM にも入っていません。
というわけで、以下のファイルをバックアップします。

C:\WINDOWS\FILEXFER.EXE
C:\WINDOWS\HELP\FILEXFER.CNT
C:\WINDOWS\HELP\FILEXFER.HLP
C:\WINDOWS\SYSTEM\FTE.DLL
C:\WINDOWS\SYSTEM\VTDI.386
C:\WINDOWS\SYSTEM\VVEXE32.EXE
C:\WINDOWS\SYSTEM\WSVV.VXD

モデムの INF ファイルだけはリカバリ CD-ROM の中に入っています。「Sony Corporation\sonymdm.inf」というファイル名だったと思います。
あと、PC の動作には直接関係はないのですが、「システムのプロパティ」を開いたときの「製造元およびサポート先」の欄も、クリーンインストールでは空欄になるのですが、OEM 情報のファイルをバックアップしておくことでクリーンインストール後でもちゃんと表示させることができます。

C:\WINDOWS\SYSTEM\OEMINFO.INI
C:\WINDOWS\SYSTEM\OEMLOGO.BMP

この 2 つのファイルをバックアップしておきます。ちなみに、この 2 つのファイルを書き換える(詳細は省きますが)ことで、オリジナルの OEM 情報を表示させることも可能です。
さて、肝心の(ここが一番重要かもしれない)起動ディスクの作成です。
まず、「マイコンピュータ」の A: ドライブのアイコンを右クリックし手「フォーマット」から「システムファイルのコピー」オプションをチェックしてフォーマットします。4 つのファイルが FDD 内に作成されますが、他のプログラムで FD の容量がいっぱいになってしまうので「DRVSPACE.BIN」を FD から削除します。
この時点で FD の中にあるファイルは以下の 3 つです。

COMMAND.COM
IO.SYS
MSDOS.SYS

その後、以下の各ファイルをAドライブのルート(「A:\」の直下)にコピーします。

C:\WINDOWS\ANK16.FNT
C:\WINDOWS\ANK19.FNT
C:\WINDOWS\BILING.SYS
C:\WINDOWS\EMM386.EXE
C:\WINDOWS\HIMEM.SYS
C:\WINDOWS\IFSHLP.SYS
C:\WINDOWS\JDISP.SYS
C:\WINDOWS\JFONT.SYS
C:\WINDOWS\JKEYB.SYS
C:\WINDOWS\JKEYBRD.SYS
C:\WINDOWS\KANJI16.FNT
C:\WINDOWS\SETVER.EXE
C:\WINDOWS\COMMAND\ANSI.SYS
C:\WINDOWS\COMMAND\FDISK.EXE
C:\WINDOWS\COMMAND\FORMAT.COM
C:\WINDOWS\COMMAND\MSCDEX.EXE

また、A: ドライブに「PCCARD」というフォルダを作り、その中にリカバリ CD-ROM 内の以下のファイルをコピーします。

\VAIO\DRIVERS\REALMODE\PCCARD\CNFIGNAM.EXE
\VAIO\DRIVERS\REALMODE\PCCARD\PCM.INI
\VAIO\DRIVERS\REALMODE\PCCARD\PCMSS.EXE
\VAIO\DRIVERS\REALMODE\PCCARD\PCMCS95.EXE
\VAIO\DRIVERS\REALMODE\PCCARD\PCMRMAN.SYS

次に、A: ドライブに「CDROM」というフォルダを作り、その中に CD-ROM ドライブ付属のフロッピーディスク内にある以下のファイルをコピーします。

\VA16CD.SYS
\VA16CLI.SYS

最後に、クリーンインストール後にシステム・ハイバネーション機能を設定するために必要なファイルをコピーします。リカバリ CD-ROM 内の、

\ETC\PHDISK.EXE

を起動ディスクのルートディレクトリにコピーします。
以上で CD-ROM ドライブを認識する起動 FD の作成は完了です。
次に、「CONFIG.SYS」と「AUTOEXEC.BAT」を作成します。
何もないところから自分で書き起こす自信があまりなかったので探してみたところ、「C:\WINDOWS\OPTIONS\FD10」というフォルダの中に「PCGA-CD5」用の「CONFIG.SYS」と「AUTOEXEC.BAT」があったのでこれを書き換えて利用することにしました。「PCGA-CD5」を利用する場合はこれらのファイルがそのまま使えるはずです。
また、「C:\WINDOWS\OPTIONS」の中には「FDxx」という名前のフォルダがいくつかあり、それぞれソニー製のポータブル CD-ROM ドライブ用ファイルが入っているようです(※注:これらのフォルダはクリーンインストールするとなくなってしまいます)。
「CONFIG.SYS」、「AUTOEXEC.BAT」共に、メモ帳や秀丸などのテキストエディタで編集します。

「CONFIG.SYS」は以下のように記述します(「REM」で始まる行は実際の読み込み時には無視されるため、記述しなくても結構です)。

FILES=20
BUFFERS=99
DEVICE=HIMEM.SYS
DEVICE=EMM386.EXE RAM
DEVICE=BILING.SYS
DEVICE=JFONT.SYS /MSG=OFF
DEVICE=JDISP.SYS /HS=LC
DEVICE=JKEYB.SYS /106
DEVICE=ANSI.SYS
DEVICE=IFSHLP.SYS
DEVICE=SETVER.EXE

REM ●● PC カードを利用する際に必要なドライバ ●●
DEVICEHIGH=\PCCARD\CNFIGNAM.EXE /DEFAULT
DEVICEHIGH=\PCCARD\PCMSS.EXE
DEVICEHIGH=\PCCARD\PCMCS95.EXE
DEVICEHIGH=\PCCARD\PCMRMAN.SYS

REM ●● PCGA-CD51 専用のドライバ ●●
DEVICE=\CDROM\VA16CLI.SYS
DEVICE=\CDROM\VA16CD.SYS /D:CDROM001

「AUTOEXEC.BAT」は以下のように記述します。

@ECHO OFF
REM CD-ROM
\MSCDEX /D:CDROM001 /L:G

作成した「CONFIG.SYS」、「AUTOEXEC.BAT」は起動ディスクのルートディレクトリに保存します。
起動ディスクを「エクスプローラ」や「マイコンピュータ」で開き、図のようになっていたら完成です。
これだけのファイルを詰め込むと、FD の空き容量はもうほとんど残っていないはずです。

これで起動ディスクが作成できました。次は OS のインストール作業です。
→Windows 98 のインストール

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