VAIO Laboratory Windows XP のクリーンインストール(PCG-C1VJ 編)
Windows XP のクリーンインストール(PCG-C1VJ 編)
WinXP の売りのひとつに「起動時間の大幅な短縮」というのがありますが、これはあくまでハードウェアや BIOS が最適化されている Windows XP プリインストールマシンでの話。WinXP 以前の設計である C1VJ ではその恩恵に与れるのか?という疑問は当然ありますよね。というわけで、比較してみました。
※各画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

BootVis によるブートタイム・チューニング
Microsoft の Web サイトにて「BootVis」という WinXP の起動時間を解析するツールが提供されています。
http://www.microsoft.com/hwdev/fastboot/
これを利用して起動時間の比較を行ってみることにしました。ちなみにこの「BootVis」、Windows XP の起動時に読み込まれるファイル群を HDD の先頭の方に移動させることで読み込みを高速化する自動 Optimize(最適化)機能をもっています。試しにこれの有無でどの程度高速化されるかも試してみました。
本当は Win2000 環境とも比較したかったのですが、BootVis は Win2000 には非対応なので BootVis で計測する前にとりあえず手動で計測してみました。ストップウォッチで計測しているので誤差はご勘弁を。
ちなみに、ここで計測した際の C1VJ の BIOS には米国版 C1VN 用 WinXP 対応 BIOS を使っていますが、ほとんど内容的には変わらないと思うので、そのつもりでお読みください。

  Win2000 WinXP
Win2000 BIOS
WinXP
Win2000 BIOS
Optimize
WinXP
WinXP BIOS
Optimize
Cold Boot 1:30 1:07 1:07 1:08
Reboot 1:35 1:22 1:22 1:31
To Standby 0:03 0:04 0:06 0:03
From Standby 0:12 0:11 0:11 0:12
To Hibernate 0:12 0:16 0:15 0:24
From Hibernate 0:35 0:33 0:33 0:32
Shut Down 0:21 0:25 0:24 0:23

うーん。こと C1VJ に関しては Win2000 でも WinXP でも大差ないですね。ブート時間が多少短くなっているので Boot および Reboot の値は WinXP の方が幾分小さくなっていますが、Standby(スタンバイ)、Hibernate(休止状態)についてはほとんど違いはナシ。ううむ。
しかし Win2000 環境での計測もほぼ Win2000 セットアップ直後に行っているため環境としてはかなり軽い方だということもあります。とはいっても、この結果からは C1VJ では起動時間の劇的な高速化はちょっと望めなさそう、ということくらいしか言えませんね。
以下は BootVis が報告した WinXP の起動にかかる時間の内訳です。一応複数のプロセスが平行して走っていたりどのプロセスも走っていなかったりする時間もあるため、各項目の数値の合計がそのまま「Boot Done」の時間であるというわけではないのでご注意ください。

  WinXP
Win2000 BIOS
WinXP
Win2000 BIOS
Optimize
WinXP
WinXP BIOS
Optimize
Disk 3.83 3.80 4.06
Driver 16.70 13.39 16.86
Prefetching 22.31 18.89 22.69
Registry + Pagefile 4.01 3.97 4.26
Video 2.93 2.81 2.83
Logon + Service 5.91 7.66 7.68
Boot Done 76.68 72.53 83.35

Optimize の効果は WinXP 自体ほぼインストール直後ということもあってか一部を除きほとんど変化ナシ。まあ何もしないよりは Optimize した方がマシという程度でしょうか。C1VN の WinXP 対応 BIOS を当ててみると、高速起動どころか逆に遅くなっちゃってます。XP 対応 BIOS といっても高速起動のためにアップデートされた、というよりは Win2000 から WinXP になることによって変わった電源管理周りの機能にちゃんと対応するためのアップデートであるという風に解釈できるでしょうか。いずれにせよ、高速起動を実現してくれる類の BIOS ではないということなのかな。Win2000 BIOS でも問題なく WinXP で使えていたことを考えると、Win2000 で CardBus が使えなかった WinMe 用 BIOS のときのようにアップデートしないとどうしようもない問題というのもなさそうなので、アップデート失敗のリスクや起動時間を考慮すると Win2000 用 BIOS の方がトータル的にはいいのかもしれませんね。
まあこれは私の C1VJ での話であって、マシンによっては WinXP にすることによって大幅に起動時間が短縮できるものもあるようですから BIOS や搭載するチップのつくりにも左右されやすいんでしょう。私のマシンでは起動時間こそ若干短くなりましたが、大幅に変わったというわけでもないですし全体的な操作の軽快感からいっても C1VJ のようなマシンでは Win2000 環境の方が全体的なバランスはいいような気もします。
でも WinXP の方が起動画面はきれいだし Win2000 の起動画面よりは動きもあるので「ただ待っているだけ」の Win2000 のブートよりはただぼーっと待っていなければならない時間も短いでしょうから、心情的には WinXP の起動時間の方が短く感じるかもしれません。ま、慣れたり飽きたりするまでの間だけでしょうが(^^;

おまけ
C1VJ を正式に WinXP 対応(?)にしてみました。
いやプロダクト ID シールを C1VJ の裏に貼っただけなんですが(^^;ちょうど WinMe のプロダクト ID シールがあったところなんですが、例のカーボンルック化をしたときに剥がれてしまったんですよね(本当は底面もカーボンルック化しようとしたんですが上手くいかず、ラミネートを剥がしたら一緒にプロダクト ID シールも剥がれてしまったそうです。WinMe なんてもう使っていないのでいいんですが)。というわけでどうせこの WinXP もこの C1VJ でしかライセンス認証できないわけだし、というわけで貼ってみました。一度貼り直したときに一部破れてしまったのですが(T_T)Win2000 や Me のライセンスシールよりもクールな感じで悪くないです。

というわけで C1VJ に Windows XP をインストールしてみたわけですが、Windows XP 自体 Windows 2000 のマイナーチェンジ版ということもあって、基本的に Windows 2000 のセットアップ法の応用で全てうまくいってしまいました。
Windows 2000 と比べてユーザーインタフェース以外の点でそれほど大幅な変更がなされていないので、よほど新しもの好きとか WinXP 特有の機能を必要としている人以外は積極的に Win2000 からバージョンアップすべき理由もないかもしれませんが、未だに WinMe で使っている人にはバージョンアップする意味はあるかもしれません。少なくとも購入直後の C1VJ よりはだいぶまともです。しかし全般的に動作が重いのは致し方ないのかもしれません。少なくとも Win2000 の方がよっぽどキビキビとした動作をしてくれるような気がします。C1VJ クラスのマシンには Win2000 が最適なのかもしれませんね。
でもまあ、とりあえず安定しているということで、私は今後この環境でいってみようと思います。

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