DSC-U50。従来の電源スイッチ兼スライド式レンズバリアを備えたぽてっとしたデザインからスタイルを一新、横長のデザインで自分撮り可能な回転レンズスタイルとなりました。回転レンズといえば初代 DSC-F1 から伝わる Cyber-shot のアイデンティティともいえる機構。やはり、古くからの Cyber-shot ファンとしてはこの回転レンズ、無視できないわけであります。レンズ部の削り出し SONY ロゴやフロントに彫り込みで刻まれた SONY・Cyber-shot ロゴなどこだわりを感じてしまいます。
液晶モニタのアクリルパネルが本体よりもやや出っ張っているため、ケースから出して平置きする際にはフロントを下に、液晶を上にする置き方でいいようです。フロント部に平置きした際に足になりそうなポッチもついています。撮影時にグリップとなる部分にもポッチがついていますが、このあたりのデザインは同じ回転レンズ機構を持つ DSC-F77・FX77 と共通のデザインイメージですね。
撮影時にはレンズを約 90°回転させるのが一般的なスタイルです。本体横につけられたレンズが回転するというスタイルは、現在のデジタルカメラブームの火付け役となったデジカメ黎明期のヒット作・カシオ「QV-10」を彷彿とさせるものがあります。銀塩カメラではありえない、「デジタルカメラらしいスタイル」と言えましょう。
操作ボタンが液晶モニタ下部にあった旧モデルと違い、U50 では操作系は上面に集中しています。メニューやモードを選択する上下ボタンがレバー式だった旧機種から、独立して横並びになったのが直感的でなくなったというか、操作性に関してはやや退化したと言えるかもしれません。
シャッターボタンは楕円形になり、スライドスイッチを兼ねたレンズバリアがなくなったために重要度の増した電源ボタンも目立つようになっています。
レンズとは逆側の本体側面にカバーがあり、その中に単四型ニッケル水素電池×2(単四型アルカリ乾電池も使用可能)、メモリースティック Duo を挿入する仕組みは従来同様。今回が初のメモリースティック Duo 専用デジカメとなったのが注目点でしょうか(カメラ付き携帯電話もデジカメの一種と考えれば、D251i や SO505i などにすでに採用されていますが)。メモステ Duo はノーマルメモステより厚みや長さがないため、出し入れが少ししにくいのが難点ですが、メモリースティックよりさらにコンパクトで携帯機器に適しているというメリットがあります。同時になくしやすいというデメリットもありますが(笑
レンズ部。レンズ自体の仕様は U20 から変わっていません。しかし U20 よりもやや奥まってレンズが配置されているため、使用中に不意にレンズに指が触れてしまうということがかなり少なくなりそうです。
今回はスライド式のレンズバリアはなく、その代わりに樹脂製のレンズキャップが付属しています。ストラップホールに通すことで紛失しないような配慮がありますが、撮影時にいちいち取り外さなくてはならないというのは「思った瞬間に即ビジュアル・ブックマーク」という Cyber-shot U のコンセプトに反するような気がします。キャリングケースが使えるようであれば、思い切ってレンズキャップなしで使ってみるのも良いかもしれません。
DSC-U20 と比較してみました。
横幅は回転レンズ機構の分 U50 の方が大きいですが、高さ、厚さともに U50 の方が小さくまとまっています。メモステ Duo の採用だけでこれだけコンパクトにできるとは思えませんから、設計全体での根本的な見直しがなされているんでしょうね。
見た目では同じシリーズとは思えないほど両者の雰囲気は違っています。U20 がどちらかというと女性にも似合うアクセサリっぽいデザインを目指していたのに対して、U50 はむしろ男性的な、デジタルガジェットの雰囲気が強く前面に出ています。Cyber-shot U シリーズ(に限らず、カシオ EXILIM などを含む超小型デジカメ一般)のユーザーとしては、ホビーユーザーだけでなくビジネスシーンで使用するユーザーも少なくないと聞きますから、ビジネスシーンをも意識したデザインで仕上げてきたのかもしれません。「モノ」としての満足感は、個人的には U20 の方に軍配を上げたいかな。
Sony Style 購入特典の吉田カバン製ケースおよびストラップ。ケースは PORTER らしいというか PORTER の定番的形状で、フロントにはメモリースティック Duo の入るポケットがついています。小さい割に作りはいいかな?高いですが(笑)
ストラップはこの手のオリジナルケースでは初めて付属するようになったものです。スタンダードなナイロン製ストラップですが、PORTER のロゴマークが張り込まれているのが自慢です。
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