VAIO Laboratory ジョグリモコンでリベンジ!VAIO WALKMAN
ジョグリモコンでリベンジ!VAIO WALKMAN
ジョグダイヤルはソニーのモバイル機器のアイデンティティであると同時に VAIO ノートのインタフェース・デバイスの一つにもなっていますが、このジョグダイヤルの用途を拡張する目的で 2000 年秋に発売されたのが「VAIO ジョグリモコン PCGA-JR1」です。ちょうど C1VJ を購入したので、C1VJ とジョグリモコンで 505EX で失敗した VAIO WALKMAN に再チャレンジしてはどうか?と思い買ってみました。
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これが「PCGA-JR1」。ポータブル CD プレイヤー等に付属のリモコンよりは少し大きい程度、といったサイズです。色味は白っぽくて C1V や SR シリーズにマッチする感じ。要するに長時間バッテリ駆動が可能な C1V、SR シリーズでウォークマン的な使い方をしてみてください、ということなのでしょうか。旧カラーの VAIO ノートではイマイチ似合わない色ですが、それ以前に動作保証されていません(ジョグダイヤルを備えた VAIO ノートならば動作はするようですが)。
ジョグリモコンの裏側。本当にジョグダイヤルとボタンが 1 つ 2 つ、というごくシンプルな作りであることが分かると思います。本当に内蔵のジョグリモコンを USB で外に引っぱり出してきただけ、という感じなのでしょうか。
そこそこ大きめのクリップがついているので初代 Music Clip のクリップよりはしっかりホールドしてくれそうですが、あまりこのクリップにも大きな期待はしない方がいいかも。
「デバイスマネージャ」で接続別に表示してみたところ(Win2000)。
ハードウェア的には USB HUB に USB オーディオデバイスとヒューマンインタフェースデバイスの複合デバイスがぶら下がっているという格好になっていますね。
ジョグリモコンで OpenMG Jukebox ver. 1.x を動かしてみるとこんな感じになっています。ちょうど液晶画面が本体のジョグダイヤルウィンドウをエミュレートしたような雰囲気になっていますね。ただ表示されるだけじゃなく、ジョグを回したり押したりしたときのアニメーションまでちゃんとやってくれるのにはちょっと感動しました。
ただ、表示されるのがアプリケーション名とジョグの操作項目だけというのが寂しいですね。曲名表示や時間表示なども欲しいところです。
しかし。
OpenMG Jukebox ver. 2.0 ではジョグダイヤル周りの使い勝手の改善が図られています。このジョグリモコンのため、と思われる機能追加もあったりします。
OpenMG Jukebox 2.0 ではジョグリモコンの液晶に再生中の曲名が表示されるんですねー。ちょっと MD ウォークマン風でイイ感じ。でも、時間表示等がないのがちょっと残念。このあたりはもう少しブラッシュアップが必要かな?
C1 をウォークマン代わりにするために、例によって例のごとく液晶を閉じてもサスペンドしないように「PowerPanel」の設定を。CPU の設定は、(画面では「LongRun パワーマネージメント[パフォーマンスモード]」となっていますが)最高または最低 CPU パフォーマンスで固定にしておいた方が良いようです。というのは、LongRun を有効にしておくと CPU のクロックを切り替えていると思われる瞬間にに音飛びが発生するのですが、クロックを固定にすると音飛びしにくくなります。
で、PowerPanel の設定ができたらあとはスタートアップに OpenMG Jukebox を登録するなりプログラマブルパワーキー(=本体のジョグダイヤル)に OpenMG Jukebox を割り当てるなりして、VAIO と共に出かけるだけ。
しかし、OpenMG Jukebox は異様に重いアプリです。オールインワンの MP3/ATRAC3 再生ソフトなのでお手軽ではありますが、C1VJ でこれを使っている間は他のアプリがちょっとままならないくらい。というわけで MP3 再生ソフトの定番・Winamp で使えるともっと使いやすくなるはずです。一時、とある方のサイトで Winamp でジョグダイヤルが使えるプラグインが配布されていたのですが、残念なことに 2001/5 現在では配布を中止しているようです。

ジョグリモコン+C1VJ による VAIO WALKMAN 化は、確実に 505EX で挑戦したときよりはまともに使えるようになってはいますが、まだまだ使い勝手の悪い部分が多いですね。
まず、ジョグリモコンだけでは OpenMG Jukebox 内のアルバムを変更できない点。私が使い方を知らないだけなのかもしれませんが、違うアルバムを再生したいときにはマウスによる操作が必須みたいな感じでした。電車の中などで聴いているときに、ジョグリモコンだけでアルバムを変更できないのはけっこう辛いです。
それから、ボリュームの操作や MEGA BASS の設定メニューにたどり着くまでのステップが長いのも使い勝手が悪い原因の一つでしょうね。ボリュームや MEGA BASS の設定は OpenMG Jukebox 上からではなく OS 側の設定を変更する感じになるので、そのメニューにたどり着くまで 2〜3 ステップの操作が必要になります。せめて音量の変更くらいは 1 ステップの操作でできるようにするか、リモコン上にボリュームコントローラを装備しておいてほしかったです。
あと、ジョグダイヤルが標準で OS の終了機能を持っていないのはけっこう大きいです。C1 の電源を落とそうと思ったら一度 C1 を開いて「スタート」メニューからたどるか、あらかじめバッチファイルなりスクリプトファイルなりを自作してジョグに割り当てておかなくてはなりません。本気で VAIO をウォークマン代わりに使わせたい、とかもっとジョグを有効活用してほしい、と思ったら OS の起動・終了機能はジョグには必須なのではないでしょうか?
同様に、プログラマブルパワーキーとして本体側ではなくリモコン上のジョグで本体電源のオン・オフができると非常に便利なのですが、難しいのでしょうか。もしかしたら BIOS で USB Power-On 等のサポートが必要になるのかもしれませんね。
PCGA-JR1 自体は VAIO 本体のジョグダイヤルを単に引っぱり出してきただけなので目新しい機能はないのですが、ジョグリモコンならではの付加機能があればもう少し商品としての魅力は増すような気がします。 今後後継機種やドライバアップデートがあるのであれば、そういう方向で機能追加してほしいですね>ソニーさん

このジョグリモコンを USB オーディオデバイスとして見ると、音質は決して悪くないと思います。音源を USB で本体外に出しているので、原理的にノイズの干渉は皆無。C1VJ では MEGA BASS を採用しているので本体のヘッドホン端子にもそれなりにノイズ対策がしてあるようで、505EX のときよりはヘッドホン端子からでもまともに音楽が聴けるレベルではあるのですが、やはり USB オーディオである PCGA-JR1 の方が音は良いように感じました。

総じて、このジョグリモコン、悪くはないもののもう一つ物足りない感じですね。VAIO GEAR シリーズはどれもあと一歩足りないというか、ちょっと高価なオモチャ、といった印象が拭えません。やや実験的というか、その辺りが他の純正アクセサリとは違うところなんでしょうが。
私のジョグリモコンも結局オブジェと化しつつあるような(^^;まだ Navin' You では使ってみていないのですが、もしかしたら Navin' You と組み合わせて「使える」ようなら利用価値が上がるかも。

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