VAIO Laboratory P-in Comp@ct
P-in Comp@ct
携帯でモバイルもいいんですが、やっぱり 9,600bps は遅いです。
出先でのメールチェックに時々使う分には実用的だとは思いますが、さすがに Web を見ようという気にはならないんですよね。遅いので長時間繋がざるを得なくて、結果的に通話料が高くなってしまいます。cdmaOne が 64Kbps のサービスを開始したのでちょっと気になったんですが、電話番号を変えたくなかったのと、サービスとしては i モードの方が魅力的かな?というわけでキャリアの乗り換えには至りませんでした。じゃあ PHS は、というわけでこれ。DoCoMo の P-in Comp@ct です。
※各画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

これが話題の P-in Comp@ct。製品情報はこちら。
http://www.nttdocomo.co.jp/products/phs/lineup/p-in_compact/
TypeII のコンパクトフラッシュ型 PHS カードです。
先に PC カード型の P-in が発売されていますが、それでもまだ大きいという声があったらしく、さらに小型化して Windows CE 機にも対応した Comp@ct が発売されたということらしいです。
ちなみに従来型の P-in はシャープ製、Comp@ct は松下製。
開封直後のようす。ドライバ FD と比べるとどれだけ小さいかがよく分かると思います。
P-in の方は PC のヘッドホン端子とマイク端子を利用して音声通話ができたり、PDC を繋いで 9,600bps のセルラーカードとしても利用できたりという付加機能があったのですが、Comp@ct ではいさぎよくデータ通信専用と割り切って音声通話機能はついていません。
電源も PC のスロットから取るので充電も不要。何よりこの小ささがいいですね。
コンパクトフラッシュ TypeII に対応した Windows CE 機では P-in Comp@ct を直接マシンに挿せばいいのですが、VAIO などの一般的な PC では TypeII の PC カードに変換するアダプタを介して接続する形になります。写真のものは純正の PC カードアダプタですが、IBM のマイクロドライブ用 PC カードアダプタなども流用できるようです。
本体に接続したところ。ホントにアンテナ部だけ PC カードスロットから顔を出しているという感じになります。PC カード型の P-in の方はカードスロットからはみ出す部分が 28mm だったのが、 Comp@ct では 14mm と半分になっています。
また、アンテナはゴム系の素材なので取り扱いに気を遣わなくてすむところも○。アンテナ自体 360 度自由に回転できるため、カードスロットが上下逆向きについているようなマシン(WinCE 機にはけっこうあるらしい)でもちゃんとアンテナを立てることができます。
お約束、デバイスマネージャの画面。当然モデムとして認識されます。
デバイス名に「P-in Comp@ct」と表示されて妙に嬉しかったのは私だけ??(笑)
「ダイヤルアップ ネットワーク」から「新しい接続の作成」を選択して、接続設定を作成します。
普通にプロバイダに接続することもできますが、DoCoMo の専用接続サービス「mopera」を利用する方が賢いです。メールなどの付加機能を利用せず(メールはいつも使っているプロバイダの POP サーバにアクセスすればいいので不要)、基本の接続サービスだけ利用すれば利用料は無料。しかも通信料金も \15/分とプロバイダに接続する(\20/分)よりおトクです。
設定は、まず接続名を適当に(ここでは「mopera」に設定)決めて、モデムに「P-in Comp@ct」を選択します。
次に、電話番号を指定するのですが、mopera は局番なしの 166 だけで OK です。対応端末ならこれだけでアクセスできるはず。
ユーザー名とパスワードは空欄で大丈夫です(画面では適当に入力していますが)。これで「接続」をクリックするだけで接続できてしまいます。設定がかなり少ないので初心者にもやさしいですね。
接続時のネゴシエーションは、ISDN でルータを使用するよりは少し遅いですが、アナログモデムで接続するよりはずっと速いです。
接続が完了したようす。ちゃんと 64Kbps 出ています。
PHS の利用が混み合っている場所など回線状況が悪いと 32Kbps まで落ちてしまいますが、それでも 33.6Kbps のモデムと同等か少し速いくらいの体感速度は出るはずです。
どちらにしても PDC で接続するよりは全然速いです。Web ブラウジングも全然苦になりません。
料金についてちょっと考察してみました。
私はもともと DoCoMo の携帯電話(i モード)を利用していたのですが、i モードの方とファミリー割引にすれば一番安いパルディオ・データプラス(\1,000 分の通信料込み) \1,980+私が現在利用している i モードのおはなしプラス M \4,100=\6,080 が 15% 割引になって \5,168。
PHS は本当にデータ通信専用だと思っていましたし、仕事を始めて以来 VAIO の方をモバイルで使うことも少なくなっていたので、基本使用料が数百円(できれば無料か高くても \2〜300)で完全従量制に近い状態なら利用したいな、と思っていたので、\1,000 分の通信料込みで今の携帯電話の利用料+\1,000 なら納得かな、と思ったわけです。
ドッチーモや他社の cdmaOne、という選択肢もあったんですが、ドッチーモは通信中は通話できない上に端末のデザインが気に入らない(笑)し、他キャリアよりも DoCoMo でまとめた方が支払いも面倒じゃないしファミリー割引がきいて安い、という理由で DoCoMo にしました。cdmaOne にすると電話番号が変わってしまいますし。ez 系サービスよりも i モードの方が将来性ありそうだし、ドッチーモと同じく通話と通信が同時にできないという点も気になったし。
本当は国が作ったインフラの上で商売している NTT にお金を払うのはちょっと気にくわない(笑)のですが、とりあえずこういう理由で DoCoMo かな、と。
が、しかし。
Windows 2000 環境の 505EX はおろか、C1VJ では WinMe だろうが Win2000 だろうが P-in Comp@ct が動作しない!何度トライしても写真のように赤い LED が点灯して接続できません。これじゃ意味がないじゃないか、と思っていたら以下のリリースが。
http://www.nttdocomo.co.jp/products/phs/lineup/p-in_compact/compact_d.html
同時にファームウェアアップデータ
http://www.nttdocomo.co.jp/products/phs/mobile/a-pincom_v.html
が出ていたので早速当ててみることに。
で、C1VJ 上からパッチを当ててみようとしたのですが、パッチ自体がエラーを出してしまいアップデートできないのです。仕方がないので他のマシン(ThinkPad X20)でパッチを当てたところ無事アップデートが完了しました。
かくして C1VJ でも無事 P-in Comp@ct が使用できるようになったのですが、どうも釈然としません。これじゃ C1VJ しか持っていない人で P-in Comp@ct を購入した人は自分でパッチを当てられないということになります。まあ、ドコモショップに持ち込めば無償で修正してくれるそうですが、あまり親切な作りとは言えませんよね。
ちなみに、パッチを当てても 505EX/Win2000 環境では P-in Comp@ct は動作せず。もう 505EX は一線を退いているので特に支障がないといえばないのですが、やはり釈然としない・・・。

P-in Comp@ct の利点はやはりケーブルがないことに尽きますね。普通に携帯電話や PHS に接続するときは必ずケーブルが必要ですし、徐々にノート PC からは IrDA がなくなりつつありますから、NOKIA 端末に付いている IrDA もノート PC にとってはあまり利点になりません。そういうわけで、モバイル用にカードだけ持っていけばいいというのはかなりラクです。取り回しに困ることもないし、接続は単にカードを挿すだけ。
しかし、やはり P-in Comp@ct が C1VJ で使えない間は辛かったです。というわけで「C@rdH"64」を買って DDI Pocket に乗り換えてしまいました。結局 C1VJ でも P-in Comp@ct は使えるようになりましたが、それでもちょっとしたことですぐに切れてしまう(これは C1VJ に限らず、505 など他の PC でもよく起こっていました)などあまり調子も良くなかったので。というわけで、P-in Comp@ct に関しては以上、ということで。

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