VAIO Laboratory Windows 2000 のクリーンインストール(PCG-505EX/64 編)
Windows 2000 のクリーンインストール(PCG-505EX/64 編)
先日 VAIO が大変なことになって修理に行っている間に、申し込んでいた Windows 2000 Beta3 が届いていました。とりあえず自作機には入れていたんですが、やはりここは VAIO にも入れてみるべきでしょう!ということで、修理が上がってくるなり Windows 2000 Beta3 をインストールしてみることにしました。<酷使しすぎ?(汗)
Windows NT 系の「堅牢さ」は前々からちょっと気になっていたのですが、PC カードのホットプラグや USB のサポートがなかったため NT4 は敬遠していたのですが、Windows 2000 でこれらがサポートされたので(本当は、自作機のデュアル Celeron を活かせるというのが一番の目的だったのですが(^^;)ちょっと試してみることにしました。
※注:本稿執筆時点(1999 年 10 月現在)Windows 2000 の製品版は出荷されていません。本稿は、1999 年 8 月末にベータテストの一般公募があった Windows 2000 Beta3(ビルド 2031)をもとに書かれています。その後製品版を導入し、動作検証してみましたが一部の画面表示等を除きインストール法やドライバについては Beta3 と製品版で大きな違いはありませんでした。従って、505EX においては以下の記事が製品版にも適用できるはずです。
※各画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

Windows 2000 Beta3 のパッケージ。ウチには 1999 年 9 月中旬に、日通の宅配便で封筒入りで届きました。NT4 における Workstation 版に相当する「Professional」と、「Server」「Advanced Server」版、およびツール群など、CD-ROM 6 枚組です。3 バージョンの Beta 版が入っていますが、個人使用ではあまり Server 版を利用するメリットはないので今回は Professional 版のみ試用してみます。
インストールですが、ソニー純正 CD-ROM を利用していれば CD-ROM ドライブに Windows 2000 の CD-ROM を挿入して起動するだけでインストールプログラムが開始します(BIOS か Sony Notebook Setup で第 1 ブートを CD-ROM に設定しておく必要があります。普通は初期状態で OK ですが)。純正ドライブでない場合、起動ディスクで CD-ROM ドライブを認識させて「\SETUP.EXE」で OK だと思います。このプログラムに従って操作するだけで、Windows 2000 のインストール自体は完了してしまいます。インストールに必要な情報の入力はシステムファイルのコピー前後にしてしまうため、実際のインストール作業中に操作を行う必要はほとんどないと言ってももいいでしょう。Windows 98 に比べてもかなりインストール中の労力は減ってますから、ファイルのコピーが始まったらしばらく PC の前から離れていても大丈夫でしょう。
ちなみに、インストールですが、私は 6GB ある HDD を C:、D:、E: 各 2GB づつに分割して C: ドライブに Windows 98、D: ドライブに Windows 2000 をインストールし、E: ドライブをデータ用ドライブとしました。Windows 98 をクリーンインストールしたときと違い、アプリケーションを各 OS と同じドライブにインストールするため OS が入っているドライブはやや手狭ですが、私は MP3 などのためにデータドライブをやや大きめに取りたいためにこうしました。したがって、アプリ類もなるべく厳選して入れるようにしました。
505EX/64 ではなかったのですが、私の自作機でちょっとしたトラブルがあったので書いておきます。自作機(マザーボードは MSI の MS-6120N)でインストール作業を始めると、最初の青画面から切り替わるカーソル点滅の画面でハングアップしてしまうのです。これは Windows 2000 のインストーラ(おそらく ACPI 関連?)の不具合らしく、VAIO でもこの不具合が発生する機種があるようです。この場合、インストーラの最初の画面(「F6=サードパーティ製 SCSI ドライバのインストール」が表示されているとき)で「F5」を押して「標準 PC」を指定してやることでインストールを先に進めることができます。Tips として知っておくと良いでしょう。
さて、インストーラの指示に従っているだけであっさりとインストールが完了してしまいました。システムファイルのコピー、ハードウェアの設定、システム設定その他で約 1 時間と案外時間がかかっています。ちなみに、Windows 98 とのデュアルブート構成にしているため Windows 2000 の前に Windows 98 をクリーンインストールしています。
VAIO においてソニーは基本的に NT 系 OS をサポートしていない(欧米のソニーはけっこう NT 用ドライバを提供しているようですが)のでドライバ関連のトラブルや苦労はちょっと覚悟していたのですが、ほぼ全てのドライバが OS のインストールと同時に設定されてしまいました。まあ、505EX/64 は今やもう古い機種なので「枯れた」デバイスばかりだとは思うのですが、ビデオやサウンドはともかくモデムまであっさりと認識されてしまったのには驚きました。比較的新しめのデバイスを使っている最近の機種では、USB や i.LINK、メモリースティックスロット周辺でトラブルもあるらしいですが、EX では USB しか付いてないので問題ないです。嬉しいような悲しいような・・・。
ちなみに、標準でインストールされなかったドライバは液晶モニタのみです。これは、リカバリ CD-ROM の Windows 95 用 INF ファイル「\VAIO\Drivers\WIN95\MONITOR\SONYLCD.INF」をインストールすることで正常に認識されます。とはいえインストールしたところで設定項目が増えたり動作が速くなったりするわけではないので、実は特にインストールする必要はありません。
また、「システム情報」は Windows 98 のクリーンインストール時のように「OEMINFO.INI」と「OEMLOGO.BMP」を「\WINNT\SYSTEM32」フォルダに置くと表示されるようになります。
Windows 98 のクリーンインストール時と同様に、PHDISK でハイバネーション領域を作成しておくと良いでしょう。
「デバイスマネージャ」で全てのデバイスを表示してみたところ。
液晶モニタ以外の全てのドライバが OS 標準でサポートされてしまっています。ちなみに、「SMC IrCC」(赤外線デバイス)はアクセス音がちょっと気になったのでコントロールパネルで使用不可にできないか探してみたのですが設定ができなかったので、ハードウェア自体を使用不可にしてあります。
VersaPad は PS/2 Port Mouse として、PCGA-UMS1(純正 USB マウス)は HID 準拠マウスとして認識されています。VersaPad のスクロール機能は使えませんが、USB マウスのホイール機能はしっかり使えます。
私の手持ちの PC カード(NTT DoCoMo の 96P1、3Com の 10/100LAN CardBus)も標準でドライバが入っていました。これは嬉しかったですね。また、ハードウェアの追加・削除などでの再起動の回数が Windows 98 に比べて大幅に減った気がします。
PC を起動すると、BIOS 画面の後に NTLDR が起ち上がって起動する OS(ここでは Win2000/Win98)を聞いてきます。Windows 2000 Beta3 がずいぶん安定しているので、せっかくデュアルブート構成にした Windows 98 はあまり起動することがなくなってしまいました(^^;
また、この NTLDR を表示している時間も Windows 2000 上から設定できます。私は 5 秒にしています。あまり長くても短くても使い勝手が悪いので・・・。
OS 起動時の画面も Win9x 系とはずいぶん趣が違います。この画面はカスタマイズ可能なのでしょうか?
アプリケーションですが、私は Win98、Win2000 でほとんどのアプリをそれぞれのドライブにインストールしました。しかし、データを共有できるよう、レジストリを書き換えて「My Documents」を「E:\Mydoc」に、「お気に入り」を「E:\Favorite」に、Outlook Express のメールデータを「E:\MAIL」に、というように Win98、2000 でそれぞれ設定しています。また、PostPet 2001 だけは、Windows 98 で一度「E:\PostPet」にインストールし、その後 Windows 2000 から同じフォルダにインストールすることでペットとメールなどのデータを両 OS で共有しています。もしかしたら、他のアプリでもこのようなことは可能かもしれませんが、今のところ試していません。
また、Windows のカスタマイズツール「TweakUI」は Windows 98 のものがそのまま利用できてしまいました。Windows 2000 Beta3 についているツール CD-ROM にも入っているらしいのですが、まだ試していません。まあ、Windows 98 のものの方が日本語化ツールも出ているので便利かな?
Windows 2000 は NT 系 OS ということもあってか、起動・終了に関しては Win98 よりも時間がかかるように思います。そこで、「休止状態」機能を使うことにします。
505EX/64 には APM モードで Win2000 がインストールされるので、コントロールパネル「電源の管理」から「休止状態をサポートする」が選択できるようになります。この「休止状態」を利用することで、毎回 OS を起動・終了しなくてもハイバネーションと同様に素早い起動・終了が可能になります。
「休止状態」機能をオンにすると、Windows の終了メニューで「休止状態」が選択できるようになります。普通に PC を起動・終了するよりもずいぶん早く起動・終了ができるようになるので、一度使うとやめられなくなるかもしれません。
Beta 版のため、再起動時の画面がやや情けない(「ソウル」(?)というカタカナが見えたりする)のは愛嬌でしょうか(^^;
Windows 2000 の新機能(?)の一つ、「取り出し」アイコン。タスクトレイの中に見えると思います。これ、Windows 9x の「PC カードのプロパティ」でタスクトレイにアイコンを常駐させた状態とほぼ同じなのですが、PC カードの抜き差しのサポートが Win9x 系よりも安定しているように思います。やはり、NT 系 OS の堅牢さに PC カードのホットプラグ、USB のサポートが付いたのはかなり便利ですね。デスクトップ機よりも PC カード、USB の恩恵にあずかれるノート PC では Windows 2000 を使う意義は大いにあると思います。

とりあえず、1 ヶ月ほど使用してみましたが、かなり安定していますね。Windows 2000。Beta 版にしてはけっこう完成度が高いように思います。日本語製品版の発売は 2000 年 3 月頃とみられていますが、早く出てきて欲しいところですね。
しかし、さすが NT 系 OS だけあってメモリに対する要求はシビアなようです。普通にビジネスアプリを使っている分には Windows 98 よりも軽いような気がするくらい軽快なのですが、フォトレタッチなどメモリをたくさん消費するアプリを使用すると突然スワップが大きくなり、目立って処理が重くなってしまいます。やはりこのあたりの使い方をするときはメモリは 128MB は欲しいですね(505EX/64 はサードパーティ製メモリを使っても 96MB までしか増設できませんが)。まあ、それ以外では非常に快適で、オフィス系アプリやメーラ、ブラウザなどを使うくらいならば十分快適です。アプリケーションがハングアップしても OS ごと落ちてしまうことはほとんどありませんし、堅牢さという点ではかなり信頼して良いと思います。また、NT は CPU が使われていない時間は CPU を休止させる機能を持っているためか、Win98 使用時よりも本体の発熱が少なくなった気さえします。あとは、早く対応アプリ・ドライバを増やして欲しいといったところでしょうか。

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