VAIO Column |
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Sony Style のスタメン限定企画「+SPICE」、6 月の液晶ディスプレイ以来しばらくお休みしていましたが、今月より(一応 10 月の企画ということになっているようですが)復活しています。 今回の「+SPICE」は、HDD オーディオシステム「HAR-LH500」。「+SPICE」の企画らしく、「SS-Exec」の愛称がつけられています。 HAR-LH500 "SS-Exec" http://www.jp.sonystyle.com/Product/Paudi/Har-lh500/ AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030930/sony.htm この製品、一年半ほど前にひっそりと発売された HDD オーディオシステム「HAR-D1000」の後継機種で、ヨーロッパのみで発売されていた製品です。Sony Style としては i.LINK オーディオシステム「LISSA」、CD/HDD マイクロオーディオシステム「CMT-L7HD」に続き、ヨーロッパからの逆輸入第 3 弾ということになりますね。 デザインは、ルームリンク機能を内蔵した同社の薄型デジタル AV アンプ「TA-LV700R」と共通のイメージになっていますが、欧州ではこのアンプのチューナ内蔵・ルームリンク非内蔵バージョン「STR-LV500」および DVD プレイヤー「DVP-LS500」と併せて「L500 Series」として発売されているようです。なんとなく、雰囲気がヨーロッパっぽいですよね。 また、「スゴ録」シリーズともデザインイメージは近いように思います。今シーズンのソニーの AV 製品に共通して使われているコンセプトなのでしょうか?ただ、銀座ソニービルで「スゴ録」の実機を見てきた限りでは、下位機種のシルバーメタリックなフロントパネルはややプラスチッキーで高級感がなく、買うならアルミヘアラインパネルの RDR-HX10 かなあ・・・などと感じましたが。個人的には、他のデッキとのマッチングも考えるとシャンパンゴールドのアルミパネルを採用した上位機種があれば欲しいところです。この辺は、DVD レコーダにも言えることなのですが、ゴールドのデッキで揃えていると、こういうデッキを買ってもデザイン的に浮きまくりなんですよね・・・特に CoCoon なんかは。 80GB HDD を採用し、ATRAC3 と PCM 録音に対応した CD/HDD オーディオプレイヤー。HAR-D1000 との違いは、デザインと倍増された HDD 容量だけではなく、USB 端子を備えていて PC から楽曲の管理が行えるほか、PC 上の MP3 データを HAR-LH500 に転送することが可能になっています。しかし、PC 上の MP3 データは削除されてしまう(事前にコピーを作っておけば回避可能?)こととか、SonicStage ではないので ATRAC3 データをエクスポートすることはできないとか、USB の仕様が不透明なこととか(まさかイマドキ USB 1.1 ってことはないですよね?)、仮に USB 2.0 だったとしても MP3→ATRAC3 のコンバートを行いながらの転送となると壮大な時間がかかりそうだなとか、PC との連携に関しては(諸元表ベースで見る限り)ややイマイチな感じがしなくもありません。 録音は、80GB の HDD に ATRAC3 で 1,340 時間、リニア PCM(CD 音質)で 125 時間分の録音が可能。アルバム 1 枚が 1 時間前後として、約 1,300 枚のアルバムが録音できるとすれば十分かな。ただ、ATRAC3 でのリッピング速度が 3 倍速(PCM は 12 倍速)とあまり高速ではないので、手持ちの CD を全て取り込むとしたら一体何時間かかるのか・・・ウチに今ある CD、全部で 500 枚はくだらないので、500 時間の 1/3 とすると・・・ぐあぁ。よく聴く 100 枚くらいをまず取り込むにしても、かなり気の長い作業になりそうです。この辺は、大容量な記憶装置を備える HDD オーディオ全般に言えることなんですが、CD→MP3 のリッピング並みにとまではいかないまでも、面倒なエンコード作業はサクッと済ませて本来の「音楽を聴く」という目的に時間を費やしたいですよね。 私個人の感想としては、HAR-D1000 の頃、ちょうどミニコンポからホームシアターシステムへの切り替えの途中で単体 CD プレイヤーを持っておらず、HAR-D1000 も候補に挙げていた私としては、ちょっと気になるところではあります。購入するか?と言われると、ちょっと躊躇してしまう理由がいくつかあるんですよね。 まず、光出力端子がついているのですが、これがどこまで使えるものなのか分かりません。CD の PCM 信号を出力できるだけなのか、あるいは HDD 内の PCM/ATRAC3 信号も出力できてしまうのか。また、CCCD/レーベルゲート CD は録音可能なのか?最近、私が購入するようなタイトルでも CCCD/レーベルゲート CD で発売されるものが徐々に増えてきているので、ここは特に気になるところです。また、HDD が 80GB というのは普通に ATRAC3 で使うには十分なのですが、どうせなら 120〜160GB を積んでより高ビットレートな ATRAC3 トラックとして録音できるような仕様に(あるいは、上位機種で実現)してほしかったですね。 また、どうせ ATRAC3 として取り込むのであれば、ネットワークウォークマンや MG メモステ、Net MD へのチェックアウト機能もつけてほしかったですね。せっかく溜め込んでおいても、ポータブル機のためにわざわざ PC で同じものを取り込まなくてはならないのでは、興ざめです。そういう意味では柱 CoCoon のオーディオ機能は、なかなか秀逸でしたね。もっとも、CoCoon も未完成な部分の方が多いくらいでしたが・・・。 単体の CD プレイヤーも DVD プレイヤーもなく、CD を PS2 か SoundGate で聴いていた頃の私ならばかなり前向きに購入を検討していたことでしょうが、SACD プレイヤーを買ってしまった今となっては、ちょっと微妙なところです。 この SS-Exec ですが、すでにお台場メディアージュにて先行展示が始まっているようです。そして、発売は本日〜10/17(金)17:00 までの期間限定・完全受注販売。うう、微妙だ・・・というか、事情により今度東京に帰れるのはどう考えても 10/17 の夜遅くになりそうなので、買える期間中には実機が見れません(泣)。実機の感触次第では、買ってもイイかな、と思ったのですが。縁がなかったということでしょうか? というか、どちらかというと HDD オーディオシステムは据置型よりも先にポータブルが欲しい気がしているんですけどね。iPod ならE2c との相性も悪くないでしょうし・・・最近、ビックやヨドバシに行ってもあまり欲しいものもなく、仕事でストレスが溜まっていることもあって何か買いたい病になっているので、このままソニーからポータブル HDD オーディオプレイヤーが出なければ、iPod に転んでしまうかも・・・。 |
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ちょっと買ってから時間が経ってしまったのですが、新しいインナーイヤーヘッドホンを買いました。 Shure の「E2c」という製品です。 http://www.shure.com/earphones/eseries_e2c.asp 実はこれ、だいぶ前からずっと気になっていたものなんです。Shure というと一般の人はあまり聞き慣れないかもしれませんが、主にヴォーカルマイク等で有名なメーカーなので、音響さんかスタジオやホールに務めている方でもなければ知らないかもしれません。私は、この Shure のマイク、学生の頃に今よりももっと真剣に音楽に取り組んでいたときに、だいぶお世話になりました。 その Shure のヘッドホン、ということでかなり気になっていたのですが、長らく国内での取り扱いがなかったんですね。並行輸入で入ってきているものを決して安くはない価格で購入するか、個人輸入するか、といろいろ悩んでいたところ、どうやらこの夏から代理店であるヒビノが取り扱いを開始したとのこと。 http://www.hibino.co.jp/avcsales/info/200306shuree2.html ほどなくして、AV Watch にもインプレが掲載されていました。 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030812/kk002.htm で、しばらく探していたのですが、意外にもヨドバシで発見。即購入しました。 Shure E2c \10,800 (税抜、ヨドバシカメラマルチメディア札幌) 札幌かよ!と突っ込まないでください(笑)言い換えれば、東京でなくても買えるくらいには流通しているということでしょう。米国でのストリートプライスが $100 程度ということなので、為替レートを考えてもむしろ安いくらいの価格になっています。購入時期は 8/末くらいだったかな?それ以来、一月ほどなのでもうけっこう使い込みました。 Shure E2c は、いわゆる密閉型のインナーイヤーヘッドホンです。このタイプではソニーの「MDR-EX71SL」シリーズがあまりに有名で、最近では「音質にこだわった」ということでネットワークウォークマンをはじめとするウォークマンの上位機種にも軒並み密閉型インナーイヤーホンが同梱されるようになっています。また、密閉型では Etymotic Research の「ER-4S」も一部で有名ですが、バカみたいに高い(\40,000 前後)のでお話になっていません(汗)。 E2c は MDR-EX シリーズとは若干雰囲気が異なり、大きめのドライバユニットです。樹脂製のイヤーピースはソニーよりもずいぶん硬め。ケーブルは耳の上から後ろを通し、背中側に回して装着するようになっています。1.6m と長め、かつ太め、L 型プラグのケーブルは日本メーカーのものとは明らかに違う、アメリカっぽさが出ていますね。取り回しは非常に悪く、ケーブルを短くストレートプラグに改造しようかとも思いましたが、値段を考えるとなかなかできません。長めのケーブルをガマンして使うしかないか・・・。 付属品はこのほか、大中小それぞれの透明イヤーチップ、およびオレンジ色のスポンジチップ。Shure のロゴが入ってちょっとかっこいいキャリングケースも付属しています。 しばらく使ってみた感想としては、私愛用の B&O A8 とはまた性格が違うものの、解像感が高く素直で聴きやすい音に仕上がっていると思いました。やや低音の量感が足りないかなとも思いますが、プレイヤー側で低音をブーストしてやれば十分なレベルですし、ソニー製ヘッドホンにありがちなドンシャリの音作りよりは数倍マシ。高音側はよく通る音で、エージング無しでも十分鑑賞に堪えました。MDR-EXxx はかなり慣らしてやらないと高音が耳障りでしょうがなかったですが、E2c ではそんなこともなく。遮音性が高いことを考慮しなくとも、合格点以上をあげても良いと感じました。 普段、A8 を使っているときは、A8 って遮音性は皆無に等しいので雑音につられてついボリュームを上げがちになってしまい、ウォークマンの AVLS(快適音量スイッチ)の最大音量では足りなく感じてしまうことが少なくありませんでしたが、E2c では AVLS の範囲内で余裕で楽しめる音が聴けます。A8 と E2c では出力が違うのかもしれませんが、それ以上に遮音性のもたらすものが大きいように感じます。ただ、形状や装着方法が一般的ではないので、装着には慣れが必要。うまくつけられないと本来の音の半分も聴けません。ある程度しっかり耳に押し込んでやらなくてはならないので、ちゃんと装着できずに誤解する人も少なくないかもしれませんね。 6 種類のイヤーチップが付属していますが、私が使っているのは中サイズの透明チップと中サイズのスポンジチップ。遮音性はスポンジチップの方が圧倒的に高く、どれくらい高いかというと修学旅行生と乗り合わせたかなりうるさめの飛行機で、好きな音楽でリラックスしながら羽田−北海道感を安眠できたくらい。さすがに完全無音とまではいきませんが、飛行機の飛行音の耳障りな成分や、ある程度距離のある人の話し声などはシャットアウトしてくれます。ちょうど、イヤーウィスパーをつけて、そこから音が出てくる感じを想像すればいいでしょうか。 ただし、スポンジチップは遮音性が高い代わりに、音のシャープさが若干犠牲になります。透明チップの方は遮音性はそこそこ(MDR-EX シリーズと同程度?)で輪郭のくっきりした音を聴かせてくれる感じ。密閉度の違いからかスポンジチップの方が低音の量感はしっかり出てくるような気がしますが、低音をブーストするなりすれば一般的な音楽は透明チップの方が万人受けする音かもしれません。というか、イヤーチップひとつで音の違いが分かるのが、また面白かったりしますが・・・。 このヘッドホンを使ってみて思ったのが、人間はいかにノイズの多い場所で生活をしているか、ということです。車の中、電車の中、飛行機の中、街中・・・いろんなところでたくさんのノイズに囲まれた生活というものは、知らず知らずのうちにストレスをその耳から取り込んでいるようなものです。個人的には、音は「空気の振動」そのものであるから、それは耳だけから聴くものではなくて身体全体で感じるものだ、と思っているので、単純に耳からのノイズをシャットダウンすればそれで全てのノイズが除去できるとは考えていませんが、少なくともイヤなノイズをシャットアウトして、リラックスして分の好きな音を楽しむ、というのは、とても大切なことだと思います。最近毎週のように飛行機に乗るようになってしまった私としては、飛行機の中をノイズレスで過ごせることがこんなにありがたいことだとは思っていませんでした。 そんな感じで非常に気に入ってしまった E2c ですが、やはり難点を上げるとすれば取り回しの悪さでしょうか。A8 にも言えることなのですが、この取り回しが悪くて絡みやすいケーブル何とかしてもらえないですかね。逆に、凝ったケーブルをつけてくれるのは日本メーカーくらいしかないんでしょうか?これさえなければもう 100 点を上げてもいいくらいなのですが・・・。 そうそう、この製品、上位機種である「E5c」も最近国内代理店からの発売が開始されたそうです。しかし、こちらは約 \60,000・・・とてもじゃないけど手が出ません(>_<)が、E2c の方は、気になっている方は、かなりオススメだと思いますよ。ケーブルも、使いにくいと評判のリモコンを排除するとして iPod あたりとの相性は悪くないでしょうし。 |
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みなさまお元気でしょうか、北海道送り中の Brown Sugar です。 今朝未明の地震はすごかったですね。札幌は震度 4 程度だったのですが、泊まっていたホテルが 7F の部屋だったので半端じゃないくらい揺れました。半ば朦朧とした意識の中で、「あーもうダメだ。これ死ぬ」と何度か思いました(ぉ 普段なら熟睡している時間に揺り起こされ(笑)たため、ただでさえ睡眠不足なのに今日はかなりしんどかったです。地震の影響かお湯が出ずに朝シャワーも浴びれず・・・被害の大きかった釧路周辺を除き交通機関には深刻な影響はなかったようで、無事東京に帰ることができましたが(今まさに帰路についているところです)、被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。 しかし、ただでさえ早く帰りたいと思っているのに、仕事中に余震なんかもあったりして、もう行きたくない・・・と思ってしまいますね。早く終わって東京に戻りたい。 さて、今日の Column ですが、先日の WPC で見てきた Pana の D-snap を取り上げてみたいと思います。U50 のインプレの次の回に D-snap というのが今の私の興味をよく表しているような気もしますが、気にしないでおきましょう(笑 毎度ソニーブースとよく比較される Panasonic ブースですが、WPC の趣旨通り PC や情報端末系の展示がほとんどだったソニーブースに対し、松下は Let'snote あり、D-snap あり、VIERA ありでどちらかというと CEATEC のような構成になっていました。その中で、かなりの人だかりを作っていたのが D-snap ブースでした。 新生 D-snap シリーズの最上位モデル、カムコーダタイプの「SV-AV100」。一見、かなり DV カメラを意識したデザインになっています。サイズ的にはソニーの DCR-IP1K あたりとかなり近くなっていますが、スッキリしたデザインのせいか SV-AV100 の方が一回り小さい印象。ただ、本体はちょっとプラスチッキーな感じがして安っぽさは否めません。Panasonic のロゴが入っていなかったら、台湾メーカー製と言われても納得してしまうかも? また、本体を横置きにして液晶モニタを持ち上げてやるとビューワスタイルになります。D-snap のキモは MPEG 録画ができるというだけでなく、いろいろなメディアのポータブルビューワでもあるというところなので、それぞれの機種で「見ること」に特化したスタイルを持っているのが特徴的ですね。 大きさはこんなところ。ちょっと大ぶりな Cyber-shot U といった感じで、MPEG-2 録画が可能なことや液晶が大画面であることを考えると小さいサイズになかなかよくまとめてきたと言えます。でも、なんかこう、どうも所有欲を満たしてくれるデザインではないんですよね・・・サイズの割にはそこそこ高画質な MPEG-2 録画ができるという部分に突出したことで、D-snap という製品の方向性を強く印象づけるためのフラッグシップ機、と考えると、将来的にもこの機種の存在意義は大きいのかもしれませんが。 こちらは、SV-AV100 の下位に位置付けられるミドルレンジモデル「SV-AV50」。下位モデルといっても、筐体デザインも目指す方向性も違うため、D-snap というコンセプトに基づいて開発された全くの別製品です。 今回の D-snap の中で最もギミックやメカニカルな特徴を与えられた意欲作と言えます。 Cyber-shot U よりも取り回しが良さそうな薄型の筐体は、まるで小型のオペラグラスのようなイメージです。閉じた状態でこれだけ見せられたら、いったい何をするためのものなのか判らない人もいるのではないでしょうか。 また、液晶部分のみを反転させてビューワスタイルにすることができます。見るときも薄型を維持するスタイルは、薄さを強調していると同時に、高機能な PDA のように、通勤電車の中などで MPEG-4 録画した TV 番組を視聴するといった用途を想定しているのでしょうか。 独特のギミックは写真のように動作します。液晶を開くと連動してレンズが現れ、そこから液晶画面のみをクルッと回転させて撮影スタイル完成。撮影時のスタイル自体は SV-AV100 と似通ってはいますが、そこに至る過程は SV-AV50 の方が明らかに凝っています。正直、このギミックだけで SV-AV50 が欲しいと思ってしまった私です。 ただ、意識して持たないとすぐに指でレンズを隠してしまうのは、この位置にレンズを持ってきた弊害でしょうね。慣れるまではかなり戸惑うでしょう。 で、さらに驚いたのが、SV-AV50 のみに搭載される独特のユーザーインタフェース。事前にチェックしていなかったのですが、この SV-AV50 はユーザーインタフェースとして松下伝統のトラックボール(写真中央左のオレンジ色の部分)を採用しています。未だかつて、トラックボールを採用したデジカメがあったでしょうか?これには、ただ驚かされるばかりです。 しかし、操作してみてその印象は大きく変わりました。このトラックボールを回転させてカーソルを動かし、ボールを押下する動作で決定操作を行うのですが、ボールが小さいこととアナログに方向が入力されてしまうことで、必ずしも直感的に操作できるとは言い難かったのです。単なるカーソル移動だけならまだしも、送りや戻しといった再生系の操作までこのトラックボールにアサインされているためにかなり使いづらいものとなっていました。トラックボールというものは、使いやすさを考えるとある程度の大きさを確保していないといけないことや、こういったマウス系のインタフェースはポインタを利用するリッチな GUI でこそ本領を発揮するもので、あくまでメニューとカーソルをベースにした UI ではむしろ十字キーの方が直感的である、といった基本的な側面を無視し、「Panasonic らしさ」を重視するあまりまずトラックボールを採用することを前提として作ってしまった、やや独りよがりのインタフェースという感は否めません。SV-AV50 ではこのトラックボールの操作性をセールスポイントのひとつとしているようですが、購入を考えるならば一度実際の操作感を確認してからでないと失敗することになるかもしれません。こういうことにチャレンジする姿勢は評価したいところですが、まだまだ煮詰まっていないなあ、と思います。 他にも、片手操作を前提としてデザインされているはずなのに、モード切替などの操作は片手では行いづらい(ボタンが指の腹より下に位置してしまっている)、意識しないとすぐにレンズを指で隠してしまう、など、使い勝手の面でマイナスと感じられるポイントが少なくありませんでした。慣れでカバーできる部分もあるとはいえ、こういった手軽さが求められる製品では、幅広いユーザーに容易に受け入れられるインタフェースデザインこそ重要である、と思うのですが、いかがでしょうか。SV-AV50 は、そのデザインやギミックにはかなりの魅力が秘められていますが、その代償に失ったものが多すぎる、と思います。 マイナーチェンジとなる「SV-AV35」は、昨年のモデルから外見上の変化はほとんどありません。これといって大きな変更のないモデルですが、そのスタイルといい、枯れた操作性といい、やはり D-snap の中で一番完成度が高いのはこのモデルではないでしょうか? スチルカメラとも、ビデオカメラとも違う、女性のコンパクトのようなカタチで、日常を動画で切り取る。ビデオカメラが横長から縦長に(あるいは、最近見なくなりましたがシャープの液晶ビューカムのようなスタイルに)なったときに「ビデオを撮る」スタイルにパラダイムシフトが起きたように、この AV35 がもたらした新しい撮影スタイルも「動画撮影」という大きな括りの中に新しいパラダイムをもたらしたような気さえします。 エントリーモデルとなる「SV-AS10」は、動画はあくまでもおまけとして「録れるだけ」で、どちらかというと静止画撮影と MP3 再生に重点を置いたモデルということができます。コンセプト的に MP3 機能付き版 EXILIM と似通っていますが、どこまで「D-snap らしさ」をアピールできるか、がこの SV-AS10 が成功できるかのカギでしょう。MP3 が突破口を開くのか、あるいは最近高級志向にシフトしつつある EXILIM から漏れたユーザーを拾うのか。 こんなところでしょうか。 個人的には、F828 を除けばこの秋一番の物欲の対象だったのが D-snap なんです。実際、AV50 あたりはかなり買いそうになっていました。・・・が、実物を見てかなり物欲減退。いや、モノは悪くないですし、よくできているんですが、まだまだボタン配置とかトラックボーロとかいったものが練れていないような気がして・・・。むしろ実物を触っていなければ買っていたでしょうね。 しかし、Cyber-shot U でもたらされた「ビジュアル・ブックマーク」という発想は、デジカメ付きケータイやデジカメ付き PDA を経て日常のごく当たり前の活動の一つとなり、次は何か動画でブックマークしてみたい・・・という意識が生まれてきたことは確かです。少し前までなら、静止画でいいじゃん、と言っていたのが、動画で何かやってみたい、と思わせたのは昨年の D-snap の登場があったからでしょう(ま、その前にも D-snap という製品は存在していたのですが、明らかにそれを意識するようになったのは昨年の WiLL モデルからですしね)。そういう意味では、あと 1〜2 世代してもう少し落ち着いてきた D-snap は、いずれ買ってみたい製品の一つであると言えるでしょう。あるいは、それまでにソニーからこれに対抗しうる製品が、登場するのでしょうか・・・? ■記事リンク ZDNet の記事 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/16/cjad_kodera.html |
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・・・とか言っておきながら一日空いてしまいましたごめんなさい(平謝り)。DSC-U50 のインプレをお届けしようとしていたのですが、連休の東京はあいにくの悪天候。結局 U50 を持ち出せないまま、北海道に来てしまいました。 しかし、札幌は東京の暗い空が嘘のような好天に恵まれていました。ちょうど、今の職場となっているところが札幌大通から近いこともあり、昼休みに軽く撮影に出てみました。時間のない中での撮影だったため、被写体やフレーミングがアレなところもありますが、そのあたりはちょっと目を瞑ってください。 なお、掲載した画像はサーバ容量の都合上 Photoshop を使ってトリミングおよびリサイズを施し、低圧縮率(レベル 8)で保存していますが基本的に色調補正やレベル補正は行っていません。カメラの設定は全てデフォルトの状態で、最大サイズで撮影しています。
まずは、色味から。 U20 と比べると分かるのですが、U20 は若干赤みがかった色になっています。少し赤が入った方が鮮やかに見えるためそういうセッティングになっているのか、U20 の CCD の特性がそうなのかは分かりませんが、確かに鮮やかっぽく見えるものの実際の空の色に近いのは U50 の方です。抜けの良い青色になっています。やや建物や雲の色が青被りしているのが気になると言えば気になりますが・・・。
この写真では木の陰が作っている暗部に注目してみてください。U20 では潰れてしまっている影の部分がある程度立ち上がっているのが分かるでしょうか?暗部ノイズの乗りは相変わらずですが、それでも暗部の階調表現が向上したことは確認できると思います。
噴水を撮影したら偶然撮れてしまった虹。画質評価とはあまり関係ありませんが、気に入ったので載せてみます(笑 建物や雲の色は、赤被りしている U20、緑被りしている U50 のどちらも実際の色とは少しずつ異なっていますが、U50 の色の方がどちらかというと実物に近い印象です。ま、これは確認するモニタの特性によっても異なるので一概には言えませんけどね。
これが今回撮影した中で最も違いが出た一枚。光源を直接撮影したのですが、U20 では光源の周辺部が盛大に破綻してしまっています。U50 ではレンズ周辺部で明らかに色が化けてしまっていますが、U20 ほど壊れることなく、スミアもほとんど発生していません。太陽を直接撮影するということはまずないでしょうから、多少光源を構図に入れて意図的にフレアを発生させたいときなんかは U50 でないとダメということになりますね。暗部の捉え方といい、U50 の CCD の方がダイナミックレンジが広いということなのでしょうか? ・・・っていうか、U20 のレンズ汚れまくりだなあ(ぉ
いろいろなものが写り込んだ一枚。細かいところをピクセル等倍で切り出したのが以下の画像です。
U20 はシャープネスがきつく、輪郭はハッキリするかわりに場所によっては色収差やモスキートノイズが発生しやすいという欠点を持っていました。U50 ではシャープネスは抑えられ、良く言えばソフトフォーカス気味、悪く言えば若干ピンぼけの画像になっています。斜め線のジャギーがいくらか軽減されているのが分かるでしょうか? 木の葉などの細かい部分での解像感のなさや、空のグラデーションに乗ってくるノイズの多さは、このクラスでは致し方ないところでしょうか。レンズもレンズですしね・・・。
彩度が高く、かつ多少寄りめの一枚。U50 の方は暗部を持ち上げながらもある程度落ち着いた画になっています。彩度の高い部分での色滲みも、U20 に比べれば少なめ。ただ、やはり真っ昼間の日向ではちょっとしたところでも白飛びしてしまう傾向は変わっていませんね・・・。 ざっとこんなところでしょうか?解像感など基本的な部分では従来の U シリーズから変わっていないものの、より素直で扱いやすい画作りに変わってきていると思います。U30/U60 をじっくり使ったことがないため、これが U50 からのものなのか、U30 の世代で改善されたものなのかはハッキリとは分かりませんが。ただ、CCD などもほとんど変わっていないのかと思いきや、少しずつ改良が進められていることは確かだと思います。 あと、U50 で大きく変わったのは起動時間。従来の U シリーズでは大容量のメモリースティックを使用するとそれだけ起動に時間がかかり、128MB メモステを使うとそれこそ 5 秒くらい待たされたものでしたが、U50 ではメモステの容量に関わらず高速に起動します。これは、新しい紺メモステ Duo の読み出し速度が高速だからではなく、従来の白 Duo 64MB などで試しても全く変わらなかったので、電源投入時のカメラ初期化のアルゴリズムが根本的に見直された結果ということができるでしょう。これまでは、高速起動のためにあえて 32MB 以下のメモステを使うことが Cyber-shot U 使いこなしのコツとされてきましたが、これからは大容量の Duo を挿しっぱなしで使えるようになった、ということです。というか、これまでの仕様がダメすぎただけなのですが・・・(笑 というわけで、画質に関するこれ以上の深いツッコミは del さんあたりにお任せするとして(ぉ 当初大差ないだろうと思っていた両者の画質が、ここまでハッキリと認識できるくらい違っていたというのは個人的にはちょっとした発見でした。 しかし、それ以上に発見だったのが、時間のない中で何気なく撮影した大通公園が、被写体を探す場所としては実は絶好の場所だった、ということでしょうか(笑)札幌、侮れない・・・。 |
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VAIO のニューモデル「VAIO V」の発売日が 10/下旬 に延期。 ニュースリリース http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2003/products_0922.html 今シーズン唯一の新筐体なのに、大丈夫なんでしょうか・・・今期もまたコケなければいいですけど。WPC EXPO でも、「過渡期ですから」とか「まだ変わっている最中です」というような言葉が、ポツリポツリと漏れてきていましたが、やっぱり本当に面白い VAIO が復活するまでにはもう少し時間がかかるということなのかな?とにかく、VAIO V の遅れ一つとってみても、いろいろ心配になってしまうこのごろの私です。 ちょっと遅くなりましたが、「WPC EXPO 2003」のレポートをアップしました。 →VAIO Column 特別編「WPC EXPO 2003」レポート ・・・今回は、あまり書くことが多くありませんでした。もう、PC 自体新しいことがなくなってきているのか・・・私もいちユーザーながらに、なんとかしたいと思っているんですが、なんともはや。 それはさておき、WPC でいろいろ伺ってきたお話の中から一つ二つ、拾ってみました。
どうやら、当初の玉数があまり多くないようです。もともとボリュームゾーンである P シリーズなんかに比べれば F828 の出る数なんてたかがしれているのですが、予め予測できている台数さえ発売日までには揃えられないかもしれないくらいに生産の効率が上がっていないのだとか。新しい CCD や新しい DSP の歩留まりが悪いということなのでしょうが、ちょっと心配ですね。「発売日にはご迷惑をおかけすることになるかも」という声すら聞こえてきたくらいなので、買う予定の人は早めに予約しておいた方が良いかもしれません。私もヨドバシあたりで予約しておこうかと思っていますが・・・ソニスタの購入特典はどうでしょうか(と、プレッシャーをかける(誰にだよ))。 WinXP モデルの VAIO ユーザー 2,000 人を対象としたモニター企画「バイオパネリスト」ですが、担当の方とお話をしてきました。まだまだ決まっていないことの方が多いような話しぶりでしたが、どうやら 10 月に座談会が開催される模様。日程、会場共に未定とのことですが、場所は銀座ソニービルの 6F セミナールームあたりになりそうです。応募が多ければ抽選になるとのことで、私も当たれば良いですけど・・・とにかく、最近はいろいろ言いたいこともたくさん溜まっているので、楽しみではあります。 このほか「バイオパネリスト」では Web での企画もいろいろ考えているようなので、東京近郊にお住まいでない方もご心配なく。 ところで、Cyber-shot U ですが、この連休中(今日かなり久々に休暇を取ったので 4 連休なんです)に届いていたのですが、開封して通電を確認した程度でまだ何もいじっていません。同時に購入したメモステ Duo の封を切ってもいないくらい・・・結局ソニスタで PORTER と共に発注したのですが、D-snap の発表があって PORTER のケースが即日完売で買えなかった時点で、かなり物欲が減衰してしまったんですよね。PORTER は追加販売決定で 10 月下旬には届くとはいえ、以前お台場で実物を見たときほどの感動がない私・・・。せっかくの連休なのに雨模様で幕張以外どこにも行けていないというのも、後押ししているのでしょうが。とりあえず、明日は U50 について少し書いてみるつもりです。 ところで、連休に入って東京は急に寒くなりました。今までの残暑が異常だったのですが・・・。8 月に北海道に行って以来、今年の夏が停まってしまっていた私にとっては身体がついていかず、ちょっと辛いです。先週末に東京に戻ってきて、一晩暑かったと思ったら急に寒くなって、今の東京は先週の札幌よりも寒いくらい。微妙に、風邪気味かも・・・みなさんも、お気をつけて。 |
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今日はあいにくの雨模様でしたが、予定通り、幕張メッセに行ってきました。 わんにゃん WORLD 2003 http://www.wannyanmura.com/img/w_world/world_paper.jpg あっ、こっちじゃない WPC EXPO 2003 http://arena.nikkeibp.co.jp/expo/2003/ 久々にたくさん歩き回ったのでかなり疲れてしまいました・・・ソニーブースの模様は明日お届けするとして、今日はその他のブースで気になったものをいくつか写真中心でレポートしたいと思います。 まずは NEC ブース。今回の NEC は「これは」という製品がなかったので新製品を見てもしょうがないのですが、一つ近未来の NEC 製品や技術を展示しているコーナーがあったので覗いてきました。 中でも気になったのがノート PC 用の水冷モジュール。既にデスクノートクラスであれば実装できそうなくらいのサイズにまでコンパクト化できているようです。展示されていたマシンの方はまだ全然モックアップも良いところだったのですが・・・。最近デスクトップの方で「水冷の NEC」というイメージを作りつつあるようですが、ノートでも先行しようというのでしょうか。 TV PC。これも、普通の液晶テレビか何かにモックのガワを被せただけでしょうが、NEC も今以上にテレビを意識した TV PC を出すことを考えているようです。これだけならばどうということもないのですが、画面下のケースに覆われたキーボード部が通常のキーボードではなく、ちょっと変わったコントローラ風になっていたのが気になりました。何か新しいユーザーインタフェースを開発しているのでしょうか? この他、燃料電池式ノートのモックとか、小型のハンディ PC とか、去年の WPC で見たものをまた出してきたようなのも多かったのですが、「なんかがんばってるぞ」というのを必死にアピールしようとしているような印象を受けました。どちらかというと、イメージ先行すぎてやや中身がないかなという気がしなくもないですが・・・。 最近がんばっているキヤノンブース。かなり人が入っていました。 ひとつ注目されていたのは先日発表された「IXY DIGITAL L」。400 万画素単焦点と機能を絞り、サイズをコンパクトに押さえたニューモデルです。従来の IXY DIGITAL シリーズとはずいぶんイメージが変わってオシャレになりました(IXY DIGITAL 自体もともとオシャレでしたが)。女性のハンドバッグから出てきてほしいデザインになってますね。フットプリントは DSC-U20 よりもありますが、薄いので体積でいったらそんなに変わらないかもしれません。 で、もう一つの注目が「EOS Kiss Digital」。ここはかなり人だかりができていました。やはり、初めて普及価格帯に降りてきたデジタル一眼レフとあって、注目度は高いようです。私も少し触ってみましたが、銀塩 EOS 譲りの操作感がいいですねー。やっぱりちょっと欲しくなっちゃいました・・・が、部品点数が省略されてプラ筐体になったせいか EOS 10D あたりと比べると軽いんですよね。これが、ちょっと萎え・・・。 あと、少し気になったのがソルダム WiNDy ブースの新製品。「AQUAGIZMO」と呼ばれる水冷ユニットを備えた自作キットで、今後ソルダムはこの水冷ユニットにかなり力を入れていくような感じでした。動作音などはちょっと確認できませんでしたが、静かでコンパクトなデスクトップが欲しいと思っている私には、かなり魅力的です。 さて、ここで問題です。下の写真は何でしょう? 展示会場の片隅、普通ならばブースも何もないところです。ここに、やたら人だかりができていますが・・・。 正解は、 「Segway」ブースでした。なんとあの近未来の乗り物「Segway」のデモをこんな片隅でやっていたんですねー(笑)。 噂には聞いていましたが、Segway、かなり乗り心地良さそうです。スムーズに、かつその気になればそれなりのスピードで走ることができます。ただ立っているだけなら、両手をハンドルから離していてもいいくらいに安定もしています・・・。これにはちょっと感動してしまいました。 試乗会もやっていて、希望者のなかからジャンケンで選ばれた人だけが乗れる仕組みだったのですが、負けてしまいました(泣 おまけ。 私の中で今回最もアツいのはソニーブースよりもむしろ松下ブースだろう、と思っていたのですが、パイオニアブースが一番アツかったですね(ぉ DVD レコーダはソニーではなくてパイオニアが欲しくなってきてしまったかも・・・(笑 |
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現在は「WPC EXPO 2003」の会期まっただ中、ニュースサイトやユーザーサイト各所でも報道が相次いでいますが、既に幕張に行ってきた方も少なくないのではないでしょうか。いろいろと気になる展示が出ているようですが、いっぽう地球の裏側・サンノゼでは「IDF 2003」が開催されています。 PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0917/idf02.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0918/idf03.htm この中で、VAIOethics 的に注目すべき記事としては、Prescotto および Pentium 4 の今後の動向、そして何より Centrino プラットフォームの将来像でしょう。 ハイエンド/メインストリームデスクトップ向け CPU の次世代コアとなる「Prescotto」(コードネーム)はこの第 4 四半期のリリースと言われていましたが、どうやらこれはディレイする可能性が高いようです。OEM 向け出荷自体は年内に開始できる可能性はあるものの、正式発表は年明けになってしまうおそれがあるとか。リーク電流の問題が解決できず、次世代 Pentium M「Dothan」コアの出荷が 1 シーズン遅れてしまったというニュースが先日届いたばかりですが、同じ 90nm プロセスで製造される Prescotto コアも同様の問題を解決しきれなかったのか、Dothan と同じくディレイ。 これに対するリリーフという意味も込めて、本来 Xeon 向けに開発が進められていた「Gallatin」コアの CPU を、ハイエンドデスクトップ向けに「Pentium 4 Extreme Edition」としてリリースしようとしているようです。ライバル AMD から間もなくデスクトップ向け 64bit CPU「Athlon 64」が発表される(秋葉原では一部もうフライング販売が始まっているようですが)ので、Prescotto が間に合わない分この P4EE で対抗しようという意図があるのかもしれません。Gallatin はもともと Xeon 向けに 2MB の 3 次キャッシュを備えているコアだけに、下手をすると Prescotto よりもパフォーマンスが高いかもしれないとのこと・・・Athlon 64 の対抗という意味合いが強いならば、その発表も間もなく行われる可能性が高いです。日本国内メーカーは各社ほぼ新製品を発表してしまった後なので、この新 CPU を搭載した製品が年内に発売される可能性はさほど高くないでしょうが、秋以降にソニーを含めた各社が Media Center PC を発売する予定があるとすれば、あるいは・・・。 一方のモバイル向けプロセッサ。Dothan の延期はもはや確定事項なので覆しようがないのですが、今回 Centrino プラットフォームに新しいチップセット「Intel 855GME」が追加されました。グラフィック機能の強化と DDR333 メモリへの対応が主な変更点とのことですが、グラフィックに関しては動作クロックの向上がメインのようなので、どの程度の性能アップに繋がるものかはなんとも言えません。ただ、グラフィックスコアにも SpeedStep のように不可に応じて動作クロックを変化させる仕組みが備わったとのことで、プラットフォームとしてのさらなる省電力化は確実に進んでいるようです。 そして、来年の話としては、Dothan コアのリリースに続いて新チップセット「Alviso」(コードネーム)、および無線 LAN モジュール「Calexico2」(コードネーム)が投入され、Centrino の後継となる「Sonoma」プラットフォーム(コードネーム)が立ち上がる模様。Alviso チップセットでは DDR2、PCI Express、SerialATA、次世代 PC カード規格「ExpressCard」など新機能が目白押しのようですが、順当な進歩の結果として得られるこれらの新機能はともかくとして、個人的に気になったのは Calexico2。どうやら、当初 IEEE802.11a/b/g をサポートしようとしていた計画を覆して IEEE802.11b/g のみのサポートとなるようです。本来、Calexico2 では IEEE802.11a/b のサポートの予定だったものが IEEE802.11a/b/g のトリプルスタンダード対応に変更されたという経緯がありましたが、ついに IEEE802.11a 規格は Intel のサポート計画からドロップ。IEEE802.11g の急速な立ち上がりを受けて、PC ではついに将来のスタンダードが IEEE802.11a から IEEE802.11g に切り替わってしまった、ということになるようです。Intel の求心力を信じていちはやく IEEE802.11a 環境を整えてしまった私のようなユーザーには、なんとも厳しい状況となってしまいました・・・今後、PC メーカー各社があくまでハイエンドは a/b/g にこだわってくるのか、あるいは .11a はあくまで家電に特化し、PC では .11b となっていくのか、まだしばらく目は離せそうもありません。 ・・・と、いうわけで、私は今回の VAIO 新製品発表に際して三つの隠し球があると考えていたのですが、Media Center PC/Prescotto、HT Mobile Pentium 4、Efficeon というキーワードのうち Prescotto が消えてしまいました。これが Media Center PC/P4EE、HT Mobile Pentium 4、Efficeon に書き換えられるのか、Media Center PC は従来の Pentium 4 で出すのか(あるいは Media Center PC 自体出ないのか)分かりませんが、なんにせよ何かは出てくるのではないかと睨んでいます。そして、VAIO ブランドのポータブル HDD ビデオビューワを中心としていろいろ出てきそうな関連製品も・・・この週末は何かヒントが隠されていないか目を光らせつつ、WPC を見に行ってみたいと思います。 |
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欧州での「Sony Dream World 2003」も閉幕から 10 日が経ちましたが、国内ではまだまだ新製品の発表が続いています。本日は、SoundGate と CD ウォークマンの新製品が。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200309/03-0917/ http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200309/03-0917B/ SoundGate はスピーカの改良を中心としたマイナーチェンジ。CD ウォークマンはいよいよ MP3/ATRAC3/plus 対応製品がメインストリームとなりました。個人的には、SoundGate は初代が録音専用機になっていること、CD ウォークマンは去年買った D-EJ2000 で満足していて MP3 は使う気がないこと、などの理由でほとんど興味がないのですが、CD ウォークマンの最上位「D-NE10」なんかは EJ2000 比で厚さ 3mm、重さ 30g まで迫っています。買い換えを考えている方には悪くないのではないでしょうか・・・。 そして、ニュースリリースは出ていないのですが、今日たまたま Sony Style を覗いてみたところ、ネットワークウォークマンの新製品が掲載されていました。 製品情報 http://www.jp.sonystyle.com/Product/Paudi/Nw-ms90d/ http://www.ecat.sony.co.jp/audio/walkman/acc/index.cfm?PD=15314&KM=NW-MS90D 「NW-MS90D」だそうです。内蔵メモリが倍の 512MB になったほかは、本体カラーの変更(ブラック)と付属ヘッドホンの変更(「MDR-EX51SP」相当)程度の小変更に留まっています。MS70D との価格差が \5,000 でメモリ倍増というのは少し悔しいですが、内蔵メモリはメモステ Duo で補えないこともないですし、本体カラーは MS70D のチタンの方が好み(細かいパーツや W. ロゴまで「ALL BLACK」だったらやばかったかもですが)なので、今回は見送りです。というか、gigabeat MEG200J・Rio NITRUS・NOMAD MuVo2、と iPod に対抗し得る(かもしれない)HDD オーディオプレイヤーが続々発表されている現状や、最近のソニー関連のアンケートで HDD オーディオプレイヤーに関しての質問項目がやけに目につくことなどを考えると、そろそろソニーからも HDD オーディオプレイヤーが出てくるのではないかと睨んでいるのですが、どうでしょうか・・・。 ところで、本日より幕張メッセにて「WPC EXPO 2003」が開幕しています。 WPC EXPO 2003 http://arena.nikkeibp.co.jp/expo/2003/ AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030917/wpc01.htm ZDNet の記事 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/17/nj00_wpc_open.html SDWE が国内で行われなかった今年は、おそらく秋冬のソニー製品に最も早く触れられる機会だと思います。未発表のソニー製品としては、VAIO ブランドのモバイル AV ビューワらしきものが展示されているとの情報もありますが・・・今年の WPC でのソニーの注目ポイントは「モバイルムービー」以外に何かあるのでしょうか?それとも、期待外れに終わってしまうのでしょうか?個人的に今回最もアツいブースは Pana だと思っているのですが・・・私は土曜日に行く予定。 |
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連休明け一発目のニュースは、Cyber-shot のフラッグシップ「DSC-F828」の国内発表でした。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200309/03-0916/ 製品情報 http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-F828/ 開発者インタビュー http://www.jp.sonystyle.com/Product/Dsc_mvc/Dsc-f828/Interview/ DSC-F828 自体は先月、DSC-U50 と同時に発表されていたもので、既に詳細はほぼ明らかになっていたものですが、国内発表に合わせて以前触れなかったところについて少し書いてみたいと思います。 欧米でのリリースで予め判明していた主なスペックは以下の通りです。
念願叶って刷新された光学系は、高速ズームやより正確な倍率微調整に対応したマニュアルズームになりました。また、ワイド端での焦点距離が 28mm となり、従来機種の 38mm(ともに 35mm カメラ換算)から大幅に改善され、今まであと一歩が引けずワイコンに頼らざるを得なかったシーンでの撮影の可能性が広がりそうです。私も F707 の引けないレンズには、かなり泣かされましたから・・・。光学 7 倍というズーム倍率は、今となっては突出したものではありませんが、必要十分なものと言えるでしょう。また、絞り羽根も従来の 6 枚から 7 枚に増やされ、さらに自然なボケ味が表現できるようになっています。あとは、これも何度も書いていますがワイド端でかなり目立つ樽型歪みですかね・・・これさえ何とかなっていれば、個人的にはほぼ文句のつけどころのないカメラなのですが、実製品はいかに。 とにかく、早く実物に触ってみたい、久々に私にクリティカルヒットのソニー製品かもしれません。 モノは 12/中旬発売予定、予価 \160,000。F717 からみて価格帯が少し上にシフトしてしまいました。DSC-V1 との棲み分けを考えると、多少上に伸ばすのも当然というか、スペックを考えるとむしろ安いか?とも思わなくもない(どっちなんだ)です。 しかしこの価格となるとちょっと考えてしまうのが、そろそろ交換レンズ式とも思っていたところに、キヤノンのホンキ・EOS Kiss Digital が、レンズ 1 本込みで \140,000 程度なんですよね・・・カメラとしての使い勝手を考えると、やはりキヤノンに軍配が上がりそうな気もするので、けっこう微妙。でも、Cyber-shot のインタフェースには長年親しんできたし、回転レンズには思い入れもあるし、何より KissD はプラボディなので(笑)パスかな。でも、ひとつ上の EOS 10D が、レンズ込みで \230,000 程度と考えると、これまた微妙・・・。かなり悩みどころですが、EOS シリーズは、視線入力が実装されたらまた考えよう・・・。 今年の冬のボーナスは、この F828 と PSX でだいたい消えていってしまうかな・・・スクリーンを買う余裕は、あるのでしょうか(笑 ■記事リンク PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0916/sony.htm ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/09/16/645949-000.html MYCOM PC WEB の記事 http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/16/08.html ZDNet の記事 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/16/nj00_cyber.html |
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PCV-V10 の実機を見に、銀座ソニービルに行ってきました。 今回はソニスタのイベントはないんですね・・・やる気ないのかな?(笑 ソニービル 1F で私を出迎えてくれた PCV-V10。 一見本当にテレビにしか見えず、見落としそうになりました(笑)キーボードが一体になっていないデザインがそう思わせるのでしょうが、本当に、WEGA にしか見えないですよね・・・。今までの VAIO の中で、最も PC らしくない形をした PC かもしれません。 デモ機が一台として Windows のデスクトップ画面を表示しておらず、TV 画面になっていたのが印象的でした。というか、PC だと思って触っていた人の方が少ないんじゃないでしょうか?触ってから「あ、VAIO か」と気づく人が少なくなかったように思います。 本体左右の端子は PCV-W シリーズとほとんど変わっていませんが、うまくまとめられておりあまりごちゃごちゃして見えないようになっています。付属のアンテナケーブルが L 型端子になっているのか、ケーブルが横から飛び出して見えないようになっているんですね。これは、Ethernet や USB といった PC 特有の端子がなければやはり素人目には PC には見えないかもしれません。 背面もあくまで TV らしく、という感じで、排気のスリットもあまり PC のそれっぽくないようなデザインになっています。VAIO W の頃から背面デザインにもそれなりに気を遣っていたこのシリーズですが、今回はかなり完成度が高いですね。どこから見ても恥ずかしくない、そんなデザインになっていると思います。 付属のワイヤレスキーボードは、他のデスクトップ VAIO のキーボードと同様パームレストが折りたたみでキーボードカバーを兼ねるデザインになっています。この手のワイヤレスキーボードにキーボードカバー機能がついている必然性はあまり感じないのですが(笑)、本体の近くにキーボードを置いておくときさえあまり PC っぽい雰囲気が出ないという点では良いのかも。 キーボード上部にはスタンバイやブラウザ、メーラ、Giga Pocket、および音量等の機能にワンタッチでアクセスできる特殊キーがつけられています。また、キータッチは A4 フルサイズノートと同様のキーボードになっていて、ThinkPad と同等以上のストロークが確保されています。とはいえ、それほどタッチがいいとも感じませんでしたが・・・(笑 同じく付属のワイヤレスマウスは、カタログ写真を見たときはカッコイイと思いましたが、実物はちょっとヘンな形かも(^^;定かではありませんが、PCGA-UMS5 と一部パーツを共用してコストダウンしているようにも思えます。個人的には、マウスをつけてさらにキーボードにも PCV-M シリーズのときのようなポインティングデバイスをつけてくれると良かったのに、と思います。 リモコンはガラッとデザインが変わりました。今まで、ちょっと古めのソニー製品と同じ系統のデザインだったのが、今回からはほぼ全機種で今っぽいデザインのリモコンに変更されています。チャンネルとボリュームボタンが大きくなって独立したため、使い勝手が上がっています。あとは、できればジョグダイヤルがついていてくれれば良かったのですが・・・。 この PCV-V10 最大の特徴はここだと思うんですよね。電源ボタン。 透明のスイッチになっていて、電源が入るとこのボタン自体が光る!という、PLASMA WEGA と同じ「ガラスに浮き上がる LED インジケータ」が実装されているんですねー(たぶん VAIO V の方はガラスじゃないでしょうが)。 本体デザインにしろ、リモコンにしろ、こういう細かいところへのこだわりにしろ、これは「もはや PC ではない、TV なんだ」ということを強く主張しているかのようです。あくまで TV であることにこだわったスタイル、それが、VAIO V なのかもしれません・・・。 ホワイトとブラックを比較してみました。 ホワイトは、パネルに見えるアルミのヘアライン加工が非常にイイ感じに仕上がっています。ホワイトの筐体も、画面に映像が表示されるとすごくよく映えるんですよね。VAIO W はホワイト系のカラーが良かったと思いますが、今回も、ホワイトはかなりいけてます。 ブラックの方は、シックな黒に塗装されたアルミパネルと、ピアノフィニッシュっぽく(あくまで「っぽく」(笑))仕上げられた筐体に高級感が漂っています。あまりリビングの雰囲気ではないかもしれませんが、非常に落ち着いているので、書斎やオーディオルーム、あるいは楽器のある部屋にも似合うのではないでしょうか・・・。 私はちょっと甲乙つけがたいかなと思っているのですが、みなさんは、どちらがお好みでしょう? それにしても、見れば見るほど PC に見えない PC ですが・・・市場には、どう映っているんでしょうね。ある意味、VAIO W を低コストで仕上げた中途半端な廉価モデルにしか見えないかもしれませんが、逆に VAIO W にはない良さも持っていたりします。W と V、どういう比率で売れていくのか・・・。そして、これを受けて他メーカーがどのような動きを見せるのか、も、気になります。 |
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松下が、コンパクトムービーカメラ「D-snap」の新製品を発表しました。 ニュースリリース http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn030911-1/jn030911-1.html 製品情報 http://panasonic.jp/d-snap/ 1 モデルのみだった初代「D-snap」から今回は一気に 4 機種にラインナップを展開。かなり強気の戦略と言えそうです。これは、今後はコンパクトムービーカメラが成長市場だ、ということなのでしょうね。 発表されたのは、「SV-AV100」、「SV-AV50」、「SV-AV35」、「SV-AS10」の 4 製品。それぞれに特徴を持っていて、簡単に述べると以下のようになっています。 フラッグシップ「SV-AV100」はおそらく初の MPEG-2 記録に対応したフラッシュメモリタイプのムービーカメラ。すごいのは MPEG-2 記録だけでなく、コンパクトなボディに光学 10 倍ズーム、電子式手ぶれ補正機能まで備えている点。その分価格も \100,000 と飛び抜けていますが、標準で 512MB SD カードが付属することを考えると十分安いかもしれません。従来の「D-snap」とは違って一般的な縦型 DV カメラをそのままシュリンクしたような小ささになっていて、64.9×89.8×33.2mm・156g というサイズは、先週発表された MICROMV Handycam 69×91×39mm・230g(ともに重量は本体のみ)よりも若干コンパクト。テープ機構を内蔵してこのサイズに収めている Handycam IP1K の方が考えてみればすごいのかもしれませんが(笑)、デザインからなにからかなり似通ったこの 2 製品において、価格的なアドバンテージからすると SV-AV100 の方が若干有利でしょうか。MICROMV 方式も MPEG-2 がベースになっているので、画質も(直接比較しなければ分かりませんが)似たようなものかあるいは MICROMV の方がちょっと良さそうかな?という感じでしょう。しかし、ランダムアクセスに優れライトに使いこなせる AV100 の方が「動画をより身近に」というこの手の製品のコンセプトとしてはより馴染みやすいかもしれません。 「SV-AV50」は薄さにこだわった D-snap。厚さが 20mm しかなく、撮影時重量も 120g しかありません。スーツの胸ポケットに忍ばせておいて、いざというときにサッと撮影、という動画版 EXILIM みたいな使い方ができそうです。また、機能面でも改良が加えられており、30fps の動画フレームレート(従来は 15fps)に対応。一般的な TV 放送のフレームレートが 30fps なので、かなり滑らかな動画を撮影することができるということになります。今までのは、動画というよりも少しスムーズな紙芝居という感じでしたからね。・・・ギミックが、ちょっとかっこいいかも。 「SV-AV35」は従来機種「SV-AV30」のマイナーバージョンアップという位置付け。基本デザインは SV30 そのままながら、上位機種と同じ 30fps のフレームレートに対応したことが特徴です。また、このモデルのみ今回もあの異業種合同ブランド「WiLL」ブランドでの発売となっています。個人的には、このデザインがいちばんカワイくて D-snap らしいので好きかな。このスタイルに惹かれて D-snap を買った、あるいは買おうと思ったという人は少なくないのでは? 「SV-AS10」はより遊び感覚を強めた動画デジカメ。他モデルと異なり動画フォーマットは Motion JPEG ですが、こちらは動画撮影だけでなく音楽再生(WMA/MP3/AAC)に対応し、さらに今回の製品の中で最も薄い(9.9mm)モデルとなっています。デザインがちょっと、開かないウイング CLIE みたいですが、どうか(笑 先日、ソニーがモバイルムービーの推進を発表したところですが、やはりこの秋は MPEG-4 を中心にムービーが熱い、と言えそうです。ソニーは主にテレビ放送をメモリースティックに落とし込んで外出先で観賞、という使い方を提案していますが、松下はそういう使い方も掲げながらもどちらかというと「撮って楽しむ」ことに重きを置いているように感じられます。だって、今までほとんど市場が存在しなかったところに、性格の違う 4 つもの製品を一気に投入って・・・市場が形成しきらないうちに、全方位松下が押さえてしまいたい、という意気込みの表れなのでしょうかね。 私も、最近この手のムービーカメラが気になっていて、試しに AV35 くらいは買ってみても良いかな、と思っています。Cyber-shot U にしても、U50 はとりあえず買うんですが(ぉ 回転レンズといってもそこまでのインパクトはなかったんですよね、初代 U10 が出たときのショックに比べれば。ま、QUALIA が出た後だからなのかもしれないですが(^^; 最近、デジカメメーカー各社が携帯電話のデジカメ機能に対抗するように、ミニマムデジカメに新たな方向性を見出そうとしています。より高画素・高倍率ズームだったり、回転レンズだったり、様々な使用シーンを提供してくれる防水処理だったり。しかし、そのどれもが「カメラを使う」ことにおいて新たなパラダイムを与えきれていないことは、確かだと思うんですよね。そこには、やはり携帯電話のスペックではなし得ないムービー機能であったり、何かただ「写真を撮る」(ケータイのデジカメでもってただ「写真を撮る」なんて言ったら写真家の方に失礼ですが)だけではない付加価値がないと・・・やはり、こういう方向性になるんでしょうか。ムービーカメラといっても、携帯電話にも最近は動画が撮れるものが普通に存在していますが、滑らかさや「見る」ときの快適さにおいてはまだまだカメラ専用機に敵うものではありませんし、そろそろ携帯電話の高機能化も頭打ちではないかな?――メディアの間でも、昨今の携帯電話の高機能化を疑問視する声が増えてきていますし、(日本でもありますが特に)海外では携帯電話や PDA の写真撮影機能、録音機能等の悪用が問題になったりもしているようですし、だいいちキャリアであるツーカーが それにしても、Let'snote とか DIGA とか、最近はソニーよりも松下の方が面白いことやってますね。ここのところのソニーは、なんだか予想できるというか普通すぎてツマラナイ・・・。PSX が出る年末まで待て、ということなのでしょうか? 金曜はちょっと東京ですることがあったので、珍しく木曜のうちに東京に戻ってきました。 よりによって 9.11 に飛行機に乗るというのは、やはり、あまり気持ちの良くないものです。テロに遭うかもしれないからというのではなくて、あのとき、主義主張のため、国益のため、特定の人物の思惑のため、大義のために、無理矢理にその行く先を閉ざされてしまった人々の、その瞬間の気持ちを思い浮かべ、また、あのとき自分が感じたもやもやした気持ちを思い出したからでしょうか? 航空機のシートに身を委ね、そんな思いにふけっているうちに、眠りに落ちていました。疲れているんだ、と、思う。 ■記事リンク AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030911/pana2.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030911/pana3.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030911/pana4.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030911/pana5.htm MYCOM PC WEB の記事 http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/11/13.html ZDNet の記事 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/11/njbt_03.html ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/09/11/645911-000.html |
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VAIO の 2003/秋冬モデルが発表されました。 http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2003/products_0909.html http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/ いつもならば 2〜3 回に分けて行っているニューモデル情報ですが、今回は比較的マイナーなモデルチェンジがほとんどなので、一回にまとめてやってしまいたいと思います。 そういう意味では、地味なモデルチェンジだったということなのかもしれません。 ●VAIO デスクトップ VAIO W の一部モデルが VAIO V に置き換わったほかは基本的にマイナーチェンジ。液晶ディスプレイ付属モデルの一部に「クリアブラック液晶」採用したのがニュースでしょうか。 VAIO V PCV-V10/B, V10B/B, V10B/W [9/27 発売] http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCV-V10B/ http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/V/ 今回唯一の新筐体が、新しい「VAIO V」シリーズ。この上なくシンプル&コンパクトな液晶一体型デスクトップで、ワイヤレスキーボードとマウスを備えています。 実質的に初登場から一年半が経過した PCV-W1xx シリーズのフルモデルチェンジにあたる製品で、上位モデルである PCV-W5xx シリーズとのハッキリとした差別化が行われました。Celeron 2.20GHz、80GB HDD、DVD-RW ドライブ(DVD-R/RW 書き込み等倍速)、地上波チューナ内蔵 MPEG-2 ハードウェアエンコーダ「Giga Pocket Engine」という基本スペックは W5xx に準ずるもので、従来ソフトウェアエンコードだった Giga Pocket がハードウェアエンコーダ化されたことが変更点ですが、画面が一般的な縦横比 4:3 の 15 インチ液晶(1,024x768)に押さえられているあたりがコストダウンポイントでしょうか。ただし、液晶ディスプレイは夏モデルの VAIO ノートで好評だった「クリアブラック液晶」となり、TV や DVD の視聴により適した PC となったことは確かです。 また、PCV-W シリーズではノート PC のように液晶側に折りたたまれるキーボードが最大の特徴であると同時に「離れて使えない」ことでユーザーの使用スタイルの自由度を狭めていましたが、これがワイヤレスキーボード化(マウスも同時にワイヤレス化)され、フリースタイルで利用できるようになったことが大きいです。個人的には、使わないときは閉じておいたり「テレビポジション」のようにできるけど取り外してワイヤレスにもできる、みたいなギミックがあればなお良かったのですが、さすがに廉価モデルの V10 でそれを求めるのは酷でしょうか。ま、外しておけるならばあえて閉じたり「テレビポジション」にする必要もありませんがね。このあたりは VAIO W の来期以降のモデルチェンジを見てみないと判りませんが、やはり電源を入れたままでキーボードだけ畳んでおく、という使用スタイルが受け入れられなかったということもあるのでしょうか?電源を入れっぱなしにするということ自体、半ばホームサーバ目的であった部分もありますし。 キーボードそのものは、写真だけではよく分からないのですがストローク的にはノート PC 以上デスクトップ PC 未満といった感じでしょうか?早く実物に触れてみたいところではあります。 デザインは実にシンプル。余計な装飾枠もなく、一見単体の液晶ディスプレイか LCD WEGA にしか見えないかもしれません(デザインもさることながら、白/黒のカラーバリエーションも LCD WEGA を意識している?)。4:3 のスタンダードな画面に加え、VAIO W では画面横に配置されていた内蔵スピーカも液晶下部に移動して、横幅もかなり狭まりました。VAIO W よりも縦長になって奥行きも若干(12mm)増加しましたが、キーボードの置き場に困らないので取り回しは W シリーズよりもよさげ。何よりもシステムユニットがコンパクトにまとめられ、本体背面がかなりすっきりしたのがよいではないですか。 そして Net MD はなくなってしまいましたね。VAIO MX、VAIO NV が消えて W12x が最後の Net MD 内蔵 VAIO であったにも関わらず・・・やはり Net MD を使う人は Net MD ウォークマンなりレコーダなりを持っているからわざわざ MD 内蔵の PC を必要としていないということなのかもしれません。 価格は Office 2003 Personal 付属モデルが実売 \180,000、Office なしモデルが \160,000 前後となる模様。一時期の VAIO J の価格を知っている身としては特別に安いとは思わないのですが、Giga Pocket Engine がついてかつこのコンパクトさ、「クリアブラック液晶」つきでこれならば十分にリーズナブルか、と思います。大半の人にはこれで十分なんでしょうね。 VAIO W PCV-W701B, W501B [9/20 発売] http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCV-W701B/ http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/W/ 下位モデル PCV-W1xx シリーズを VAIO V に明け渡してしまった VAIO W。ですが、さらなるハイスペックモデル「PCV-W701」を加え、VAIO V との二本立てでこの先の VAIO デスクトップを牽引していくことになりそうです。 「オーディオポジション」「テレビポジション」「PC ポジション」の 3 つの形態を使い分けるスタイルは従来通り。筐体デザインも変わっていません。が、上位機種で VAIO W シリーズとしては初めて Pentium 4 を搭載し、160GB の大容量 HDD と併せてメインマシンとして十分使っていける製品に仕上がっています。 個人的に「テレビポジション」時のルックスが最近の VAIO の中では最も気に入っているので、これに高いスペックが加わったというだけでも欲しいと思えるのですが、残念なことにグラフィックが SiS651 チップセット内蔵グラフィックのまま。これでは、FFXI が快適にプレイできません(ぉ 次期モデルでは、なんとか RADEON 9xxx シリーズを登載していただきたいのですが・・・昨今はノート PC でのハイスペック GA の搭載が流行しているにも関わらず、廉価版デスクトップではなかなか GA が顧みられることがありませんよね。私個人の意見にとどまらず、FFXI がそこそこ動く GA というのは必要なモノだと思うんですが。そもそも今となっては FFXI の要求スペックなんてたいしたものでもなくなってきましたしね。 おそらく今シーズンのデスクトップ VAIO では、この VAIO W と VAIO V が最もボリュームの出るゾーンとなるでしょう。ここに Pentium 4 モデルが追加されたことで、液晶一体型 VAIO デスクシリーズは新しい VAIO の「顔」として定着していくことになるような気がします。逆に、従来のフォーマットを守り続ける RZ や HS が忍びなく感じるくらいですが・・・。 VAIO RZ PCV-RZ73P, RZ63, RZ53 [9/20 発売] http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCV-RZ73P/ VAIO RZ PCV-RZ73CP, RZ63C (Sony Style オリジナルモデル) [9/12 先行予約販売開始] http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Rz/ 今回非常に物足りない RZx3 シリーズ。最上位モデルの発売を一月待って Prescotto(90nm プロセス版 Pentium 4)を搭載してくると思いきや、CPU と HDD を 1 グレードずつ引き上げた程度のマイナーチェンジモデルに留まっています。RZ63 にも DVD ツインドライブが搭載されたことが違いといえば違いでしょうが、ツインドライブの必要性ってほとんど感じないんですよね・・・。 RZ71→RZ72 の切り換えの際には、FSB が 800MHz 化され、HDD の回転速度が 7,200rpm に引き上げられたことに伴い、CPU クロックが 3.06GHz→3.00GHz に、HDD 容量が 250GB→200GB になり見かけ上はスペックダウンと取れなくもない内容でしたが、今回はきっちり CPU も HDD もグレードアップしています。250GB/7,200rpm な HDD の供給量が潤沢になったことが大きいでしょうか。逆に、RZ63 は RZ72P の OS を WinXP Home に、プリインストールソフトを最新版に差し替えただけの仕様(あとメモリも少なめですが)。USB ジョグコントローラが付属しませんが、実売価格で上位機種と \90,000 の価格差があることを考えると、RZ63 は非常にお買い得であると言えるでしょう。いつものことながら、RZ6x はコストパフォーマンス高いですね。 また、今回のモデルでは RZ63/RZ53 のモニタ付属モデルの液晶モニタに「クリアブラック液晶」が採用されているのが特徴です。「Giga Pocket Engine DX」で録画した美しい映像を、美しいディスプレイで楽しむことができるのは良いですね。フラッグシップ RZ73 に付属するのは「クリアブラック液晶」ではないですが、これはビデオ編集等に使うユーザーを想定してアンチグレア処理のかかった大画面を選択した結果でしょう。何より、付属ディスプレイがあの「SDM-HS93」の VAIO 向けバージョン(色は選択できない模様)となっており、デザインが良いのが嬉しいところです。 ただ、どちらのディスプレイもアナログ接続なんですよね・・・今までの付属液晶ディスプレイがいずれも DVI 接続であったことを考えると後退してしまったと言わざるを得ませんが、それだけアナログ接続時のクオリティに自信が出てきた証拠ということなのでしょうか。それとも、改正リサイクル法にかかるコストをこんなところで吸収しているのでしょうか? VAIO HS PCV-HS83B, HS73B, HS23B, HS13B [9/20 発売] http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCV-HS83/ http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Hs/ 省スペースデスクトップ HS シリーズもかなり地味なマイナーチェンジ。CPU が 1 グレード引き上げられ、HDD が全モデルで 7,200rpm に、そして付属の液晶ディスプレイが「クリアブラック液晶」化されましたが、基本的にその程度の変更点しか見受けられません。 そして、特筆すべきは今シーズンから 5GHz ワイヤレスルータ機能を内蔵するモデルがなくなったこと。さらに言えば、全く気づいていない方もいるでしょうが、今シーズンの VAIO ではどのモデルにも「ホームサーバー」「ホームネットワーク」という言葉が見あたりません。去年の今頃はあれほど大きな流れを作っていた「ホームネットワーク」ですが、やはりというかなんというか、ある程度アンテナの高いユーザー層を除いて、市場には受け入れられなかったということでしょうか・・・。その事実を冷静に受け止めた結果が今回の HS シリーズであり、「スゴ録」シリーズに繋がっていったんだと思います。ソニー自身が CoCoon での VAIO との連携を始めたり、「ルームリンク」機能を内蔵した AV アンプを発表したりしている以上、ソニーはホームネットワークを諦めたわけではなくて、機が熟するのを静かに待つというステータスに切り替わっただけなのでしょうが・・・。 それにしても、VAIO W に続き今回の VAIO V の登場で、もはや「省スペース」とは言えなくなってしまった VAIO HS。さらにペンタブレット液晶、ホームサーバー機能も喪ってしまい、これからの HS シリーズはどこに行こうというのでしょうか。 ●VAIO ノートブック ほとんどの機種がマイナーチェンジに終始する中、V505 シリーズが Pentium M になったことが主なトピックです。また、FR シリーズを除く VAIO ノートでようやくメモステ PRO の高速転送に対応し、多くのモデルで内蔵無線 LAN が IEEE802.11g に対応しました。 VAIO GRT PCG-GRT77E/P, GRT55E/B [GRT55E/B:9/20 発売、GRT77E/P:10/11 発売] http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCG-GRT77E/ VAIO GRT PCG-GRT72E/P, GRT72E, GRT71E/P, GRT71E (Sony Style オリジナルモデル) [9/12 先行予約販売開始] http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Gr16/ VAIO GRT PCG-GRT52E/P, GRT52E, GRT51E/P, GRT51E (Sony Style オリジナルモデル) [9/12 先行予約販売開始] http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Gr15/ デスクトップ PC 用 Pentium 4 を搭載し、「Giga Pocket Engine M」「クリアブラック液晶」など、テレビ録画用デスクノートとして完成度の高かった初代 PCG-GRT シリーズ。今回のモデルは、 GRT77E で HDD が 80GB になったこと以外には、これといって変更はありません。せいぜいプリインストール OS と Office の有無およびバージョンが変更された程度かな。 そして、最上位機種となるはずの「PCG-GRT99E/P」がラインナップに見あたりませんね。これは、近々 Hyper-Threading テクノロジ対応 Pentium 4 を搭載して改めて登場する、と見るのが正解でしょう。ノート PC に Hyper-Threading がもたらされるのがこの第 4 四半期ですから、早ければ一ヶ月後には初の Hyper-Threading 対応ノート PC として GRT99E/P が登場するものと思われます。 VAIO FR PCG-FR77G/B, PCG-FR55G/B, PCG-FR55G [FR77G/B・FR55G/B:9/20 発売、FR55G:10/11 発売] http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCG-FR77G/ http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Fr/ FR シリーズも地味なマイナーチェンジ・・・かと思いきや、上位機種 FR77G の CPU が Pentium 4 2.40B GHz/FSB 533MHz と大幅に強化、光学ドライブも DVD±RW に。下位モデルでも CPU クロックは 2.0GHz/FSB 400MHz に到達し、コンピューティングパワーとしては大幅に強化されました。それでいて価格は据え置きですから、かなりお買い得度が上がっているかもしれません。上位機種あたりはホームユーザーやエントリユーザーが買っても長く使うことができそうですね。 VAIO Z1 PCG-Z1V/P, PCG-Z1VE [9/20 発売] http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCG-Z1V/ VAIO Z1 PCG-Z1VT/P (Sony Style オリジナルモデル) [10/10 先行予約販売開始] http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Z/ 「Centrino 祭り」と同時に登場した PCG-Z1/P からはや三世代。製品として枯れ始めた VAIO Z ですが、こんかいもまた地道なマイナーチェンジになっています。CPU が Pentium M 1.60GHz に、内蔵無線 LAN が IEEE802.11b/g 両対応になり、光学ドライブの書き込み速度が向上しました(DVD の書き込みには非対応)。無線 LAN が .11g 対応になったことにより Centrino ロゴ・プログラムの適用対象外となってしまいましたが、そこは名より実を取った結果と言えるでしょう。できれば、.11a にも対応してほしかったところですが、どちらかというとビジネスシーンでの利用を主に考慮しているためか .11g を優先して搭載しています。できれば、ソニスタモデルくらいは .11a/b/g 対応が選択できると良かったのですが。 あと、Pentium M 1.30GHz を搭載して価格を抑えた廉価モデル「PCG-Z1VE」も登場しています。FR シリーズの分化といい、一つのシリーズの中での性格づけをハッキリさせようという方向性が見えますね。また、そのスタイルが人気の VAIO Z が買いやすくなることは歓迎したいところです。下位モデルの画面解像度が上位モデルと同じ SXGA+(1,400x1,050)なのも嬉しいですね。 VAIO V505 PCG-V505W/P, V505F/B [10/11 発売] http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCG-V505W/ VAIO V505 PCG-V505T3/P, V505T3 (Sony Style オリジナルモデル) [10/6 先行予約販売開始] http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/505/ ニュースの少なかった今季の VAIO ノートにおいて、唯一注目すべきと言っていいのが V505 シリーズでしょう。念願の Pentium M プロセッサを搭載し、さらにグラフィックチップも ATI MOBILITY RADEON 9200 というイマドキのチップを載せてきました。これで、モバイル・ヴァナ(以下略)。 CPU は上位モデル V505W/P が Pentium M 1.50GHz、下位モデル V505F/B が Pentium M 1.30GHz。旧機種 V505S(Pen4 2.20GHz)・V505E(Celeron 1.80GHz)から見ると一見ダウングレードのようにも見えますが、クロック性能比を考えると従来機種と同等以上ではないでしょうか。何より、バッテリ駆動時間が 4〜7 時間(標準バッテリ使用時)と従来の 1.5 倍程度に延びたのは大きなメリットです。 PCG-Z1V シリーズと同じく光学ドライブも CD-R 書き込み速度が 16 倍速になり、上位モデルでは無線 LAN も IEEE802.11b/g に対応しました。下位モデルでは IEEE802.11b のみの対応となっていますが、これによって Centrino ロゴが与えられています(実質的な意味はあまりないですが)。 問題は、相変わらず 1.99kg と重いことと、三段腹デザイン(笑)でしょうか・・・来年の春か夏モデルではより軽くスタイリッシュに変身した新 505 シリーズとして生まれ変わってほしいところですが、まだまだ気の長い話です。今回の V505W はスペックが十分なだけに、かなり惜しいですね。 VAIO TR PCG-TR2/B, TR2E [TR2E:9/20 発売、TR2/B:10/18 発売] http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCG-TR2/ VAIO TR PCG-TR2/P [WORKS] (Sony Style オリジナルモデル) [10/10 先行予約販売開始] http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Tr/ 夏モデルでは賛否両論、非難囂々(?)だった VAIO TR ですが、順当に二世代目にあたるモデルが出てきました。今回はいよいよ CPU クロックが 1GHz の大台に到達し、HDD も 40GB に強化。ようやく必要最低限のスペックに達したと言えるでしょう。「PCGA-UTV10」との組み合わせで訴求している割に、HDD が 30GB というのではお話になりませんでしたからね・・・iPod が 40GB 化されたので、同じ 1.8 インチ HDD を採用している TR や U にもこの HDD が使われるだろうと思っていましたが、予想通り。願わくは、OEM 流れ品がスポット市場にも現れんことを・・・(笑)。 また、ワイヤレス LAN は .11a/b/g 対応にフル対応し、どんな無線 LAN 環境にもデフォルトで対応できるようになったのは嬉しいですね。全ての無線 LAN 規格に対応している VAIO ノートは現時点ではこの TR2/B だけなのですが、早く他のモデルにも全規格対応を広げていただきたいところです。あとは、Gigabit Ethernet かな?(笑 また、ULV Celeron 800A MHz を搭載した下位モデル「PCG-TR2E」も追加されています(下位モデルの内蔵無線 LAN は b/g のみ)。VAIO ノートが全体的に 2 モデルに分化してきているということは、やはり価格的なプレッシャーが強いのでしょうか?何にせよ、選択肢が広がることは良いことですが。 ●VAIO 関連製品 今回、VAIO 関連製品のニューモデルはほとんど発表がありませんでした。「周辺機器にも『VAIO』ブランドを拡大」という話がいよいよ現実のものとなるか、と思いきや、恐ろしいほどの静けさ。UPGRADE AREA の Sony Style との統合もあり、ソニスタの VAIO Style 関連製品ページ http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/index_acc.html で IT 関連製品がまとめて取り扱われるようにはなりましたが・・・。却って、何か動きがあるのではないかと邪推してしまいますが、いかが。 その中で、ほぼ唯一発表されたのがインクジェットプリンタ「Tapis」の新製品。 Tapis MPR-705 [10/11 発売] http://www.ecat.sony.co.jp/tapis/product.cfm?PD=15188 Tapis MPR-706 [10/11 発売] http://www.ecat.sony.co.jp/tapis/product.cfm?PD=15190 これまでの「Tapis」シリーズは基本的にキヤノンの OEM 品で、外見だけ VAIO にイメージを合わせたものになっていましたが、デジタルフォトプリンタの強化にあわせてインクジェットプリンタの方も強化してきました。最近のプリンタ市場は高画質化競争はもはや一段落して、省スペース性や使い勝手、特に PC を経由しないダイレクトプリント機能などの利便性に注力しているようですが、記憶メディアからのダイレクトプリントに対応したこの Tapis シリーズもその流れに乗ってきたと言えるでしょう。 ダイレクトプリント用の 1.8 インチ液晶ディスプレイを備え、メモリースティック、CF/マイクロドライブ、スマートメディア、xD ピクチャーカードの 4 種類のメディアに対応。SD カードに意地でも対応しないあたりが、ソニーらしいというか(笑)。ま、仮に松下がダイレクトプリンタを発売したとしても、メモステスロットだけは死んでもつけないでしょうが・・・。 デザイン的には旧機種 MPR-505 を踏襲しているものの、前面吸排紙トレイが HP のプリンタによく似ていますね。ボタンや液晶画面のレイアウトなんかは国内未発表の「photosmart 7760」あたりに特にそっくりです。これは、HP の OEM あるいは共同開発品と考えるのが妥当でしょうか。まあ、昔は画質面でエプソン・キヤノンの二強に水をあけられていた HP でしたが、最近は追随してきてそこまでの差はなくなっていることでしょうし、だいいち大伸ばし以外の写真画質プリントにはソニーは昇華型プリンタをラインナップしているので、インクジェットでは使い勝手を優先した、といったところでしょう。省スペース性や前面吸排紙トレイの使い勝手、そして自動両面印刷(MPR-706 のみ)は、エプソンやキヤノンの製品にはない強みです。 このほかにも、製品ではありませんが Sony Style で「訪問サポート」が開始されるようです。 http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/index_service.html VAIO の初期設定や初心者がつまづきやすいネットワーク設定、そして VAIO のリカバリサポートなどかなり手厚いサービスになっています。今までは修理くらいしかなかった訪問サービスをここまで広げられるようになったのは、Sony Style がソニーマーケティングとの繋がりを強めたことが大きく影響しているのでしょうね。VAIO ノートでの低価格モデルの拡充といい、この訪問サービスといい、価格やサービスの面から製品の魅力を加速させよう、というのが今シーズンの動きなのかもしれません。あとは、製品そのものがもっと魅力あるものになってくれれば良いのですけど・・・。 今回のモデルチェンジは全体的にマイナーチェンジに終始しながらも、どちらかというと廉価モデルを充実させ、低価格路線にシフトしたように受け取れます。去年あたりまでは(低価格モデルはありながらも)強気の高付加価値路線をとり続けてきた VAIO でしたが、人気の翳り・・・を通り越して凋落の反動として、利益よりもシェアを優先させた結果と言えるのかもしれません。 総括としては、やはり、今回のモデルチェンジは面白味に欠けるモデルチェンジだったと言わざるを得ません。注目を浴びているデジタルレコーダ市場、フラットパネル TV 市場に比べて昨今の PC 市場自体がシュリンクしてしまっているせいかもしれませんが、それ以上にソニーさんの気合いが感じられないというか・・・VAIO の落ち込みを受けた製品の開発が実際のモノになって出てくるまでには、もう少し時間がかかるということなのでしょうか・・・? ただ、まだまだ望みを捨ててはいけないというか、ヒーローは遅れて登場するというか(笑)この秋冬モデルには、まだ少し続きが残っているような気がしてなりません。ソニーが近々投入すると言われている Media Center PC、PCV-9「 」 なる謎のデスクトップ VAIO、間もなく登場する Prescott、そして来月には正式出荷発表が行われそうな Efficeon・・・これだけ新製品の登場する材料が揃っているのですから。時期的に、PC リサイクル法のタイミングで大方のマイナーチェンジモデルは先に出してしまったけど、実は本命はこの後に控えている・・・そう、願いたいものです。 ■記事リンク PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0909/sony1.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0909/sony2.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0909/sony3.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0909/sony4.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0909/sony5.htm AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030909/sony1.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030909/sony3.htm ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/09/09/645829-000.html ZDNet の記事 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/09/nj00_vaio.html http://www.zdnet.co.jp/news/0309/09/nj00_vaio02.html http://www.zdnet.co.jp/products/0309/09/09sony.html MYCOM PC WEB の記事 http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/09/07.html http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/09/08.html |
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ソニーが DVD レコーダの新シリーズを一挙 4 機種発表しました。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200309/03-0908/ 製品情報 http://www.sony.co.jp/sugoroku/ 新しい DVD レコーダのブランド名は「スゴ録」。大容量で「すごく余裕」の HDD、「おまかせ・まる録」がついて「すごく賢い」録画機能、電子番組表(EPG)に対応して「すごく簡単」な操作、など、6 つの「すごい」を込めて「スゴ録」。なんだかソニーらしからぬブランドネームですが、そこにはこれまでのデジタルレコーダで「失敗」してきたソニーの過去への反動が感じられます。 まず最初に各モデルの特徴を並べてみると、DVD/HDD ハイブリッドレコーダ「RDR-HX10」「RDR-HX8」の二機種、DVD±RW レコーダ「RDR-GX5」、DVD/VHS ハイブリッドレコーダ「RDR-VD6」という構成になっています。 「RDR-HX10/HX8」は、ソニーとしてはこれまでにないくらいスタンダードなハイブリッドレコーダ。EPG や「おまかせ・まる録」に対応し、チャンネルサーバー的な使い勝手を提供しつつも、あくまでも VHS のリプレースという部分にフォーカスし、ダブルチューナやネットワーク対応といった現行の「チャンネルサーバー」とは一線を画した堅実な仕様になっています。3 次元 Y/C 分離回路を備え、DVD-Video 規格を超える 15Mbps のビットレートを誇る「HQ+」モードを備えるなど、画質に関するニーズにもしっかりと応えてはいるのですが、その割にゴーストリダクションチューナは非搭載なあたり、ややどっちつかずというか恣意的な部分すら感じさせます。CoCoon が「CSV-EX11/EX9」と、型番的にこのハイブリッドレコーダよりも大きな数字がつけられていることを考えると、ソニーの立場としてはデジタルレコーダのフラッグシップはあくまでも CoCoon シリーズなのだ、という意地がここにあるのではないでしょうか。 ただ、ネットワークポートが完全に省略されてしまったのはやや残念な気がします。カモキャスを利用するかどうかはともかくとして、携帯電話や PC で外出先から録画予約ができるというのは最近のデジタルレコーダにはほぼ必須となりつつある機能だ、と認識しているので・・・一応、携帯電話で番組情報を取得して、赤外線経由で録画情報をレコーダに転送する機能は備えているんですが、これ、意味なくない?「外出時の空き時間などを利用して、携帯電話でテレビ番組情報を確認し予約リストに保存。帰宅後、携帯電話からDVDレコーダーへ予約情報を転送し、手軽に録画予約が可能です。」はぁ?何それ?って思いません?同じ自宅に帰ってから予約するなら、EPG 使えばいいじゃん。 ま、携帯電話は置いといて(笑)スパッと割り切ってしまったオーソドックスなスペックは、年末商戦でも松下・東芝・パイオニアの三強に十分渡り合える魅力的なもの、といえるのではないでしょうか?少なくとも、ソニーブランドのハイブリッドレコーダというのは、少なからぬユーザーが待ち望んでいたものでしょうし。え?NDR-XR1?この際、忘れましょ(ぉ あとは、ハードウェアデザインとしてあくまで VHS ビデオデッキのデザインフォーマットを踏襲し、心理的な面からも VHS ユーザーを取り込もうという DVD-RAM 陣営と、利用シチュエーションこそ VHS のリプレースながらも「デジタルレコーダ」という新たなパラダイムを浸透させていこうというのがデザインからも感じ取れる DVD±RW 陣営のどちらが最終的に受容されるか、というところも注目したいところだと思います。 DVD±RW のみのシングル DVD レコーダ「RDR-GX5」は、基本的にこの初夏に発売された「RDR-GX7」の下位にあたるモデル。野球放送延長への対応など、最新モデルならではのフィーチャーは備えているものの、ゴーストリダクションチューナ非搭載、上位機種では可能な i.LINK 接続での DV カメラからのダイレクト DVD 作成に対応していたものが省略されるなど、より「テレビを DVD に残す」というところにフォーカスしたモデル。実売 \50,000〜\60,000 と安価なので、あくまで VHS デッキを DVD に置き換えたいというのには十分かもしれません。ま、どうせやるなら HDD 搭載がいいですが。(^^; VHS/DVD ハイブリッドの「RDR-VD6」は DVD+RW には非対応(他機種も DVD+RW のみで DVD+R には非対応)な、DVD-R/RW レコーダ。実はこれ、シャープの VHS 一体型 DVD レコーダ「DV-RW100」のまるっきり OEM のようですね(リモコンなんかもほぼそのまま)。以前の DVD-RW レコーダ RDR-Axx シリーズもシャープ・パイオニアと OEM 元が同じでしたが・・・。ようやくデジタルレコーダのメインストリームに本気を出したソニーとはいえ、上位機種にいっぱいいっぱいでこのあたりは自社開発が間に合わなかったということなのでしょうか?なんだかんだ言っても現在最もボリュームの出ているデジタルレコーダのジャンルは DVD/VHS 一体型らしいので、このセグメントに SONY ロゴが入った製品が投入されること自体に意味があるのかもしれませんが(笑)。 実は今日、ZDNet で小寺信良氏の CoCoon に関するコラムが掲載されたところでの発表だっただけに、あまりのタイミングの良さに笑ってしまったのですが(記事の内容自体もけっこう面白いのですが)、 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/08/cjad_kodera.html この「スゴ録」シリーズは CoCoon、そして CoCoon に属さないデジタルレコーダでの「失敗」から学んだ結果なのではないか、むしろ結果というよりもリバウンドに近いものなのではないか、と思っています。 まず、「スゴ録」という安直な(笑)ブランド名自体、通常時のソニーならばまずあり得ないネーミングです。「VAIO」「CLIE」「AIBO」「CoCoon」「QUALIA」・・・ソニーの中で起ち上げられた無数のブランドは、その多くが語感から先に生まれたものだとは思いますが、それなりにもっともらしい略語であったりコンセプトが冠されているものです。それが、日本語の、インパクト優先のネーミング。あの松下でさえ「DIGA」なのに(笑)。「CoCoon」のコンセプトを啓蒙しきれず、デジタルレコーダの中でも浮いた存在となっていたソニー製品を、ここで一発デジタルレコーダの中心に据え直そうと、VHS を使い続ける古いユーザーにも分かりやすいよう敢えて日本語のネーミングで、割り切ったスペックで持ってきたのではないかと思っています。 そして、Ethernet 非搭載であること。携帯電話予約というどこが便利なのか分からない機能をつけながら、Ethernet 非対応(笑)。でも、ここは、もう、意地なのではないかと。ネットワークを使いたい人はとにかく CoCoon に行ってください、従来のビデオみたいなのがいい人は「スゴ録」使ってね、という・・・「本当はソニーとしてやっていきたいのは CoCoon なんだけど、当面は VHS のリプレースを市場が要求しているから、まずはそっちを出しておいて徐々に CoCoon やチャンネルサーバーの方向に誘導していきますよー」ということなのではないでしょうか?ネットワークデジタルレコーダを真に普及させる前に「スゴ録」で下地を作っておいて、あとはソニーブランドの力で少しずつ軌道修正していこうという。そして、あわよくばその流れに乗れない競合メーカーをそこで置き去りにしようという・・・そのために、「スゴ録」と「CoCoon」の間にハッキリと見える線を引くために、「スゴ録」には Ethernet という線はあってはいけなかったのだ、といったら、考えすぎでしょうか? 私個人としてはこの「スゴ録」、HX8 あたりはかなり買いかもしれないな・・・と思っています。ダブルチューナや進化する「おすすめ・まる録 2」、ネットワークといった特徴こそないものの、私が欲していたデジタルレコーダにかなり近い。SONY ロゴもちゃんと入っているし(笑)。これで、最終的に CoCoon とスペックがマージされたら文句はないんですが、今それを言うのはちょっと酷というものでしょうか(ま、ソニーとしてはやってやれないことはないんだけど、マーケティング的な理由、コスト的な理由で敢えて出さなかったのでしょうが)。 ただ、やはり、この時期にこれを買ってしまうのはいささか危険かもしれません。地上デジタル放送が始まってしまえば、デジタル放送に関しては「おまかせ・まる録」は利用できなくなる可能性が高いですし、デジタル放送がそのまま録画できるものではありません。それに加えて、年末には PSX が・・・やはり、「絶対に PS2 は要らない」という人でもなければ、この冬は PSX を買ってデジタルレコーダが地上デジタル放送に完全対応するのを待ってみるのが吉、と思うのですが、みなさんはいかがでしょうか。 ■記事リンク AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030908/sony1.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030908/sony2.htm ZDNet の記事 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/08/njbt_01.html http://www.zdnet.co.jp/news/0309/08/nj00_sony_dvd.html ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/09/08/645844-000.html |
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さて、今頃パリで開催中の Sony Dream World 2003。そろそろ閉幕して我々のもとにも新製品ニュースが続々・・・という感じでしょうが、メディアは週末はお休みなので、ニュースが届くとしても明日以降になりそうです。ホントに仕事でさえなければ今頃遅めの夏休みを取ってパリに行っても良かったくらいなのですが(笑)、それを言っても仕方がないので・・・。 パリ以外の方面から明らかになっているソニー関係のニュースとしては、JATE の 8/1〜15 の認定済端末一覧 http://www.jate.or.jp/jp/tanmatsu/20030801_20030815.html に、「PCV-RZ「 」」の記述があったことでしょうか。これで RZ シリーズの続投はほぼ確実といえるでしょうが、となると先日、7/16〜31 の認定機器一覧に「PCV-9「 」」があったのはやはり RZ シリーズではないデスクトップの新しいシリーズだった、ということになります。 そして、このタイミングに ZDNet から「ソニーが Media Center PC 市場に参戦へ」のニュースが。 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/05/ne00_dell.html これらを組み合わせて考えると、デスクトップ VAIO は RZ シリーズの他に AV 機能を重視したシリーズを新しいフラッグシップと位置付けて投入するのではないか?ということです。 夏モデルで PCV-MXS シリーズが消え、1 シーズン置いて MX シリーズの新版が登場することを予測していた方は少なくなかったようですが、MX シリーズの新版が Media Center PC として登場する可能性は大いに考えられます。それが事実だとして、どのような形になるのか、どのようなアプリケーションが搭載されるのか、そしてその Media Center PC には他の Media Center PC とは違う「VAIO」らしさはあるのか・・・?など、興味は尽きません。おそらく、二、三日中には明らかになることでしょうが・・・。 ところで、先週の PC Watch では後藤弘茂氏のコラムの中で、PlayStation シリーズの生みの親・SCEI 社長兼 CEO(兼ソニー(株)副社長)の久夛良木健氏のインタビューが数回にわたって掲載されているのをご覧になった方も多いでしょう。 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0829/kaigai014.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0901/kaigai015.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0902/kaigai016.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0903/kaigai017.htm 今年末に登場する PSX、来年の PSP および UMD というプラットフォーム、そして PS3 と Cell がもたらす新しいコンピューティングの世界・・・とかなり話題は広範にわたっていますが、全般的にピンときたでしょうか?少なくとも私は、ちょっとピンとこなかったところがあります。(^^; PSX は、最終的な製品がどのようなカタチになるかまだ解っていないとはいえ、発売までの時間を考えるとそれほど遠い話でもなく、ある程度現実的なものとして捉えられます。PSP も、モバイルコンテンツのリッチ化がどれだけのユーザーに受け入れられるかという疑問こそあるものの、GAMEBOY などからは考えられないようなスペックと最近のソニーが注力しようとしている「モバイルムービー」という方向性から考えると、どんな形であれヒットしないことはないと思うのです。しかし、PS3 と Cell でやろうとしていることが本当に地に足の着いたものであるのか、そこが疑問。久夛良木氏は以前から技術的に壮大なお話をすることが好きなようで、しかもそれがいつも 100% 実現されているわけではないことを考えると、今回もある程度は話半分に聞いておかなくてはいけないのでしょうが(笑)グリッドとか将来的にはナノテク、量子コンピュータといった世界にまで影響を及ぼす会社のひとつが SCEI になるのでしょうから、注目しないわけにはまいりません。まあ、技術者的な立場で言うならば、久夛良木氏は何でもちゃんと分かっていて自分がやれば何でも実現できる風に喋る傾向があるけど、それをインプリメントするのは我々技術者なんだーと言いたくなります。簡単に十倍百倍とか言うなーみたいな(笑)。話し方がややオーバーでかつバッサリしているのでときには聞いていて気持ちが良いですけど、ちょっと地に足がついていないように思えるときがあります。ま、トップの話なのでそうなりがちなのでしょうけれど。 と、話が逸れましたが(笑)個人的に疑問符をつけたかったのは「PS3 は Cell コンピューティングの中に溶ける」という話。いずれソニーが向かおうとしているところには、ほとんど全ての情報家電や AV 機器に Cell プロセッサ(PS3 のメインプロセッサ)を登載してしまおうというところ。全ての機器が Cell を持ち、お互いが繋がりあうことでお互いのコントロールを行い、またそれぞれが組み合わさって動くことでより大きなコンピューティングパワーを得る、というのが将来のビジョンだと言われています。「グリッド・コンピューティング」がキーテクノロジとして注目されている現在、確かにこれ自体は方向性として間違ってはいないのですが、問題は、そのテクノロジ自体を前面に押し出す必要があるのか?ということと、それでは Cell コンピューティングをもたらしたところでその上で扱うコンテンツはどうなるの?ということ。 ずいぶん以前に「『VAIO』とは『VAIO という PC』ではない」といったようなことを書いたことがありました。「VAIO Media」や「ルームリンク」といったソリューションによって私が言ったこの言葉はある程度現実のものとなりましたが、果たして、これらがもたらされたことで本当に VAIO は「VAIO らしさ」を手にすることができたのか?そして、それは多くのユーザーに受け入れられたのか?テレビのあり方をちょっと変えただけで終わってしまわなかったか? 「PS3」という筐体はあくまでも PS3、すなわち Cell コンピューティングのメタファでしかない。これが、VAIO と似たような命運をたどることにならなければいいのですが・・・ホームネットワークがなんなのか、その上でどんなコンテンツがあるのか、どんな楽しみができるのか、を伝えきれずに広がることができなかったのと同じように、Cell コンピューティングはどうすごいのか、ではなくて、その上でできる楽しみ方を、より具体的なカタチで示してくれるものが必要だ、と思います。いくら技術が優れていても、それが成功するかどうかを握っているのはその上に乗っかるコンテンツ次第だ、ということは、ベータマックスの失敗と PlayStation の成功から十分に学んでいる会社だと思っているのですが。面白いと思うかどうか、必要だと思うかどうかは、結局ユーザーが決めることですから。 PS3 がやろうとしていることは確かに理解できました。 「で、それは、楽しいの?」 |
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ソニーから、「メモリースティックで動画コンテンツを携帯する『モバイルムービー』を積極的に展開」宣言が発表されています。 ニュースリリース http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200309/03-037/ 先に発表済みのメモリースティックへの録画機能を備えた新 WEGA、および単体でのチューナ・録画機能を備えたモバイル AV ビューワ「MSV-A1」。これに加えて、CLIE GEAR としてメモリースティックビデオレコーダ「PEGA-VR100K」が発表されました。 http://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/Acc/PEGA-VR100K/ AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030905/sony.htm ZDNet の記事 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/05/njbt_01.html テレビ放送をメモリースティックに録画し、CLIE で観ることができるという製品。ちょうど、WEGA や MSV-A1 の録画機能のみを切り出した製品という形になります。価格は \30,000、単にテレビを録画して CLIE に橋渡しをするだけの製品にこの価格はどうか、とも思いますが仕方ないんですかね。いずれ録画機能内蔵クレイドルとか添付してくれればいいのに。 録画時間については、256MB のメモステ PRO で高画質モード約 55min、標準モード約 105min、長時間モード約 230min という感じ(連続記録時間は最大 120min)。ビットレートがどの程度なのか、また CLIE の画面で観たときにはそれぞれのモードはどの程度きれいに観れるのか、は実物を見てみないと判りませんが、256MB メモステくらいあればそこそこ実用的に使えそうですね。 でも、メモリースティック PRO が 256MB で \14,800(Sony Style 価格)というのはようやく現実的な価格になってきたかな、とは思いますが、1GB が \69,800(同)ということやそれ以前に供給に相変わらず不安を抱えていることを考えると、本格的にモバイルムービー時代がやってくるのはもう少し先のような気がします。MSV-A1 も機能的にはともかくデザイン的にはまだまだ試作機にしか見えないレベルですし・・・。しかし、PEG-UX50 でかなり実用になるモバイルムービー環境が用意できたこと、今後チューナ内蔵 CLIE が出てくる可能性を考えると、これを現実味のある話として捉えていても悪くないように思います。ただ、VAIO の Giga Pocket にしてもそうでしたが、最近のソニーはとにかくテレビにこだわっていて、それ以上のコンテンツの幅を広げてくれないというか・・・「動画」という切り口でもっと可能性を見せてくれてもいいと思うんですけどね。Handycam や Cyber-shot のムービー機能を絡ませるとか、そういうクリエイティブな可能性を。 さて、昨日はサボってしまいましたが、AIBO のニューモデル(新種?)「ERS-7」が発表されています。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200309/03-0904/ 新犬情報 http://www.jp.aibo.com/7/swf/ 初代 ERS-110/111 以来のイヌ型復活。ERS-2xx は子ライオンでしたし、「ラッテ」「マカロン」で親しまれた ERS-3xx は「クマイヌ」とかいうワケの分からない生き物(笑)でしたから、純粋なイヌ型というのはかなり久々。やはり、AIBO はイヌ型でないと・・・と思うのですが、この ERS-7 の面構え、ビミョー。空豆みたいな形状の東部に、無数に空いた穴(これはおそらくカメラやセンサーのためのものだと思われるのですが)が、何かヘン。イマイチ愛着がもてなさそうです。最近のロボット製品らしく、ボディラインなんかは曲線を活かしたデザインになっていて悪くないと思うんですが、頭部がね・・・。耳やしっぽがフレームのみのデザインになっているのも、「ペット」というより「ロボット」っぽさが感じられて、愛玩ロボットとしてはどうなのよ?と言いたくなります。 好みの問題もあるのでデザインについてはこのくらいにしておいて、この「ERS-7」の目玉の一つが、 イヌ型ということでホネ型の AIBO 用オモチャ「AIBOne(アイボーン)」。 ・・・・・・いいのか?そんなことで(ぉ このホネは今までのピンクのボールに代わって与えられたもので、単に転がるボールを追いかけるという単純な仕組みではなくこのホネを咥えたり、転がしたり、と AIBO の遊び自体のバリエーションが広がっているというわけ。新しく「咥える」という動作が可能になったことで、将来的にはオーナーが投げたピンクのフリスビーを走っていって口でキャッチ!なんかできたりするようになると面白いと思うんですが、そういうのは当分無理なんだろうなあ。 ま、デザインやホネ以外にも、従来の AIBO より着実に進歩している部分はあって、より賢くなった AI とか、対象の認識機能だとか、より本物らしくなった動作とか、静かになったモーター音だとか、ただのオモチャだった愛玩ロボットがより人間生活に浸透していけるような工夫が凝らされています。が、ある意味これは春の「ROBODEX 2003」のときから既に見えていた流れてあって、それほど目新しいものというわけではありません(確かに地道な研究開発の成果であって、それ自身を否定するものではありませんが)。 やはり、ここで気にしたいのは AIBO よりもソニーの二足歩行ロボットザシモ・・・ではなくて(ぉ SDR-4X II でしょう。 どうも、これ、いよいよ本格的に製品化にむけての動きがあるようです。 Sony Dream World 2003 http://www.sdw.sony-europe.com/ ニュースリリース http://www.sony-europe.com/presscenter/PressShow.x?articleid=977 いよいよ明日明後日とパリで開催される「Sony Dream World 2003」ですが(今年は無料ではなく 6 ユーロの入場料がかかる有料の展示会になったらしい)、このニュースリリースの中で「Sony’s prototype biped robot "QRIO"」という記述があるんですね。今まで、コードネーム「SDR(Sony Dream Robot)」で呼ばれていた SDR に、いよいよ製品名が与えられるということは、製品化がかなり近づいている(ただし、発売されるとしても当初一機あたりの価格は高級車が買えてしまうくらいの価格になるとか)ということなのではないでしょうか。 そして、この「QRIO」という名前。読みは「クリオ」でいいのでしょうか?なんか CLIE と微妙にかぶってますが・・・「Q」を強調する感じで「キュリオ」と呼ばせてみたら、「Curious(=好奇心の強い)」の語感に似て、より人間味が出てきて良いような気がするんですけどね。 ともかく、このロボットの話題も含めて SDWE2003 はいよいよ明日開幕です。日本にいる我々は海外から送られてくるニュースをただ待っているしかないですが、一足お先にこの冬のソニーを感じられるこのイベント、どんな製品・サービスが登場するか、楽しみに待っていたいところです。 ■記事リンク ZDNet の記事 http://www.zdnet.co.jp/news/0309/04/nj00_newaibo.html ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/09/04/645785-000.html MYCOM PC WEB の記事 http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/04/12.html GAME Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20030904/aibo.htm |
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ソニーの本日の新製品は MICROMV Handycam「DCR-IP1K」でした。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200309/03-0903/ 製品情報 http://www.sony.jp/products/Consumer/handycam/PRODUCTS/DCR-IP1K/ AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030903/sony.htm 「パスポートサイズ」の愛称を広く定着させた「DCR-TR55」から 14 年、Handycam はついに「トランプサイズ」に・・・。 冷静に考えてみると、「トランプサイズ」ってもしかして CLIE より小さい?SO505i ともそんなに変わらないんじゃ?実際、SO505i は約 50×105×33mm・145g、 69×91×39mm・280g。DSC-FX77 が 71×98.1×27mm・185g と考えると、どれくらい小さいか分かります。これは、すごいことかも・・・。 ここ最近、ムービー版トイデジカメとでもいうべき MPEG-4 ムービーカメラが増えてきていますよね。松下の「D-snap」あたりがきっかけをつくり、おもちゃデジカメの代名詞「Che-ez!」やアイ・オーらが後続となって市場を切り開こうとしている MPEG-4/フラッシュメモリベースのムービーカメラに、従来の民生用カムコーダの方向から切り込んでいこうというのが、この IP1 であるように思います。それまで MiniDV サイズでも十分に小さいと思っていたデジタルカムコーダに、なぜ敢えて画質の劣る MICROMV という方式を付け加えてきたか、今までの MICROMV Handycam シリーズではそこまで理解できなかったものが、IP1 くらいのサイズにまで落ちてくると突然浮き彫りになってきます。 確かに、デジタルデータを記録するためのデバイスにいつまでもテープメディアもないだろう、とは思うものの、現状ではポータブルの形にするのに現実的なメディアといえばテープかフラッシュメモリくらいしかない(1.8 インチ HDD を使うという手もあるでしょうが、メディアがリムーバブルでないカメラがどれだけユーザーに受け入れられるか?といえばまだ微妙なところですから)ため、ある程度メディア単価を考えたり、非 PC 分野(テレビや単体 DVD レコーダ等)との連携を考えたときに、ソニーはシェア No.1 の強みを持つ Handycam の領域からアプローチするのがもっともやりやすかった、ということなのでしょう。 長い目で見れば、一般消費者向けの AV 製品から「テープ」というメディアの形態を取っているものは最終的には消滅するだろう、ストレージは光ディスクやフラッシュメモリ、ネットワークストレージといったものの中に吸収されていくだろう、と思っているのですが、現在はまだまだ過渡期。最近多くのメーカーが注目し始めている手軽なムービーカメラという市場には、デジタルスチルカメラの流れから出てきたもの、カムコーダを出自とするもの、など様々な方向からのアプローチがなされています。これは、どちらが勝つ、という話ではなくて(そもそも MPEG-4 デジカメと MICROMV Handycam では価格帯が違いすぎますし、レンズの質や画作りの傾向もだいぶ違うでしょう)、そろそろ家庭持ちでないユーザーもデジカメを持つのと同じような感覚でビデオカメラ持ってみようよ、という時代に入ってきたということなのではないでしょうか?デジタルスチルカメラという製品が確立し始めた頃、カメラメーカーやビデオメーカー、あるいはフィルムメーカーがそれぞれの立場からデジタルスチルカメラを定義したように・・・。 最終的にはデジカメのムービー機能が今よりももっと進化して、一部はカムコーダとスチルカメラが一つになるジャンルもあるのではないかと思っているのですが、とにかく、より多くのユーザーが「ムービー」というものを自分で撮影する機会が増えてくるでしょう。携帯電話でムービーを撮影しているユーザーは、既にそれなりの数に達しています。デジタルカメラの普及と携帯電話へのカメラ機能の実装によって、日本人が「世界で一番カメラを持ち歩いている国民」になったように、そう遠くない未来に日本人が「世界で一番ムービーをよく撮影する国民」になるのではないでしょうか?私も最近、スチルの次はムービーを(趣味として)やってみようかな、と少し思い始めています。 デジタルスチルカメラが一般化して、単に撮ったものをプリントアウトする、PC の画面で見る、だけではなく、加工する、様々な媒体(シールや T シャツ等)にプリントする、メールで送る、CD-R に保存する、等の後工程が広がったように、ムービーもいずれは VHS や DVD に残すだけでなく、いろいろな使い方が広がってくると思います。この IP1K は新 CoCoon と同じように「Click to DVD」との連携機能がついていますが、よりムービーの楽しみを訴求したいならいずれはいろいろな楽しみ方を提供しなくてはいけなくなるはず。そこで、まずは VAIO の出番、という流れになるのが自然だと思うのですが・・・さて。 |
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あと 1〜2 週間はきっとまだまだ続くよな感じのソニー新製品ラッシュですが、今日はいよいよ CoCoon の新製品が登場です。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200309/03-0902/ 製品情報 http://www.sony.jp/products/Consumer/cocoon/CSV-EX11/ 型番は「CSV-EX11/EX9」。型番、そしてデザイン共に久々にチャンネルサーバー直系の後継製品ということになります。今回は、初代 CoCoon チャンネルサーバー「CSV-E77」とスカパー!CoCoon「CSV-P500」のいいところをマージしたような製品になっており、500GB の内蔵 HDD(EX9 は 250GB)に地上はダブルチューナ、スカパー!対応、シリーズ録画機能対応といったところが特徴となっています。 このほか、念願のゴーストリダクションチューナや 3 次元 Y/C 分離回路を内蔵し、画質の向上が図られ、「おまかせ・まる録 2」はマルチユーザー(最大 3 ユーザー)に対応し、お任せアルゴリズム自体にも改良が加えられているほか、DVD ライティングソフト「Click to DVD」をインストールした VAIO から Ethernet 経由で CoCoon 内に録画されたタイトルを選択し、DVD に書き出すことが可能になりました(CSV-EX9 および旧機種 CSV-E77 は後日有償ソフトウェアアップグレードで対応予定)。今まで Ethernet ポートを備えていながら PC や他のネットワーク製品との連携ができず、またせっかくの録画タイトルをアナログ出力でしか外に書き出せないという弱点をもつチャンネルサーバーでしたが、これで弱点の大部分を補うことができたといえるでしょう。本当は自前で記録型 DVD 機能を備えているのがベストではあるのですが、それは今後に期待、といったところでしょうか。 ただ残念なのは、この時期に発売される製品でありながら内蔵の地上波チューナはデジタル放送に対応しないこと。今の時期にアナログチューナの、しかも地上波デジタルチューナ対応を謳っていない製品を購入するのはかなり勇気が要ることなのではないでしょうか?地上波アナログ放送の最終的な打ち切りまであと 8 年(2011 年終了予定)あるとはいえ、微妙なところです。こればかりはソフトウェアアップグレードで対応するわけにもいきませんから・・・画質が向上し、HDD 容量も大幅に強化されたとはいえ、将来性に疑問符がつく製品に \160,000(CSV-EX11)も払うことにあまり積極性を見出せません。 従来製品の欠点を大幅に見直し、条件付きとはいえ DVD 書き出しもサポートした、HDD デジタルレコーダとしてはかなり完成度の高まった今回のチャンネルサーバー。これが仮に半年前、一年前に発売されていればかなり魅力的だったとは思うのですが、地上デジタル放送を目前に控えた今登場するというのは、時期を誤ったかもしれませんね・・・。 ちょうど一年前に「Web(クモの巣)より、さらに繊細できめ細かい絹のようなネットワークサービスの提供を目指す」をコンセプトに登場した CoCoon。今回、ようやく VAIO との連携が図られたこと、そしてソフトウェアアップグレードによる機能追加が現実的なものになってきたことで、ようやく繭(Cocoon)を作るための絹糸の一本を吐き出すことができた、と言えるでしょう。が、これが真にシルクのようなサービスでネットワークを満たすためには、まだまだ考えなくてはならないことが山のようにあると思います。このまま CSV-Ex シリーズの完成度が高くなっていけば再び「CoCoon=チャンネルサーバー」という図式ができあがってしまうのかもしれませんが、この春に登場した「CoCoon デジタルレコーダ NDR-XR1」「CoCoon ホームシアターシステム NAV-E900/E600」の後継製品、あるいはこれらのどれにも属さない全く新しい CoCoon が出てくるとすれば、どのような形になるのでしょうか?これらはおそらく、PSX や PS3、あるいはネットワーク対応 WEGA との連携、もしくは棲み分けも視野に入れながらやっていかなくてはならないものになると思いますが、そのあたりの折り合いをどうつけるのか。同じソニー製品の中ですらリビングの覇権、ホームネットワークの王座を争うことにもなりかねませんが、その前に年末商戦。ソニーからのデジタルレコーダがこれ一つということはないと思います。そろそろ登場するであろう DVD レコーダの新製品がどのようなものになるか、もう少し様子を見てみても良いのではないでしょうか。個人的には、CoCoon シリーズに属さない HDD/DVD レコーダの登場を期待しているのですが・・・。 ■記事リンク AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030902/sony.htm ZDNet の記事 http://www.zdnet.co.jp/products/0309/02/02sony.html MYCOM PC WEB の記事 http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/02/18.html ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/09/02/645749-000.html |
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新製品発表の続いているソニーですが、9 月に入ってさらにこの勢いは加速するのか、本日はホームシアターシステムの新製品が複数発表されています。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200309/03-0901/ 目玉は DVD/SACD に対応したワイヤレスマルチチャンネルシステム「DAV-DS1000」でしょう。これ、昨年の「Sony Dream World 2002」の会場にて参考展示されていたものがほぼそのまま製品化された形になりますが、マルチチャンネルシステムの最大の弱点とも言える「ケーブルの取り回し」の問題を解決する画期的な製品と言えるでしょう。リアスピーカを赤外線接続する無線システムは確かどこかのメーカーがオプションとして発売していた記憶がありますが、1 セット \30,000 くらいしたこと、そして音質に関しては未知数だったことなどの理由で「ウチに導入できるのはまだ当分先だろうな」と感じていました。この DSV-DS1000 は音声信号をデジタル伝送する仕組みのため、音質については実用に耐えるものになっていると思われます。ただ、初モノ価格ということで希望小売価格は \500,000 と国内メーカーのオールインワンシステムとしては桁違いに高価になっていますが、当面は PLASMA WEGA でベガシアターを組みたい高所得層や新築・リフォームを機にホームシアターを導入しようという向きに、スタイリッシュな PLASMA WEGA と一緒に訴求していく・・・という感じになりそうです。 パワーアンプ部は今年のソニーがかなり力を入れているフルデジタルアンプ「S-master」。昨年のモデルから搭載されているため目新しさこそないですが、今年は音響メーカー各社がデジタルパワーアンプを主力に据え始めていることもあり、そういう意味では注目すべきでしょう。ヤマハのパワーアンプしかり、今年のソニーのフラッグシップになると言われる「STR-DA9000ES」しかり・・・。 本体のデザインはかなり変わっていて、かなりコンパクトな四角形(正方形を 45°傾けたような形)のプレイヤー部に DVD ディスクを挿入し、再生するようになっています。昨年の SDWE でも見たものですが、こういうのってたいていコンセプトモデル的なモックか試作品であることが少なくないため、まさかこのまま出てくるとは思いもしませんでした。ある程度インテリア性も重視したオールインワンモデルでは、もはや「ラックに収める」という考えはナンセンスなのかもしれないですね。PSX なんかを見てもそうですし、最近の PDP の純正スタンドにもあまりデッキを置けるようなものがなかったりしますし。 そして、従来の「四本の柱」こと DAV-S880 の直接の後継となるのが、スタンダードモデル「DAV-SC8」。サブウーファがアクティブがパッシブかという違いこそあれ、カタログ上に現れる基本仕様は DS1000 とほぼ同等。もしかして DS1000 って無線だけで \400,000 もコストがかかるの?とか思ってしまいます(汗)。プロダクトデザインは、去年のモデルの方がマシだったような・・・。 今回はスピーカがスモールサイズの従来の S5xx にあたるモデルが発表されていませんが、これは他のコンパクトモデルや「Listen」シリーズのマルチチャンネルモデルに吸収されたという考えで良いのかな。スピーカをあそこまでコンパクトにしたい人であれば、本体ももっとコンパクトにしたいでしょうし。 気になるのはこのクラスで従来「NAV-E900/E600」があったホームシアター CoCoon ですが、続編がここに投入されるか、ということでしょうか・・・NAV-E シリーズは(実製品はともかく)着眼点とか試みとしてはなかなか面白い製品だっただけに、今後の動向が気になるところです。間もなく冬商戦に向けての CoCoon シリーズも発表されることでしょうしね。 このほか、コンパクトな 5.1ch シアターシステム「HT-K31」(こちらはアナログパワーアンプ)と、これにデザインを合わせた DVD プレイヤー「DVP-F31」、そしてこの 2 製品のキットモデル「DVPK-31」。これに加えて「HT-SL80」は「DVP-NS730P」とのマッチングを狙ったシアターシステム(DVD プレイヤーなし)。こちらも記述がないためアナログアンプの模様。将来的なシステムアップを考えると、汎用の NS730P が使える SL80 はちょっとオススメかな?なんか見る限り付属のスピーカが心許ないですけど。(^^; また、ヴァーチャルマルチチャンネルヘッドホンにも新製品「MDR-DS3000」が出ています。 http://www.ecat.sony.co.jp/avacc/headphone/acc/index.cfm?PD=14699&KM=MDR-DS3000 これは従来の「MDR-DS8000」の後継・・・というよりは廉価版という感じでしょうかね?ヘッドホンのつくりもやや安っぽくなっていますし、価格も \20,000 前後とお手頃になっています。充電時にいちいちバッテリを外さないといけないのが DS8000 の欠点でしたが、この DS3000 はレシーバに本体をセットしておくだけで自動的に充電しておいてくれるのが◎。これでスペックとデザインが DS8000 並みだったら買い換えていたかも。 ホームシアター・ホームオーディオ方面は DAV-S880/S550 と STR-VZ555ES 以外しばらく元気のなかったソニーですが、「Listen」の発表に始まり今回のホームシアター製品。そしておそらく続いてくるであろう「フルデジタル化された」単体 AV アンプ製品。「Listen」とホームシアター製品はややオーバーラップする部分もありますが、ようやく SACD の普及も視野に入れて、リビングルーム・プライベートルームの AV 環境をオーディオの方向から、ホームシアターの方向から、ハイエンドからローエンドまで囲い込む体制作りができたと言えるのではないでしょうか?あとは、ハイエンドの方のデキを楽しみにしたいところであります。 ■記事リンク AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030901/sony1.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030901/sony2.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030901/sony3.htm |
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