VAIO Column
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(2004/11)


[ NW-HD3 ] 2004/11/30(Tue)
新しいネットワークウォークマンが発表に。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200411/11-1130/
NW-HD3
http://www.walkman.sony.co.jp/root_hd3.html
http://www.ecat.sony.co.jp/audio/walkman/products/index.cfm?PD=19581&KM=NW-HD3
NW-E99
http://www.walkman.sony.co.jp/root_e99.html
http://www.ecat.sony.co.jp/audio/walkman/products/index.cfm?PD=19386&KM=NW-E99
欧州で先行して発売されていた初の MP3 対応ネットワークウォークマンに続き、国内向けバージョンがいよいよ登場しました。リリースには、

> 昨今の急速なパソコンの普及に伴いMP3形式の音楽データを多く所有するお客様の利便性にもお応えするため、国内で初めてMP3形式を採用したネットワークウォークマンを...

とありますが、NW-HD1 が発売された 5 ヶ月前には PC も MP3 も普及していなかったのかと小一時間・・・問い詰めるのはやめておきましょうか(笑。というわけで、欧州向けと同じ「NW-E99」に加え、HDD ネットワークウォークマンの MP3 対応モデル「NW-HD3」が予想通り現れています。秋に発売された NW-HD2 は、やはり付属品を省いて価格を抑えつつカラーバリエーションで iPod mini を牽制し、NW-HD1 のモジュールを処分するためのモデルだったということでしょうか。
MP3 をネイティブサポートしたこと以外には旧モデルから目新しい変更のない NW-HD3 ですが、デザインが若干見直され、円形の操作ボタンが大型化されるなど操作性面での改良が加えられています。確かに旧モデルの操作ボタンは小さく使いづらかったので、(iPod ファミリーのクリックホイールほどではないにせよ)これならば本体のみでもそこそこ快適な操作が行えそう。ただ、上下対称なデザインになってしまったことと、若干ではありますが厚みも増しているので、デザイン面では少し退化したといえるかもしれません。また、カラーバリエーションはオーソドックスなシルバー、HD2 で好評だったと思われる明るめのブルーに加え、深みのあるレッド、真っ黒に近いブラックの 4 色がありますが、シルバー以外はちょっと微妙かな・・・ま、デザインに関してはまだ初期のモデルということもあるでしょうから、来年以降のモデルではさらにスタイリッシュになることを期待しましょう。

いっぽう NW-E99 の方はヨーロッパで既に発表されていたモデル。MP3 対応、および 1GB の大容量フラッシュメモリ内蔵という点を除けば既存の NW-E95、E75 と全く違いがない製品なので、さほど目新しいものではないといえばないですね。しかし、フラッシュメモリタイプで 1GB というとかなり使いでのある容量になってきました。HDD タイプにはないコンパクトさに連続 70 時間再生(ATRAC3 105kbps モード時)というスタミナもあいまって、ある意味 HDD ウォークマンより使いやすいシーンもあるかと思います。もう少し価格が安ければ、サブプレイヤーとして欲しいくらい。
なお、Sony Style オリジナルカラー「ブリリアントシルバー」も用意されていますが、Web の写真では通常のシルバーモデルとの違いがちょっと分かりにくいかな。個人的には思い切って素材を変えて勝負する(NW-E5 のようなクロームシルバーとか、ヘアライン加工したアルミ素材で覆うとか)くらい勢いのある限定モデルがあったら強烈に惹かれていたかも。

また、ソニスタではこの NW-HD3 および E99 購入者を対象に「Mora」の楽曲ダウンロード権などがもれなくもらえる「Merry Music from SonyStyle」キャンペーンが開始されています。
http://www.jp.sonystyle.com/Walkman/#mm
内容は、対象製品の購入金額に応じた Mora の音楽ダウンロード権、ソニスタのお買い物クーポン、Amazon.co.jp クーポン、音楽ギフトカードのいずれかがもらえるというもの。VAIO の「+MUSIC! +MOVIE!」キャンペーンもそうですが、最近のソニーの音楽ダウンロード関連のキャンペーンはなかなか太っ腹なものが多いですね。軌道に乗り始めた Mora の認知度を高め、iTMS の国内参入前にシェアを広げておきたい、という Mora 側の思惑ももちろんあるのでしょうが、Mora の 80,000 曲という現在の保有タイトル数は正直まだまだ少ないと思いますし、音楽好きの多くはレコードコレクターでもあると考えると、パッケージソフトが購入できる Amazon.co.jp クーポンや音楽ギフトカードが選択できるのはかなり嬉しいですね。いずれも音楽 CD 一枚分程度の還元率ですが、こういうのは大歓迎です。お金がなかった高校生の頃なんかは、必死で貯めたお金で当時出始めだったポータブル MD プレイヤーを買ったらブランクメディアや CD を買うお金がなくなって当分メディア一枚で過ごさなくてはならなかったなんて悲しいこともありましたから(´Д`;)ヾ。


なお、今回の新モデルでの MP3 対応を受け、旧モデル NW-HD1、NW-HD2 の MP3 対応有償アップグレードも提供開始されています。
http://www.sony.jp/support/p-audio/contents/information/info_nw-hd1_2.html
ネットワークウォークマンはユーザー作業でファームウェアアップデートが行えない仕様のため、いったんソニーに送付してアップデート作業を行ってもらうことになります。アップグレード料金は \2,000(消費税、送料込み)ですが、ほとんどが送料や管理コストであると考えると実質タダみたいなもの。HD1 はともかく HD2 を買ったばかりという方にはちょっと納得がいかないかもしれませんが、送料負担のみで最新モデルと同等(しかもハードウェアのサイズや重量は旧モデルの方が良い)なら許容範囲ではないかと。
私はとりあえず ATRAC3 でライブラリを作っているので特に MP3 対応は必須ではないのですが、NW-HD1 では新ファームでシャッフル再生時の仕様変更が行われているのでとりあえずアップデートに出しておこうと思っています。というか、今の仕様、毎回同じ順番でシャッフル再生されるんですよ・・・それ、シャッフルじゃないじょん(´Д`;)ヾ。

NW-E75、E95 についてはアップグレードパスが提供されていませんが、海外版向けには更新ファームウェアが公開されていることを考えると、NW-E99 の発売前後には何らかのアナウンスがあるのではないでしょうか。

ちなみに、早く忘れたい VAIO pocket ですが(ぉ よーーーーーーーーーーうやくファームウェアアップデート(12/24 提供開始)が告知されています。
ニュースリリース
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_1130.html
最新ファームの目玉は MP3 のネイティブサポートですが、ギャップレス再生や動作の高速化、一覧のソート順序の修正、階層間移動の際のカーソル位置記憶対応など修正は多岐にわたっています。というか、やっと普通のプレイヤーになりました(ぉ すでに販売終了して過去のことにされた製品なのに、遅いよ・・・今までガマンして使い続けていた皆さん、ご苦労様でした。

VAIO pocket はともかく(ぉ、これでようやくソニーのネットワークウォークマン製品群が iPod ファミリーを追撃する態勢が整ったと言えます。iPod mini ユーザーでもある私はどちらのシリーズがより優れているとはあまり言いたくありませんが、iPod はあまり音が良くないのと何より最近は世の中の人みんなが白いイヤホンをつけているというのはどうかと思うので(笑)ここらでウォークマンにも巻き返してほしいところなんですけどね。今回の新製品で、どれだけ弾みをつけられるのでしょうか。

■記事リンク
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041130/sony1.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041130/sony2.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041130/sony3.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0411/30/news072.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/11/30/015.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2004/11/30/652814-000.html
デジタル ARENA の記事
http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20041129/110182/


[ 星の輝き、雪の煌めき ] 2004/11/24(Wed)
ソニーが米国で Microdrive を発表しています。
ニュースリリース(英文)
http://news.sel.sony.com/pressrelease/5361
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1124/sony.htm
1inch HDD を利用した 2GB、4GB の Microdrive 製品。おそらくは HGST(日立)の Microdrive 3K4 シリーズの OEM でしょう。製品自体はもはやそう珍しいものではなくなっていますが、SONY ロゴが入っているだけでちょっと欲しくなってしまうのはなぜだろう(^^;
日本国内での発表は未定とのことですが、メモリースティックPOCKETBIT の方を優先したい国内の事情を考えるとあまり大々的には出してこないような気もします。米国では GIGAVAULT のような HDD 製品に力を入れているという背景もあるのでしょうが、同じメーカー内でメモステ、POCKETBIT(グローバルブランド名は MICROVAULT)、GIGAVAULT、Microdrive というポータブルストレージを抱えるというのは、今後の展開を考えても非常に興味深いところ。特に Microdrive はデジタルカメラ用ストレージとしてメモリースティックと競合する面があるので(もちろん補完し合う関係とも言えるのですが)気になります。現状、ソニー製デジカメで Microdrive が使えるのって DSC-F828 だけ(DSC-V3 は CF Type I のみ対応なので Microdrive は使えない)ですからね。あくまで一部機器向け、および PC 向けストレージとして Microdrive を展開するのか、あるいはメモステの今後も考えての記録メディア事業そのものの方向転換なのか・・・とりあえず国内発表を待ってみるしかなさそうです。


今月発売されたばかりの Cyber-shot L1 に早くも新色追加。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200411/11-1124/
製品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-L1/snow_white.html
台数限定で追加された新色は、冬らしく「スノーホワイト」だそうです。黒の次は白できましたか・・・DSC-L1 はどれも上品なカラーリングですが、今回の白はまたさらに品のある雰囲気です。ただ最近は iPod とそのコピー製品を見すぎているせいか、個人的には逆にホワイトは敬遠しがちになっていますが・・・。

と、L1 の新色が出た当日に書くのも微妙な感じですが(ぉ)DSC-L1 を購入しました。

DSC-L1/B1

買ったのは結局ソニスタ限定カラーの「ポラリスブラック」。発表当初は光沢感のあるワインレッドが良色だなーと思っていたのですが、実機を見ると思ったほど深みのあるレッドでなかったのと、指紋がつきまくりなのが気になって方針転換。全面ヘアライン加工のシルバーにも惹かれたのですが、奥さんの好みを聞いてみたところ(←こうやって少しずつ引き込んでいくのがコツ(ぉ)ブラックがいいとのことで、最終的にはポラリスブラックになりました。でも「ポラリス」ブラックって最初知らなかったんですが DSC-L1 の CM のアノ人に縁ある単語なんですね・・・そういえばスノーホワイトのイメージもなんだかあのドラマのイメージだし(汗

本当は発売日に買おうと思っていたんですが、少し遅くなってしまいました。というのも、今回は完全な買い換えで、手持ちのデジカメを処分するのに少し手間取ってしまったからなんです。
手放したのは、どうしても扱いづらかった DSC-T1 と、買ったもののレンズキャップのせいで機動力が犠牲になり数度しか使っていなかった DSC-U50、そしてかなり愛用してはいたものの L1 を買ったら完全に立場のなくなる DSC-U20 の 3 機種。モノが増えてきて困っていた事情もあり、一気に手放してしまいました(笑)。当初はソニスタの下取りサービスで買い換えようとソニスタ経由でソフマップに見積もりを出していたのですが、ソフマップに発送した翌日に同じくソニスタ下取りサービスのデジタルリユースの方がキャンペーンで下取り 1 台につき \3,000 の査定アップキャンペーンを開始(笑)ちょうど先日購入した液晶ディスプレイの代わりに使い古した CRT ディスプレイを下取りに出したいとも思っていたので、ソフマップからはいったん戻してもらって U50・U20 をデジタルリユースに、T1 と CPD-G200J をソフマップに出しました。CRT の方は一度ソフマップから 3 台の Cyber-shot を返送してもらった送料(キャンペーン中で査定の引き取りの際にかかる送料はソフマップ持ちだったのですが、返送料は顧客負担になる)と相殺くらいにしかなりませんでしたが、捨てるにもお金がかかるので無料で持って行ってもらえただけでも良しとします。
こうして 3 台の Cyber-shot を手放して得た金額は現金、ソニスタお買い物クーポンを併せて \40,000 あまり。DSC-L1 を買ってお釣りがくる金額ですが、さらに先月あたりからキャンペーンでいろいろともらっているソニスタのお買い物クーポン・割引クーポンもあったので、予算的にはむしろ余ったくらいでした。一度の下取りキャンセルを含めなんだかんだで最終的に全て下取り〜支払完了まで一ヶ月近くかかってしまい、L1 の発売日に間に合わなかった上にソニスタ特典のメモリースティックケースがもらえる期間に間に合わなかったのは悔しかったですが、しょうがないか。

なかなか外に出かけるヒマがないのでほとんど試し撮りできていないので、インプレはまたいずれ・・・。


[ VAIO NEW MODEL 2004/Autumn-Winter (6) ] 2004/11/23(Tue)
しばらくお休みしてしまいました。
こうやってデスクトップ機の前に座るのも何日ぶりか・・・せっかく買った 20 インチディスプレイが泣いています(>_<)週末や祝日にもごく当たり前のように背広を羽織って出かけなくてはならなくなってはや数ヶ月が経ちましたが、以前の生活サイクルに戻れるまでには、まだしばらくかかりそうです。

ほったらかしにしていた間に、VAIO 2004/秋冬モデルに追加機種が発表されています。
ニュースリリース
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_1115_typeR.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_1115_typeU.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_1115_biz.html
今シーズンはなんだか細切れに新製品が追加されている感じがしますが、どうしたんでしょうね。ま、今年は秋冬モデルの発売時期が各メーカーとも例年より少し早めだったので、本格的なボーナスシーズンを目前に売上に活を入れたい、という狙いもあるのでしょうか。


VAIO type R VGC-RA71PS, RA71S
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/R/
秋冬モデルとして既に発売中の VAIO type R に、Sony Style モデル限定で新 CPU「Pentium 4 570J」が選択できるようになりました。Pentium 4 570J は 3.80GHz で動作する LGA775 版 Pentium 4 で、現行の x86 互換プロセッサで最高クロックとなるものです。VAIO type R で動画編集やゲームを本格的に愉しむパワーユーザー向けのオプションで、特に HD 映像の編集に少しでも高いマシンパワーを必要としているユーザーに適しているといえるでしょう。逆に言えばここまでパワフルかつ高コスト(かつ高発熱)なプロセッサを必要とするユーザーもかなり限られてしまうほど、今日ではプロセッサパワーは有り余っているわけでもありますが・・・。


VAIO type U VGN-U71P
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/U/
CPU が ULV Pentium M 733(1.10GHz)に、HDD が 30GB にパワーアップした VAIO type U のマイナーチェンジモデル。CPU は L2 キャッシュが増量された 90nm プロセスルールの「Dothan」コアに変更され、HDD には東芝の 5mm 厚 1.8inch HDD「MK3006GAL」を搭載しているものと考えられます。type U の用途的にはさほど処理性能が重要視されないであろう CPU の変更はともかくとして、より大容量かつ高記録密度の HDD が搭載されたことにより、ディスクスペースの使い勝手や体感速度は明らかに向上しているものと思われます。同じく 1.8inch 20GB HDD な X505 ユーザーとしては容量アップした HDD が羨ましいところではありますが、なかなかバルク市場に 1.8inch HDD が出回らない現状でディスク容量を増やすにはまた携帯音楽プレイヤーかポータブル HDD を買ってごにょごにょ・・・しかないからなあ(^^;

VAIO type U は先般アメリカ向けモデルが発表されたようですが、この秋から販売開始されている話題の超小型 PC「OQO Model 01」が type U とほぼ同サイズ、同価格帯でかなり厳しい評価を受けていることを考えると、米国での成功は難しそうです。逆にこれが日本市場向けに投入されていたならばそれなりの成功を収めることもできたのでしょうが、VAIO type U ですらすでに特定用途のマニア(キーボードのついた一般的なサブ/ミニノートファンともまた少し異なる層)向けとなっている現状では、厳しいのかもしれませんね。


このように小出しに新製品を投入している秋冬の VAIO ですが、今シーズンは久しぶりに好調なようで。
http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2004/11/15/ranking/
といっても売れ筋となっているのはノートでは久々のヒット作となりそうな type T くらいで、あとは廉価版デスクトップの type M および type HX の下位モデルのみ、というのがやや寂しい現状ではあります。まあ最近の VAIO は他社に比べてモデル数が多いというか、A4 ノートだけでも把握しきれないくらい種類がありますから、なかなか単独モデルでランクインというのも難しいのかも知れませんが、それにしても寂しい状況です。冬モデルの目玉のひとつ VAIO type X も先週末から発売されていますが、相変わらず閉塞感に満ちた PC 市場のカンフル剤となることができるか。

閉塞感といえば、もうひとつ。今回の新機種発表は現行では最高クロックとなる 3.80GHz 動作の Pentium 4 570J の発表がきっかけとなっていますが、逆に今後は当分 CPU の動作周波数に向上する見込みがないことも明らかになっています。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1027/kaigai129.htm
Pentium 4 は本来年内にも投入予定であった 4GHz 版がキャンセルされ、このまま最高 3.8GHz のまま据え置かれます。来年後半に登場するといわれるデュアルコア CPU「Smithfield」(コードネーム)が当初は 3.2GHz の動作周波数からスタートするということは、当面は CPU の動作周波数は 4GHz に到達することがないということです。今後 Intel が注力する「PARROT」アーキテクチャによる CPU 内部処理の最適化や次期 CPU によるデュアルコア化、そして Pentium 4 ではすでに搭載されている Hyper-Threading や L2 キャッシュの大容量化など、動作クロックの向上以外のアプローチによって CPU の処理性能自体は今後も引き上げられていく見込みですが、プロセッサナンバ制の導入もあり PC メーカーの立場で言えば CPU クロックの向上というセールスポイントがなくなってしまうことは事実です。それに加えて、昨今一般的な用途ではもはや余剰となってしまった PC の処理性能、当分は登場しない Windows の次期バージョン、また国内ではデジタル放送録画対応に関する障壁、と、今は(少なくとも今までのアプリケーションを基に考えていては)PC が売れる要素がないと言っても過言ではありません。インターネット、ブロードバンドに続く PC のキラーアプリケーションを見つけ出さない限り、この長く暗いトンネルの出口は見えないのではないでしょうか。デジタル家電にはない PC の最大の特長はそのプログラマビリティにある、とはよく言われることですが、新アーキテクチャや新フォーマットへの対応の柔軟性、というだけでなく、他にも PC が PC としての魅力を持てる要素は考えられるはず。来年以降の VAIO は、そろそろそういうことも本気で考えていかなくてはならないのではないでしょうか。それをやらなければ、またソニーがやるべきことを他メーカーに先にやられてしまった、とこの Column で書かなくてはならなくなってしまいますが、それでは、あまりにも悲しすぎますから。


■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1115/sony.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1115/sony2.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0411/15/news050.html
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0411/15/news062.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2004/11/15/652501-000.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/11/16/100.html


[ the "Open"MG ] 2004/11/10(Wed)
ソニーが SonicStage の最新バージョン「SonicStage Ver. 2.3」の提供を開始しました。
http://www.sony.jp/support/p-audio/contents/download/ss20_upgrade.html
これと同時に、VAIO プリインストールバージョンおよび音楽配信サイト「Mora」向けバージョンの最新版アップデート告知も開始されています(SonicStage for Mora は 11/17、SonicStage for VAIO は近日公開予定)。
http://vcl.vaio.sony.co.jp/iforu/hotnews/2004/11/002/
http://www.labelgate.co.jp/news/20041110.html
比較的大きな改修となる今回のアップデート内容は以下の通り。
  • 音楽 CD や PC 上の音声ファイル、Hi-MD から SonicStage に取り込んだ曲の転送回数が無制限になった
  • (ATRAC3 CD に加え)音楽 CD の作成が可能になった
  • ライブラリ内のトラック番号編集に対応した
  • EMD(音楽配信サービス)から購入した曲の曲情報が編集可能になった
レーベルゲート CD の終了、ネットワークウォークマンでの MP3 対応PSP における MP3 のネイティブサポートという流れの中で、遂にきた OpenMG の大幅な仕様変更。OpenMG Audio データの取り扱いに関して、ユーザーに大きくその権利が開かれました。ニュースサイトでも下記リンク先のような著作権絡みの記事が大きくフォーカスされていたり、
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0411/10/news057.html
大物アーティストとネットミュージックストアのコラボレーションが大々的に行われるようになったり、
http://www.apple.com/jp/itunes/u2/
音楽のネットワーク配信と著作権保護に関してはまさに世の中の注目が集まっている中での出来事。かなり大きなインパクトがありました。ソニーという企業的にはレーベルゲート CD の終了から一気に正反対のベクトルに向かった感がありますが、ようやくユーザーの利便性や(隣接著作権者ではない)著作権者サイドの本音、ひいては音楽業界全体の発展のために望ましい方向に動いてきました。あるいは、iPod にポータブルオーディオの代名詞の座を奪われかけている現在でも、ハードウェア/ソフトウェアの両方を擁する「音楽業界の牽引者」であるという自負が、今回の大きな決断へとソニー自身を動かした原動力となったのかもしれません。また、このタイミングが今後のソニーがネットワークオーディオ/ポータブルオーディオ市場で生き残っていくためのほぼ「最後のチャンス」であったであろうことも、事実ですが・・・。

OpenMG Audio が(EMD で購入したタイトルと、既存のレーベルゲート CD でダウンロードしたタイトルを除き)事実上のコピーフリー(と書くと語弊がありますが、あくまで「フェアユース」の範囲内で、と断り書きをさせていただきましょう)となったことで、ユーザビリティ的にはほぼ MP3 と肩を並べたことになります(対応プレイヤーは MP3 の方が圧倒的に多いですが)。圧縮音楽フォーマットのデファクトスタンダードである MP3 ではない、という意味では、iPod の標準フォーマットとして採用されている AAC も同じなので、これでネットワークウォークマン側が MP3 のネイティブサポートを果たしていけば、「SonicStage+ネットワークウォークマン」というプラットフォームは「iTunes+iPod ファミリ」とようやく同じ土俵で戦える、ということになるのでしょう(なんの iPod にはまだまだスタイルやユーザビリティという他社には追随できないアドバンテージがある、という反論が返ってきそうですが、とりあえずそれは置いておいて)。我々ユーザーの立場からも、何の根拠もない「同時に認めるコピーは 3 回まで」というこれまでの理不尽な仕様に別れを告げ、ようやくデジタルの恩恵を本当の意味で受けることができるようになるというものです。


・・・というわけで、とりあえずアップデートしてみました。
まずはアップデートの前に既存の ATRAC3 ファイルのバックアップを取ったのですが、さすがに 2,000 曲/8GB を超えるデータはバックアップだけで 1.5 時間あまりかかってしまいました。疲れた・・・。
で、アップグレードインストール→再起動という順序で進めて、SonicStage 2.3 を起動してみると、

SonicStage 2.3

見事に「権利情報」欄がカラになっています!今まで転送中の SonicStage のハングで残り転送回数が無駄に消費されたり、複数のメディア(ネットワークウォークマン/メモリースティック/Net MD)に転送して残回数が足りなくなったりという苦労を強いられてきましたが、これでようやくその縛りからも解放されるわけです。実際に転送回数制限に悩まされることはさほど多くはなかったものの、「自分で買って自分で取り込んだ音源くらい好きにさせてくれよ!」という思いはずっとあっただけに、ようやくスッキリした気持ちで SonicStage を使うことができます。SonicStage が重いのは、相変わらずですが・・・。
まあ、私は(少なくとも現状の)Mora を使うつもりはないですし、SonicStage から CD を焼くこともないのですが、この転送回数による「精神的な閉塞感」から解放されるだけでもかなり嬉しいです。もっとも、今までの言ってみれば「ユーザーを泥棒扱い」していた状況が間違っていただけなのですが・・・。


今回のことや最近のソニー製品による MP3 のネイティブサポートによって、ソニーのネットワークオーディオを取り巻く環境は大きく変わりました。NW-HD1/HD2 も「ハードウェアは良いけど OpenMG が・・・」という理由で候補から外すユーザーは少なくなかったと思いますが、これでようやく良いハードウェアが正当に認められる環境ができてきたのではないでしょうか。あとは、サービスやコンテンツがどれだけオープンになっていくか、ですが・・・。
その一方で、ネットワークオーディオの未来からはほぼ完全に外れてしまったメディアがあります。それは、メモリースティック。「シリコンオーディオの走り」として初代メモリースティックウォークマンが発売された当初は、近未来のデジタルオーディオメディアとして注目を浴びていたメモリースティックですが、おそらく実現の日が訪れないであろう OpenMG Audio フォーマットのメモリースティック PRO 対応や、今年夏から発売されている VAIO 全機種のメモリースティックスロットが MagicGate 非対応になってしまった事実を顧みると、もはや OpenMG Audio は HDD ネットワークウォークマンやフラッシュメモリ内蔵型ネットワークウォークマン、Net MD などのためのフォーマットであり、(MagicGate 対応レガシーメモリースティックの容量が 128MB で頭打ちになっていることもあり)音楽転送メディアとしてのメモリースティックの存在は事実上終焉を迎えた、と断言して良いでしょう。メモリースティックウォークマンのスタイルが気に入っていた私としては、何とも残念な思いです。
とはいえ、SonicStage/OpenMG が大幅にユーザーに歩み寄ったことが、ネットワークオーディオ/ポータブルオーディオに留まらず、音楽業界全体にとって喜ぶべきニュースであることは確かです。以前の Column で「『感動価値の創造』を目指す企業には、本当にユーザーに『感動価値』をもたらすために守るべきは誰の利益なのかを考えてものづくりに携わっていってほしい」ということも書きましたが、長年私たちユーザーが声を上げ続けてきたことが、(同市場における Apple の躍進というきっかけがあったにせよ)ようやく現実のものとなったことは、大いに歓迎したいと思います。これを契機に、音楽を通じてより「みんながハッピーになれる世界」に近づくことができれば、こんなに嬉しいことはないのですが。


■記事リンク
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041110/sony2.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041110/label.htm
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/11/10/011.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/soft/article/2004/11/10/652478-000.html


[ Sony Style Store ] 2004/11/08(Mon)
明日 11/9、大阪梅田にソニーの新しいショールームがオープンします。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200410/10-1014/
Sony Style Store
http://www.jp.sonystyle.com/Store/
このショールームは、大阪駅前に建設され、同日オープンする再開発ビル「ハービス エント」内に開かれます。先月末で営業を終了し、既に閉鎖されている大阪心斎橋ソニータワーに代わり、今度からはこの「Sony Style Store」がソニーの西日本のランドマークとなることになります。ソニータワーというと、初代 VAIO U の発表時に私がわざわざ富山から大阪まで駆けつけて「ブームの予感」を体感した思い出のある場所で、ショールームの雰囲気も銀座よりオープンな感じで個人的には気に入っていた場所だけに、今回の営業終了にはやや感慨深いものがありますね。
「Sony Style Store」は従来のタワーと同様に東京銀座ソニービルお台場メディアージュ「sony style」に並ぶソニーの国内三大ショールームの一つとして重要な役割を担っていくことになりますが、自社ビルだった心斎橋と違い、今度はショッピングフロアやシネコンなどを備えるエンタテインメント色の強いビルにテナントとして入るということで、どちらかというと性格はメディアージュのそれに近いことになるのかな。単純に製品を展示する場所ではなく、商品体験型のショールームという位置付けのようです。
商品体験型、と書きましたが、Sony Style Store はさらに商品の CTO 構成や見積もりまで行う「スタイリスト」と呼ばれるスタッフが常駐し、実際の販売活動まで行う(商品の受け渡しは直接行わず、後日 Sony Style から配送される)のが特徴。メディアージュスタッフの方々はあくまでアテンダント的な役割でしたが、より直接的な販売活動を行っていくようです。言ってみれば、「商品体験型」を超えて「商品提案型」のショールームと言えそうです。
つい先日の Column では、この新ショールームや e-SonyShop などの展開について「直販ではカバーしきれないユーザー層をカバーし、Web では提供しきれないリアルな体験を提供しようという動き」と書きましたが、Sony Style Shop は日本全国に点在する e-SonyShop と銀座ソニービル、お台場 sony style のいいとこ取り的な存在であり、e-SonyShop の基幹店舗的な意味合いも持った拠点であり、なおかつ商品の提案や Sony Style の存在自体を非インターネットユーザーにも知らしめるためのリアルストアでもあるのでしょう。「スタイリスト」が量販店では得ることのできないきめ細やかなサービスで応対することにより、安さやポイント還元等のサービスではどうしても量販店にアドバンテージのつけられない小売店、専門店の規範となる、という狙いもあるのかもしれません。
本日の PC Watch に掲載されていたヤマダ電機の大阪ミナミ出店と日本橋電気街との関係に関するコラム
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1108/gyokai109.htm
にも量販店とは異なる「付加価値」という言葉が使われていますが、同じような時期に、ほぼ同じエリアで量販店とは異なる価値を見出そうとする動きがあるのは、偶然ではないはずです。
ただ、このスタイルが必ずしも良い面ばかりではないことも確かでしょう。例えば、メディアージュでは事実上の販売活動を行っていない(ショールーム内の VAIO を使って Sony Style に発注はできますが)ため、スタッフの方々とお話をしていても比較的製品に対する率直な考え(個人的な考えも含む、長所/短所を問わない忌憚ないご意見)を聞き、本当にユーザーのスタイルに合った製品がどれか、親身になって答えてもらえる感覚があるのですが、それがもし販売活動(=成績)に結びつくとすれば、必ずしも本当に自分に最適な製品/サービスを与えてくれるわけではない(かもしれない)、というところです。杞憂ならば良いのですが、以前 QUALIA Store で少し苦い経験(笑)のある私としては、気になります(^^;あと、最近 Web のソニスタのプロモーションの仕方が徐々に俗っぽくなってきているのも心配なところです(笑)「インパクトがあってわかりやすい『だけ』」じゃ、「ソニスタらしく」ないんですよね・・・。

いずれにしても、やっぱり新しいショールームにはちょっとワクワクする何かを感じてしまうのは確か。ワンフロアのショールーム内にソニーショールーム的な側面、Sony Style のリアルストアとしての側面、そして QUALIA・・・とちょっと雑多な感じがしなくもないですが、できれば近いうちに一度覗きに行ってみたいですね。お台場ならすぐに行ける距離なんですが、大阪は、ここのところさっぱり行っていないなあ・・・。
というわけで、関西方面の方、もし早速足を運ばれた方がいたら、ご感想をお聞かせください。

■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1105/sony.htm
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/11/06/015.html


[ MSP3 + E-MU 0404 ] 2004/11/03(Wed)
先日自作機のディスプレイを買い換え、大画面と省スペース性にはかなり満足していたものの、ブラックの本体カラーに白いスピーカが浮いて見えるのがとてもとても気になっていました。というわけで、思い切ってスピーカを買い換えてしまいました。

ヤマハ MSP3 \30,450(ペア、ヤマハ銀座店)
http://proaudio.yamaha.co.jp/products/speaker/msp3/

YAMAHA MSP3 YAMAHA MSP3

ホームシアター兼オーディオルームのスピーカはプレゼンス重視の B&W にしましたが、ニアフィールドで聴く PC のスピーカはやっぱりモニタ系の方が好きですし、そもそも PC では音楽を「聴く」よりも「いじる」ことの方が多い(最近ほとんど音楽活動できてませんが)ので、モニタタイプのスピーカを選択しました。とはいえ以前使っていた「SA-PC5」も PC 用としてはかなり音が良い部類に属するため、これと同系統でさらにいい音・・・となると一般的に PC 用として販売されているスピーカでは気に入ったものがなく、音楽制作用のモニタ(といってもエントリクラスですが)に行き着いたというわけです。
キャビネットのサイズ的には SA-PC5 より若干コンパクト。横幅が少しありますが、奥行きが短くなったので薄型の液晶ディスプレイと併せると SA-PC5 よりもデスクを広く使えます。一本売りのアクティブスピーカなので、ボリューム調節は個別に行わなくてはならないのがちょっと面倒ですが、基本的にスピーカのボリュームは固定にしておいて Windows 上で出力音量を調節してやるようにすれば問題ないでしょう。

YAMAHA MSP3

入力は 2 系統。オーディオ向きの RCA アンバランス入力 1 系統に加え、業務用ということでキャノン(XLR)+フォンのバランス入力までついてますが、PC 用にはちょっとオーバースペックかな(^^;。とりあえず手持ちの機器はバランス出力できないので RCA で繋いでいます。
SA-PC5 のときは RCA 入力 2 系統あったので、片方に LAM-1 を繋いで CD や MD を聴いていたのですが、RCA が 1 系統になってこれが使えなくなったのがちょっと残念。まあ、最近は NW-HD1 や iPod mini 用に PC 上に音源を溜めていくようになり(MP3 と ATRAC3 で二重にライブラリを作っているのがかなり無駄なのですが)、LAM-1 の出番もめっきり減っているのですが、いずれはサウンドカードからの出力をバランス入力に入れて RCA を空けてやろうかなと思ってます。

グレードアップしたスピーカに合わせて、サウンドカードも約 6 年ぶりに初代「SoundBlaster Live!」から買い換え。

Creative Professonal E-MU 0404 \15,540(ビックカメラ有楽町店)
http://jp.creative.com/products/product.asp?category=237&subcategory=239&product=10498

E-MU 0404 E-MU 0404

サウンドカードの代名詞・Creative が今年立ち上げた新ブランド「Creative Professional」のサウンドカードです。元々はサンプラーメーカーだった E-MU/ENSONIQ が Creative のいちブランドとして名前を変えたこの Creative Professional E-MU シリーズ。このカードはそのエントリーモデルという位置付けで、I/O の端子数やバランス入出力を削って低価格化されたものなのですが、96kHz/24bit のデジタル入出力や 116dB という高い S/N 比(アナログ出力時)を誇り、スペック的には PC のサウンドカードとして使うには同社の Audigy シリーズよりも高音質なのが自慢です(Audigy シリーズはコンシューマ向けということで、どちらかというとマルチチャンネル出力などのフィーチャーに力を入れている、という性格の違いはありますが)。カードに載っている E-MU 製の DSP(チップ)自体は Audigy シリーズで使われているものと共通コアのようです。
これまで使っていた SBLive! は発売当初は高音質・高機能と言われたカードで、私も買った当初はかなり満足していたのですが、スピーカを SA-PC5 にしたあたりからホワイトノイズが気になるようになってきて、もう少し S/N 比が高いものにしたいとはずっと思っていました。どちらかというとサウンドカードの音声出力の S/N 比が問題なのではなくて、スピーカとの接続に使っていたケーブル(ステレオミニ−RCA 変換ケーブル)がノイズを拾っていた可能性の方が高いのですが、サウンドカードのステレオミニ端子自体がノイズを拾いやすい(RCA 端子などと違ってしっかり固定されない)ですし、ステレオミニ端子がついたケーブルにはシールドのしっかりした高級なものがほとんどないですから。その点、E-MU 0404 はブレイクアウトケーブル経由で RCA 接続できますから、端子付近で拾うノイズを大幅に軽減できます。この際ケーブルでノイズを拾うのがイヤだったので、無駄に MONSTER CABLE を奢ってみたり(^^;
結果、スピーカから出てくるホワイトノイズをほぼ駆逐することに成功しました。少なくとも、今までのように深夜に PC の電源を落としているときにスピーカから微かに「サー」という音が聞こえる、ということはなくなりました。今回はカードもスピーカもケーブルもいっぺんに取り替えてしまったので、どれを交換したのが最も効果的だったかは判りませんが(笑。

音は・・・元々の SBLive!+SA-PC5 の音自体がけっこう気に入っていて、なるべくそこから大幅に変わることがないような買い物をしたので、基本的には従来の路線どおり。これはこれで満足しています。スピーカのユニットが従来の 1way から 2way になってツィータが独立したせいか、SA-PC5 で少し気になっていた高音の篭もりが取れて音がスッキリしたのも嬉しいですね。全体的に音のセパレーションが良くなって、どこでどんな音が鳴っているか小音量でもよく聴き取れるようになりました。あとは、スピーカボックスが微妙に前のめりの形状をしていてデスクに妙な反射をしそうで気持ち悪いので、インシュレータか何かを噛ませて少しあおる向きにしてやらないと。
というわけで、↓のような感じで似非ミュージシャンのようなデスクトップになってしまいましたが、サウンドカードはハードディスクレコーディングにも十分耐える機能、性能を備えていて、付属ソフトウェアと併せてかなりいじれそうなので、そろそろ久しぶりにまた音楽をやってみようかな、と思っています。でも、そんな時間が取れるのは、早くても年明けかなあ・・・。

YAMAHA MSP3


[ ELECOM + Logitec ] 2004/11/02(Tue)
ちょっとびっくりしたニュース。エレコムによるロジテック買収が発表されました。
ニュースリリース
http://www.elecom.co.jp/news/200411/info/
エレコムといえば、PC を持っている人ならよく知っているであろう PC サプライメーカーの業界最大手。ロジテックも周辺機器メーカーとしては業界三番手につけるメジャーブランドです(ちなみに、マウスで有名な Logitech(日本法人はロジクール)とは別会社です(スペルも「Logite"c"」なので違う))。この 2 社が、合併。合併後はサプライ品市場ではトップ、周辺機器市場では 3 位という現在のシェアを維持しますが、PC 本体を除く周辺製品市場という領域では最大のブランドが誕生することになります(製品ブランドとしては、サプライ品は「ELECOM」/周辺機器では「Logitech」の現在のブランドを基本的に継続する模様)。
両社のこれまでの製品ラインナップは、エレコムは(一部メモリ製品を除き)マウスや各種ケーブルをはじめとする PC/OA サプライ品がメインで、ロジテックは伝統的にストレージ機器に強みを持つ周辺機器(ドライブや増設カード類など)を中心にしてきたこともあり、うまく補完し合える関係にあると言えます。

そういえば周辺機器メーカートップのバッファロー(旧メルコ)がこの夏からサプライ市場に参入していますよね。今まではエレコムなどサプライメーカーが力をふるっていた周辺機器売り場に、大々的に「BUFFALO」のロゴが入ったマウスやケーブルが陳列されている様子は、同社のこの市場にかける意気込みを強く反映しています。ロジテックはエレコムとの合併後、サプライ/周辺機器市場の両方で再びこのバッファローと直接競合することになりますね。
このように、PC の周辺機器/サプライメーカーが相次いで事業の方向性を見直している背景には、既に成長市場とは呼べなくなった PC 市場の現状と、アジア圏(韓国・台湾・中国など)からの安価な製品の流入が大きな影響を与えていると言えます。長らく「Justy」ブランドで親しまれてきたサプライメーカー・トライコーポレーションが昨年夏に破産したのもまだ記憶に新しいところだとは思いますが、このときも PC 不況が主な原因と言われていました。
もはや単に「PC の周辺機器/サプライ品」というだけでは生き残るのは困難になりつつある PC 周辺機器市場。有線/無線 LAN 製品はネットワーク家電の影響で好調続きのようですが、PC 自体が以前ほど売れなくなった今では、単純にケーブルやマウスだけ売っていても事業としての拡がりが見えてこないのかもしれません。周辺機器メーカーが最近ネットワーク経由で MPEG や DivX を再生可能な DVD プレイヤーなどの製品「本体」に力を入れているのも、何か核となり得る製品を一つ持っておいてサプライ品との相乗効果を狙ったり、(ネットワーク AV 向けサプライ/周辺機器市場への大々的な転換も視野に入れた)PC だけにとらわれない製品展開を目指そうという動きなのではないでしょうか。ソニーも 2 年ほど前から「ネットワークアクセサリ」の製品カテゴリを再定義してケーブルやマウスなどのサプライ品にも力を入れてきましたが、これも同社のネットワーク戦略には実際の「ネットワーク」を物理的に構成するネットワークアクセサリ製品の充実が不可欠、と考えたからにほかならないでしょうし。

今回の発表により、やはり PC 周辺機器/サプライ品市場の(特に国内メーカーの)伸び悩みが明らかになっただけでなく、更に言えば PC 市場の飽和した現状が改めて浮き彫りになったと言えそうです。しかし、これらの市場はそこに PC が――だけでなく、究極的には電気製品が――ある限り決してなくならない市場でもあります。バッファローにしても新生エレコムにしても、総合力で勝負しようとしているのは、やはり価格で攻めてくるアジアブランドの製品に対して日本ブランドの信頼性や単体製品では出し得ないシナジーを訴えていく必要がある、と考えているからなのではないでしょうか。
個人的には、このような動きは今後しばらく続くのではないかと思っています。この様子だと、そのうちサンワサプライアイ・オーを買ったりしそうですが(笑、どうでしょうね。


■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1102/elecom.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0411/02/news065.html


[ 11 月の始めに ] 2004/11/01(Mon)
ウーファー付きコンパクト PC「VAIO type M」に廉価版が登場。
ニュースリリース
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_1101.html
現行機種「VGC-M30B/W」のスペックをそのままに MS Office の添付をなくして販売価格を下げたモデル。M30B/W より 2 万円下がって Sony Style 価格 \139,800 は勝負してる価格だと思います。パーソナルユースで Office が必要ないというユーザーも少なくないでしょうし、その気になれば StarSuiteLotus SuperOfficeOpenOffice.org という互換オフィススィートが半ばタダ同然の価格(あるいはホントにタダ)で手に入る時代ですから、必須でもないでしょう。
しかし今回の Office なしモデルの発売が type M の売れ行きへのテコ入れだとするとちょっと心配ですね。液晶一体型デスクトップで実売約 \160,000 というのは決して高くはないですが、既にノート PC とデスクトップ PC の出荷比率が逆転して久しい昨今、あえてデスクトップ PC を使うユーザーはどちらかというとノート PC もサブで使うパワーユーザーがメイン機としてパワフルなマシンを使うことの方が多いのではないかと思います。特にチューナを内蔵しない下位モデルは対象ユーザーが見えないと感じていましたが、やはりちょっと中途半端だったということでしょうか。さらに位置づけが中途半端になりがちな Office のバンドルをやめることによって、どれだけ製品としての方向性が見えてくるか・・・。
ま、この価格で「+MUSIC! +MOVIE!」キャンペーンの対象機種なので、お得感はありますけどね。


米国の PC 直販メーカー Gateway の日本再参入のニュースが。
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1101/gateway.htm
3 年前に経営状況の悪化から日本市場より撤退し、本国で再建を進めていた同社でしたが、この 12 月に再び日本市場に戻ってくることになりました。Gateway といえば牛柄のモチーフが有名で、一時は DELL や Compaq(現 HP)等と並ぶ直販低価格 PC の雄でしたが、あの勇姿が久しぶりに見られることになるんですね。
Gateway は今年に入って早々、「500 ドル PC」でシェアを伸ばしていた米 eMachines を買収し、全米ではシェア 3 位にまで浮上していました(余談ですが、eMachines はあの「e-one」の OEM 元としても一時話題になりましたね)。eMachines 製品自体は約 2 年前から石丸電気ツクモ上新電機ノジマなど家電量販店を中心に販路を広げ、格安デスクトップ PC として一定のシェアを得るようになってきていました。このことは親会社となった Gateway の日本再参入の可能性も含めて話題になっていましたが、遂に・・・という感じです。Gateway ブランドは日本復帰後も直販中心のスタイルになるでしょうが、既存の eMachines 販路を中心とした店頭販売のルートも押さえていくことになるでしょう。ライバル DELL も近年はリアルショップ「DELL リアルサイト」の展開に力を入れていたり、Sony Style でもリアルストアとの連携や大阪梅田への出店など、直販ではカバーしきれないユーザー層をカバーし、Web では提供しきれないリアルな体験を提供しようという動きが相次いでいますが、他社にはなかなか真似の出来ない低価格で地道に認知度を上げてきた eMachines ブランドを背景に復活した Gateway がどのような展開を見せるのか、注目すべきところです。懸念されるのは、eMachines ブランドの急速な拡大によって、PC のコモディティ化に拍車がかからないか、ということなのですが・・・PC が安くなること自体は歓迎なのですが、度を超したコストの圧縮は、メーカーにもユーザーにも必ずしも利益をもたらすとは言えませんからね。


本日より Sony Style にて大々的に QUALIA ブランドの取り扱いが開始されました。
http://www.sony.jp/products/Consumer/QUALIA/jp/products/
ソニスタで販売されることになったのは、SXRD HD プロジェクタ「QUALIA 004」とステレオヘッドホン「QUALIA 010」を除く QUALIA 全製品。インナーイヤーレシーバ「MDR-EXQ1」の取り扱いは NW-HD1 の発売と同時に開始されていましたが、QUALIA ブランドの正式ラインナップが QUALIA ストア以外から発売されるのはこれが初めてです。何度か QUALIA Tokyo に足を運んでいる身としては、やはり QUALIA を本当に買うなら直販でサクッと買ってしまうのではなくて、あの高級感溢れるショールームでコンシェルジュの方のアテンドのもと、QUALIA 体験をした上で直接購入したい、と思うのですが、どうでしょう。ここのところ Sony Style も QUALIA ブランドも急激に変化しはじめているのは確かですが、これが QUALIA にとって吉と出るか、凶と出るか・・・。このあたりについてはちょっと書きたいこともあるので、また改めて書いてみたいと思います。


# 気がついたら 2,500,000Hit 突破していました。どうもありがとうございます!

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[ 管理者:Brown Sugar 著作:じゃわ ]