VAIO Column |
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VAIO type B のマイナーチェンジモデルが発表になっています。 ニュースリリース http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0131_typeB.html VGN-B90PS [SPEC-S] http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/B/ 今シーズンモデルチェンジのなかった type B ですが、少し遅れてのマイナーチェンジ。ソニスタでの BTO のみという扱いで、ハードウェア仕様には特に変更がありませんが、ソフトウェア周りが大幅に変更されています。VAIO を VAIO たらしめているソニー製アプリケーションのほとんど(というか「Sony Notebook Setup」以外全て)がプリインストール/バンドルされなくなりました。ビジネス向けモデルということできっぱりと割り切った結果でしょうが、デザインが VAIO というだけでもはやこれは VAIO ではないのかも。ただ、旧モデルよりも大幅に価格を下げ、Windows XP Professional プリインストールながら最小構成で \99,800 と VAIO ノートとしては初めて 10 万円を切りました。企業での一括導入なんかを強く意識した価格設定ですが、最近の VAIO は type Y といいビジネス向けの廉価モデルを無理に売ろうとしているような。どこまで B2B 市場に本気なのかは判りませんが、IBM や東芝、松下のノート PC に負けない「ソニーならでは」の切り口がなければ、闇雲に VAIO ブランドの価値を落とすだけの展開になりかねません。VAIO ロゴが入っただけの DELL のようなマシンが増えないことを祈るばかりです。 一方で、みんな楽しみにしていた type T のニューモデルが発売延期に。 ニュースリリース http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0128_typeT.html 本来ならば今週末発売予定だった type T の Pentium M モデルが「3 月発売予定」に延期されました。理由は「一部基幹部品の調達遅れ」としていますが、超低電圧版 Pentium M 1.20GHz の供給量不足によるものとみて間違いありません。type T は初代から完成度の高い良いモデルでしたが、秋冬モデルでは DVD マルチドライブの供給不足から下位モデルが早々に生産完了してコンボドライブモデルに置き換えられるなど、なかなか部材供給に恵まれない不遇の道を歩んでいますね。マシンパワー的には Celeron M モデルでも不満を感じることはあまりないでしょうが、バッテリ性能を考えると Pentium M モデルが欲しいところ。 当然のごとく [Carbon Edition] もプロセッサに Pentium M を選択した場合は出荷が 3 月以降になってしまっています。ソニスタで予約した方の情報によると今注文しても受け取りは 4 月頃になりそうだとか・・・。そうなると 5 月の夏モデル発表が見え始めるわけで、夏モデルで Sonoma 搭載の可能性があるとなると現行モデルの購入は微妙なタイミングであるとしか言いようがありません。まあ、Sonoma 搭載といっても type T のようなウルトラポータブルクラスでは当面メリットといってもグラフィック性能がある程度向上しそうというところと、バッテリ性能が退化しそうなところ(これはメリットじゃないですね)くらいで体感できるほどの違いはあまりないとは思いますが、心情的には手を出しづらいタイミングになってしまうのは確かです。これは、夏モデルでの [Carbon Edition] の継続に淡い期待を抱きつつ、もうしばらくガマンした方がいいのかも・・・。 さて、Mac mini インプレの続編を期待している方も多いでしょうが、まだ書けるほど Mac mini を噛みしめられていないので、今日は久しぶりに例のものの話題です。 PSP 用の動画変換に対応した「Image Converter 2 ver.2.1」の正式リリースがようやく発表されました。 ダウンロードサイト http://www.jp.sonystyle.com/Nws/Software_dl/Pc/Software/Haa/2105710294200.html AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050131/sony.htm 製品版の公開は 2/8(火)。昨年 12/13 に発売されたプレビュー版の登録ユーザーは公約通り無償アップグレード対象で、さらには明日 2/1(火)から順次先行ダウンロードが可能になる模様。とはいえ、プレビュー版でもほぼ一通りの機能は使用可能だったので、正式版での変更は細かなバグフィクスが中心となるでしょうが、正式版ということで一応の安心感があります。ま、正式版といってもバグがなかなかなくならないのがソニー製アプリの常ではありますが(ぉ というわけで、正式バージョンの公開直前ではありますが、私が最近になってようやく試すことのできた PSP の動画再生機能について、触れてみたいと思います。 まずは、メモステ。手持ちのメモリースティックが最大でも 256MB のメモリースティック PRO Duo 止まりだったので、512MB のメモステ PRO Duo を購入しました。PSP 効果で一時はかなり品薄にもなったという 512MB のメモステ PRO Duo ですが、最近では供給状況も改善され入手性は良くなっているみたいですね。また、秋葉原等では青い SanDisk 製メモステ PRO Duo の並行輸入品が \8,000〜9,000 程度で流通しているようなので、複数枚購入するならこういうのを狙ってみるのも良いかもしれません。 ついでにメモステリーダも買い換えてみました。私は以前からソニー純正の「MSAC-US20」を使っていたんですが、最近メモステ Duo の方が出番が多くなってきた(というか、実質ノーマルサイズのメモステは使わなくなってしまった)ので、Duo を使うときにいちいちアダプタを使わなくていいメディアリーダが欲しくなり、マルチリーダを購入しました。マクセルの「UA20-MLTII」という製品です。マルチリーダはいろんなメーカーから出ていますが、Duo アダプタ不要(もちろんノーマルサイズのメモステにも対応)のタイプではこれあたりが一番無難なデザインかな。私はスマメや SD はほとんど使わないのでほぼ Duo と Microdrive スロットしか出番がないですが、今後 SD/miniSD 対応機器が増えるかもしれないので・・・。他メディアの出番が少ないためソニーの「MSAC-US30」も検討したんですが、メモステ/Duo 専用なのにサードバーティ製より割高で、他メーカー製にない特徴といえば OpenMG 対応くらいだったので却下しました。MG メモステで音楽ってほとんど聴かなくなりましたし、US20 もありますし。ちなみに、マクセルからは xD カードにも対応した後継機種「UA20-MLT3」というのも既に発売されており、在庫処分なのかヨドバシでは旧モデルが特価になっていました。 で、Image Converter。 PSP の動画機能に関しては既にあちこちの Web や blog で書かれているのでもはや目新しいこともないのですが、とりあえず使ってみました。フリーウェアで「携帯動画変換君」という変換ソフトも存在するのですが、少し使ってみたところややマニアックなツールなので Image Converter の方がお手軽に使えそうな感じでした。変換後の画質という点では携帯動画変換君の方が高いようですが、PSP の画面サイズ・解像度で観るコンテンツにそこまで手間暇をかけるよりはお手軽にサッとエンコード〜転送して気軽に楽しむ、という方が PSP のユーセージに合っていると思うので、一般には Image Converter で十分でしょう。 私は PC でテレビ録画をしていないので、何とかして PC にテレビの映像を取り込む必要があります。そこで、久々に引っ張り出してきた PCG-C1MSX。Giga Pocket LE 搭載の C1 です。これでテレビ番組を録画し、Giga Pocket のプラグインとしてセットアップした Image Converter から直接 MP4 に変換してやりました・・・が、非力な Crusoe ではエンコードに放送時間の 3〜4 倍はかかってしまいました(>_<)とりあえず必要そうなシーンだけ切り出してからエンコードすれば、と思ったのですが、Giga Pocket LE にはプレイリストビルダーが含まれていないのでカット編集できないという・・・だめじゃんorz でも、なんとかして PC に動画を取り込みたい・・・そこで考えたのが、PSX で録画した番組を DVD-R にダビング→PC で取り込み→Image Converter で変換、という手順。DVD から PC への取り込みはともすれば違法っぽいツールを使わなくてはならないかと思いきや、DVD-R 内の .vob ファイルをエクスプローラ上で HDD にコピーし、拡張子を「.mpg」にリネームするだけであっさりと Image Converter が対応フォーマットとして認識してくれました。市販の DVD-Video などでは暗号化されているのでたぶん無理でしょうが、デジタルレコーダで作成した DVD ならばこの方法で簡単に取り込みできるようです。まあネットワーク経由とかではなくて物理メディア経由というのがあまりスマートではありませんが、PC 自体にテレビ録画機能がついていない場合には実際この方法がいちばん手っ取り早いのではないかと思います。DVD-RW あるいは +RW メディアを使うようにすればメディア代も無駄になりませんしね。 そんなわけで、変換してみました。 一応 Pentium 4 機なのでそこそこストレスなく変換できます。1 時間番組でも適当に毎日の Web 巡回ルートを回っている間に変換完了しているくらいの感覚。通勤用に 1〜2 時間分のテレビ番組を変換してメモステに転送、という作業を毎日やるのにもそれほど苦にはならないと思いますが、やっぱり PC で直接録画できるに越したことはないですね。 画質の方はというと、 思ったよりきれいです。以前、SO505iS でモバイルムービーを試したときにはそこそこ高画質ながらも画面サイズが小さいために迫力に欠け、動きの大きい場面ではブロックノイズが目立ってしまってちょっと・・・しかも起動にも時間がかかるし・・・ということがありましたが、PSP の画面サイズ程度ならば視聴位置(両眼)から画面までの距離もあいまって十分「観賞に堪える」画質だと感じました。内蔵スピーカも音楽鑑賞できるクオリティではないですが、テレビの音を出すくらいならちゃんと聴けるレベル。リアルタイム視聴ができないことを除けば、安物のポータブル液晶テレビよりも映像と音の質は高いかも・・・。少し気になったのは(これはエンコーダの Image Converter の問題なのか、PSP 側の問題なのか分かりませんが)動きの速い場面やカットの切り替えなどの際に少し残像が残って見えること。ニュースやバラエティ、ドラマなどのコンテンツではあまり問題になることはないでしょうが(人によっては気になるかもしれませんが)、動きの速いスポーツ系のコンテンツを楽しむのにはあまり向かないような気がします(Image Converter の設定をいじるか、携帯動画変換君を使ってエンコードすれば改善できるかもしれませんが)。しかし、SD クオリティのコンテンツで、しかもモバイルということで内容を選べば十分に楽しめるのではないかと思います(少なくとも 768kbps くらいのビットレートがあればブロックノイズが気になる場面もさほど見当たりません)。さらに PSP を airboard 化するアプリケーションも開発中とのことなので、家庭内であれば PSP でリアルタイム視聴や DVR に溜めたコンテンツからのオンデマンド視聴も不可能ではなくなるのかも。 問題は、相変わらず持ち歩いてまで観たいと思えるコンテンツが見当たらないことでしょうか・・・PSP のゲームタイトルも現状さほど興味をひかれるものがありませんし、UMD の映像コンテンツもまだ当分は登場する予定がない(せいぜいガンダムが発売予定というくらい)ですし、最近は PSP はもっぱら Cyber-shot のお供(大画面の画像ビューワ)としてしか活躍していないんですよね。とはいえ、動画関連では主に PSP をターゲットとしたメモリースティックビデオフォーマットの動画配信サービスが意外な人気を集めているという話ですから、こっち方面から盛り上がってくれても面白いんじゃないかと思うんですが・・・。 |
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買ってしまいました。Mac mini を。 http://www.apple.com/jp/macmini/ 発表当初からかなり迷ってはいたんですよね。ちょうど NAS にできるマシンが欲しいと思っていたり、UNIX 系 OS とか Apache とかの勉強を改めてしたいと思っていたりしていたところでしたし。「安くてコンパクトな UNIX ベース機」というだけで十分購入に値するマシンだと思っていました。あとは静粛性と拡張の容易さだけだと思っていたのですが、先に米国で発売されてどちらも問題なさそうなレベルということで、かなり購入に傾いていました。 で、昨日。Apple のオンラインストアでは注文せず、とりあえず販売店に行ってあったら買ってみよう、くらいの勢いで川崎ヨドバシに行ってみました(Mac mini はパッケージも小型なので、オンライン購入せずに店頭で「お持ち帰り」の方が面白いだろうな、というのもあった)。9:30 開店のところ 9:15 くらいに行ってみたら、既に 10 人程度の行列。開店時刻には、私のあとにさらに 30 人近い行列が・・・こんな地味な場所のヨドバシですらこれなんだからかなり人気があるんだな、と・・・開店時刻に入口が開けられて、みんな急いて店内に入っていきます。私もそのあとについて行って・・・ってここゲーム売り場ですから!!!どうやらみんな何かのゲームの発売(もしかすると PSP の入荷日だった?)に並んでいたようです(ぉ 私一人で Mac 売り場に行ってみると、どうやら当日店頭販売はない模様。仕方ない、銀座に行くか(ってこの時点で当初のノリを忘れてなんとしても買うつもりになっている)。 そして、はるばる、Apple Store 銀座・・・到着したのは開店直後の 10:10 頃。おお、けっこうな人が並んでいる・・・でも思ったより少ないかも?既に購入を終えて店舗から出てきた人もいるみたい。10:25。店内に入ることができ、ほどなくして Mac mini を一台確保。なんかまわりじゅうの人が Mac mini を 2 個とか iPod shuffle を 3 個とか抱えてるんですけど!!!(当日は iPod shuffle 1GB の入荷日でもあり、どちらかというと iPod shuffle 目当てのお客さんの方が多かった)。で、私も Mac mini を抱えたままレジの行列に並ぶ。並ぶ。並ぶ。並ぶ・・・ 11:35。一時間以上列に並んでようやく支払い完了。という感じで、Mac mini が手に入りました。結局、iPod shuffle、Mac mini ともにそこまで焦らなくても Apple Store では手に入った模様(正午頃には入店待ちの行列はできておらず、店内のレジ待ち行列だけという状態だった)。こんなことなら最初から銀座に行っておけば良かった・・・。 私が購入したのは Mac mini 1.42GHz のほう。CPU パワーが必要だったわけではなくて、NAS や Web、iTunes サーバとして使うなら HDD は大きい方がいいだろうということで HDD 容量で選択しました。HDD は FireWire や USB 2.0 で外付けするという手もありますが、それだとコンパクトな Mac mini の良さを殺してしまいますからね。 本体デザインは本当に iPod mini と共通のイメージ。素材感とか雰囲気まで iPod mini を意識させるようになっているのがうまいですね。私の持っているブルーと同カラーがあればもっと楽しかったんですが。でも今回のモデルの売れ行き次第ではカラバリも追加されるんじゃないでしょうか。 今回はとりあえずオプション無し。メモリ追加もしない本当の素の状態で本体だけ買ってきたのですが、WinXP と違って基本的なアプリを動かすだけなら 256MB でもいけないこともない感じ。「Nanosaur 2」みたいな重めのゲームを動かすと確かにカクつきますが、Mac ではゲームしないからなあ。当面はこのまま使ってみて、サーバを起ち上げたりして少し重いようならメモリ増設を検討しようと思います。 本体前面にはスロットイン式の DVD-ROM/CD-RW コンボドライブと電源状態を示す小さな白色 LED がついているだけで、主要な I/O は全て背面に配置されています。向かって左から順に電源コネクタ、Ethernet(100BASE-TX)、モデム、DVI-I 出力、USB 2.0×2、FireWire 400、ヘッドホン出力。盗難防止用のセキュリティスロット(Kensington 対応)も備えています。また、電源ボタンも背面にきていますが、これはもうほぼ常時稼動が前提ということなのでしょうか。 底面はゴム(Apple ロゴ入り)になっており、コンパクトで軽い Mac mini でも滑りにくいようになっています。排熱用のスリットもありますね。 Mac mini の小ささを示してみました。 16.5cm 四方の筐体は本当に CD のジュエルケースより一回り大きい程度。VAIO U101 と比較してもほぼ同程度のフットプリント(高さは Mac mini の方が 1.5 倍ほどあります)というと、本当に小さいことが分かるでしょう。最新の G5 プロセッサではないとはいえ、GHz クラスの G4 Mac がこのサイズに凝縮されていると考えると、ちょっと感動モノ。 付属の AC アダプタは大きいらしい、と聞いていましたが、実際には本体と同幅に合わせられており、思ったほど大きくはありません。ノート PC の AC アダプタと比較すると大きいですが、持ち運ぶわけでもないですし、机の上に置きっぱなしになるわけでもないのでまあこんなものでしょう。 ディスプレイ出力端子は DVI-I コネクタなので、アナログ接続のために DVI-I−RGB 変換コネクタが付属しています。Apple っぽい形の白いコネクタですが、両サイドに回しやすいネジ頭がついているなど心憎い気配りがなされています。 このほか、ハードウェア的なインプレや例によっての分解記事はとりあえずこちらを押さえておけば問題ないかと。 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0129/apple2.htm 一通りの接続を終えて、電源を投入・・・「ジャーン」おぉ・・・Mac の起動音。久々に聞いた・・・ってことでちょっと感動。本体から音が出ているのですが、ビープ音用にしては本体サイズの割にそれなりにしっかりしたスピーカを内蔵しているようで、けっこうちゃんと鳴るのでびっくりしました。 WinXP なんかよりもよっぽどシンプルで洒落た初期設定画面を進め、ものの数分でセットアップ完了。ああ、確かに Windows よりもとっつきやすいし、センスも良い。Mac は昔 DTP の会社でアルバイトしていたときと大学の研究室でそれなりに触った経験はあるのですが、せいぜい OS 7.6 頃から OS 9 の出始めの頃までなのでほとんど感覚を忘れていました。すっかり Windows に慣れてしまった身体には、いろんな意味でほんとに新鮮ですね・・・。ソフトウェア周りに関してはまだほとんど触れていないので回を改めて書きますが、とりあえず Safari なり IE なりで Web を巡ってみたところ、文字の全てがアンチエイリアスのかかった綺麗なフォントで表示されるのが却って落ち着きません(笑。 ところでウチの Mac mini の環境ですが、以下のような構成で使うことにしました。 モニタ(SDM-S204)とスピーカ(MSP3)は自作機と共用。モニタは RGB 端子が空いていたのでアナログ接続ですが、UXGA(1,600x1,200)でも滲まずくっきりと表示されています。MacOS X 自体がウィンドウからフォントまでアンチエイリアスがかかっているので、多少の滲みがあっても気づきにくいというのもあるかもしれませんが(^^; キーボードは当初 U101 のために購入してほとんど使わないままお蔵入りになっていた HHKB Lite2 を、マウスはロジクールのチルトホイールマウスを買ってから使わなくなっていた PCGA-WMS5 を流用しました。こうして考えると、Windows ユーザーでモニタとスピーカの入力端子に余裕があって、USB キーボードもマウスも余っていて、家庭内サーバを構築したくてそろそろ Mac にも興味があって小さいマシンが大好きで iPod mini も持っているという、私って Apple が考える Mac mini のターゲットそのものじゃないか(ぉ そんなわけで、とりあえず↓な感じでセットアップが完了しました。 ある程度使ってみて、やっぱり縦置きにすると何かの拍子で本体が滑ったときに筐体に簡単にキズが入りそうだったのと、騒音源を少しでも耳から遠ざけるためにデスク下の自作機のハコの上に移動させました。自作機のケースもアクリルパネルとアルミ素材を使った白い筐体ということで、違和感なく収まっています。 個人的に最も興味のあった動作音ですが、やはり完全に無音とはいきませんね。デスク上に置いていたときは、確かに冷却ファンの小さな動作音が聞こえていました。とはいえ、PSX の動作音よりは圧倒的に静かで、最近の PS2 の音よりも静かじゃないかと思うくらい。デスク下に移動させてからは耳からの物理的な距離が遠くなったことと机の天板があることでさらに静かになり、通常の生活音にかき消されてほとんど気にならないレベルになったと思います。実際、起動させたまま(特に負荷はかけない状態)で一晩放置してみましたが、寝室を兼ねている私の部屋でも眠りを妨げられることはありませんでした。デフォルトでは待機時には自動的に HDD の回転を止める設定になっているのか、待機状態からの復帰時にディスクのスピンアップ音(かヘッドの復帰音)が聞こえて一時的に音量が上がりますが、その程度かな。Pentium 4 機の中では比較的静音だと思われる私の自作機よりも圧倒的に静かだと思います。これならば Column 執筆作業が深夜になるときには Mac mini で全ての作業をやってもいいくらいなのですが、Happy Hacking Keyboard のキー配列([Ctrl] が左下にない、[Del][Backspace][Esc][~] キーの配置が特殊、[F1]〜[F12] キーが [Fn] とのコンビネーションでしか出せない)が実はちょっと苦手なのと、「ことえり」の日本語変換の精度がやっぱりダメなのがネックですね。FEP は ATOK for Mac を導入すれば何とかなりますが、Windows と Mac で二重にバージョンアップ費用がかかってしまうのがちょっと・・・。あとマウスがワイヤレスなのでできればキーボードもワイヤレスにしたいところ。テンキーレスで標準的なキー配置のワイヤレスコンパクトキーボードがあるといいんですが・・・って、ATOK とキーボードを買ってしまうと当初の「低コストで」という Mac mini の導入理由と矛盾してしまうので、これまた微妙・・・難しいところです。 とにもかくにも、まずは MacOS X に慣れるところからですね。もうしばらくいろいろ試行錯誤してみよう。 |
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米 Sony にて Cyber-shot の新型「DSC-W5」が発表されている模様。 デジカメ Watch の記事 http://dc.watch.impress.co.jp/cda/compact/2005/01/27/833.html dpreview.com の記事 http://www.dpreview.com/news/0501/05012701sonydscw5.asp スタンダードなコンパクトタイプデジカメ「W」シリーズの後継機種。来月の「PMA 2005」を控えての発表でしょうか。 今回の W5 はかなり地味なマイナーチェンジ。メモリースティック PRO スロットのほかに 32MB のフラッシュメモリを内蔵し、メディア無しでも数枚の撮影が可能になりましたが、変更点といえばその程度。外観が少し変わったことと、液晶モニタが 2.5 型 11.5 万画素とむしろ解像度が低くなっている(?)点も違っていますが、これ以外に新しいポイントは見出せないですね。ソフトウェア面では最新の Cyber-shot シリーズと同等のアップデートが行われていると思いますが、これだったらむしろ型落ちで安くなった W1 でいい気がする・・・。 国内での正式発表は日本国内向けには未発表の「DSC-P200」と同時発表になる可能性が高いですね。PMA 2005 の開幕頃までにはアナウンスされるのでしょうか。 ところで、あまり関係ないですが、この記事を書くためにアメリカの Sony Style サイトを眺めていて気づいたこと。US では DSC-F828 や DSC-V3 は「Cyber-shot Pro」というブランド分けがされているんですね。Cyber-shot Pro といえば、1999 年頃の「DSC-D700」が「Cyber-shot PRO」ブランドで発売されましたが、それ以来の復活ということになりますね。確かに F828 や V3 のようなマニュアル志向のハイエンド機は「Cyber-shot PRO」の後継に相応しい、と思っていましたが、海の向こうではちゃんと PRO ブランドで売られていたとは。 ちなみに、DSC-W/P/T/F88/L シリーズは「Cyber-shot Point & Shoot」シリーズ、Cyber-shot M シリーズはそのまま「Cyber-shot M」シリーズとして発売されています。ハイアマ/セミプロ向けの高級機、お手軽なコンパクトオート機、ムービー録画機という棲み分けが日本以上に明確になっていますが、Cyber-shot M シリーズが他シリーズとはちょっと違う位置付けとしてブランディングされているところが興味深いです。やはり、今後は SD ムービーは動画対応デジカメで録画し、カムコーダは HD 録画や DVD 録画など付加価値の高い方向へ移っていくのでしょうか。そういう意味では、Cyber-shot W シリーズや P シリーズよりも、DSC-M1 に続くムービー用 Cyber-shot シリーズや、3CMOS な Handycam DCR-PC1000、より小型・大衆向けの HDV Handycam の登場が気になるところです。 |
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低消費電力のプロセッサ「Crusoe」「Efficeon」で知られる Transmeta の再建策に関するニュース。 PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0124/transmeta.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0125/transmeta.htm 今月 4 日にライセンス事業の強化を発表し、x86 互換プロセッサの開発・生産事業の見直しを行うとした Transmeta でしたが、最終的には x86 互換プロセッサ事業から撤退し、技術資産・知的資産のライセンスのみに注力する結論を出したようです。一時は身売り説も流れていましたが、このニュースを見る限り少なくとも当面の事業売却はなさそう。 Transmeta といえば、高消費電力・高発熱化にあえぐノート PC 向けプロセッサ市場にエポックメイキングな新プロセッサ「Crusoe」とともに鳴り物入りで参入し、一時はソニーをはじめとする大手 IT 企業の出資を受け、VAIO や LOOX といった大手メーカー製のサブノート/ミニノートに軒並み採用されるようにまでなった x86 互換 CPU ベンダーでした。しかし、同クロックの Mobile Pentium シリーズに大幅に後れを取るパフォーマンスに加え、TM5800 の量産の遅れなどから徐々にシステムベンダー/エンドユーザーからの信頼を失い、起死回生に投入した「Efficeon」プロセッサも結局は採用が進まないままじりじりとシェアを失っていきました。Efficeon に関して言えば、性能自体は同クロックの Pentium M に匹敵するパフォーマンスを実現していながら、Intel の Centrino プラットフォームの勢いとそれに乗って製品開発を進めてきた各 PC メーカーの方針を覆すことができず、現時点で Efficeon を採用している大手メーカー製 PC といえば 10.4 型以下のモバイル「MURAMASA」シリーズくらいのもの。Efficeon は良いプロセッサでしたが、 一時的に話題に上った(というより、以前から何度か同様の噂はありましたが)買収説には Intel、AMD ほか Samsung、Microsoft、富士通などが候補として挙がっていたようです。中でも AMD については以前から HyperTransport 技術のライセンスなど互いに密接な協力関係にあり、それぞれの持つ CPU も補完関係にあることから、AMD が Efficeon およびその派生プロセッサを保有することになれば面白いことになりそうだったのですが、今の AMD はどちらかというと 64bit CPU の展開と Opteron によるサーバ市場への挑戦に注力したいところでしょう。Intel に関しては Centrino 以前であれば敵対的買収のセンもあったのでしょうが(現在の Crusoe/Efficeon のシェアからいって敵対的買収を行う意味があるほど影響ある CPU ベンダーではなくなってしまった)、今となっては次世代 CPU に搭載される「PARROT(Power AwaReness thRough selective dynamically Optimized Traces)」アーキテクチャ(Crusoe/Efficeon の CMS と同様に、シンプルな構成の CPU で x86 命令をエミュレートするアーキテクチャ)や次世代 SpeedStep テクノロジ等で活かせる技術も多いため、買収によるメリットは少なくなかったかもしれません。 結果的にはライセンス事業への集中という形となり、ライセンス先は NEC(2004/3)・富士通(2004/12)・ソニー(2005/1)となりましたが、いずれも半導体事業をもつ日本の IT/家電メーカーであるあたりが興味深いですね。上記メーカーがこれから x86 互換 CPU を開発して市場に投入する、ということはまずありませんが、ライセンス対象となっている技術が低消費電力技術の「LongRun2」のみであるところが興味深いです。この技術が利用されそうな用途としては、真っ先に思い浮かぶのは携帯端末(携帯電話、PDA、携帯ゲーム機など)でしょうが、それ以外にも低発熱・低消費電力であることが求められる IT 家電(主なところではデジタルレコーダ)向けの半導体などにも応用されていくでしょう。垂直統合型の製品開発をキーワードに事業の見直しを図り、日本メーカーならではの製品づくりを目指す昨今の国内家電メーカーが軒並み LongRun2 のライセンスを受けたことは、ある意味今後の日本メーカーの動向をさらに強く確信させます。もしかしたら、近い将来に松下や日立、東芝といったメーカーが同様の技術を開発、あるいは技術提携する可能性すら考えられますね。 個人的には Crusoe は PCG-C1VJ との出会いによってこのサイトの方向性に少なからぬ影響を与えたプロセッサだったので、今回の発表は少し寂しくもありますが、これも時代の流れでしょうか。いずれは C1VJ の子孫ともいえるデジタルレコーダを購入する日が、やってくるのかもしれません。 |
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ソニーから PC 用液晶ディスプレイの新型 2 機種が発表に。 SDM-HS95P http://www.ecat.sony.co.jp/computer/display/products/index.cfm?PD=20210&KM=SDM-HS95PB SDM-HS75P http://www.ecat.sony.co.jp/computer/display/products/index.cfm?PD=20211&KM=SDM-HS75PB_PS PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0124/sony.htm 先日の International CES で先行発表されていた製品。「フローティングデザイン」で人気となった「HS」シリーズディスプレイの後継機種です。旧 HS シリーズやビジネスパーソナル向けの S シリーズよりもスペックが向上し、応答速度 12ms、最大画面輝度 450cd/m2、コントラスト比(最大)1000:1、視野角(水平/垂直)170/170°となっています(HSx4 シリーズは応答速度 12ms、最大画面輝度 400cd/m2、コントラスト比(最大)500:1、視野角(水平/垂直)160/160°。Sx4 シリーズは応答速度 25ms、最大画面輝度 250cd/m2、コントラスト比(最大)600:1、視野角(水平/垂直)170/170°)。HS シリーズより額縁が狭くなり、デザインもスッキリしてかなりイイ感じなのですが、ちょっと価格が高め(HS95P が \90,000 前後、HS75P が \60,000 前後)なのが気になります。今や 20.1 インチ UXGA ディスプレイが \100,000 を切る時代ですからね・・・それぞれの画面サイズの相場+\5,000〜10,000 くらいならばデザイン料と割り切ってもいいんですが。早めの価格改定に期待でしょうか。 NTT DoCoMo の新 i モード端末「premini-II」。 ニュースリリース http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/05/whatnew0124.html 製品情報 http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/products/mova/premini2/ http://www.sonyericsson.co.jp/product/docomo/premini2/ ケータイ Watch の記事 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/22295.html i モード対応携帯端末として世界最小・最軽量となる「premini」シリーズの後継機種。旧機種よりもサイズは大きくなりましたが、5xxi シリーズと同等のスペックを搭載し「カメラ付き i モード端末として」世界最小・最軽量を実現しています。 マクロ対応 130 万画素デジタルカメラ機能、音楽再生機能、1.9 インチ QVGA(320x240)液晶、メモリースティック Duo スロット内蔵という SO505i をほぼそのまま premini クラスのサイズに凝縮したようなスペックになっています。旧 premini よりも一回り大ぶりになってしまいましたが、premini ではちょっと足りないと感じていた機能が追加されたり、イヤホンマイク端子やクレイドル端子が追加されているところもけっこう重要なポイントでしょう。音楽再生機能はどうせ ATRAC3 専用でしょうし、カメラ機能も大して必要とは感じないのですが、全体的に premini よりもバランスの良い端末になっていると思います。デザインも premini より好みですし、使い勝手もこれくらいの大きさがあった方が良さそう。そして何よりカラーバリエーションに Brown が(ぉ 今使っている SO505iS が来月末には 10 ヶ月になるので、これは買い換えろということでしょうか・・・でも、夏には SO901i が出そうな気配もあるんですよね。悩ましい・・・。 |
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ソニーから液晶テレビ「WEGA」のニューモデル発表。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200501/05-0120/ 製品情報 http://www.ecat.sony.co.jp/wega/products/products_lineup.cfm?LST=lcd AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050120/sony.htm 32V、26V、2V3、19V 型の 4 モデル。ディスプレイパネルはハイビジョン(720p)対応の 1,366x768ドットを採用(19V 型は 1,280x768)し、地上アナログ・地上・BS・CS デジタルチューナを内蔵したシンプルな液晶テレビです。自己主張のあまり強くないシンプルなデザインを採用し、チューナ内蔵モデルとしては世界最薄・最小幅がセールスポイントとなっています。ラインナップ的には従来の液晶 WEGA RX シリーズの後継となるのでしょうが、小型モデルに向けてラインナップを拡充したことと、万人受けを狙ったシンプル&省スペース路線にシフトしたことが旧モデルとの違いでしょうか。内蔵アンプがデジタル化されたことで高音質を狙いながら小型化が実現できたようですが、筐体の容積が小さくなっているので音の迫力はむしろ少なくなっている可能性があります。 今モデルでは発表時点の予想価格ベースで全機種がほぼジャスト \10,000/inch を達成できたのがポイントでしょうか。デザインのほかには「WEGA ENGINE HD」や「S-Master サウンドエンジン」が内蔵されていなかったり、XMB など WEGA の「核」ともいえるテクノロジーがほとんど省略された徹底的な低コストモデルですが、上位機種「HVX」シリーズとあえてサブブランドを分けた「ハッピーベガ」を掲げたことで、「スゴ録」に共通する分かりやすさをユーザーに伝えることができるかもしれません。むしろ、もはやソニーでもトップクラスの売れ筋ブランドとなった(価格下落のせいで収益の柱とはなり得なかったようですが)「スゴ録」と共通のイメージをもたせる(ブランドロゴも「スゴ録」に合わせてあります)ことで、ソニーが今後力を入れていく液晶テレビのブランド力を早いうちに高めておきたい、という思惑が感じられます。ただ、ライバルではシャープが「AQUOS」の圧倒的なブランド力を誇っていたり、松下や東芝がデジタルレコーダとの連携機能をプラズマ/液晶テレビのセールスポイントとしていたりするところに、単純なイメージ戦略というマーケティングがどこまで通用するか、というところでしょう。市場の反応次第ではまた以前のような値下げ攻勢に出る可能性もあります。 Intel から新 Centrino プラットフォームが正式発表に。 ニュースリリース http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2005/050119a.htm PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0119/intel1.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0119/intel2.htm ITmedia の記事 http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0501/19/news011.html http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0501/19/news063.html 国内ではソニーをはじめほとんどの PC メーカーから搭載機種が発表済みという状況ではありますが、新 Centrino プラットフォーム(コードネーム「Sonoma」)が正式に発表されました。プラットフォームを構成するデバイスは、FSB 533MHz に対応した Pentium M(Dothan コア)と PCI Express/SerialATA/DDR2/FSB 533MHz などをサポートする Intel 915 Express シリーズチップセット(コードネーム「Alviso」)、IEEE802.11a/b/g 対応に対応するワイヤレス LAN モジュール「PRO/Wireless 2915ABG」または IEEE 802.11b/g 対応の「PRO/Wireless 2200BG」という組み合わせ。新世代のノート PC を構成するプラットフォームとしては次世代 PC カード「ExpressCard」を除くひととおりが出揃ったことになりますね。 謳い文句としては「バッテリ性能を維持しながら高性能化」とのことですが、VAIO type S などの搭載製品を見る限り消費電力はアップしてしまいそう(type S の場合は搭載ビデオチップの GeForce Go 6200 が電気喰いという要因もあるのでしょうが)。とはいえ FSB が高速化しているので、消費電力の増加はある程度は致し方ないところでしょう。現状では 12 インチ以下のモバイルノートで Sonoma 対応機がほとんどありませんが、低電圧版/超低電圧版 Pentium M が FSB 400MHz で据え置かれているため慌てて Sonoma 対応にする必要性も薄い、というメーカーの判断でしょう。夏モデルあたりでじっくり練ったモデルチェンジが行われることを各社に期待したいです。 Sonoma プラットフォームを構成するチップセット i915 Express シリーズでは、グラフィック機能統合版チップのスペックが大幅に向上していることもポイントです。i915GM シリーズに内蔵されているグラフィックコア「GMA900」は DirectX 9.0 世代のコアとなり、処理性能が旧 Centrino プラットフォームのグラフィック内蔵チップセット i855GM シリーズの約 2 倍に向上しているとのこと。i855GM のグラフィック性能では 3D ゲームはまともにプレイできませんでしたが、ベンチマーク(3DMark2001 SE)ベースで約 2 倍のスコアをマークしているということで、3D ゲームもそこそこ楽しめそう。グラフィック性能にクリティカルに影響するメモリ帯域の都合で、FSB や対応メモリに制限のある低電圧版 CPU を搭載するモバイル機ではそこまでのパフォーマンスは出ないでしょうが、それでも現状の Centrino 機よりは期待できそうです。 個人的には Sonoma そのものよりもむしろ発表会で行われたという FFXI のデモの方が気になります(^^;超低電圧版 Pentium M+i915GML の組み合わせで FFXI がそこそこ快適に(SVGA〜XGA 程度の解像度でもストレスなく)プレイできるようならば、モバイルヴァナディール機として次期 type T を買ってもいいかなと思います。ExpressCard も登場しておらず、HDD も高速とはいえない 1.8inch が主流となっている小型モバイルノートではまだ Sonoma プラットフォームを搭載するメリットが薄い(というよりも消費電力の問題があるためモバイルでは Banias 世代の Centrino プラットフォームの方が有利な面もある)ですが、低電圧版 CPU と i915GM チップセットの組み合わせによる 3D 性能次第では、モバイルで楽しみたいゲームユーザーも注目に値するプラットフォームとなりそうです。まだサンプルとなりそうなマシンは NEC の VarsaPro モバイルノートくらいしかありませんが、このマシンのベンチマーク結果が出てくるのにちょっと期待してみたいと思います。 |
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本当は 10 日ほど前に書こうと思っていた話なのですが、年明けから新製品発表や展示会が相次いで書く時期を逃してしまいました。今日は、その私が最近とても気になっていたお話を、ひとつ。 少し前の裏編集後記のエントリで、こんな話題がありました。 http://blog.livedoor.jp/takeshi_a/archives/11794857.html 量販店の CD 売場が縮小されているというお話です。ちょうどこの日くらいに、私もレコード店に立ち寄って同じようなことを感じました。出かけたついでに、久々に銀座ソニービルの向かい・モザイク銀座阪急内の HMV に立ち寄ったのですが、テナントの売場面積が以前の半分程度かそれ以下に縮小されているではありませんか。モザイク銀座阪急は昨年 10 月に旧数寄屋橋阪急がリニューアルオープンした店舗で、このリニューアルの際にテナントの入れ替えも行われたものと思われますが、それにしてもかなり規模が小さくなっていてショックを受けました。 DVD 売場の拡大に伴って音楽 CD の売場が縮小しただけならまだしも、テナント面積自体が縮小しており、洋楽は私の好きな Dance & Soul コーナーが通常の Rock & Pops コーナーに統合され、メジャーどころのタイトルしか並べられなくなりましたし、クラシック売場に至っては売場そのものが消滅しているという有様。昔はクラシック売場は他の売場とは壁とドアで仕切られ、照明も他の売場より落ち着いたもので、良い音楽を良い環境のもとで試聴できる環境が用意されていたものですが、「売れない」の一言で売場を畳まれてしまったのでしょうか。 このことは、数寄屋橋阪急の HMV に限ったことではありません。最近では、マルイに入っている Virgin など、デパートや商業ビルにテナントとして入っているレコード店の多くが売場を縮小しているようです。さらに、その狭くなった売場面積のさらにかなりの割合を DVD 売場が占めるようになっているという状況。店舗にもよるでしょうが、多くの店舗で全体の 1/3 から半分近いスペースが DVD 売場となっているのではないでしょうか?今では、自分が欲しい CD を手に入れるにはビル単位でレコード店をやっている大型店に足を運ぶか、オンラインストアで購入するかしないとなかなか欲しいタイトルに巡り会えなくなってしまっています。これは、音楽は自分の心を活かす糧である、とすら思っている私にとって、この上なく悲しい出来事です。 現在のレコード店は、音楽 CD が売れなくなってしまった分を DVD の売り上げで補填している面が大いにあると思います。確かに、一時期の CCCD の増加などによって消費者の音楽離れが進んだこと、そして DVD の驚異的なまでの低価格化によって、「映像がついていて安い DVD」と「映像もなく取り扱いも面倒なのに高価な CD」というイメージができてしまい、マーケットの人気という意味ではもはや完全に CD と DVD は逆転してしまった、と言えるのではないでしょうか。しかし、話は単純に CD の市場が DVD に引き継がれた、というだけではないと思うのです。 ライターの小寺信良氏が時折述べている「音楽で起きたムーブメントは、数年後には映像の世界で起きる」という言葉には私も全くの同意なのですが、要するに単純に CD の代わりを DVD に求めているだけでは、CD や DVD に限らずパッケージメディア自体の将来がない、ということです。確かに DVD はシュリンクした音楽市場の一部を拾ったものの、それ以上の割合で音楽 CD は他の媒体やコンテンツ――即ち Web や携帯コンテンツ、映像や音楽のオンライン配信など――に市場を奪われてしまったというのはもはや疑いようのない事実。レコード店が単純に CD 売場の一部を DVD 売場に転換するだけでは、いずれ DVD 市場のシュリンクが始まったときに(もはや DVD 市場も飽和状態にありますが)今度は空いた売場に置くものがない、ということにもなりかねません。SACD や DVD-Audio が CD をリプレースできなかったのと同じように、次世代 DVD(BD、HD DVD)も UMD も現在の DVD のマーケットを完全に置き換えるものにはなり得ないでしょう。 つまり、極端な話、このままでは将来的にはコンテンツのパッケージメディア市場自体が死滅してしまいかねない、ということです。 確かに、世の中の流れは(こと映像に関して言えば)HD 化の流れにあると言えます。しかし、現時点でどれだけのユーザーが HD のクオリティを欲しているのか?多くのユーザーにとっておは、まだまだ既存のテレビの買い換え需要や薄型化という恩恵が主目的で、高画質化はあくまで副次的なメリットとして付随しているだけではないでしょうか?(そういう意味では、薄型化・大画面化の流れと HD/デジタル放送対応の流れが同じタイミングでやってきたことは、HD 映像の作り手にとっては大きな追い風だったとは思いますが。)それらのコンテンツの楽しさや感動といった本質的価値に目を向けている人は、メーカーの立場にはそうはいないのではないかと思います。 ・・・話が逸れてしまったので元に戻しましょう。 現在の国内音楽市場の縮小は、その市場への音楽の多様性を受け容れる土壌そのものの縮小を意味していると思います。日本はヨーロッパほどにクラシック音楽の文化が発展した国でもなければ、アメリカほど多種多様な人種・文化・音楽を受け容れる土壌もないのは確かだと思いますが、それでも「音楽」というものには幅広いジャンルが存在しており、我々はそれらの中から自分の好みに合った音楽を選択して楽しんでいるわけです。しかし、現在のように、CD が売れない→売場が縮小される→陳列されるのは売れ筋タイトルばかり→レコード店の店頭から音楽の多様性が失われる→売れ筋以外の音楽を好む消費者の音楽離れが進む→さらに CD が売れなくなる、という悪循環が進めば、いずれは本当に「聴くべき音楽がない」という状態になってしまいかねません。これは「音楽」という芸術・娯楽そのものの危機ではないかと思うわけです。 しかし、レコード会社の動きはというと、一時期のタイアップを取れば売れた、有名なプロデューサーをつければ売れた頃の幻想にしがみつき、音楽が売れなくなったことをコンテンツそのものの魅力がなくなったことではなく一部ユーザーの責任にしました。音楽の売り方として、さまざまなジャンルの音楽を広め、音楽マーケット全体の活性化を図ったり、SACD などのハイクオリティなコンテンツにユーザーを誘導したりするわけでもなく・・・音楽業界も慈善事業ではないのですから利益追求に走ることが悪であるとは言いませんが、ある意味「音楽」の幅を広げ、「音楽」を楽しむユーザーの裾野を広げるのは、音楽業界の義務であると思うのですが、いかがでしょうか? ・・・と斬り捨てるのは簡単ですが、批判を言っても何の解決にもなりません。店頭から欲しい CD が消えて好きな音楽に触れることが困難になるという不幸に見舞われるのは、他ならぬ私たち自身です。このままレコード店の縮小の流れが止まらないようなら、自分たちから音楽を入手するルートを考えなくては。 というわけで、今年は Amazon や HMV などのオンラインストアで購入する度合いがグッと増えそうです。オンラインストアでの購入は手軽ですし、試聴もできて便利なのですが、店頭での偶然の「出会い」がないのがちょっと残念なところではあります。オンラインショッピングでは買い物の対象が決まっていることが多いため、その過程で新しい何かを発見するということがなかなかありませんからね。ほかには、Mora や今年中にはサービス開始されるであろう日本国内向けの iTMS など EMD サービスもありますが、やはり私はパッケージメディアという物理的な形に価値を感じるタイプの人間なので・・・。 しかし、こう言ってパッケージメディアにこだわっていられる時間もそう残されてはいないのかもしれませんね。コンテンツの送り方も、楽しみ方も時代とともにその形を変えるもの。つい最近の PC Watch の連載「Re:config.sys」にもありましたが、 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0114/config034.htm コンテンツを伝える媒体は、時代とともにシフトしていくもの。パッケージメディアも、いずれは形のないメディアに取って代わられるものなのかもしれません。アナログレコードが音楽 CD に駆逐されたときに、音楽のアナログ的な味わいは CD のサンプリングレートの狭間の情報とともに失われてしまいました。SACD はアナログの情報量をカバーし得るメディアとして登場しましたが、実際に多くのユーザーに受け入れられているのはさらに情報や味わい(それは「クオリア」と言っても良いのかもしれません)が失われてしまった圧縮音楽フォーマットでした。この世の中のありとあらゆるコンテンツは、デジタル化によって手軽に楽しめるようになった反面、その感動の「質」すらも不可逆圧縮されてしまっているような気がします。 人間は「感動したい」生き物なのだと思います。マルチチャンネルシステムを中心としたホームシアターが一定の流行を築いたのも、単なるテレビでの放映や小画面での DVD 再生に飽き足らず、より映画館で得られるものに近い感動を得たいと思うから。本来、映画や音楽を楽しむのも、スポーツ観戦に興じるのも、その結果として「感動」を得たいという思いがあるからなのではないでしょうか。この「感動したい」という欲求は、他の動物には持ち得ない、人間ならではの第四の「本能」なのだと思います。この「本能」のうち音楽が占める部分は、レコード店の縮小や圧縮音楽フォーマットの氾濫とともに退化してしまうものなのでしょうか。iPod やポータブルオーディオ機器の流行で、音楽を「楽しむ」行為自体は以前よりも身近に感じるようになった人は増えているはずです。しかし、肝心の中身は、コンテンツは、果たして今、広がっているのでしょうか。 |
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VAIO カスタマーリンクのコンテンツ「VAIO Hot Street」がリニューアルしました。 https://hotstreet.vaio.sony.co.jp/ 以前は「MySupporter」経由でログインしないと閲覧・投稿ともにできなかったのですが、昨年 12/1 より閲覧のみがログインユーザー以外にも開放され、今回より閲覧・投稿ともログインが不要になりました。このほか、主な変更点は以下のとおり。
また、一般的な掲示板システムと同じく質問と回答の投稿が可能になったのもこのサイトの有用性を高めましたね。でも、質問と回答が可能になった時点でウチのようなユーザーサイトの存在意義が問われてしまいそう・・・(汗。 さて、今日は銀座ソニービルに行ってきました。私もとてもとても気になっている、VAIO type T の [Carbon Edition] の先行展示が始まっているんです。 http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/T/ けっこう待っていた人も多いんじゃないでしょうか?ブラックの type T。革風のシボ加工で落ち着いたイメージのあった「ミッドナイトブルー」「バーガンディーブラウン」も良かったですが、[Carbon Edition] のブラックとはそれらとは随分違った仕上がりになっています。 しかし、素材の「カーボンファイバー積層板」の名前からイメージされる PCG-X505/SP のような光沢感のある雰囲気ではなく、後継の PCG-X505CP と同様のマットブラックになっているのは、「カーボン」の名に大きな期待を抱いていた人にはちょっと残念なところかもしれません(逆に落ち着いたマットブラックの方が好みという人もいるでしょうが)。 しかし「カーボンなのにマットブラック塗装で見た目には普通のマグネシウム筐体と大差ないのかな?」と思いよく見てみたら、光の当たり具合によってカーボン繊維の斜めラインが浮き出て見えるではありませんか。X505/SP のそれよりは大幅に落ち着いたイメージではありますが、しっかりとカーボンの主張があるのは嬉しいところ。でも VAIO ロゴはブラックルミナスでも良かったかも。 天板の上辺近くにある SONY ロゴは彫り込み。でもカーボン素材に彫り込みロゴを入れるのは至難の業(というか技術的にほぼ不可能に近い)ので、ここはよく見ると別素材の切り替えになっています。おそらくはマグネシウム素材でしょうか?このロゴを実現するためにわざわざコストをかけているあたり、通常モデルとの \7,000 の価格差以上の価値を感じてしまうのは私だけでしょうか。 SONY ロゴの上には無線 LAN のアンテナが入っているようで、さらに樹脂素材と思われるパーツとの切り替えになっています。 天板のカーボンに対して、底面はマグネシウム。VAIO のモバイルノートでパーツごとに素材が違っているという凝り方をしたモデルは初めてではないでしょうか。素材感だけでなく、VAIO ロゴの配置も通常モデルとは異なっているため、同じ機種でありながら別製品のような雰囲気に仕上がっています。 パームレストは X505/P と同様のカーボンモールド素材。細かく素材が変わっているのでちょっとお得な感じ(?)がします。FeliCa 対応モデルではセンサーの都合か樹脂モールドのパームレストになっていますが、実用性を取るか素材感を取るか悩ましいところです。まあ、FeliCa 非対応の方がいつでもどこでも eLIO で買い物できなくて安心なのかも(ぉ VAIO × L.E.D.BITES のモバイルバッグ第二弾「VGP-MBD2」も展示されていました。思っていたよりもハッキリしたブラウンでなかなかイイ感じかも。デザインは初代モデルよりも少しシンプルになりましたね。 今回は VAIO ロゴのレザーパッチはバッグの内側にさりげなくついているだけなので、あまり恥ずかしくないかも(^^; type T のカーボンモデルは X505 の光沢カーボンとは違いますが、ビジネスパーソナルで使うには落ち着いていてむしろいいかもという雰囲気に仕上がっています。私も、次の仕事マシンは type T の [Carbon Edition] にしようかな、と考えています。 本製品の銀座ソニービルでの展示は 1/19(水)まで。その後、1/21(金)〜27(木)の期間は大阪 Sony Style Store、1/29(土)〜2/5(土)にはお台場メディアージュにて展示される予定です。気になっている方は、一度ご覧になってみては。 |
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高速版メモリースティック PRO の発売が延期に。 ニュースリリース http://www.sony.jp/products/ms/important/20050114.html PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0114/sony.htm 昨秋発売予定が今年の 2 月発売に延期されていたものが、動作検証に時間がかかっているという理由で 4 月に再延期されました。1GB 版の高速版メモリースティック PRO Duo を買おうと思っていただけに残念です。というか、せっかく PSP のおかげで急激にメモステ PRO Duo の売上が伸びていたというのに、だめじゃんメモステ・・・。 Handycam の新製品が 4 機種発表になっています。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200501/05-0113/ 製品情報 http://www.sony.jp/products/Consumer/handycam/ AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050113/sony.htm DV Handycam のニューモデル「DCR-HC90」「DCR-HC41」と DVD Handycam のニューモデル「DCR-DVD403」「DCR-DVD203」。いずれも先日の 2005 International CES で展示されていたモデルです(DCR-HC41 は米国では「DCR-HC42」の型番になっている模様)。 特長としては、全機種で液晶モニタが 16:9 ワイド画面化されたことと、撮影時の記録方式に「高画質ワイド記録」が採用されたところでしょうか。「高画質ワイド記録」とは、16:9 の画角で撮影する際に CCD の領域を従来よりも広く使って受像し、記録時に各メディア/画質モードに適した解像度に落とすというやり方で、従来の方式よりも高画質で録画できる方式です。液晶モニタのワイド化と併せ、今後のビデオ撮影のスタンダードは 16:9 ということを強烈にアピールする仕様ですね。これはもちろんワイド画面が主流である薄型ディスプレイの普及と、今後の HD 化への流れを強く意識した仕様でしょう。 このほか、DCR-HC41 以外のモデルでは音声が 5.1ch のマルチチャンネルで記録可能というのもポイントです(DCR-HC90、DCR-DVD203 ではオプションのサラウンドマイクロホンが必要)。昨年の「DCR-HC1000」でマルチチャンネル録音の先鞭をつけた Handycam ですが、競合メーカーとの差別化のポイントとして一気にマルチチャンネル録音を推し進めたい考えでしょうか。マルチチャンネル化の恩恵を受けるシーンはそれほど多くないかもしれませんが、例えば運動会の撮影なんかではサラウンドチャンネルに歓声が入ってくるとかなり臨場感は高まりますし、DVD Handycam ではそれがそのままマルチチャンネル DVD 化できるとあれば、自分でも手軽にマルチチャンネルを作れる/楽しめるということになります。 一方で、CES で発表になっていた他のシリーズ(DCR-PC1000、PC55、DVD7)は国内ではまだ発表されていませんが、これもおそらく春の新入学シーズンまでには投入されるでしょう(DVD7 あたりはちょっと微妙かも)。個人的には 3CMOS な PC1000 と旅行にも気軽に持って行けそうな極小サイズの PC55 の方が気になっていたのですが、こちらも正式発表が待たれるところです。 QUALIA の新製品「QUALIA 001」が発表に。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200501/05-0112/ AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050112/sony.htm 長らく欠番となっていた「1 番目の QUALIA」がついに登場しました。この新製品は・・・今まであまりなかったマニアックなカテゴリの製品です。その名も「クリエーション・ボックス」と呼ばれるビデオプロセッサで、SD 信号を HD 信号に、HD 信号をさらに高画質の HD 信号に変換するもの。コアプロセッサに WEGA HVX シリーズでも搭載された画像処理信号処理技術「DRC-MFv2」を搭載し、SD 画像の解像度を補完しつつ HD 信号に変換したり、HD 信号の質感や遠近感を向上させることが可能です。また、映像の一部を拡大したり、映像の画質を好みの質感に調整したりする機能も備えています。 基本的には既に WEGA HVX シリーズおよび「QUALIA 005」で実現されている機能ではありますが、ビデオプロセッサが独立しているため入力ソース/出力デバイスに関係なく画像変換が行えること、また QUALIA 001 自体が内蔵プロセッサユニットをスロット方式で換装可能になっているため、将来的により優れたプロセッサユニットが登場した際にはグレードアップが可能というメリットもあります。 ・・・でも、まあ、微妙といえば微妙な製品かもしれません。確かに今まで SD 映像を HD 対応ディスプレイで美しく表示できるものは滅多になく、HD 対応の大型フラットディスプレイで SD 映像を映したときには却ってアラが目立ってしまいがちでしたから、こういう製品を使うことで HD ディスプレイの楽しみ方が増えるのは歓迎ですが、こういう製品を単体で(しかもプラズマテレビが買えてしまうような価格で)わざわざ購入しようという人も稀でしょう。それに、画像を変換するだけの(無礼を承知で言えば)いわば「コンバージョンユニット」に「クリエーション(創造)」という名を与えるのも、ちょっと大げさではないかと思います。確かに技術的にはすごい製品でしょうが、同デバイスを搭載した最終製品が既に登場していること、そしてこの製品自体が間接的なデバイスであることから、「QUALIA 001」を冠する割には地味な製品になってしまっているのが非常に残念です。 しかし、ある面ではこの製品は今の「QUALIA」ブランドを象徴する製品と言えるのかもしれません。技術的には同時期に搭載製品が発売されており、その製品/技術のシンボルあるいはフラッグシップ的な存在として「QUALIA」ブランドとして存在する、というのが昨年後半あたりからの「QUALIA」ブランドに共通する事実になっていました。同デザイン・同コンポーネントを搭載した普及モデル「MDR-SA」シリーズが登場した QUALIA ステレオヘッドホン「QUALIA 010」、001 と同じ DRC-MFv2 を含む高画質回路「WEGA ENGINE HD」や XMB(クロスメディアバー)、「S-Master サウンドエンジン」を搭載した WEGA HVX の頂点に立ち、後には VAIO type X 用 HD ディスプレイにも「トリルミナス」バックライトが採用されたハイビジョン液晶テレビ「QUALIA 005」など、昨年後半からの新製品では「QUALIA」ブランドの製品とソニーブランドの通常ラインナップとの技術的な溝が以前より狭いものになってきているのではないでしょうか。それ以前の QUALIA 製品といえば、圧倒的な技術力や画質/音質、あるいは製品としての高級感で他のソニーブランドの製品とは明らかに別モノという印象があり、同様のテクノロジーを活かした製品が通常ラインナップで登場するまでには(主にコスト面で)時間がかかりそうでした。それが、QUALIA ブランドとソニーブランドの乖離が小さくなり、QUALIA からソニーブランドのローエンドまで、ラインナップ的にきれいなピラミッドが描けるようになってきたのではないでしょうか。 これは、昨年からの QUALIA の新製品がたまたまそういう展開の仕方になっただけかもしれませんが、私はどちらかというと意図的に QUALIA の技術を普及製品に積極的に展開するようソニー自身が方向転換を行ったからなのではないかと見ています。これまでの「QUALIA」ブランドはどちらかというと「高嶺の花」の印象が強すぎて「すごいけど、自分には関係ないよね」みたいなところがありました。このことが、逆に QUALIA ブランドの価値を見えにくくしている側面もあったのではないかと思います。しかし、ある程度 QUALIA に使われている技術と普及製品に使われている技術を共通化することで新テクノロジーのコストダウンも図れますし、多少の無理があってもソニーが注力する技術の普及に一役買うことは間違いがありません。そして、ラインナップの頂点に「QUALIA」があることによって、同ジャンルの他製品のブランド力も高まる・・・という好循環が(少なくともテレビとヘッドホンの分野では)生まれたのではないかと思います。ソニーとしては、こうすることでまず QUALIA でチャレンジするために開発した新技術の製品化からコスト回収までのサイクルを短縮できるというメリットもあります。また、マーケティング的には「MDR-EXQ1」の Sony Style でのオンライン販売や大阪 Sony Style Store への QUALIA ストアの出店、そして QUALIA 005 の一部販売店での取り扱いなど、販売戦略の転換も大きかった半年ではなかったかと思います。 はじめて「QUALIA」ブランドの製品が発表されてから、ちょうど一年半が経ちました。当初の位置付けからその意味合いが変わり始めたのは、一周年の頃だったでしょうか?そして、今、明らかに「QUALIA」はその定義を以前とは違うものにしつつあります。今の「QUALIA」はむしろ「HD」というソニー全体のキーワードを中心的に背負って立つブランドになっているのではないでしょうか。マーケティング戦略の変化と「HD」の具体化が「QUALIA」を変えたのかもしれませんが、もしかするとある意味ソニーが目指す「クオリア」は、高解像度のサンプリングによってデジタル化された高品位の映像や音楽の中にこそ、見出されるものなのかもしれません。 |
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サンフランシスコで開催中の Macworld Expo にて、Apple が複数の新製品を発表しています。 まずは、噂のフラッシュメモリ版 iPod「iPod shuffle」。 ニュースリリース http://www.apple.com/jp/news/2005/jan/12ipod_shuffle.html iPod shuffle http://www.apple.com/jp/ipodshuffle/ USB メモリ形状の、同ブランドでは初となるフラッシュメモリ内蔵版 iPod。板ガムほどの大きさに、22g という軽さで iPod 史上最も小さく、軽く、リーズナブルな製品です。かねてより US$99 を切ると言われていた価格は 512MB 版が \10,980、1GB 版が \16,980(いずれも税込)。競合メーカーの製品が一般的に 512MB 版で \20,000 弱、1GB 版では \25,000 前後となっていることを考えると価格破壊とも言える値段設定です。Apple 的には \20,000 を超えてくると今度は iPod mini との競合を考慮しなければならなくなるという事情もあったのでしょうが、メモリオーディオ市場では後発ながらもこの価格設定と iPod ブランドを背景とした市場参入は、他メーカーにとっては今までにない脅威となるでしょう。 iPod shuffle の最大の特徴は、やはり iPod ブランドのアイデンティティである ClickWheel を意識した操作ボタン(今回はホイールではなく単にホイール風の形状をしたスイッチ)周りと液晶ディスプレイを搭載しないという割り切った仕様ではないでしょうか。本体サイズに合わせるとどうしても小さくなりがちな液晶ディスプレイで 100 曲単位のタイトルの操作を行うことは現実的ではない、ということなのか、「目的の曲を探す」という行為そのものをやめてしまったのが iPod shuffle の思想なのでしょう。再生モードはリピート(通常再生)/シャッフル/電源オフの 3 通りのみで、操作ボタンも再生/停止、曲送り/戻し、ボリュームの 3 系統だけ。曲順そのものを気にせず iTunes の「オートフィル機能」に任せて iPod shuffle に突っ込んでもらい、あとは日々シャッフル再生で楽しむ、というのが iPod shuffle の正しい楽しみ方であり、その名の由来ともなったところなのだと思われます。 iPod shuffle は従来の iPod ファミリとは明らかに趣の異なる製品ですが、やはりこれも黙っていても売れるでしょうね。それだけ強力な商品力と価格的な魅力を備えた製品であると思います。音楽の好みによってはシャッフルするという楽しみ方が合わないユーザーも少なくないでしょうが、細かいことは気にせずに「楽しめそう」というオーラが漂っているあたりはさすが iPod の血統でしょうか。iPod mini の音質から考えると iPod shuffle の音質もそこそこにすぎないでしょうし、バッテリの持続時間なども加味すればフラッシュメモリ型ネットワークウォークマンが iPod shuffle に勝っている部分も少なくないはずですが、同容量で 2 倍近い価格差がほとんどのディスアドバンテージを払拭してしまうでしょうし、今後メモリオーディオの販売価格は iPod shuffle が基準になっていくに違いありません。 そして、US$500 を切る低価格な Mac「Mac mini」。 ニュースリリース http://www.apple.com/jp/news/2005/jan/12mac_mini.html Mac mini http://www.apple.com/jp/macmini/ 長らく「PowerMac」「iMac」「PowerBook」「iBook」の 4 シリーズ(本来教育市場向けに開発された eMac もありますが)で展開されてきた Macintosh に、久々の新プラットフォームが追加されました。従来のフォーマットを脱した新しい筐体という意味では、2000 年の「G4 Cube」以来となるのではないでしょうか。歴史上最も小さく安価な iPod shuffle と同じく歴史上最も小さく安価な Macintosh こと「Mac mini」の価格は、1.25GHz/40GB 版が \58,590、1.42GHz/80GB 版が \70,140(いずれも税込)となっています。ちょっと前ならば Mac といえば高嶺の花で、本当は Mac が欲しかったけどお金がなくて泣く泣く Windows PC を買ったという人にはこの「ちょっとがんばればお小遣いで買えてしまう Mac」の登場には、なかなか感慨深いものがあるのではないでしょうか。 スペックは PowerPC G4 1.25GHz/1.43GHz、256MB RAM(DDR333/最大 1GB)、40GB/80GB HDD、RADEON 9200、CD-RW/DVD-ROM コンボドライブといったところ。USB 2.0 や FireWire(IEEE1394)はもちろん備えていますし、オプションで Bluetooth や AirMac(ワイヤレス LAN)、SuperDrive(記録型 DVD ドライブ)なども選択できます(AppleStore での BTO にて対応)。iMac ですら G5 プロセッサを搭載するようになった現在、G4 止まりの Mac なんて必要ないという人もいるでしょうが、この値段なら欲しいという人も相当数いるはずです。設置面積は CD のジュエルケースと同じくらいコンパクトですし、セカンドマシンには最適なのではないでしょうか。逆に言えば、Mac mini にはキーボードもマウスもディスプレイもスピーカも付属しないため、多くは既に I/O デバイスを持っている Mac ユーザーか Windows から Mac へのスイッチ(あるいは買い増し)を考えている PC ユーザーがターゲットとなっているといっても過言ではないでしょう。iPod ファミリの購入をきっかけに全く新規にコンピュータを買う層や、キーボードやディスプレイもまとめて買い換えたい層には iMac なり iBook なりを勧めたいでしょうし、以前から指摘されている PC からの「Switch」攻勢をいよいよ本格的に打ち出していく Apple の戦略的商品であると言えます。 実は私、これにかなり惹かれてます。ただ安価な Mac というだけならあまり気にもしないのですが、小さいので邪魔にならないため、以前からやってみたいと思っていたことをこれなら実際にやってみることができそう。例えば iTunes に手持ちの CD を全て突っ込んで iPod の母艦専用機にするとか、AirMac Express を買ってきてオーディオと繋いでジュークボックスとして使うとか、80GB HDD じゃ心許ないですが USB HDD を外付けした上で Samba をセットアップして家庭内 NAS として使うとか、Apache で HTTP サーバを立てて自宅 Web サーバとして運用してみるとか(仮にそうするとして VAIOethics を Mac 上で稼動させるというのも皮肉な話ですが)。特に NAS に関しては以前から「Be Silent」シリーズか「玄箱」あたりを買って家庭内 NAS を組みたいと思っていたので。ま、特に目的がなくても安いので単純に UNIX の教材にするという用途に買っても悪くないと思います。 VAIO では「いちばん小さい」はノートではあったものの、デスクトップでは今までほとんどありませんでした(最小という意味では初代 VAIO コンポが最小だったかも)。VAIO U や type U はとにかく小さいノートを作ってみたからあとはユーザーに用途を考えてもらおう、という発想がありましたが、デスクトップ VAIO はテレビ録画や音楽再生機能などの目的志向の製品がほとんどで、とにかく小さくて安く、あとは好きなように使ってください、という「無目的」な製品がありませんでした。Mac mini はテレビにこだわっていない Apple ならではのデスクトップ製品なのではないでしょうか。どちらかというとこの小ささと安さを活かして「目的」を見出せるパワーユーザー向けのニッチな製品だと思いますが、Windows ユーザーの Switch を狙っているにしても、そういうところに向けてニッチな製品を投入できるあたりが非常に Apple らしいやり方と言えるのかもしれません。 なんだかんだ理由をつけても、私を含め Mac mini が気になるユーザーはとにかくちぃちゃいコンピュータが好きなだけかもしれませんね(ぉ。いろいろ遊べそうなマシンではあるし、実機が本当に静粛性が高くて消費電力も低いようなら私も手を出してしまう可能性が高い、かも・・・。 ■記事リンク ITmedia の記事 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/12/news016.html http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0501/12/news004.html http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0501/12/news005.html http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0501/12/news023.html http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0501/12/news031.html http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0501/12/news039.html http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0501/12/news104.html PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0112/apple1.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0112/apple3.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0112/mw02.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0112/mw03.htm AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050112/apple1.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050112/apple3.htm MYCOM PC WEB の記事 http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/01/12/001.html http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/01/12/002.html http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2005/01/13/ipod/ ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/topi/article/2005/01/12/653524-000.html http://ascii24.com/news/i/topi/article/2005/01/12/653526-000.html デジタル ARENA の記事 http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20050112/110496/ http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20050112/110502/ http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20050112/110510/ 裏編集後記 「iPod shuffleホンネでレビュー(1)」 http://blog.livedoor.jp/takeshi_a/archives/12214086.html |
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先週末からの 3 連休は富山に帰省していました。私自身、3 日も続けて休めたのは昨年のお盆以来かなり久しぶり。年末年始に帰省できなかったので、短い時間でしたが久々に田舎の空気を吸ってきました。冬の北陸は本当に寒いですが、今の時期は一年で最も食べ物が美味しくなる季節なので、良いですね。仕事の方も今月からは以前ほど忙しくはなさそうなので、サイト更新も多少はペースを戻せそうです。 今月は父の誕生日があるので、母や妹(やお互いの配偶者)とお金を出し合ってこれを贈ってみました。 http://www.sony.jp/products/Consumer/dvdrecorder/products/rdr_hx50.html 「スゴ録」のエントリーモデル「RDR-HX50」です。プレゼントは何にするか迷ったのですが、テレビの好きな両親が最近 DVD や薄型 TV に興味を持っているということで、安価なデジタルレコーダなら喜んでもらえるだろうと。最近では妹の結婚式のビデオが DVD でパッケージングされていたり、「冬ソナ」にハマッている友人に DVD を借りたり(笑)して、五十代のオジサン・オバサンにも DVD が身近なものになってきているようです。が、以前 DVD プレイヤー代わりにあげた私の PS2 が初期型のため、DVD-R などではメディアとの相性によってまともに観れなかったりする(件の妹の結婚式 DVD がまさにそうだった)と相談を受けていたこともあり、今あげるプレゼントとしてはピッタリだったかと思っています。正直、ネクタイやゴルフウェアはもうあげ飽きましたからね(^^; モデル選択にあたっては、まず予算(\5〜60,000)ありきで選びました。実家のテレビ周りは Panasonic 製品が多いので DIGA も考えたのですが、「どっちも録り」よりは「おまかせ・まる録」のような自動録画機能の方が活躍する機会は多いでしょうし、一年前に私が富山で PSX を買って帰ったときに父が「これちゃ自動で録画してくれる機能ついとんがか?」(※富山弁)と言っていたのを思い出して「スゴ録」にしました。自動録画機能はパイオニアも持っていますが、スゴ録の方が追跡録画なんかもついてて他機能ぽかったので。まあ、私が PSX/かつての CoCoon ユーザーとして今のスゴ録を触ってみたかったというのもありますが・・・。 それ以外の機能については予算の都合上選択の余地もなかったのですが、映し出すテレビがちょっと年代物(10 年近く使っている)なので HDMI とか GRT はオーバースペックだし、BS アナログは CATV 経由で観れるし、大容量の HDD が必要なほどヘビーユーザーでもないし、エントリーモデルで十分でした。まあ、いずれ地デジが本格的に普及すればまた買い換えが必要になりますしね(ちなみに富山では昨秋より NHK と一部民放で地デジがサービス開始していますが、うちにはチューナがないのでまだ観れません)。 モノは有楽町ビックで購入して私の帰省にちょうど間に合うように送り、私がセッティングしました。こういうデモンストレーションも目に見える親孝行のうち(笑)私の実家は近所に発電所があり、電波障害が発生するということで発電所で周波数変換が行われている(いわゆる地デジ対応のためのアナアナ変換と同じようなことをやっている)ため、EPG 情報受信のためにガイドチャンネルの変更などちょっと面倒な変更が必要でした。 設置して一日経過し、EPG のデータが受信できた状態。ガイドチャンネルの変更もちゃんと反映され、番組表が利用できるようになっています。これ、私は初代 CoCoon と PSX でそれぞれ一度ずつハマッたこと(CoCoon では時刻の設定ミス、PSX では EPG 受信時刻に電源をオフにしていなかった)があるので今回は難なく設定できましたが、ウチのような特殊な地域では普通の人はなかなか正しく設定できないでしょうね。この先、「ごく一般的な」ユーザーに DVR が普及するフェーズ(もう入っているのかもしれませんが)では、メーカー側が実装する簡単設定機能だけでなく、販売店側の設置サービスや訪問サポートなども重要になりそうです。 「おまかせ・まる録」機能を使っておまかせ録画を設定してみました。一応親のリクエストに応えて「時代劇」「サスペンス」を(^^;EPG が受信されておまかせキーワード/ジャンル登録がされると早速おまかせ録画が行われていました。 私は「おまかせ・まる録」機能は初代 CoCoon 以来だったのですが、当時よりかなり細かい条件指定や複合条件指定ができるようになってマニアックな設定ができるようになりましたね。とはいえ、あまりマニアックな設定をしても両親には使えないので、ここは簡単な指定で済ませておきます。 現行「スゴ録」の GUI は XMB(クロスメディアバー)でこそありませんが、アイコンなどの意匠は XMB と共通化されています。初代「スゴ録」シリーズでは GUI が CoCoon に似た白バックのデザインでしたが、今回はブルー系になりメニューのパーツ配置も変更されています。そして、旧モデルでは若干もたつきが感じられた UI 操作時の動作も PSX 並みとはいきませんがそれに近いレベルに高速化されています。メニュー表示の際にアニメーション効果が入っているので動作の遅さを感じないというのもあるのでしょうが、どちらにしてもあまりストレスは感じませんね。 操作性はほぼメニューから全ての機能にアクセスできる PSX と違い、リモコンや本体のボタンに機能がマッピングされていてボタンからダイレクトに各機能にアクセスできるイメージです(十字キーを備えているので、ある程度はメニューに頼っている部分もありますが、PSX ほど徹底したメニューベースではない)。メニューベースの GUI は「なんとなく」メニューを辿って使えてしまうので簡単ですし、機能追加のたびにハードウェアを大幅に変更する必要がない、という側面はありますが、スゴ録のようなアプローチの方が従来のビデオデッキからの乗り換えユーザーには分かりやすいのではないでしょうか。「スゴ録」という商品名や「おまかせ・まる録」といった分かりやすいキーワードを用いているのも、CoCoon などでデジタルレコーダを分かりにくくしてしまったことに対する反省が含まれているのでしょう。 リモコンは初代「スゴ録」から大幅に変更され、番組表やタイトルリスト(録画済み番組のリスト)ボタンが目立つ位置に配置されて使いやすくなりました。リモコン上の印字もなるべく平易な言葉で書かれ、あまり AV 機器に詳しくなくても難しくないような配慮がなされています。とはいっても、昔のテープ式のビデオデッキとは機能数が圧倒的に違うため、どうしても難しくなってしまうのは避けようもないことですが・・・。個人的には方向キーは PSX のようなスティック式の方が使いやすいというのと、使用頻度の高い「戻る」ボタンをもう少し大きくした方がいいと思うのですが、このあたりは今後の課題でしょうね。 また、録画系のボタンはカバーを開けた中にしかありませんが、これは録画ボタンを使って直接録画するよりも番組表や「おまかせ・まる録」からの予約録画の方が使用頻度が高いため、ということなのでしょうね。 私自身はある程度のところまで設定を済ませて少し触ってみた程度にすぎないのですが、操作のレスポンスや使い勝手も含めて以前のデジタルレコーダから着実に操作性が向上してきていると感じました。中でも EPG による番組表機能や「おまかせ・まる録」による自動録画機能は今までビデオデッキしか使ったことのない、あまり機会に明るくない人も少し練習して使ってみるだけの価値がある機能だと思いますね。デジタルレコーダの進化の方向性としては現在、自動録画機能と複数番組同時録画機能の二つの方向性に分かれていますが、ユーザー層の多くを占めるであろうライトユーザーには自動録画機能の方がマッチしているんじゃないかと思います(もちろん、コストさえ考えなければ自動録画も複数番組録画も両方備えているに越したことはないですが)。 ただ、DVD も HDD も搭載しているのは良いのですが、録画/再生時には明示的に使用メディアを選択(リモコンあるいは本体の「HDD」「DVD」ボタンを押す)しなくてはいけないのは、ウチの親のような層にはときどき混乱を来しそうです。両親とも軽く PC が使えるくらいのリテラシはあるので、HDD 録画の概念を教えるのには苦労しませんでしたが、そもそも「HDD」とは何かということが分からないユーザーも少なくないでしょう。そういうユーザーにこういった製品の概念や使い方を教えるのはメーカーの役割でもありますが、半分くらいは私たちのような若いユーザーの役割であり、親孝行や家族とのコミュニケーションの一環でもあったりするわけです(笑。私も、「自動録画のキーワードを追加したい」とか「HDD から DVD にダビングしたい」といったニーズが出てきたときには、また電話対応してあげる必要がありそうですが、少なくとも自動録画された番組を楽しんだり、番組表から選んで簡単に録画するくらいならもうウチの両親でもできるでしょうし、これによって日々の生活をより楽しんでもらえるとすれば、良い買い物だったのではないかと思います。 |
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この週末は米国で最大の家電系展示会「2005 International CES」が開催されていました。近年では PC 系の展示会はすっかり規模が縮小してしまいましたが、家電系の CES の影響力が強くなって PC 系の重要な発表の場としても使われるようになったのは、日本の CEATEC と WPC EXPO の状況とも通ずるところがあります。 そんな CES に合わせて、米 Sony から数多くのプレスリリースが出されています。今日は、その中から VAIOethics として気になるニュースをヘッドライン形式でお届けしたいと思います。 Cyber-shot P シリーズの最新機種「DSC-P200」が発表されています。 http://news.sel.sony.com/pressrelease/5514 スティックタイプデジカメの定番として Cyber-shot ブランドのベストセラーとなった DSC-P シリーズですが、500 万画素化やレンズの改善、マニュアルモードへの対応、小型化、高速化、高スタミナ化を果たした DSC-P100 あたりの世代で「手ブレ補正以前」のデジカメとしてはひとつの完成をみた、と言えたと思います。しかし、CCD を 700 万画素クラスに向上させた DSC-P150 に続き、今回 DSC-P200 を投入してきました。P200 の特徴は、P150 と同じ 720 万画素 CCD と 2.0 インチに大型化された液晶モニタ、そしてさらに小型化されたボディ、といったところ。それ以外の要素は基本的に DSC-P150 を踏襲しているようですから、DSC-P100 世代のモデルを使っているユーザーは買い換えるほどではないと思います。が、やはりというか予想されたとおりボディサイズを小さくしつつ液晶サイズを大きくしてきたのはちょっと気になるところ。価格も US$400 を切ることになりそうですし、これで光学手ブレ補正がついていればまたベストセラーになり得たのですが、光学手ブレ補正の搭載は今回も見送られています。これからの時代、本当にそれで大丈夫なのでしょうか?少なくとも私は 2005 年のデジカメには光学手ブレ補正は必須、とみているのですが・・・。 DSC-T3 にもマイナーチェンジモデル「DSC-T33」が追加に。 http://news.sel.sony.com/pressrelease/5490 米国では昨秋の DSC-T3 は未発売のため、米国市場では T11 の後継機種となる本製品。T11 からの変更点としては輝度・コントラスト・色再現性をアップさせ若干の解像度向上も図った「クリアフォト液晶」の搭載が最大のトピックとなるのですが、これは日本市場ではすでに DSC-T3 が実現済み。実際のところは DSC-T1 に対する DSC-T11 のようなもので、現行 DSC-T3 のデザイン/カラーバリエーションモデルといったところです。 この製品に関しては、一足先に日本でも正式発表されています。 ニュースリリース http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200501/05-0106/ 若干無骨だった DSC-T3 に比べ、T33 は T11 に近いイメージでスタイリッシュなデザインになりました。ヘアライン加工を施した外装やクロムメッキを施したパーツなど、アクセサリ的なデザインとなっています。また、DSC-T シリーズでは初めてモノトーン以外のカラーバリエーションが用意されているのも特徴で、「ゴールド」「ブルー」「ブラウン」「ホワイト」の 4 色で展開されることになっています。デジカメとしては珍しい「ブラウン」はある意味冒険色かもしれませんが、実際の市場の反応はどうなんでしょうね。まあ、私は例え「ブラウン」だとしても T シリーズはもう買いませんが(ぉ Cyber-shot 絡みでは、メモリースティック PRO に 4GB モデルが追加されています。 http://news.sel.sony.com/pressrelease/5476 追加されるのは 4GB のメモリースティック PRO で、通常サイズの高速転送モデルのみ。個人的には最近ほとんど出番がなくなっている通常サイズメモステよりも、PRO Duo の 1GB 版を早く出荷してくださいと言いたいです。あと、できるにしてもできないにしてもメモステ PRO の MagicGate 機能をまともに使えるものにする気があるのかどうか、早く表明してくださいと言いたいですね。 デジタルイメージング関連のニュースが続きますが、Handycam シリーズのニューモデルがまとめて発表されています。 http://news.sel.sony.com/pressrelease/5477 http://news.sel.sony.com/pressrelease/5480 DVD Handycam の新製品 6 機種と、DV Handycam の新製品 7 機種。たくさんありすぎて全ては取り上げられませんが、主なところでは内蔵マイクのみで 5.1ch サラウンド録音が可能(即ち撮っただけでマルチチャンネルサラウンド DVD が作れる)DCR-DVD403、従来の Handycam のフォーマットを崩して Mavica のような「平たい」デザインに挑戦した DCR-DVD7、MICROMV Handycam と見まごうコンパクトさの「世界最小」DCR-PC55、そして記録素子に 3CCD ならぬ「3CMOS」を採用した DV Handycam の上位機種 DCR-PC1000 が注目といったところ。特に DCR-PC1000 で採用された CMOS は、従来は問いデジカメや携帯電話などの比較的「安かろう悪かろう」のカメラに搭載されているイメージが強かったのですが、逆にハイエンドのデジタル一眼レフや業務用デジタルカムコーダに搭載される記録素子は軒並み CMOS であるなど、作り方・使い方によっては CCD よりも優れた側面を持っている記録素子です。これを利用した新たな画作りがどのようなものになるのか、そして CCD/CMOS を増産する拠点になると見られるソニーセミコンダクタ九州の Fab 拡張の今後や、ソニーの商品開発の垂直統合戦略の今後とも絡んできそうという重要な意味を持ちそうな製品だけに、注目しないわけにはいきません。 個人的にも、今年は何かカムコーダが一台欲しいと思っている上に、今年出産予定の妹が子育ての記録用にビデオカメラを欲しがっていることもあり、民生用カムコーダの市場動向には今まで以上に注目しています。これらの製品の国内発表が待ち遠しいところではあります。 日本では「スゴ録」ブランドで販売されているデジタルレコーダ「RDR」シリーズの新機種。 http://news.sel.sony.com/pressrelease/5491 HDMI 端子搭載は昨秋の RDR-HX100/90 で実現されていますが、どちらかというと D 端子主導で DVI や HDMI 端子搭載の製品はまだまだ登場したばかりの日本と違い、米国では HDMI 端子が既にポピュラーな存在になっている分反響は大きいでしょう。しかし、米国向けの新製品で目玉と言えるのはむしろ DVD+R DL 記録に対応したことではないでしょうか。標準画質で 4 時間近く、高画質でも 2 時間近くの録画が可能な DVD+R DL に対応することで、DVD 記録の画質を市販の DVD-Video に近いレベルにまで高めることができます。日本での発売時期は不明ですが、競合が激しいこの市場で他社に先行し得る機能として早ければ夏のボーナス商戦までには製品化される見込みがあるでしょう。 また、HD 関連では BD-ROM(再生専用 Blu-ray メディア)に対応した BD プレイヤーのサンプルも展示されているようです。今年は各社から BD、HD DVD 対応機器の製品化ラッシュの年となりそうですが、ソニーは BDZ-S77 に続く 2 号機をどのタイミングで投入してくるのでしょうか。 続いて PC 関連。米国向けに VAIO type R の廉価版ともいえそうな「VAIO RB Series」が発表されています。 http://news.sel.sony.com/pressrelease/5501 US$800 以下で HD 編集に対応した安価なデスクトップ VAIO。雰囲気は VGC-RA シリーズに似ていますが、筐体にエアインテークがなかったり付属品に安価なパーツを利用したりしてコストダウンが図られています。以前海外市場向けにのみ存在した RX/RZ シリーズの廉価版「VAIO RS Series」の後継機のような位置付けでしょうか。なお、OS には Windows XP Media Center Edition が搭載されていますが、PC ベンダーの独自インタフェースよりも WinXP MCE が先行するアメリカでは「Do VAIO」ではなく MCE を搭載するのが一般的なようですね。 個人的には HD 編集が年内にもエントリークラスに落ちてきそうなところに期待しています。現在 HDR-FX1 しか存在しない HDV Handycam も、早く低価格かつコンパクトなラインナップが登場しないでしょうか。 日本でも登場しそうな HD 対応チューナ内蔵 PC ディスプレイ「MFM-HT」シリーズが発表に。 http://news.sel.sony.com/pressrelease/5508 19 インチ(1,280x1,024)と 17 インチワイド(1,280x768)のチューナ内蔵型ディスプレイ。一般的なスタンドではなくフォトスタンドのような形で支える形状で、PC ペリフェラルとは思えないデザインになっており、インテリアにもマッチしそうです。ソニーとしては「SDM-N51AV」以来約 3 年ぶりとなるチューナ内蔵ディスプレイですが、最近では DELL やシャープなどが相次いでチューナ内蔵ディスプレイを発売しており、このカテゴリは今年辺りひとつの製品ジャンルとして定着しそうな勢いがあります。 また、デザインにこだわった液晶ディスプレイ「HS」シリーズにも新製品が登場しているようです。MFM-HT シリーズに似たフォトスタンド型のデザインで、長らく続いてきた「フローティングデザイン」から初めてイメージを一新。額縁も従来より狭くなっており、日本でも発売されればまた人気が出そうです。 このほかにも、PC や PSP を「airboard」化するアプリケーションの開発発表が行われるなど、気になるニュースもいくつか出ています。 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050109/ces08.htm 「LF-X1」の発表時には「いくら外出先で自宅に録画してある番組が観れるとはいっても、わざわざ液晶テレビを持って外出はしないよなあ・・・これが PC 向けのアプリケーションとして出てくれれば」と思ったものでしたが、しっかり開発していたんですね。しかも PSP 向けにも開発を進めているということで、さらに面白くなりそうです。いずれは airboard のベースステーションだけ単体発売ということもあり得るのではないでしょうか。 しかしネットワーク TV という使い方は(特に外出先では)回線速度によって再生品質が左右されるものなので、リムーバブルメディアによるデジタルレコーダとの連携も強化してほしいところ。SD カードスロットの役割を大きくし、SD カードでモバイルムービーを推していこうとする松下の DIGA とは対照的に、ソニーの DVR とモバイル機器(VAIO、CLIE、携帯電話、PSP・・・)との連携は現状、かなり寂しいものがあります。 とりあえずはこんなところでしょうか。これらの新製品のうちいくつかは早ければ今月中にも国内発表されるでしょうから、気になる製品がある方はしばらく楽しみに待ってみてはいかがでしょうか。 ■記事リンク PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0107/ces03.htm AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050106/zooma184.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050108/ces06.htm http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050109/ces08.htm ITmedia の記事 http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0501/07/news068.html |
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少し間を空けてしまいましたが、VAIO 2005/春モデルインプレ第 3 弾をお届けします。 http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0105.html http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0105_biz.html 本日はデスクトップシリーズを。そろそろデスクトップ VAIO はモデルチェンジしても変わり映えがしなくなってきましたが・・・。 ●VAIO デスクトップ VAIO type R VGC-RA72, RA62, RA52 http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-RA72P/ VAIO type R VGC-RA72PS, RA72S (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/R/ 早くも 3 世代目となる type R シリーズには、きっちり最高のスペックを用意してきました。上位 2 モデルは Pentium 4 570J(3.80GHz)搭載で文句なしの最高峰モデルとなっています。しかし、Pentium 4 の動作クロックは今後向上の見込みがないため、当分の間 VGC-RA72 を超えるスペックの PC は登場できない可能性が高いです。Prescott の後継となるデュアルコア CPU「Smithfield」(コードネーム)が 2005/3Q(7〜9 月期)に登場予定ですが、当初は最高周波数 3.20GHz に押さえられる予定で、デュアルコアとはいえ見かけ上のスペックは現行の Prescott に劣ることになります。Intel としてはこの問題を隠蔽するために CPU のグレードを動作周波数から「プロセッサ・ナンバ」という制度で定義する戦略に転換したのですが、実アプリケーションにおける効果という点では(少なくともコンシューマ向けのほとんどのアプリケーションでは)シングルスレッドに対する処理性能(即ち動作クロックとキャッシュメモリ容量)の方が影響が大きいと言えるでしょう。ま、もはや PC を選択する際に CPU クロックがさほど問題にならない現在、CPU がデュアルコアになろうがそれに伴って動作クロックが多少下がろうが気にする人も多くないでしょうが、逆に言えばデュアルコア化によるメリットが見えるアプリケーションがあれば(それは、今で言えば動画編集であったりホームサーバ的なアプリケーションなのでしょうが)いずれ搭載 CPU がデュアルコア化されたときにはマーケティング上のポイントとし得るでしょうし、そういったキラーアプリケーションが用意できなかったならば、当分の間は今回の RAx2 シリーズと同じく新製品の訴求ポイントがない、ということになります。 話が少し逸れてしまいましたが、CPU 以外で旧モデルから変更された点としては、上位 2 モデルでグラフィックチップが RADEON X600 から GeForce 6600 に変更されたことでしょうか。VGC-RA シリーズの登場時に nVIDIA から ATI に変更された VAIO R シリーズのビデオチップが再び nVIDIA に切り替えられたのは単純にパフォーマンスの問題でしょうが、よりハイパフォーマンスな SLI に対応できない(SLI 対応は GeForce 6600 GT シリーズ以上)なのが物足りないところ。とはいえ、SLI を必要とするユーザーもほとんどいないでしょうが。 このほか、RA72 シリーズで選択可能なディスプレイが SDM-S204/V(「SDM-S204/BK」のセット向けモデル)になっているのに注目でしょうか。20 インチ UXGA 液晶では実売 \100,000 を切る製品も珍しくなくなってきましたが、いよいよセットモニタで 20 インチが選べる時代になったんですね。確かにスペックで差がつかなくなってしまった以上、こういったところで差別化していくしかないんでしょうが、次あたりは P234B あたりが選べるようになるか、キーボードやマウスにこだわったオプションが選べるなどの差別化が行われるのではないでしょうか。 VAIO type HX VGC-HX63, HX53 http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-HX63/ VAIO type HX VGC-HX63S (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Hx/ HX シリーズもマイナーチェンジ。CPU クロックおよび HDD 容量が若干アップしました。 それ以外にこれといったポイントはないのですが(ぉ、旧モデルでは上位機種に搭載されているチップセットが i848P でグラフィックチップが AGP 外付けになっていたのが、今回は全モデルで下位機種と同じグラフィック内蔵の i865GV チップセット(AGP スロットなし)に変更されています。従来モデルではスタンダードな省スペースデスクトップが欲しいけどゲームもちょっとしたい、という用途にも悪くない選択肢でしたが、今回はグラフィックがチップセット内蔵になってしまったことで再びあまりポイントのないデスクトップマシンになってしまったのはちょっと残念なところ。まあ、どちらかというととにかくシンプルで低価格、ということの方が type HX には求められているんでしょうが。 セパレートタイプのデスクトップは一体型デスクトップとは別のニーズがあるもので、このまま type V あたりに吸収されるということはないでしょうが、次期モデルあたりは何か目玉を持たせたフルモデルチェンジでもしないとちょっと厳しいかな。 VAIO type V VGC-V203RB, V173B, V173EB http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-V203/ VAIO type V VGC-V173S (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/V/ 他のデスクトップ VAIO と同じく、type V もマイナーチェンジに留まっています。CPU クロックの向上と HDD 容量の増加が行われた程度ですが、今回は 17 インチワイドモデルで本体色が清潔感あふれるホワイトカラーに変更されています(20 インチモデルはブラックから変更なし)。ブラックからガラッとイメージが変わってインテリアにもマッチしそうなデザインになりましたが、逆に 17 インチモデルでシックなブラックが選択できなくなってしまったのは寂しいですね。 VAIO type M VGC-M51/W, M51B/L, M31B/W http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-M51B/ VAIO type M VGC-M71/S (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/M/ エントリー向けデスクトップ VAIO の新モデルはマイナーチェンジ止まり。CPU クロックが 100MHz、HDD 容量が 40GB 向上した程度。しかし今回は旧モデルであったシルバーモデルが廃止され、既存のホワイトモデルのほかに新色「ブライトブルー」が追加になっています(シルバーモデルは Sony Style では選択可能)。ほかにはあまり語ることもありませんが、このクラスの製品ならば特にスペック等にはこだわらずに単純にテレビ録画機能の有無とカラーが選択できれば十分なのでしょうね。 ●VAIO 関連製品 ネットワークメディアレシーバー「ルームリンク」 VGP-MR100 http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?pd=19898 昨年の CEATEC で展示されていた「ルームリンク」の新製品。フル HD(1080i)に対応した D3 出力端子やワイヤレス LAN(IEEE802.11b/g)、ネットワークのワンタッチセットアップボタンを備えるなど旧モデルから大きなバージョンアップとなります。また、将来的にはファームウェアアップデートで DLNA ガイドラインにも対応予定など VAIO の括りに囚われない将来性が感じられるのも魅力で、現在 VAIO Media でホームネットワークを構築していないユーザーにも気になる製品と言えるでしょう。この製品については、近々また改めて書いてみたいと思います。 ここで軽く先日メディアージュで見てきた先行展示品の写真を何点かお届けしたいと思います。デスクトップでは type M と type V のそれぞれ新色が展示されていました。 type V のホワイトは、一見違うモデルかと思うくらいにイメージの違うカラーになりました。ピアノフィニッシュ調のホワイトに、フロントパネルはアルミのヘアライン加工。旧 VAIO V(15 インチモデル)のホワイトを引き継いだデザインですが、オールホワイトなどの違ったアプローチでも面白かったかも。 こちらは type M のブライトブルー。ブルーというよりはエメラルドグリーンというか青みがかったメタリックグリーンというかそんな色合いになっています。内装色がシルバーモデルと同じダークグレーなのがブライトブルーとちょっと違和感ある感じ。好みの分かれるところでしょうか。 付属のマウス(有線)は本体カラーに合わせてありますが、かなりストレートなエメラルドなのでちょっとしつこい感じもしますね。前モデルもホワイトの方がイイ感じでしたが、今回もホワイトの方が人気出そうだなあ。 今シーズンの新モデルインプレは以上になります。 今回は多くのシリーズでカラーバリエーションの追加が目立つモデルチェンジとなりました。初代から積極的な多色展開を行っていた type E を除けば、昨シーズンの type T 以来急速にカラバリの強化が行われていますね。「VAIO 第 2 章」の幕開けの際にはそれまでの VAIO カラーと訣別し、新しいイメージを打ち出すために全シリーズであえてブラックを中心としたモノトーンでまとめていましたが、逆にそれが「野暮ったい」という批評や女性ユーザー離れを引き起こしている側面がありました。今シーズンのモデルでは大幅にカラーバリエーションを追加することでユーザーに選択の幅を与えただけでなく、鈍化するマシンスペックの伸びをカラバリ追加という新規性の持たせ方でカバーしているようにも見えます。が、これは決してネガティブな戦略転換ではなく、もはや PC が生活に欠かせないツールとして一般化し、スペックではなくスタイルで選ばれる時代が本格的に到来したことの証なのでしょう。今後は単なるカラバリの追加でも [TUNE] によるスペックのカスタマイズでもなく、「パーソナライズ」と呼べるレベルでのカスタマイズ(パーツ単位でのカラー選択やデザイン選択、名入れなど)でより自分に合った PC が選択できるという方向性もあっていいのではないでしょうか。 また、今回は「モバイルノート」「ホームノート」「デスクトップ」というカテゴリが新しく定義されたことで、それぞれのカテゴリの製品が持つ性格も明らかになってきました。オールインワンで使い勝手を重視した「ホームノート」、従来よりもシンプルな路線となってどちらかというとビジネスパーソナルや B2B に寄る形となった「モバイルノート」、そして従来の路線を引き継いでテレビ機能と「Do VAIO」を中心に攻める「デスクトップ」。中でも「Do VAIO」路線から少し離れてシンプルな方向性に軌道修正したモバイルノートと、オールインワンノートの新スタンダードを作りそうな type F の商品力の強さが目立ちましたね。これは「Do VAIO」で「VAIO」を一緒くたにしてしまい、それぞれのモデルの個性が却って死んでしまった「VAIO 第 2 章」当初の路線に対する反省も多く含まれているのではないでしょうか。type T や type Y などが代表するシンプルなモバイルノート路線のように、今後は各モデルごとにそれぞれの「VAIO らしさ」を追求した商品づくりが行われていきそうな気配ですし、また、新しい「VAIO らしさ」とは何か、今一度メーカーもユーザーも考えてみる必要がある時期に来ているのではないでしょうか。そういう意味では、VAIO 第 2 章の仕切り直しとして、今回は象徴的なモデルチェンジになったのではないかと思います。 ■記事リンク http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0105/sony2.htm AV Watch の記事 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050105/sony.htm ITmedia の記事 http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0501/05/news034.html ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/hard/article/2005/01/05/653382-000.html |
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昨日に引き続き、2005/春 VAIO のカタログレビューをお届けしたいと思います。 ニュースリリース http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0105.html http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0105_biz.html 本日は新しく定義されたノートシリーズのうち、家庭向けのオールインワンノート「ホームノート」シリーズについて。 ●VAIO ホームノート VAIO type F VGN-FS70B, FS50B, FS30B, FS20 http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-FS70B/ VAIO type F VGN-FS90PS, FS90S (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/F/ 「VAIO ノート F」といえば、1999 年に登場した(一部量販店向けの逆輸入モデルとして、もう少し前から国内では非公式のラインナップとして販売はされていましたが)VAIO のエントリー向けオールインワンノートのシリーズ名。現在の VAIO ブランドの中では、505 シリーズに次いで歴史の長いブランドになります(VAIO M シリーズもある意味名前を引き継いでいますが、現在の type M は当時とはかなり毛色が変わっていますし)。 「VAIO 第 2 章」で VAIO type K に後継を譲り、その長い歴史に幕を閉じたかに見えた VAIO ノート F が「VAIO type F」として堂々の復活。しかも、過去の「VAIO だけど安くてちょっと野暮ったいオールインワン」のイメージを覆す、スリムかつスタイリッシュなオールインワンノートとして蘇りました。 15.4 型ワイド液晶は、コストパフォーマンスモデルとしては驚異的な WSXGA+(1,680x1,050)。フル HD(1,920x1,080)には少し足りませんが、PC としての使用には十分な解像度で、一般的な Web 画面やワープロソフト程度なら 1 画面に 2 ウィンドウ並べても実用に耐えるくらいの広さがあります。下位モデルが WXGA(1,280x800)なのが寂しいですが、それでも以前の VAIO ノート F のような 15 インチ XGA(1,024x768)よりは全然使いやすいでしょう。 新アーキテクチャ世代の製品として、新しいデバイスもしっかり搭載しています。新 Centrino(Sonoma)プラットフォームを構成する i915PM Express チップセットと FSB 533MHz の Pentium M 1.73GHz(最上位モデル)は、エントリーモデルながら type A にも迫るパフォーマンスを発揮しそう。既に Banias 世代のハイエンドモデルよりもパフォーマンスに優れているんじゃないか、という領域に入ってきました。DDR2 SDRAM には非対応だったり、HDD が SerialATA ではなく UltraATA/100 なあたりにコスト重視の性格が表れていますが、実用上不満に感じることはほとんどないでしょう。HDD は回転数の高いものに換装するだけで体感速度が向上するでしょうし。また、クリアブラック液晶に上位機種では PCI Express の GeForce Go 6200 with TurboCache を搭載し、DVD 再生やゲームも満足のいくクオリティで利用可能なのもポイントが高いです(下位機種では i915GM チップセット内蔵のグラフィック機能)し、DVD+R DL や DVD-RAM の記録にも対応したスーパーマルチドライブ(VGN-FS20 のみ DVD+R DL 非対応)も内蔵しています。もはや、これはエントリークラスのオールインワンノートのスペックではないんじゃないでしょうか。 と、なんだか深夜放送の通販番組みたいな勢いで紹介してしまいましたが(笑)type F がイイのはスペックと価格だけではありません。何より強く惹かれるのは、デザインがエントリーマシンっぽくないという点です。今までの VAIO ノート F/FX/FR シリーズや VAIO type K、あるいは他社でも 10 万円台前半で買えるようなノートはいかにもプラスチック筐体で内部構造に余裕があって組み立てやすく、キータッチも緩く・・・という感じでとにかく少しでも安く、というユーザー以外にはあまり勧めたくない雰囲気はありましたが、type F は雰囲気が良いんです。安物と思って見たらビックリしてしまうくらい薄く、その 25.4〜36.4mm という薄さは B5 モバイルである type S のそれ(29.9〜35.4mm)に勝るとも劣らない、いや、最薄部の薄さや全体的な印象としては明らかに type S を上回っているくらいです。しかも、天板はなんとマグネシウム製で高級感がありますし、パールホワイトのカラーリングも品良くまとまっていて非常に好感が持てます。「VAIO type F」という VAIO ノート F シリーズの後継機種のような顔をしておきながら、実際には過去の F シリーズよりも圧倒的にスタイリングにもスペックにもこだわりつつコストも抑えた非常に良いモデルに仕上がっていると言えます。これであと足りないのはテレビ録画機能くらいしかないのではないでしょうか? これだけの要素がぎっしり詰まった製品でありながら、最上位モデルでも \240,000 前後、最廉価モデルなら \170,000 というのはちょっと驚き。ミドルレンジには \190,000 のモデルと \215,000 のモデルも揃え、ほぼ全方位に向けてラインナップを揃えてきたというところでしょうか。しかもソニスタモデルで全てのオプションを外せばなんと \124,799!\70,000 すら切る HP の最安値ノートあたりと直接勝負できる価格ではありませんが、内容を考えると十分にリーズナブルな価格だと思います。これは、価格破壊が進むオールインワンノートに新たな価値を与えた、2005 年以降のホームノートのスタンダードとなり得る存在だと思います。かなりの意欲作ですし、ソニーにとっては今シーズンの自信作なんじゃないでしょうか?私も、自分で買うなら重厚長大な type A よりむしろこっちが欲しいくらい。テレビ録画を考えなければ、type A の 15 インチワイドモデルを買うくらいなら type F の上位モデルが良いかもしれません。 VAIO type A VGN-A72PB, A62B http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-A72P/ VAIO type A VGN-A72PS, A72S, A51PS, A51S (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/A17/ http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/A15/ 順当にパワーアップを続ける VAIO ノートのフラッグシップ type A は、もちろん Sonoma プラットフォームに対応しました。FSB533/DDR2/PCI Express/SerialATA といった最新のフィーチャーは全て漏らさず搭載し、上位モデルは Pentium M 760(2.00GHz)にまで到達しただけでなく、ソニスタモデルでは 770(2.13GHz)までも選択可能。また、ビデオチップが ATI MOBILITY RADEON X600 でビデオメモリが 128MB というのも、type S や type F の GeForce Go 6200 with TurboCache が UMA 方式(メインメモリの一部をビデオメモリとして利用する方式で、メモリ容量およびグラフィックのパフォーマンスに影響がある)に対するアドバンテージと言えるでしょう。また、VAIO ノートとしては初めて HD 映像の編集に対応した点も見逃せません。 ただ、今回の type A は type F の登場によってその立場が危うくなってしまった部分があるのは否めないでしょう。type F 発売の煽りを受けて type A の市販モデルは 17 インチ液晶モデルのみになってしまいましたし、スペック的にも type A ほどの性能を必要とするユーザーは一握り。テレビが観れること、HD 映像が編集できること、ノート PC とは思えないほどの高音質で音楽が楽しめること、VAIO ノートで随一の大画面・高解像度であること、このどれかに魅力を感じるユーザー・・・すなわちコアなホビーユーザーかよほどお金が余っているユーザー以外には type F で十分という気がします。確かに type A はコストを意識したモデルではまずあり得ないくらいに奢ったモデルですから「フラッグシップ」としての存在感を示すには十分なモデルですが、ある意味お飾り的になってしまったというか、今の type R のようにマニアックな路線に(相対的に)振られてしまったという印象がありますね。それだけ type F が破壊力のあるマシンだったということなのですが、type A が存在価値を示すことのできるキラーアプリケーションは登場するのでしょうか。HD をノートで、というにはまだディスク容量も心許ないですし、当面は type F に喰われてしまいかねない気がします。 VAIO type E VGN-E92B/B, E72B/S, E72B/D http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-E92B/ VAIO type E VGN-E72B/G (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/E/ 今回のモデルチェンジで、ノートでは最も目立たなかったのがこのシリーズなのではないでしょうか。毎度新鮮味のあるカラーバリエーションで我々を楽しませてくれた type E ですが、今シーズンはかなり地味なマイナーチェンジに終わっています。しかし、今回はソニスタモデルを含む全機種でテレビ録画機能を搭載しています(従来から継続販売されている VGN-E50B/D は除く)。これ、実はけっこう大きいのではないでしょうか?昨シーズンまでは「ソニスタオリジナルカラーが欲しいけど、ソニスタモデルにはテレビ録画機能がついていないし・・・」と悩んでいた方には朗報でしょう。これで「好きな色を選ぶかテレビ録画機能を選ぶか」で悩まずに、純粋に「何色にするか」だけで悩むことができます。価格や製品ジャンル的に競合しそうな type F が登場しましたが、type E が全モデルテレビ録画対応となったことで逆に type E と type F の棲み分けがハッキリしましたね。PC としてまとまっている PC が欲しければ type F、テレビ録画やカラーで楽しみたければ type E といった感じで。モデルごとの性格がハッキリしたことで、販売店等でも幅広い A4 ノートの売り分けがしやすくなったのではないかと思います。 ●VAIO 関連製品(ホームノート関連) 縦置きスマートケース VGP-CKFS1 http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?pd=19878 スリムなホームノート type F にピッタリなケース。非使用時にはこのケースに入れてスマートに縦置き収納できます。どことなく無印良品あたりで売っていそうなファイルボックスかポートフォリオっぽいというか、なんだか「おかたづけ」という単語が似合いそうなカワイイケースです^^;この箱に type F をしまっている姿を人に見られるのはこっぱずかしそうですが、なんだか楽しそう(笑。 というわけで、今日は type F のフォトレビューです。なにげに type Y よりもこっちの方が面白そう、と思っていたり・・・。 VAIO type F。一見して薄いと感じるデザインです。実際には 25〜30mm 近くありますが、フットプリントが大きいせいで実際よりも薄く感じるんでしょうね。 本体カラーはパールホワイト系で type Y と同系統ではあるのですが、プラスチック筐体だった type Y と違ってこちらはマグネシウム筐体(パネルサイドの無線 LAN アンテナ部にプラスチックパーツの切り替えがついているのが金属筐体の証)なので見た感じでも type Y より高級感が漂ってます。とてもバリューモデルとは思えません。 左サイドに LAN/モデム、DVD スーパーマルチドライブ。右サイドには PC カードスロット、i.LINK、メモリースティックスロット、USB 2.0×3、VGA 出力、電源コネクタ。USB 2.0 は 1 ポートくらい左サイドに回してもらった方が使い勝手が良かったかも。 メモリースティックスロットは最近増えている標準/Duo 両サイズ対応のもので、スロットには蓋もついています。 このあたりのアングルが最も薄く見えるポイントですね。実際に本当に薄いのですが、天板・パームレストのパールホワイトに底面のブラック(ダークグレー?ブルーブラック?)の対比がさらに薄く見せてくれています。どうもこの薄さを目の当たりにすると惹かれてしまう・・・。 なお、閉じた状態でも確認できるよう縁についている LED は type TR のように半透過でぼんやり光るタイプです。こういう細かいところにこだわっているのも廉価モデルらしくないというか。 液晶を開いたところ。 やっぱりクリアブラック液晶は輝度・コントラストが高いですね。写真に撮ってもまるでハメコミ合成のようなクッキリ、ハッキリとした映像です。これで DVD を観たらなかなか迫力がありそう。 type A で 17inch WUXGA というサイズ・解像度を実現しているので type F の 15.4inch WSXGA+ という解像度は数字上はちょっと物足りなく感じるかもしれませんが、これはこれで十分なサイズなのかも(まあ 17inch といったらデスクトップ向け液晶モニタの売れ筋サイズと同等の大きさですからね)。ホント、普通に使う分には十分すぎるモデルかも・・・。 白く清潔感溢れるキーボードはキーピッチ 19mm、キーストローク 2.5mm を実現した実用性の高いもの。単にスペックとして実現しただけでなく、叩いてみるとちゃんとカッチリとしたタッチで指の動きにちゃんと応えてくれる感触があり、非常に好感が持てました。少なくとも type S や type Y のキーボードよりは全然使いやすいタッチだと思います。 キー配列も [Enter] キーの右隣に余計なキーのない、潔い配列になっています。その代わりやけに [Enter] キーが幅広いのはご愛敬でしょうか(笑)。欲を言うならば、余裕あるパームレストのスペースを活かしてカーソルキーを独立(最前列の他のキーより少し段を下げる)させてくれるともっと使い勝手が良かったのですが。 パームレストの手触りもなかなか。変にプラスチックっぽくないサラサラした手触りで、ちょっと触り心地がいいです。 また、パームレストの縁に変にアールをつけずストレートなデザインにしてあるのも、一枚板のようなイメージで type F の薄さをさらに際立たせるのに貢献しています。 ・・・こんなところです。カタログを眺めているだけでも十分に魅力が伝わってきた type F でしたが、実物を見てしまうとさらに惹かれるモノを感じました。パッと見の印象とか、じっくり見たときのラインの処理とか、触ったときの感触とか、どれもよく考えられて作られているなーという印象を持ちましたね。もちろん、そういうコダワリを抜きにしても十分に「買い」と断言していい製品だとは思いますが。 あとは、どれだけ店頭やメディアへの露出ができるか、でしょうね。マーケティングにさえ失敗しなければ、ある意味 VAIO の歴史に名を刻めるモデルになり得ると思います。 ■記事リンク PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0105/sony.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0105/sony2.htm Watch for Sony Fan の記事 http://www.watch.impress.co.jp/sonyfan/flash/050105_f/ ITmedia の記事 http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0501/05/news032.html http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0501/05/news036.html http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0501/05/news075.html ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/hard/article/2005/01/05/653349-000.html |
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VAIO 2005/春モデルが発表されました。 ニュースリリース http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0105.html http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0105_biz.html 今日から仕事始めな方も多かったであろうこの時期の発表。今年は早かったですね。Intel からの「Sonoma」プラットフォームの正式発表前のフライング発表ですが、同日に富士通からもニューモデルが発表されており、昨年以来の商戦を先取りした新製品発表・発売のサイクルはまだ続いているようです。Intel の新チップセットは明日(米国時間)から開催される「International CES」の場で正式発表されるとみられ、それを受けて今週中には競合各メーカーからも春モデルが発表されるものと思われます。 「VAIO 第 2 章」の発表前後よりノートブック型 VAIO のバリエーションが増え、オールインワンノートとモバイルノートでマーケティングも分けられた感触がありましたが、今回からはノートブック PC が「ホームノート」と「モバイルノート」に、明確に分類されて再定義されました。今後、ホームノートはエンタテインメント寄りに、モバイルノートはシンプルあるいはビジネス寄りの路線に特化していきそうな雰囲気です。 一方で、デスクトップ PC は CPU クロックの向上が事実上フリーズしたことを受け、カラバリ追加などのマイナーチェンジに収まっています。 では恒例のニューモデルカタログインプレ、今日のところはみんな気になっているであろうモバイルノート VAIO から行ってみたいと思います。では、どうぞ。 ●VAIO モバイルノート VAIO type Y VGN-Y70P http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-Y70P/ http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Y/ 誰もが予想しなかったに違いない(?)新モデルは 12.1 インチのモバイルノート「VAIO type Y」でした。type U 以外では 13 ヶ月ぶり(X505 以来)となる、1 スピンドルモバイルノートで、イメージ的には type S の兄弟モデルのようなスペック/デザインになっています。 スペックは Pentium M 725(1.60GHz)に i855GME チップセット、60GB HDD、256MB/最大 2.0GB RAM とどちらかといえば type S よりも type T の内容に近いですが、ゲームや DVD 再生に力を発揮するディスクリート GA(単体グラフィックスチップ)ではなくコストパフォーマンスや実装性重視のチップセット内蔵 GA なのは評価が分かれるところ。どちらかというとビジネスパーソナルを意識した type Y の性格からすると、リーズナブルでそこそこのパフォーマンスが得られる内蔵 GA(Intel Extreme Graphics 2)を選択したのも致し方ないところでしょうか。しかし 1 スピンドルとはいえ実装に余裕のありそうな type Y の筐体ならば MOBILITY RADEON シリーズなどのディスクリートチップを搭載するという選択肢もあり得ただけに、type S のスペックを見ると若干物足りないところではあります(type Y でゲームしない、動画も観ない、というユーザーには必要にして十分なスペックですが)。 液晶ディスプレイは 12.1inch 4:3 のオーソドックスな TFT 液晶(XGA)で、「クリアブラック液晶」ですらありません。VAIO のほぼ全ラインナップでワイド液晶を搭載している現在、あえて 4:3 の液晶を搭載しているのはやはりごくごく一般的なビジネスユースを想定しているのでしょう。type S の登場当初は「ビジネスでもワイド液晶」を推していたソニーですが、それでも 4:3 のアスペクト比に対するニーズは(ユーザーの用途だけでなく、アプリケーション的な要件という意味でも)根強くあるのでしょうね。個人的には type S と同じ 13.3inch WXGA(1,280x800)液晶モデルも選択したかったところです。 薄さ 24.9mm、重量 1.69kg というサイズにバッテリ駆動時間 5 時間(標準バッテリ使用時)、.11b/g ワイヤレス LAN という仕様は今日のモバイルノートとしては可もなく不可もなく・・・といったところで、プラットフォームも Sonoma ではない従来の Centrino プラットフォームであるなど、マシン自体の新規性はさほど高くないですが、ある意味必要十分なところを押さえた製品であると言えるでしょう。そして、type Y で注目すべきはその低価格さ。実売 \170,000 前後というのはなかなかツボを押さえた価格帯で、この価格で「VAIO のモバイルノート」が手に入ることに魅力を感じる人は少なくないのではないでしょうか?代々、モバイルに特化した VAIO ノートは比較的高価なものでしたからね。というわけで、用途がハマればかなりお買い得なモバイルノートに仕上がっていると言えるでしょう。 VAIO type S VGN-S72PB, S52B/S http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-S72PB/ VAIO type S [HighSpec] VGN-S92PS/S, S92S/S (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/S92/ VAIO type S [Standard] VGN-S62PS/S, S62S/S (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/S62/ 「メインマシンも張れる」モバイルノートである type S が Sonoma プラットフォーム対応となりました。上位モデルの VGN-S72PB/B は CPU クロックこそ従来モデルから 133MHz しか上昇していませんが、チップセットが i915PM Express となり FSB が 533MHz に引き上げられました(i855PM は FSB 400MHz)。新チップセットの採用によってもちろん PCI Express や SerialATA、DDR2/デュアルチャンネル転送にも対応し、それぞれのデバイスも GA が GeForce Go 6200 に、HDD が SerialATA 接続・5,400rpm に、RAM が DDR2 400 対応に変更されています。次世代ラップトッププラットフォームのもう一つの特徴である ExpressCard はまだ対応製品が登場していないために見送られていますが、それ以外の新フィーチャーは全て備えたことになります。RAM がそれまでの MicroDIMM からより汎用性の高い SO-DIMM に変更されたのも、メモリ増設にかかるコストを考えるとありがたい変更かもしれません。 下位モデルの VGN-S52B/S は従来の VGN-S71PB とほぼ同スペック(光学ドライブが DVD±RW から CD-RW/DVD-ROM コンボドライブに変更されています)。最新でこそありませんが、昨シーズンまでの上位モデルが \200,000 前後で購入できるのはかなりお買い得だと思います。さらに、S52B は今までの type S のブラックから一変、軽やかなシルバーカラーを身に纏っているのも特徴。type S のブラックはやや重たい印象がありましたが、このシャープなシルバーはまたガラッと違った印象で、スマートかつシャープな雰囲気が漂っています。個人的には、type S を買うならソニスタでシルバーモデルを TUNE かな(※ソニスタモデルはシルバーカラーのみ)。 VAIO type T VGN-T71B/L, T71B/T, T51B/L http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-T71B/ VAIO type T VGN-T91PS, T91S (Sony Style) http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/T/ モバイルノートのベストセラーとなりそうな久々のモバイル VAIO のヒット作・type T が一回目のモデルチェンジ。とはいえ、出たばかりのモデルなので(しかもなかなか完成度の高いモデルだった)今回のモデルチェンジは地味なものとなっています。 CPU クロックが 1.10GHz→1.20GHz に、HDD が 40GB→60GB に、光学ドライブが DVD±RW ドライブから DVD-RAM も読み書きできるスーパーマルチドライブに変更になった程度。しかし「程度」とはいえ、HDD の 60GB 化は特に多くのユーザーが待ち望んでいたところでしょう。個人的には今使っている仕事マシンの HDD 容量が 40GB で、仕事関係のデータやら複数の開発環境やらを入れるとどう考えても 40GB では足りず古い仕事のデータを外付け HDD に退避させなくてはならなくなっているので、モバイルでもせめて 60〜80GB は欲しいなと思っていたところです。2.5inch HDD 内蔵ならば 100GB クラスのディスクを積むことも不可能ではありませんが、1.8inch HDD でもようやく 60GB が積めるところまできました。ビジネスユーザーでなくとも 60GB もあれば音楽や映像、地図(ぉ)などディスクの空きをさほど気にせずにあらゆるデータを持ち運ぶことが可能になるのではないでしょうか(さすがにメインマシンとして全データを溜め込んでおくのは厳しいでしょうが)。また、容量だけでなくディスクアクセス性能自体も 1.5 倍近いパフォーマンスアップが望める(らしい)など、HDD の 60GB 化は初代モデルユーザーにとっても羨ましいところでしょう。現時点で初代 type T のディスクを換装しようとしたら、\60,000 近くかけて iPod photo か gigabeat F60 をバラす以外にありませんから。このほか、DVD-RAM に対応したスーパーマルチドライブ搭載(旧モデルでも DVD-RAM の読み込みには保証外ながら対応していたようですが)となって使い勝手が向上した光学ドライブや容量アップして駆動時間の延びたバッテリも併せ、さらに完成度の高まったモバイルノートになっていると言えます。あと、従来モデルではソニスタモデルでしか選べなかったオンボード 512MB メモリが上位モデルの標準仕様になったり、バーガンディブラウンのカラバリが下位モデルでしか選べなかったのが今回は上位モデルのみになっていたり、かなり実際のユーザーニーズを反映したモデルチェンジになっているのではないでしょうか。 総じて、今シーズンモデルの目玉である Sonoma プラットフォームにこそ未対応ですが、「いま」のモバイルを考えたときに必要なものがちゃんと入っている、歓迎すべきマイナーチェンジと言えそうです。ただ、次期モデルあたりで Sonoma に対応するのであれば、PCI Express の外付け GA でグラフィックス性能もそれなりに求められるスペックにしてほしいですね。2.5inch HDD は諦めたんですから、それくらい求めてもバチは当たらないと思うんですが、どうでしょ^^; そして、ある意味今回のモデルチェンジのキモが、これ。 http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Special/T/Carbon/ カーボンですよ、カーーーボーーーーーーン!!!(←落ち着け 限定ブラックモデルやカーボンに異常なほど反応してしまう私ですが、今回もまたグッときてしまいました。type T は良いマシンなのでただでさえ欲しかったのですがというか実際に「バスケットにいれる」ボタンをポチッまでは何度か行っているのですが(ぉ、今回ばかりはさすがにヤヴァイかもしれません。夏モデルあたりで何かモバイルノートを 1 台、と思っていましたが、もしかしたらこれは夏までガマンできないかも・・・X505 とカーボンモデルを 2 台並べて悦に入っている自分の姿が容易に想像できてしまうあたりが怖い(´Д`;)ヾ。 ●VAIO 関連製品(モバイルノート関連) i.LINK ポータブル DVD スーパーマルチドライブ PCGA-DDRW3 http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?pd=19880 DVD+R DL に加えてついに DVD-RAM の記録にも対応した DVD スーパーマルチドライブ。最近の VAIO および関連製品はスーパーマルチドライブとか SD カード対応とかかなりなりふり構ってない感じですが(笑)、ユーザー本位なのは良いことです。最近の VAIO ノートはほとんど光学ドライブ内蔵になってしまったので本製品を必要とするユーザーも多くはないでしょうが、この製品は実質 type Y 向けといったところかな。 フロッピーディスクドライブ VGP-UFD1 http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?pd=19882 USB FDD はようやく現行ラインナップに合わせたブラックモデルが発売になりました。旧型の USB FDD でも問題なく使えるのですが、以前の「VAIO カラー」は最近のモデルにはちょっと浮いてしまっていいたのでブラックカラーが欲しかったところでした。また、今回からデスクトップとノートで FDD オプションが共通化されています。 VAIO オリジナルビジネスバッグ VGP-MBD2 (Sony Style) http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?pd=19896 ちょうど一年前に登場した L.E.D.BITES×VAIO×Sony Style のオリジナルビジネスバッグが復活。今回はブラウンです(ぉ カラー的に type T のバーガンディブラウンモデルと組み合わせて使いたい感じですが、意外とミッドナイトブルーでも似合いそう。 個人的には「TUMI Edition」の TUMI も単品で購入できる(あるいは type T との組み合わせでも購入できる)と嬉しいんですが・・・いかがでしょうか>O さん USB 光学式マウス PCGA-UMS3/L, UMS3/T http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?pd=13854 ここのところ毎シーズン何かしらの新色が登場している UMS3。今回は type T と同カラー「ミッドナイトブルー」「バーガンディーブラウン」が追加。これを待っていた人も多いのではないでしょうか?[Carbon Edition] に合いそうなマウスが通常のブラックしかなくイマイチこだわりに欠けるのが惜しいところですが、カーボンは X505 のときと同様意外に [SS RED] が似合うので私はこれで・・・ってまだ [Carbon Edition] を買うと決めたわけじゃありませんよ(´Д`;)ヾ。 ・・・といったところですが、 今日は数ヶ月ぶりに仕事が早く終わったので帰りにお台場に寄ってきました。メディアージュではどうやら本日発表のニューモデルが着荷したばかりらしく、ちょうど展示が完了したところ、といった感じでした。当初の先行展示は type F、type M、type V のみの予定だったようですが、聞いてみたところ type Y が別便で届いたばかりでまだほとんどどなたも触っていない状態のものを出してきていただけました。 というわけで、急遽行ったフォトレビュー、少しだけどうぞ。 ※なお、試用した type Y は製品出荷前のプロトタイプであり、製品版とは仕様や外観が若干異なる可能性があります。 一見 type S のカラバリモデルにも見えるこの type Y。パールホワイトのカラーリングが、ブラック一辺倒だった「第 2 章」の VAIO の中では異彩を放って見えます。真っ白でもなくベージュでもない落ち着いたホワイトで、ビジネスでもパーソナルでも抵抗なく使えるカラーではないでしょうか。 天板はおそらくマグネシウムではなくプラスチック。VAIO ロゴもメッキしてありますが「ルミナスミラーロゴ」ではないなど、質感という意味ではかなり控えめになっています。ビジネスを意識した、という見方もできますが、どちらかというとコストを重視した結果でしょうね。常にこだわったモデルを出し続けてきた VAIO モバイルノートの中では珍しいコストパフォーマンス重視モデルと言えます。 左側面に電源プラグ、LAN/モデム、VGA 出力、USB 2.0×2。右側面(ボケボケでゴメン)には音声入出力と電源出力付き i.LINK、PC カードスロットがついています。PC カードスロットの後ろには冷却ファンの排気口がついていますが、比較的大きく開いたスリットの隙間からヒートシンクがハッキリと見えてしまうのはちょっと減点かも。 開いたところ。この状態だとかなり type S に近いイメージになりますね。しかし、液晶が 4:3 なので type S よりも普通のノート PC 然とした雰囲気になっています。ワイド液晶モデルに目が慣れてしまった今では、4:3 画面の VAIO は逆に違和感すら感じますね。 キーボードは type S のものと共通っぽいです(ちゃんと比べたわけではないのでデザインが同じだけかも)。キータッチは薄型ノートらしくペチペチした感触で、あまり良いとは言えないですね。 液晶画面は「クリアブラック」ではない普通のアンチグレア液晶。ビジネスユースなら逆にこちらの方が使いやすいと感じる人も多いでしょう。ただ、最近では高解像度のパネルを見慣れてしまったせいか、12.1 インチで XGA(1,024x768)ではちょっと狭く感じてしまいます。やはりワイド画面で WXGA クラスの方が・・・ビジネスユースでもワイド液晶を使うメリットは少なくないと思うのですが、どうでしょう?次期モデルではぜひワイド液晶モデルをラインナップに追加してほしいところです。 横から見たらこんな感じ。底面から液晶パネルに繋がる滑らかなサイドラインが type S の流れを感じさせますね。 しかし、薄型の 1 スピンドルモデルの割にはこの角度から見たときに薄さを感じないのも事実でしょう。むしろ、type S のような光学ドライブ搭載モデルでこのくらいの薄さを実現し、1 スピモバイルならもう一声薄くしてほしいというのが正直なところ。コストとの兼ね合いもあって難しいところだとは思いますが、type Y が悪くないマシンでありながらもそこまで強烈な「引き」を感じなかったのは、このあたりにあるのかもしれません。 type Y に付属という AC アダプタ。「VGP-AC16V8」という型番で、VAIO type B に付属のものと同等のようです。一応接続状態を示す LED はついていますが、他のモバイル系モデルに付属のもののようにデザインに凝っているわけでもない普通の AC アダプタなのが残念。 トータルで見ると、type Y は至るところでコストダウンを図ったモバイルノートの廉価モデルである、ということができそうです。全体的には確かに VAIO ですし、type S の流れを汲むデザインには確かに好感が持てるのですが、表現してくれる質感はやはり廉価モデルのそれ。今までのモバイル系 VAIO を見てきたユーザーには物足りなく映るところもあるでしょう。 しかし、\170,000 程度でこのモデルが手に入ると考えると話は別。今では選択肢も少なくなってどちらかというとコスト高になりがちなモバイルノートで、しかもそれなりにセンスの良いノートがこの価格で買えるのであれば、多少のことには目を瞑れるというもの。ある意味 type Y は今までとは違ったアプローチでなかなか広がらないモバイルノート市場を活性化させようという、実験的な意味合いを持ったモデルなのかもしれません。少なくとも、この製品によって今までとは違う層がモバイルノートに目を向けることにはなりそうです。 ホームノートおよびデスクトップに関しては、明日以降に続きます。 ■記事リンク PC Watch の記事 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0105/sony.htm http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0105/sony3.htm Enterprise Watch の記事 http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/hardware/2005/01/05/4268.html Watch for Sony Fan の記事 http://www.watch.impress.co.jp/sonyfan/flash/050105_t/ ITmedia の記事 http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0501/05/news033.html http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0501/05/news036.html ASCII24 の記事 http://ascii24.com/news/i/hard/article/2005/01/05/653349-000.html デジタル ARENA の記事 http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20041215/110332/ |
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新年あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。 皆さんはどんなお正月をお過ごしでしょうか?冬ボで買った新製品と戯れている方も少なくないでしょう(^^; 私の方は、大晦日からずっと夜勤が続いています。 休みもなくずっと働いているせいか、全然年が明けたという感覚がありません・・・夜勤明けに初詣に行ったのですが、私の他にスーツ姿で初詣に来ている人はさすがにいませんでした(>_<)正月三が日にお酒を一滴も飲まないというのも、十数年ぶり。くっ、今の仕事が片づいたら一ヶ月くらい休んでやるっっっ。 さて、年明け一回目の VAIO Column。 最近は PC 関連のテーマで書くことも少なくなりましたが、ここは VAIO ファンサイトということで、新春らしく 2005 年の VAIO、特にノート PC の展望について、ひとつ。 昨年末の記事ですが、本田雅一氏のコラムより http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1228/mobile272.htm 2005 年は“モバイルPCを買い換えたくなる年”に「なるといいな」という記事です(笑)。2004 年(だけでなく、ここ 2〜3 年)はモバイル PC のスペックがなかなか上がらず、プラットフォーム的にも A4 オールインワンがデスクトップリプレースメントとして人気が出たこともあってモバイル PC は長らく「不作」と呼ばざるを得ない状況が続いていました。CPU クロックも(低電圧版、超低電圧版は)1GHz 前後から大きな進歩がありませんでしたし、HDD も主流が 1.8inch に交代したお陰でせいぜい 40GB 止まり、という状況が続いていました。 Pentium M/Celeron M プロセッサの登場によってモバイル CPU の発熱/消費電力は一時期に比べれば落ち着いたものの、モバイル PC のバッテリ駆動時間はどちらかというと液晶ディスプレイや内蔵各モジュールの細かな省電力化の積み上げという PC ベンダの努力によって伸ばされてきた側面の方が大きいでしょう。マシンのサイズや重量にしても、最近では多くのメーカーで X505 クラスの実装が可能にはなっているようですが、どちらかというと極端な薄型軽量化に走るよりも高密度実装によって得られたマージンを光学ドライブやより大容量のバッテリの搭載、筐体の堅牢性アップに充てるといったアプローチをとるメーカーがほとんどではないかと思います。 その結果、多くのメーカーが何かを犠牲にすることによって「世界最薄・最軽量」を目指していた一時の状況と比べ、製品カテゴリ全体としてのユーザビリティは比べものにならないほど向上していると言えます。しかし、ちょうど買い換えのタイミングにあるユーザーはともかく、必ずしも買い換えの必要のない(あるいは最近 PC 自体に対する興味が薄れてきてしまった)ユーザーに「何を差し置いても買い換えたい」と感じさせるほど魅力あるマシンもほとんどない、のも事実ではないでしょうか? 私たちが PC を買い換えたい、と思うときには、おそらく二つの理由があります。ひとつは、それまで使っていたマシンのスペックが陳腐化して使いにくいと感じたり、マシン自体が壊れてしまったとき。そしてもうひとつは、今のマシンはまだ使えるけれども、「『それ』が欲しい」と思えるだけ魅力的なマシンが登場したとき、でしょう。 モバイル PC のスペックについては、2005 年は大きな転換点と言える一年になるでしょう。 今年中に始まる x86 互換 CPU のマルチコア化はまずデスクトップ PC 用プロセッサから始まり、次に DTR 用途などの大型ノート向けプロセッサに波及するでしょうが、ことモバイル用プロセッサに関してはダイサイズや消費電力の問題があり、当面はシングルコアに留まるとみられています。しかし、PC にとって CPU 以上に重要と言えるチップセットを含めたプラットフォーム全体に関しては、今年中盤にほぼ刷新されると言っても過言ではありません。Centrino ブランドに続く Intel の次世代モバイルプラットフォーム「Sonoma」(コードネーム)の核となる新チップセット「Alviso」(コードネーム)では、昨年登場したデスクトップ PC 向けチップセット「Grantsdale(i915)」「Alderwood(i925)」(ともにコードネーム)世代でサポートされた新アーキテクチャ群(PCI Express、SerialATA、DDR2 など)がノート PC でも利用できるようになります。これに加えて次世代 PC カード「ExpressCard」もローンチするため、2005 年にモバイル PC のプラットフォームはそれまでとは全く異なったものになります。これらのテクノロジーをサポートするため、今年は ThinkPad も Lenovo 移管後のタイミングでプラットフォームを刷新する予定らしいですが(おそらくそれは 50 シリーズになるのでしょうか)、他のベンダーからも同時期に新しいプラットフォームに対応した新製品が出てくるものと思われます。 HDD に関しては、昨年末に登場した東芝「MK6006GAH」で 1.8inch HDD もついに 60GB に到達し、さらには流体軸受も採用するなど、かなり 2.5inch HDD に近いスペックを実現してきました。CYBALION の掲示板にて iPod photo をバラして VAIO type T の HDD を換装した猛者の方のレポートによると、従来製品(40GB クラス)比で 50% 近いパフォーマンスアップを達成しているようです。昨今のモバイルノートは 1.8inch HDD を搭載したものが主流になりつつありますが、いずれも HDD のパフォーマンスがボトルネックになっていただけに、今後 30GB プラッタ HDD の普及が進んでくれば現在の 2.5inch HDD 搭載製品とのパフォーマンス差もかなり縮まることでしょう。さらには今年前半のうちに 1.8inch 80GB の登場も予定されているなど、1.8inch HDD の容量/パフォーマンスアップはハイペースのまま進みそうです。とはいえ、2.5inch で 100GB が達成されていることを考えると「まだまだ 80GB」なわけですが、今後は出荷比率も 1.8inch の方に主流がシフトしていくでしょうから、この開発ペースは歓迎すべきだと思います(しかし、3.5inch HDD の大容量化がここ数年伸びなかったのと同様の「壁」がそう遠くない未来に待ち受けているであろうことは、想像に難くないですが)。 一方で「魅力的なマシン」が登場する可能性に関しては、ひとえにメーカーの(VAIOethics 的に言えばソニーの)がんばりにかかっています。上記のようなプラットフォームの変革を受けてモバイル PC の内部構造がガラッと変わってしまうことは抗いようのない流れですが、その変化を上手く消化して最終製品を魅力的な形に仕上げるのは、Intel でもパーツベンダーでもなく、PC メーカーです。新プラットフォームがもたらす次世代のパフォーマンスはあくまで(コンシューマ PC の観点で言えば)新しいエンタテインメントを受け止める土台にすぎず、新プラットフォームが提供する性能や(SerialATA や ExpressCard によって)広がるであろう設計の自由度を活かすも殺すも、PC メーカー次第であると言えます。 VAIO 全体に関して言えば、PCI Express や DDR2 によって広がったバス幅は HD 映像の録画や再生、編集に大きく寄与するでしょうし、春にも(早ければ今月末にも発表されるであろう 2005/春モデルとして)登場する新「ルームリンク」などと併せて、VAIO での HD シフトは急速に進むことになるでしょう。2005 年の VAIO のキラーコンテンツの主力が HD 映像になることは、まず間違いありません。 また、昨年末に発表になった人事情報において、新設された「コネクトカンパニー」(「CONNECT」やネットワークウォークマンファミリーを統括的に扱う本社直轄の新組織)の執行役員に VAIO 部門担当の木村プレジデント、元 CoCoon 部門の辻野プレジデントが就任していることも興味深いです。このことは、CONNECT と Mora、そしてネットワークウォークマンの今後だけでなく、VAIO やソニーの各デジタルレコーダの今後にも大きく関わってくることになるでしょう。 PC に魅力をもたらすコンテンツとしては、昨年に引き続きデジタル/HD 放送とネットワークミュージックが当面の中心になっていくのは間違いないでしょうが、こと「モバイル」の観点で見るとこれといってキラーコンテンツになりそうなものがないのも事実ですよね。音楽配信サービスをモバイルで利用する、という楽しみ方も、半分くらいは(いや、ノン PC 層まで含むと過半数は)「着うたフル」のようなサービスに喰われてしまうでしょう。ビジネスパーソナル向けマシンならまだしも、パーソナルユース向け PC でキラーコンテンツがなくなった(あるいは、携帯電話やポータブルメディアプレイヤーにコンテンツを喰われてしまった)場合、かつて PDA が辿ったのと同じ道をモバイル PC も辿ってしまう、ということにもなりかねません。そういうときに、モバイル PC が他のポータブルデバイスと差別化、または共存できる道を見出すことができるのか、あるいは以前の VAIO U のように「アプリケーションはユーザーが見つける」としてとにかく意欲的なモバイル PC を投入することができるのか。後者に関しては、VAIO ではおそらく type T 以上のマシンは当分出せないんじゃないか、というのが、個人的な予測ですが・・・。 個人的な話をすると、今の仕事マシン ThinkPad T40p がこの夏に購入後 2 年を迎えるということで、そのタイミングでニューマシンの購入を考えています。Pentium M 1.60GHz/2.0GB RAM というスペックはモバイルとしては今でも一線を張れるもので性能的にはほとんど不満がないのですが、14inch/2kg はいかんせん重いので・・・。そんなわけで、夏モデルあたりで何かモバイルが一台欲しいと思っています。このままだと type T の夏モデルあたりに落ち着くか、何も購入せずに今の X505 をそのまま仕事マシンに回すかのどちらかかな、と考えているのですが、それを覆すくらいにがつんとくるモバイルノートの登場に、淡い期待を寄せてみてもいいのでしょうか、ソニーさん? |
My Diary Version 1.21 [ 管理者:Brown Sugar 著作:じゃわ ] |