VAIO Column
[Columnから戻る]
[他の月を見る]
(2004/12)


[ 2004 年の終わりに ] 2004/12/31(Fri)
2004 年も、残すところあと数時間となりました。
例年ならば、大晦日は実家で NHK 紅白歌合戦をみつつ一年の締めの Column を執筆しているところですが、私はこれから夜勤です(>_<)新年を職場で迎えることになろうとは○| ̄|_結婚後初めての大晦日に、雪の降りしきる中、奥さんに「良いお年を」と言って出かける哀しさといったら・・・。

それはさておき、2004 年最後の VAIO Column。いつもこの時期は独断と偏見でその年の PC ベスト 3 を選出していますが、今年は行いませんでした。というのも、今年はこれといって惹かれるマシンがなかったから。私がノート PC を購入しなかった年はここ数年来なかったことです。今年は「VAIO 第 2 章」という大きなイベントがありましたが、コンセプトこそ「VAIO」らしかったもののデジタル家電景気の勢いの前に霞んでしまった感があります。オリンピックのスポンサーを松下に押さえられてしまったせいで、VAIO・AV ともに「オリンピックは VAIO/スゴ録/PSX で録画!」と言えなかったことや、PC 自体がデジタル放送の録画に関して制限が大きかったことも大きく影響したのでしょう。デジタル家電に対する PC のアドバンテージをうまく消費者に伝えられなかったことと、そもそもその PC のアドバンテージ自体を一般ユーザーが魅力的と感じなくなったことが今年の(VAIO に限らず)PC 業界の敗因ではなかったでしょうか。
PC 市場そのものが閉塞感に包まれているのは今年に始まったことではありませんが、その中でも先日発表になった IBM の PC 事業売却のニュースはやはり今年の IT 関連ニュースの中でも最も大きなものではないでしょうか。コンシューマ PC 市場に即座に大きな影響を与えるとは考えにくいですが、礎となったメーカーを失った PC はこの先どこへ行くのか。Longhorn まで新 OS がなく、LGA775 Pentium 4 のような新プラットフォームがでてもさして話題にならないほど飽和してしまった市場の状況は、来年も急転はしないでしょう。
しかし、良いマシンも中にはいくつかありました。VAIO type U は面白かったもののキーボードがないために手を出さずじまいだったユーザーは私を含め少なくないのでしょうが、type U 以外にも久々のモバイル系 VAIO のヒット作 type T や、バッテリ重量を除けば VAIO X505 に匹敵する軽さながらもバッテリ駆動時間や使い勝手に妥協のなかった Let'snote R3、Pentium M に遜色ない性能を発揮する「Efficeon」を搭載した MURAMASA PC-MM2 など、長らく停滞していた 10 インチクラスのモバイルノートに新しい息吹を感じた一年でした。一方、デスクトップ PC の方は従来の GA に依存しない高画質化回路を搭載して真の「テレビ画質」を目指した製品や、VAIO type X のような多チャンネル録画/デジタル放送録画対応の製品が注目を浴びてはいましたが、相変わらずコンテンツをテレビに頼りきっているあたり、今後に不安を感じますね。
個人的にはこの夏にデスクトップ PC を新調しましたが、これもさすがに Athlon 1.2GHz じゃ辛くなってきたのと省スペース化の意味合いが強かったのでスペック的には 1 年以上前のものですし、それだけ PC のスペックに貪欲でなくなったというか、PC の性能がさほど必要ない時代になってしまったということでしょう。処理速度よりもむしろ 20 インチ液晶のような使い勝手に貢献する製品の方が、最近は投資する価値が高いですね。

2004 年に私が注目したのはなんといってもポータブル HDD オーディオプレイヤーでした。夏に iPod mini、VAIO pocket、NW-HD1 を相次いで手に入れ(VAIO pocket はあっさり手放してしまいましたが)、それまでのフラッシュメモリ式ネットワークウォークマンと MD ウォークマンの生活から一気に 2,000 曲オーバーのライブラリを毎日持ち歩く生活に変わり、音楽の楽しみ方もそれまでとは少し変わってきたような気がします。また、まだまだ発展の余地ある製品ジャンルのため、各製品ごとに長所/短所がハッキリしていて比較のしがいもありました。一時は、ここは SatelliteMG じゃないかというくらいにオーディオプレイヤーの記事ばかり書いていた時期がありましたが(笑)、今年は本当に PC よりもポータブルプレイヤーの方が面白いと感じられた一年でしたね。ウォークマンの MP3 対応化や各レコード会社・EMD(音楽配信)サービスのコピー制限緩和、来年にはおそらく日本版 iTMS スタートもあり、むしろこの市場はまだまだ動き始めたばかり、といったところで、来年も目が離せそうにありません。
音楽プレイヤーだけでなく、動画や携帯ゲーム機も熱い一年でした。ソニーの PCVA-HVP20 の登場は昨年終盤でしたが、それに続いて HMP-A1、有機 EL CLIE「PEG-VZ90」などもありました。ソニー以外でも Windows PMC に対応した「Creative Zen PMC」や、韓国や台湾系メーカーから多数のポータブルメディアプレイヤーが登場しましたし、年末には極めつけの PSP もありました。PSP はストレージ容量こそ物足りませんが、他製品を凌駕する画質・音質と何より破壊的なまでのその価格によって、DVD プレイヤー市場の牽引役となった PS2 の再現となりそうな勢いがあります。ライバル NDS(および GBA SP)の方も MPEG-4/MP3 対応アダプタを開発しており、もはやポータブルメディアプレイヤー市場はポータブルオーディオプレイヤー/ムービープレイヤー/PDA/携帯電話/ゲーム機が入り乱れて戦う激しい市場になってきました。その一方で、21 世紀のポータブルプレイヤーのリーディングカンパニーとなり、QuickTime の生みの親でもある Apple は iPod photo を発売し、ポータブルビデオの方向性とは現時点では一定の距離を置いているという現状も、今後どう動いていくか興味深いところです。


ところで、今年最後のお買い物。

Bowers & Wilkins DM600S3

夏に買った 704 に続き、Bowers & Wilkins のスピーカ「DM603S3」です。
http://www.marantz.jp/bw-speakers/600s3/dm600s3.html
ホームシアターのサラウンドスピーカのリプレース用として、3 セット(6 本)大人買いまとめ買い(ぉ。これでサブウーファ以外のスピーカは全チャンネル B&W で揃えたことになります。忙しくてまだ箱から出しただけ、接続すらできていないのが悲しいところなのですが、お正月の仕事が落ち着いたらじっくりセットアップしたいと思います。
しかし今年は夏のフロント 3 本に加えて秋に買った PC 用の MSP3、そして今回のスピーカと、1 年で 11 本も買ったことになります(^^;
これで私のホームシアターも一応の完成というか、しばらくは一段落かな。来年辺りは HD 放送の試聴/録画環境に手を出してみたいとは思っていますが、サウンド周りに関してはしばらく投資するつもりはありません。HD 環境も揃え始めると映像機器を HDMI 対応機で揃えてしまいたくなりそうなので、ちょっと躊躇してしまいますが・・・。

そんなところで。
今年は個人的にも結婚というイベントがあり、人生の大きな転機になった一年でした。この一年で、仕事や家族、人生に対する考え方も大きく変わった気がします。一方で、生活は仕事漬けで昼夜なく週末もなく、プライベート的にはかなり自由がなく、苦しい一年でした。買うだけ買ってまともにいじれなかったものも数知れず・・・。実は来年前半のうちに、もう一つ大きなイベントが発生することになりそうなのですが、それを乗り越え、来年はもっと良い一年にしたいと思います。あ、ちなみに子どもが生まれるわけではないですよ(笑。

それではみなさん、よいお年をお迎えください。
さて、私は仕事・・・。


[ Elementalors ] 2004/12/30(Thr)
年末も押し迫ってまいりました。関東では昨日初雪が降り、なんだか年末気分が盛り上がってきた感じですね(?)。ほとんどの方はもう仕事納めも済み、冬休みに入っていらっしゃることでしょう。私は大晦日もお正月もなく出勤なのですが(泣)、さすがにこの時期は電車が空いていますね。

年の瀬のイベントといえば、年賀状作成。もう元旦には届かない時期にこんなことを書くのもなんですが、みなさんはもうお済みでしょうか?私の方は、就職以来年末は時間がないことを言い訳に年始のご挨拶をメールで済ませるようになって数年が経ちましたが、今年は結婚したこともあり、ちゃんと年賀状を書いてみました。
私はいわゆる年賀状ソフトは使わずに、通信面(文面)を画像処理ソフト(主に Photoshop)、宛名面をワープロソフトで作るようにしています。年賀状ソフトは楽ですが、デザインをテンプレート任せにすると個性がなくなってしまうので・・・いつもは気に入った写真を取り込んだり自分でデザインを作ったりしつつ、文面を作っています。
宛名面は一太郎 2004 の住所録/ハガキ印刷機能を使いました。私は個人で MS Office を使っていないので、最初は OpenOffice.org を使おうと思ったのですが、やっぱりハガキという日本独自のフォーマットは日本のワープロソフト(ジャストシステムは 2004 年以降の一太郎シリーズを「ワードプロセッサ」とは呼ばずに「考えるための道具(Thinking Processor)」と呼んでいますが)の方が強いですし、一太郎なら機能的にも枯れていますからね。一太郎 2004 は結局購入したときに数度使ってから全く使っていなかったんですが、ようやく日の目を見ました(^^;でも 2004 の新機能を全然活用していないし・・・。
そういえば、ちょっと前の MYCOM の記事に「今年の年賀状は TeX で」なんて記事もありましたが、さすがにそれはないでしょ(´Д`;)ヾ。

で、今回通信面の作成に使ったのが、新しくなった Photoshop Elements。

Adobe Photoshop Elements plus Adobe Premiere Elements 日本語版 乗換え/アップグレード   \13,440(税込、ビックカメラ有楽町店
http://www.adobe.co.jp/products/psprelements/

本当は先月購入していたのですが、インストールしただけで使う暇がなく、Column 用の写真のレタッチに少し使った程度だったのですが、今回ようやく少しまともに触ることができました。フォトレタッチだけなら Photoshop Elements 3.0 だけでも良かったけど、そろそろまた動画編集のスキルが必要になるかもしれないので、久々に触っておこうと思って Premiere Elements 1.0 とのセットパッケージを購入。でも、よく考えたらカムコーダ持ってないゃ・・・。
パッケージは通常のジュエルケースに入っているかと思えば、DVD と同じトールケースにメディアが 3 枚(Premiere Elements は 2 枚組)入っていました。今回はパッケージデザイン(と起動時のスプラッシュイメージのデザイン)も日本市場向けに独自に作られたものらしく、売り方やイメージ戦略にもかなり気合いが入っているなーという感じ。同時に購入した NIS2005 のインストールメディアがいつもの紙のスリーブケースに入っていたのとは大違いです(笑。

Adobe Photoshop Elements 3.0

スクリーンショット。1.0→2.0 のバージョンアップでは見た目的にはほとんど違いがありませんでしたが、今回は大幅に変わってます。画面デザインは全体的に iTunes っぽいというか、ウィンドウの枠やメニューバー周りのデザインが Windows アプリケーションらしからぬ雰囲気になりました(ただ、Windows 標準の UI よりもウィンドウ枠が厚めで、XGA 程度の低解像度ではちょっと使いにくい)。作業中の画像は、最小化するとウィンドウ下部の「フォトエリア」と呼ばれる領域にサムネイル化されるので、私のように大量の画像ファイルを一気に開いて編集する使い方にはありがたいです(特にイベントレポートなんかだと数十枚単位で開くので、最小化すると折りたたまれる従来バージョンの仕様はちょっと使いづらかった)。
しかし、ツールパレットが従来のようなフローティングウィンドウではなく MS Office のツールバーのようにウィンドウ枠と一体化しているので、使い慣れた Adobe ソフトウェアのインタフェースとは使い勝手がかなり変わってしまったのが残念ですというか使いづらいです。パレットエリアは使わないときには畳んでおくことができますし、パレットをドラッグすることでフローティングウィンドウ方式で表示することもできるのでいいんですが、その他にも「ナビゲータ」パレットの拡大率スライダの位置が変わっていたり、「レイヤー」パレットのパーツ配置が変わっていたりしてちょっとずつ使い勝手が変わっちゃってます。慣れの問題とはいえ、長年のバージョンアップを重ねて「枯れた」Photoshop のインタフェースを簡単に変えてしまうのは、ちょっといかがなものか。

UI 周りの変更だけでなく数多くの機能強化が行われた Photoshop Elements 3.0 ですが、個人的には Photoshop 7.0 以降の新機能「修復ブラシ」が Photoshop Elements でもサポートされるようになったのが一番嬉しいです。デジカメ写真のレタッチをよく行う私としては、この機能があるかないかで作業効率がかなり違うというくらいに使える機能なので、この機能を使いたいがために上位バージョンにアップグレード(直販キャンペーン価格でも差額 \50,000)するかどうか悩んだくらい。この強力なツールが Elements に備えられたのはかなり大きかったですね。私的には Elements 3.0 の目玉機能でした。あとはデジカメの RAW データにも対応していますし、フィルタも充実しているので、デジ一眼や 700〜800 万画素クラスの高級一体型デジカメなどのユーザーもかなり満足できるつくりになっているのではないでしょうか。
実際にはまだまだ Photoshop CS との機能的な差異はありますが、CMYK モードは使わないし、トーンカーブやチャンネルはあれば便利だけど・・・という程度。欲を言えば上位バージョン並みのカラーバランス調整機能とテキストレイヤーの調整に自由度があればさらに良いんですが、そのあたりは工夫次第で何とかなるからなあ。とはいえ、Photoshop CS で強化された写真の修整機能はデジ一眼があればかなり重宝しそうなので、いずれ EOS-D あたりを手に入れたら上位バージョンが欲しくなりそうです。

総じて Photoshop Elements 3.0 はまだ身体が慣れていない新しい UI を除けばおおむね気に入っていますが、他に難点を挙げるとすれば重いことかな。Photoshop Elements 1.0 の頃からそこそこ重いアプリという印象はありましたが、3.0 は通常版 Photoshop も顔負けなほど重いです(特に起動が)。これは従来別アプリだった Photoshop Album の機能を取り込んだことに起因するものなのでしょうが、私は画像管理は原始的なフォルダ分類+Windows のサムネイル表示機能で十分だからなあ。セットアップ時に写真整理モード(Photoshop Album)の機能をインストールしないオプションも選べると良かったんですが。
とはいっても、Photoshop Album はインストールすると Windows XP の自動実行機能を乗っ取って外部ストレージ(デジカメや USB メモリ、カードリーダ、CD-ROM など)を接続すると少なくとも Windows 標準のウィザードよりは便利そうな取り込みウィザードを表示してくれますし、エクスプローラでは混乱してしまうエントリーユーザーにとっては写真整理モードでアルバム管理した方が分かりやすいでしょうね。写真編集モード(従来の Photoshop Elements の機能)もクラシックな使い勝手だけでなくウィザード中心のお手軽レタッチモードも選べますし、エントリーユーザーがステップアップしていくためのツールとしても良い素材だと思います。今回のバージョンアップで、Photoshop Elements 3.0 は従来の廉価版フォトレタッチソフトという位置付けから「編集から管理まで一貫して行えるデジタルイメージングのポータルアプリ」に進化した、と言えるのかもしれません。少なくとも、重いことを除けば \10,000 そこそこでエントリーユーザーからパワーユーザー(ハイアマチュアから、用途によってはプロフェッショナルにも)までカバーできる非常に間口の広い、お買い得なツールと言えるでしょう。

一方の Premiere Elements の方は、肝心の編集素材がないので・・・そろそろカムコーダの一つも欲しいな、とは思っているのですが、来年は何か狙ってみるかな。HDV フォーマットの Handycam にもっとバリエーションが増えてくれると良いんですが・・・って、Elements だと HD 編集できないじゃん(´д`)。

ちなみに私は、今回の年賀状作成で眠っていたプリンタとスキャナをひさびさに使いました。郵政公社のインクジェット用年賀はがきもすっかりメジャーな存在になりましたが、やっぱりインクジェット紙とはいえ最近のプリンタ専用紙に比べると見劣りしますね。今年からはさらに写真印刷に適した光沢紙タイプの写真用年賀はがきも登場(関東地方限定)したらしいですが・・・通常のインクジェット版を買ってから気付いたよ(´Д`;)ヾ。


■記事リンク
デジカメ Watch の記事
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2004/10/26/320.html
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2004/12/08/604.html
Digital Freak の記事
http://www.rbbtoday.com/review/20041228/


[ 続・選択と集中 ] 2004/12/27(Mon)
2004 年も最終週となり、ここ 2、3 日が仕事納めという方も少なくないのではないでしょうか。かくいう私は・・・あぁ_| ̄|○
それはさておき(ぉ、Web 媒体の方なんかも休載期間に入るサイトが多く、先週あたりから一年を総括する記事が中心となってきました。そんな中で、今年の VAIO についてまとめたコラムが。
大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1227/gyokai112.htm
デジタル放送への対応が本格化するのはこれからの話ですし、肝心の「Do VAIO」もまだまだこれから(おそらく来年あたりに DLNA の動きが活発になってからが本番でしょう)なので、現時点で「VAIO 第 2 章」に結論を出してしまうのは早すぎるのではないかとも思いますが、確かに短期的に見れば振るわなかった夏商戦に、少し勢いを取り戻した秋冬商戦という流れにきて、元気だったのはバリエーションの豊富さを武器に全方位で攻めることのできた A4 オールインワンノートとモバイルの久々の佳作 type T という印象で、むしろ「Do VAIO」のコンセプトを活かすことのできる VAIO type V や type R、type X といったシリーズは少し影が薄かったように思います。

掲示板にも書き込みをいただきましたが、そんな中、ソニーが PC 市場から撤退する、という噂が立っているそうです。
IBM が Lenovo への PC 事業移管を発表し、実質 PC 事業からの撤退を表明した昨今、ガートナーの報告にあった「残りの 2 社」がどこになるのか、というところには業界全体の注目が集まっているところ。最近ではすっかり情報家電に軸足を移してしまったソニーや、PC 事業はノンコアと言い切っている NEC などは確かに事業売却の噂が立ってもおかしくないかもしれませんし、Qosmio の成果次第では東芝あたりも厳しいのかも。
しかし、AVPC の先鞭をつけたソニーをはじめ日本メーカーのほとんどは技術や PC の方向性という点で PC 市場を引っ張ってきた側面を持つだけに、ここは踏みとどまってほしいところです。社内の他製品とのシナジーをあえて狙わずに独自の世界を築いている Let'snote のような例もありますし(まあ、VAIO は Let'snote にはなれないでしょうが)。

VAIO もまだ第 2 章が始まったばかりなのでいきなり売却という話も本当かどうかは分かりませんが、PC の高い汎用性や創造のためのツールという役割は家電には持ち得ない側面なので、個人的希望を除いても、ソニーが PC 事業を手がけるというのは今のソニーにとっては(単体での収益性はともかく)ある意味必要不可欠なのだと思います。HD 映像の録画から編集、観賞までの一気通貫した Hi-Vision World のフローの中で、コンシューマが唯一本格的な編集に使えるツールが VAIO なわけですし、ビデオプロダクションの上流から下流までの全ての工程に製品やソリューションを提供し得るソニーという企業の立場、そして HD という今のソニーの中心戦略との整合性を考えると、VAIO はやはり欠いてはならない位置付けのブランドなのだと思います。仮定の話だとしても、事業を売却してしまうくらいならば多少規模を縮小してラインナップを絞り込んでも良いので、より質の高い製品を残していってほしい、と個人的には思いますね。
もし今のままの方向性で VAIO 第 2 章が展開していったとしても、(本 Column でも度々述べていますが)単にデジタル放送に対応したり DLNA 的な要素を実装したり、HDTV 出力を標準装備したりというところではまた他社に「VAIO のごときモノ」を作られて VAIO 自身が「VAIO らしさ」を見失ってしまうことにもなりかねません。ソニーが全社で掲げる Hi-Vision Quality を核に VAIO ならではの価値を創造していくのはもちろんですが、来年はそれ以外にも「VAIO らしい」楽しみを模索していってほしいですね。きっとそれはソニーだけではなくて、我々ユーザーももっと新しい遊びを探していくべきなのでしょうが。

しかし、それは意外な形で我々の前に姿を現すことになるのかもしれません。上記コラムの一節に「Windows以外のOSを搭載するVAIOの登場も視野に入ることになりそうだ」とのくだりがありますが、果たして・・・。


[ PSP-1000 (2) ] 2004/12/22(Wed)
先日に引き続き、PSP の話題です。
PSP がただの携帯ゲーム機でないことはご存知のとおりですが、今日はその「ゲーム以外の部分」のうち音楽再生機能について書いてみたいと思います。

まずは、リモコン。私は PSP を単品で購入したためリモコンは別売りのものを買いましたが、バリューパックに付属しているものと同等です。PSP で音楽を聴くならこのリモコンは必須でしょう。

PSP-1000 PSP-1000 PSP-1000

純正リモコンは円形でちょっと凝ったデザインになっていますが、素材があからさまにプラスチックで質感はさほど高くありません。また、リモコン前面のほぼ全体がボタンになっているため、クリップで上着に留めようとすると誤ってボタンを押してしまうことがしばしばというかほぼ間違いなくボタンが押されてしまいます。ソニーはウォークマン系のリモコンには使い勝手の良いものが多いですが、このリモコンはちょっと・・・クリップも少し根性が足りない感じ。液晶リモコンにするのは難しいでしょうし、再生・停止系や音量以外の操作は XMB(クロスメディアバー)で行ってくださいということなのでしょうが、もう少し使い勝手の良いバージョンの発売を希望します。
リモコンには PSP のロゴ入りインナーイヤーフォンが同梱されていましたが、見るからに音が良くなさそうだったので私は使っていません。というか、何かを意識しているとしか思えない白いケーブルと白いイヤホンはちょっと勘弁してほしいですね。リモコンの形状もその何かの ClickWheel に見(略。

PSP-1000

PSP の本体サイズはネットワークウォークマン NW-HD1 と比較するとかなり大きいです。持ち運べる音楽ファイルの容量もメモリースティック Duo の容量に依存するため、HDD タイプに比べると多いとはいえません。ゲームも動画も音楽も持って行きたいけどあくまで荷物は増やしたくない、というときに PSP 一台で済ますというのはアリでしょうが、普段は専用機を持ち歩いた方が良いでしょうね。

PSP-1000

XMB の使い勝手は PSX でよく知っていたためさほど目新しさはないのですが、異なる製品間で統一された操作性が提供されるというのはやはり安心感がありますね。XMB は数あるデジタル家電のインタフェースの中でもかなりとっつきやすい方だと思いますが、この操作性がソニー製のあらゆる AV 製品で得られるというのはユーザーにとっても非常にメリットがあると思います。難を挙げるならば、PSX や WEGA の XMB はレバー式のコントローラ(リモコン)なのである程度指のストロークが大きいために少しアナログっぽい操作感覚があったのが、PSP の十字キーではデジタルっぽい感覚でクイックにカーソルが動くのがちょっと違和感をおぼえる、といったところでしょうか(言ってみれば DUALSHOCK のアナログスティックと十字キーの操作感覚の違いみたいなものでしょうか)。
画面の赤いバックグラウンドイメージは 12 月のカラーのようです(昔の VAIO の壁紙のように月ごとに変わるみたいですね)。しかし赤はなんか落ち着かない(^^;違う色に変更できるのかな。

PSP-1000

ATRAC3 ファイルであれば通常のメモリースティックウォークマンや CLIE の AudioPlayer で利用するのと同じように、SonicStage から MG メモリースティック Duo にチェックアウトします(※注:メモリースティック PRO Duo は NG)。MP3 はもっと単純で、PC でエンコードした MP3 ファイルをメモリースティック Duo(MP3 の場合は著作権保護などは関係ないので PRO でも OK)の「\PSP\MUSIC」ディレクトリに MP3 ファイルをコピーするだけ。MP3 のファイル管理はフォルダ単位でしかも「\PSP\MUSIC」以下には 1 階層までしかディレクトリを追加できないなどの制限はありますが、プレイリスト(.m3u ファイル)にも対応していますし、VBR な MP3 も使えるなど、使い勝手は悪くないと言えます。
再生時には PSX の音楽再生機能と違ってちゃんとアルバムをまたいで再生してくれるので途切れません(少なくとも初期型 PSX の音楽再生機能はひどかった)。が、肝心のプレイリストがそのフォルダ(階層)内の MP3 ファイルしか参照できないようなので、あまりプレイリストが使える意味はないのかも。また、レジューム機能がないので本体電源を切っても停止位置を覚えていてくれなかったり、リモコンから本体の電源を切る機能がなかったりするのが痛いところ。特にレジュームがないのはポータブルプレイヤーとしてはかなり致命的かもしれません。

音の方はまずまずかな。必ずしも高音質とは言えませんが、B&O A8 で試してみたところさほど悪くない。MP3 でもそこそこ聴ける音で、メリハリがあって聴きやすい音という意味では iPod mini よりも若干良いかもしれないですね。
内蔵スピーカからの出力はさほど良いとは言えませんが、横長でスピーカ間の距離が多少取れるせいか、ちゃんとステレオ感があるのに驚きました。音楽再生にはちょっと物足りないものの、ゲーム程度であれば内蔵スピーカでもけっこう臨場感ある音を楽しめるのではないでしょうか。いずれにせよ、内蔵スピーカ、ヘッドホン出力ともにちょっと音量を上げると割れてしまう NDS の音質と比較すると「AV 機」としてちゃんと使えるクオリティであると言えるでしょう。

しかし、どう贔屓目に見てもレジューム機能がないのは痛いですね。音がそこそこで XMB などの使い勝手もいいだけに、停止位置がリセットされてしまう問題とリモコンがいけてないのが痛い。ハードウェアであるリモコンのアップデートは難しいかもしれませんが、ソフトウェアで解決できる問題についてはファームウェアアップデートでなんとしても対応していただきたいところです。一刻も早くバージョンアップを行って、プレイヤーとしての完成度をさらに高めてくれることに期待します。


[ 選択と集中 ] 2004/12/21(Tue)
PSP の記事が書きたいところなんですが、平日はホントに通勤中のウォークマン代わり(しかもウォークマンより全然使い勝手が悪い)にしかなっていなくて・・・期待している方々には申し訳ないですが、もう少々お待ちを。

個人的に少し気になった記事。
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1220/gyokai111.htm
IBM の PC 事業売却に関して、競合メーカーの視点からの記事です。同社の PC 事業は基本的には事業部ごと Lenovo に移管されるわけですが、それでもやはり転籍のタイミングでスピンオフする社員が出るのは止めようもないでしょう。企業としてのバックグラウンドも思想も異なる会社に(組織の都合で)移らなくてはならない事実をどうしても受け入れられない社員は少なくないと思います。事業売却もデジタル家電市場の成長に後押しされた HGST のような好例ばかりではないでしょうし、そこに不安を感じる社員が「大和事業所」ブランドの人材を欲しがる競合メーカーに移る例も出てくるのではないでしょうか。逆にこのことが、PC 市場全体に良い影響を与えてくれると良いんですが。
個人的には、記事中の「IBMの社員は変化することに慣れている。今回の売却の意味をしっかり理解すれば、IBMのPC事業を担当している社員はこれまで以上に力を発揮することになるだろう」という言葉に、これによって会社に人生を左右される社員の方々に少し同情してしまいました・・・。


ソニーの方でも事業の方向性見直しのニュースが。
ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200412/04-062/
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041221/sony.htm
国内の Fab を拡張し、それを主に SXRD や液晶パネルドライバ、CCD イメージセンサなどの生産を行うようです。今後需要の増加が見込まれるリアプロや液晶 TV、デジカメに搭載されるデバイスの自社生産に注力するということでしょう。これは、昨日のニュースで報道されたソニーのプラズマ TV 撤退のニュースの流れを受けた発表ですね。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041220/sony.htm
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0412/20/news010.html
プラズマ TV に関しては、当初の報道のような完全撤退ということはないにせよ、ラインナップ上は「PLASMA WEGA」シリーズは残るもののメーカーとして注力するのは液晶となる、ということを意味しています。これにより、薄型テレビはプラズマに力を入れる松下、パイオニア、日立勢と液晶に注力するシャープ、東芝、ソニーという構図になっていきそうですね。
ソニーはこれまでプラズマや液晶といった薄型テレビ向けの基幹デバイスを自社生産していませんでしたが、SAMSUNG との合弁による S-LCD 社が来年上半期にも稼働開始するということで、内製率の高まる液晶に軸足を移すというのは当然の流れといえるでしょう。さらに、技術的に画素の高精細化が難しく WXGA 以上の高解像度化がなかなか実現できないプラズマよりも、すでにフル HD(1080i)の解像度を達成している液晶の方が HD を全社的なテーマとして掲げている今のソニーの戦略にマッチしているといえます。米国市場を中心に勢いづき、そろそろ日本でもブレイクしそうなリアプロ TV と併せて、2005 年以降のソニーの基幹製品に育てたい、というのが狙いでしょうか。しかし、2006 年にはキヤノンと東芝が開発した SED を採用する新しいフラットパネル TV が本格的に立ち上がってきそうですし、それに対抗しうる次世代デバイス有機 EL は(大型パネルの量産という意味で)SED ほどには見通しが明るくなさそうなのは、ちょっと気がかりなところ。今のタイミングでの液晶パネルの内製化がタイミング遅れで、逆に次世代デバイス競争で乗り遅れることにならなければ良いんですが。
とはいえ、薄型ディスプレイやデジタルレコーダを中心としたデジタル家電市場はまだしばらく堅調に推移するとの見通しを JEITA が発表していますから、そこまで心配する必要もないのかもしれませんが。

とりあえず、私もそろそろ薄型大画面かな・・・と PLASMA WEGA のカタログを眺めることが最近多くなってきていましたが(^^;、来年以降の購入を狙うなら LCD WEGA の次期モデルか GRAND WEGA の国内復活モデルを待ってみた方が良いのかな。


[ PSP-1000 ] 2004/12/17(Fri)
PSP をゲットしました。
http://www.playstation.jp/psp/

PSP-1000

発売日ゲットはなりませんでしたが、むっちーさんのご厚意で入手に成功。おお、心の友よ!(ぉ
バリューパックが在庫切れだったため、単品パッケージ+リモコン+ソフトケースをバラで購入しました。バリューパックに付属のメモステ Duo がなく、若干割高感はありましたが今さら 32MB のメモステがあってもねえ・・・とりあえず 128〜256MB の Duo なら何枚か持っているんですが、動画を入れて遊んでみたいのもあるので近々 512MB の Duo でも買ってこようと思います。

PSP-1000 PSP-1000

PSP-1000 PSP-1000

梱包を解き、本体を取り出してまず感じたのは・・・まず「ゲーム機とは思えない質感の高さ」でしょうか。NDS がプラスチックっぽい質感でボタンなどの材質・形状ともにオモチャっぽさが強く出てしまっているのに対して、PSP はフロントの全面アクリルパネルやクリアパーツの L/R ボタン、持ちやすさに配慮してデザインされた裏面のカーブなど高級感が漂っていて、「ゲーム機以上の何か」を感じさせるに十分な仕上がりになっています。重量は PSP も NDS もほぼ同じ(280g 前後)ですが、筐体に余裕があってやや軽く感じる NDS に比べ、PSP は本体の中にあらゆる機能がぎゅっと凝縮されたような、独特の重みを感じますね。実際、PSP には UMD ドライブや PS2 に迫る性能を誇る CPU、メモリースティック Duo スロットに無線 LAN、4.3 インチのワイド ASV 液晶というデバイスを詰め込んでいるわけですが、NDS にはない重量感というか、存在感を感じることができます。盛り込まれている技術やデバイスを考えてもそうですが、この質感を実現するためにかかっているコストを考えると、とても NDS と似たような価格帯にある「オモチャ」とは思えません。仮に NDS の 2〜3 倍の値付けでも納得、\39,800 でも十分売れたのでは・・・と思ってしまいました。

PSP-1000 PSP-1000

PSP で最も印象に残るのは何といっても液晶の大きさでしょう。4.3 インチワイド液晶というのは携帯機器ではかなり大きな部類に入り(SO505iS で 2.3 インチ、ワイド液晶 CLIE でも 3.8 インチ)、電源オフの状態でもかなり存在感のある液晶ですが、電源を投入して初めて映像が映し出された瞬間の驚きといったら!操作ボタンのある両端以外のほとんどを画面が占めているといった印象で、しかも輝度・コントラスト共に通常の携帯機器では見られなかったほどクオリティの高い(さすがに PEG-VZ90 の有機 EL には敵いませんが)映像には感動すら覚えました。ソニーのポータブルビデオプレイヤー「PCVA-HVP20」や「HMP-A1」などに比べても、ディスプレイのクオリティは高いと思います。これでストレージ(メモリースティック Duo)容量が GB 単位になれば、トータルで HDD プレイヤーを超えるポータブルビデオプレイヤーにもなり得るのですが。
私のゲットした個体には液晶のドット欠けは中央から左上あたりにひとつ。ひとつといっても若干発色のくすんだドットという程度なのであまり気になりません。PSP の初期ロットはかなり急いで作ったために品質管理が行き届いていないからか知りませんが、液晶パネルとアクリルパネルの間にゴミが入っているケースもあるみたいで、早くも分解して掃除した人がいたりします(^^;そういえば私の個体も USB ポート付近のプラスチックパーツの建て付けが悪い(少し浮いている感じがする)のはやっぱりちゃんと品質管理できていないからなのでしょうかね。それとも、仕様かな・・・。

今のところ PSP の音楽/映像再生機能についてはまだあまり触れていないので、今日のところはとりあえず少しだけゲームを試してみた感想を。
とはいっても、PSP には現時点であまり欲しいと思えるゲームタイトルがないんですよね。NDS は従来の GB/GBA とも互換性があるため起ち上げ時のコンテンツとしてはそれなりに揃っているのですが、PSP は完全に新規プラットフォームなので、魅力的なゲームタイトルが出揃うまでは苦戦しそうです(とはいえ、私のようにデバイスとして、AV 機器としての魅力を感じたり、PlayStation ファミリの将来性を買って手を出しているユーザーが多いため、現在の品薄状況に至っているわけですが)。
というわけで、買ってきたタイトルは『リッジレーサーズ』のみ。他に惹かれるものもなかったですし、リッジシリーズと GT シリーズは昔からやっていたので、今回もけっこう楽しみにしていました。

ゲームの内容自体についてはここではあまり触れませんが、美麗なグラフィックや豪華なオープニングムービー、気分を盛り上げるテクノ系の BGM、おまけで入っている「ニューラリー X」(笑)など、いきなり PSP のポテンシャルを感じさせるに十分なタイトルになっていると思います。旧作ファンへのサービスもけっこう充実していますし、ワイド画面になったことによってドリフトの爽快感もアップしたような。ただ、ニトロはどうなのよ・・・と思わなくはないですが・・・。
PSP 本体のゲーム操作ボタンというと十字キー、○×△□ボタン、L/R ボタン、START/SELECT ボタンのほかアナログスティックがついています。アナログスティックは PlayStation の DualShock シリーズのような高さのあるスティックではなく、ThinkPad のソフト・ドームタイプの TrackPoint をちょっと大きくしたようなもので、横にスライドさせて操作するもの。まさかポータブル機でアナログスティックがついているなんて思ってもいませんでしたし、ついたところでちょっと使いずらそう、と思っていたのですが、最初はちょっと戸惑ったものの、すぐに慣れました。やっぱりドリフトするならアナログスティックでないと。(笑
PSP のゲームの楽しさの要因ははやっぱりその液晶の大きさに尽きるでしょう。据置型ゲーム機と違って比較的小さな画面でプレイすることになりますが、そこは両目から画面までの距離の近さ。ワイド液晶を採用したことでちょうどいい具合に視界をカバーできるという副作用もあり、画面までの距離がある据置型ゲーム機よりもある意味臨場感があるというか、没入してしまえる感覚があります。そのせいで電車の中で、プレイしていると何度か乗り過ごしそうになりました(^^;ワイド液晶は動画コンテンツとの相性が良いことは分かっていましたが、ゲームともここまで相性が良いとは。
NDS が 2 画面+タッチパネルで「新しい遊び方」を提案し、とにかく「ゲームを楽しむこと」に主眼を置いた発想で作られているのに対し、PSP は大画面の迫力や臨場感、そして音楽や動画との親和性の高さで従来の携帯ゲーム機よりもクオリティの高いエンタテインメントを提供しようという思想を持っているような気がします。同時期に同じような発売された携帯ゲーム機で、アーキテクチャや技術の世代だけでなく、目指す方向性も全く異なっているというのが非常に興味深いですね(それは両社の企業としてのバックグラウンドの違いが大きく起因しているのでしょうが)。

音楽や動画再生については明日以降また書いていきたいと思います。

PSP-1000


[ NW-HD1 with MP3 ] 2004/12/16(Thr)
MP3 対応アップグレードサービスに出していた NW-HD1 が返ってきました。
http://www.sony.jp/support/p-audio/contents/information/info_nw-hd1_2.html

NW-HD1

といっても、日曜には受け取っていたのですが、結局今日まで触るヒマもなかっただけなんですけどね。ソニーに送付したのが 12/6 だったので、実質中 4 日で戻ってきたことになります。アップグレード対応の人、かなりがんばってくれたみたいですね。戻ってきた本体には↑の作業報告書と SonicStage 2.3 のセットアップ CD-ROM が付属してきたので、送料や人件費も考えると \2,000 はどう考えてもソニーの赤字。製品だけでなくサポートもしっかりやって少しでも iPod に流れるユーザーを引き込もうという必死な姿勢が伝わってきます(^^;

私は SonicStage 2.3 自体は先日アップデータが公開されたときにインストール済みだったのですが、付属してきた CD-ROM から再セットアップしないと NW-HD1 の新ファームに対応したドライバが入らないようなので、再セットアップすることになりました。

再セットアップ後、ごく普通に SonicStage を起ち上げて、通常は iTunes で管理している MP3 のライブラリをインポート。プレイヤーへは、OpenMG Audio と同じ感覚で転送できてしまいました。以前の MP3→ATRAC3 を変換しつつ転送という仕様に比べると圧倒的に高速に MP3 ファイルを転送できるようになりました(というか、あれでは MP3 のトランスコード転送は使えないに等しかった)。これで、あと SonicStage 上で行えないのは MP3 のエンコードくらいのもので、エンコードした MP3 ファイルを SonicStage に取り込んだ後の操作は MP3 も ATRAC3(OpenMG Audio)もほぼ同じ使い勝手になったといえるでしょう。

MP3 対応以外のプレイヤー側の変更点はさほど多くなく、液晶画面表示の若干の変更、イコライザの仕様変更、およびシャッフル再生パターンの変更、くらいのもの。しかしこれまでの NW-HD1 のシャッフル再生は電源を切るごとに最初からまた同じパターンで再生されるという仕様で、私はこの数ヶ月でその再生パターンを暗記してしまうくらいに使えないシャッフル再生だったのですが(´Д`;)ヾ、これで普通にシャッフル再生ができるようになりました。

で、とりあえず、NW-HD1 上で ATRAC3 と MP3 の聴き比べ・・・。

NW-HD1 NW-HD1

MP3 対応に伴い画面表示が少し変更され、これまではビットレートくらいしか表示のなかった音声ファイルのプロパティ表示が、ちゃんとフォーマット+ビットレートで表示されるようになりました。MP3 は VBR(可変ビットレート)にも対応しているようで、VBR でエンコードされた MP3 ファイルは平均ビットレートが表示されるようです。
音質は・・・ですね、PC 上(SonicStage と iTunes、再生ハードウェアは E-MU 0404+YAMAHA MSP3)で同じ曲(ATRAC3 132kbps と MP3 160kbps VBR)を聴き比べたときとほぼ同じ印象で、高域がやや曇るというか一枚ヴェールがかかったような感じにやや籠もった印象になる MP3 に対して、少し誇張気味(というか歪み気味)ながらもメリハリがあって明瞭な ATRAC3、という感想です。ただ、NW-HD1 内蔵アンプの特性なのか、ATRAC3 に比べて薄味な印象のある MP3 ファイルも NW-HD1 で聴くと案外いけますね。悪く言えばドンシャリな味付けになりがちな「ソニーの音」が良い具合に MP3 の欠点を補ってくれるというか。ソニー製アンプ+ATRAC3 だと味が濃すぎて B&O A8 のような薄味のヘッドホンじゃないと厳しかったのが、MP3 の場合は音が硬めな MDR-EXQ1 あたりと組み合わせても(若干曇りがちではあるものの)さほど食傷気味の音になりません。
個人的にかなり気になっていた ATRAC3 と MP3 の音質差ですが、互いに音質に特徴があるため確かに聴き比べれば違いは分かるものの、違いを意識せずに(同じ曲を互いのフォーマットで交互に聴く、というのでなく)しかも屋外で聴く分にはそれほど大きな差はないのかもしれません。今まで NW-HD1 と iPod mini の比較で「ATRAC3 と MP3 では ATRAC3 の方が音が良いのかな?」と思っていたのですが、MP3 の音があまり良くないと感じていたのはむしろ(1.8 インチタイプはどうか知りませんが)iPod mini の内蔵アンプがあまり良くなかったせいなのかもしれません。初期型の iPod はコンデンサ交換までやってしまう人もいたくらいですし・・・。

ともあれ、個人的には既に ATRAC3 で SonicStage にライブラリを作ってしまっているので、外部エンコーダでエンコードしなくてはならない MP3 に完全に乗り換えるつもりはありませんから、NW-HD1 は今後も ATRAC3 で使っていくことになると思います。転送回数制限がなくなり、MP3 に対応してネットワークウォークマンの門戸が開かれたこと自体は歓迎ですが、やはりメーカーが標準で提供する操作環境の中に MP3 エンコーダが含まれないとそれだけで使い勝手が悪くなってしまうものですし。
ただ、ソニーでは例のアレがメモリースティックへのドラッグ&ドロップだけで MP3 転送が可能というかなり柔軟な仕様になっているみたいなので、これはこれで試してみないと、と思っていたり・・・。


[ 1212 ] 2004/12/12(Sun)
完売しました

PSP の発売日でしたね。
私は忙しさのあまりすっかり各オンラインショップの予約開始日を忘れていて、こりゃだめだと思って NDS に流れてしまいましたが、運良く発売日ゲットできた方々おめでとうございます。私は今日は休日出勤だったのですが、同じく出社してきた同僚で一人始発でヨドバシに並んで買ってから出社してきた強者が一人いました(笑)今の私はそこまでの気合いはないよ・・・。
それでも一応、朝は(ほぼ通勤経路にある)新宿西口のヨドバシをちらっと覗いてから出勤したのですが、朝 9:30 の時点で既に完売。今日は 6:00 から販売開始だったようですが、私が行ったときにはもう売り切れていて店舗付近を歩いている人すらまばらという状況でした(^^;どうやら新宿西口ヨドバシでは 15:00 に二次入荷もあったらしいですが、ほとんどその場に居合わせなければ購入はできなかったんでしょうね。その頃の私は必死で仕事してましたよ_| ̄|○

というわけで発売日ゲットはならなかった PSP ですが、持つべきものは友って感じでしょうか?・・・後半へ続く(ぉ

■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1212/psp.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1212/mobile270.htm
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041212/psp.htm
GAME Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20041211/psp.htm
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20041211/psp_s.htm
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20041212/shibuya.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0412/07/news064.html
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0412/12/news002.html


[ ある時代の終焉 ] 2004/12/11(Sat)
IBM が中国・聯想集団有限公司(Lenovo)への PC 事業の売却を発表しました。
ニュースリリース
http://www.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2004/12081
一般メディアでも報道されるなどかなり波紋を呼んでいるこのニュース。先月末にガートナーが 2007 年までに主要 PC メーカー 10 社のうち 3 社が撤退するという予測を発表し、その 3 日後には The New York Times 紙 が IBM による Lenovo への PC 事業の売却を報道し、騒然となっていた中での発表でした。
とはいえ、同社の PC 事業に関しては数年前に個人向けの展開を縮小し、企業およびビジネスパーソナル向けにフォーカスを絞って店頭販売の規模も小さくなっていたため、(モバイル PC に興味のある VAIOethics の読者様方はともかく)一般的には家庭用 PC として使われることもあまりなくなっていましたから、これをきっかけにコンシューマ PC 市場の勢力図が大きく変わる、というわけでもないでしょうね。

IBM が「ThinkPad iSeries」や「Aptiva」などのラインナップを終了し、コンシューマ向け PC のビジネスを縮小したのは 3 年ほど前の話でしたが、企業自体の方向性を根本的に転換したのは 11 年も前のことになります。当時崩壊寸前だった同社を救うためナビスコから選ばれたルイス・ガースナー前会長兼 CEO の就任以来、同社はハードウェア企業であることをやめ、情報サービス企業として再生しました。その中でも最もインパクトが強かった企業再編の一つが 2002 年に PwC(PricewaterhouseCoopers)のコンサルティング部門買収によるシステムコンサルティング事業の強化でしょうが、これに留まらず Lotus Software 社や Tivoli Systems 社、Rational Software 社などのソフトウェア企業の買収を行ったり、他にもソフトウェア企業・システム開発やコンサルティングを含む情報サービス企業の買収や提携を繰り返し、情報サービス企業としての基盤を年々固めてきました。一方で、ハードウェアメーカーとしての IBM は、信頼性の高い HDD や Microdrive などの技術で定評の高かったストレージ部門を 2 年前に HGST として日立に売却するなど、年々利鞘の薄くなるハードウェア事業から撤退の方向で動いてきました。もはや、現在では同社の従業員の大半はサービス事業に携わるエンジニアやコンサルタント、および営業職であると言っても過言ではありません。

IBM は、現在の Windows PC の源流となった初代「IBM PC」を 1981 年に発売して以来、その歴史の途中でシェア No.1 の座を Compaq(現 HP)や DELL に奪われながらも、「PC の元祖」として独自の存在感を誇り続けてきました。今や IBM の「顔」となった ThinkPad が世に出てからは、今年で 14 年になります。サービス企業となった今でも「コンピュータメーカーの代名詞」としての地位は、変わらず世に認知されていると言えるのではないでしょうか(無論、今後もサーバ/ワークステーションの製造は続けることになるため、コンピュータメーカーという側面を持ち続けることには変わらないのですが)。PC が次第にコモディティと化し、性能や機能は増えながらもハードウェアとしての「質」を徐々に失っていく中で、独自の研究に基づいた信頼性や堅牢性、ユーザビリティ、セキュリティといった他メーカー製品にはない価値を頑固なまでに示し続けたのも、PC の元祖としての誇りがあったからこそなのだと思います。
ThinkPad ブランドだけでも、「バタフライ」ThinkPad 710C や「ウルトラマン PC」PalmTop PC110(これは ThinkPad ブランドではありませんでしたが)、往年の名機 ThinkPad 600/570 シリーズ、未だに中古市場で人気の高い ThinkPad s30 等々・・・これだけ「名機」と呼べる、歴史に残るマシンを数多く世に送り出してきたコンピュータメーカーは、今では IBM と Apple くらいしかないのではないでしょうか?今回の IBM の PC 事業撤退は、言うなれば、コンピュータのひとつの時代が終わったことを意味しているのかもしれません。私も、初めての PC として Aptiva を購入し、社会に出てからも(プライベートでは VAIO ですが)仕事マシンとして ThinkPad を使い続けてきた古くからのユーザーとしては、今回の件には何とも言えない寂しさを覚えます。

しかし、事業売却といっても、コンシューマ向けショッピングサイトの構築でもなければシステム開発には端末としての PC の一括導入はつきもの。Lenovo は買収後も「Think」ブランドを継続するほか、少なくとも 5 年間は IBM ブランドの PC の供給を続けるようです。そういう意味では、当面「ThinkPad」がなくなることはないのでしょうし、ほとんどの ThinkPad の設計・開発を行う日本の IBM 大和研究所をはじめとする PC 事業部が丸ごと Lenovo に移管されることになるため、今後も ThinkPad の哲学は受け継がれていくことになるのでしょうが、が、やはりどこか「IBM の ThinkPad」ではない、というイメージがついて回ることは避けられないでしょう。売却後は、新しい ThinkPad に市場がどのような評価を下すのか、非常に気になるところです。また、IBM という高付加価値かつ比較的高価な PC を販売してきたブランドと、中国を中心としたアジア圏向けのどちらかというと低価格な PC が好まれるブランドの融合が、最終的に両者にどのような影響を及ぼすのか、にも注目です。IT 家電への HDD 供給で大成功した HGST のように、移管後の事業が良い方向に向かうのか。IBM ブランドを離れることで、より面白い製品が作れるようになるのか。あるいは。

PC 業界のトッププレイヤーである DELL、およびセカンドプレイヤーの HP は、IBM とは違いどちらかというと価格戦略を得意とするブランド。業界第 3 位の IBM が退くことは、信頼性やセキュリティをセールスポイントとした PC は現在の市場では成功できないことを示しているのでしょうか?答えは、半分はイエスかもしれませんが、半分はノーでしょう。コンシューマ市場をやめてしまったことで、スケールでライバルメーカーと争えなくなってしまった、という側面もあるのかもしれません。「IBM の次は HP が」という噂も飛び交っているようですが、ハードウェアの製造・販売を主とするメーカーなのか、それともあくまで PC の販売は従でしかないメーカーなのか、で今後の動きも変わってくるものと思われます。
そういう意味では、日本の PC メーカーはどちらかというと(NEC や富士通は SI と組み合わせた PC の納入などにも力を入れているでしょうから、どちらかというと IBM の事業に近い側面もあるでしょうが)コンシューマ市場にフォーカスした高付加価値型の製品が主流となっています。日本市場で DELL や HP がそこまでのシェアを得ていないのには知名度の問題もあるのでしょうが、今のところは国内メーカーの戦略やマーケティングが功を奏しているためだと思います。しかし、今後 PC の性能が向上しなくなり、テレビ以外の新しいキラーアプリケーション/コンテンツが登場しないとしたら。PC が、単に「テレビを録画して、Web を巡回して、メールをする」だけの端末になってしまったら。そして、テレビ録画が DVR に、Web やメールというアプリケーションが携帯電話に完全に奪われてしまったら・・・?IBM の PC 事業売却は、どのメーカーにとっても対岸の火事で済ませることはできないでしょう。この Column でも何度も言っていますが、やはりそろそろ「PC」のあり方を再度見直すべき時期が来ているのではないでしょうか。

■記事リンク
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0412/08/news030.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0412/08/news049.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0412/10/news072.html
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1208/ibm.htm
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/12/08/103.html


[ Nintendo DS ] 2004/12/05(Sun)
気がつけばもう 12 月ですよ・・・ここのところサイト管理もままならなくなっている私ですが、今週は地獄の 7 連勤を終えて今日ようやく久しぶりの休みが取れたところです。いろんな意味で、そろそろ限界かも・・・。

そんな自分へのご褒美、というわけでもないですが、溜まりに溜まったモノを吐き出すかのように、こんなものを買ってしまいました。

Nintendo DS

当初、買うつもりは全然なかったのですが・・・ニンテンドー DS です。
本当はこの冬は PSP を買うつもりで、NDS の方は見送りかなーと思っていたんですが、忙しさのあまり PSP の予約を(オンライン/リアル併せて)どのショップでも取り逃してしまい、これはしばらく手に入らないかも・・・と思って、つい(^^;まあ、当初は PSP の価格は \39,800(税抜)程度だろうと予想していたので、その値段からすれば PSP+NDS を買ってもまだ余るくらい安かったわけですが。とにかくなんかストレス発散したかっただけです(ぉ
ほとんどゲーム機としては使われていない PSX を除いては、ゲーム機を買うのなんてかなり久しぶり。以前ワンダースワンカラーとかも買いましたが、あれもほとんど使わなかったからなあ。GBA や GBASP が何度か欲しくなったものの、ほぼゲームから離れていた時期が長かったこともあってそこまで欲しいと思えなかったんですよね。ただ今シーズンは NDS と PSP の登場で少し市場が盛り上がっていることもあって、かなり気にはしていました。本当のことを言うと、当初はリッジレーサーズくらいしかやりたいタイトルのない PSP に比べれば、現行 GB/GBA 向けタイトルも遊べる NDS の方がゲームプラットフォームとしては面白そうかな、という気はしていました。PSP はどちらかというとモバイル AV プラットフォームとして、あとハードウェアとして面白そうだなという観点で使ってみたかった、という部分が大きいですからね。

ニンテンドー DS はヨドバシカメラ新宿西口本店ゲーム・ホビー館にて購入。発売直後の週末ということで品薄を予想していたのですが、在庫は比較的潤沢にあった模様。自宅の近所で確認したら最寄り駅前のレンタルビデオ屋兼ゲーム屋にも在庫があったので、かなり潤沢に供給されていると見ていいでしょう。
本体と同時購入したソフトは GAME Watch のレビューで興味を引かれた「きみのためなら死ねる」と GBA 版の「FFI・II」「FFTA」の 3 本。FF シリーズは WSC 版や PS 版も持っているんですが、新しいプラットフォーム版が出るとつい買ってしまう(^^;;;まあ、今回はゲームバランスが見直されたりイベントやダンジョンが追加されたりしていて楽しめそうですけど。NDS 向けには FFIII のリメイクも予定されているようなので、楽しみです。
新製品ということで本体と NDS 専用ソフトはレジで店員さんに注文する必要があったのですが、いい歳した男が「き、きみのためなら死ねる」と男性の店員さんに向かって言わなければならないのは、何かの罰ゲームですか?(ぉ

今日一日、仕事のことは完全に忘れていろいろ遊んでみました。本体のインプレは既にいろんなところでされているので省きますが、ちょっと遊んでみての感想など。
GBA 用ソフトについて書いてもしょうがないので、とりあえず NDS 専用の「きみしね」。

Nintendo DS

かなーりポップでおバカな雰囲気満載のタイトルです(笑)。セガの制作ですが任天堂系というよりはどちらかというと PS 向けに SCEI が出すライトゲームっぽい雰囲気が漂ってますね。ゲーマーでなくともノリや雰囲気で楽しめるゲームだと思います。
このゲーム、ほとんどどころか全くカーソルキー/ABXY ボタンを使わないんです。全て下画面、すなわちタッチスクリーンで操作します。しかし、ゲーム内容も操作方法もステージごとに全然違って、タッチスクリーンを撫でたり、擦ったり、叩いたり、ときには息を吹きかけたり(笑)して遊びます。時々、あまりに勢いよく連打しすぎて壊れるんじゃないかと心配になるくらい。NDS 専用ソフトということで NDS の二画面やタッチスクリーンを活用したタイトルが出てくるのは当然ですが、このタイトルはいきなり NDS の特徴を最大限に使ってやろうというコンセプトで企画されているように感じました。最初はタッチ操作でどれだけゲームが変わるか疑問に感じていたのですが、こんなタイトルが作れるならば従来のような十字キーに縛られない遊び方も今後たくさん作れそうかな、という手応えみたいなものは感じましたね。
ゲーム内容は単純なんですが、それなりに難しくて収集要素(ステージクリアや隠し要素としてゲットできるグラフィック収集など)もあるのでやりこみもできそうな感じ。NDS 専用ソフトで他にあまりやってみたいタイトルもないんですが、「きみしね」はとりあえずのつもりで買った割には面白かったかな。

ハードウェア周りについてあまり書くこともありませんが、PSP と比べるとやっぱりオモチャっぽいところはありますね。GBA より高級感はあるものの、シルバーの塗装は剥げやすそうですし、全体的にプラスチッキー。外で使うことも多いと思いますが、ヘッドホン出力はちょっと籠もってるし(この価格で音に贅沢は言えませんが)。むしろヘッドホン出力よりも内蔵スピーカの方が音は良いかもしれません。
あと、操作ボタンが本体の端にあってボタンも GBASP あたりに比べると小さいためプレイ中に指がかなり攣りそうになります・・・従来の GBA 用タイトルはともかく、NDS 用タイトルではタッチ操作が主流になっていくということなのでしょうかね。

まだまだしばらくはゆっくり遊べる時間もありませんが、気晴らしにちょこちょこ遊びたいと思います。
一方の PSP は、年内に手に入れられるのかどうか・・・。

Nintendo DS

My Diary Version 1.21
[ 管理者:Brown Sugar 著作:じゃわ ]