VAIO Column
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(2005/04)


[ KDL-L26HVX (2) ] 2005/04/30(Sat)
昨日に引き続き、液晶 WEGA のインプレを。今日は、ハードウェア周りから・・・。

KDL-L26HVX

「アークデザイン」「フローティングデザイン」と続いた WEGA の流れですが、HVX シリーズのデザインは「ミニマルカーブデザイン」と呼ばれる両端の緩やかな弧を描いたデザインが特徴です。パネルの上下にアクリルパネルを使い、「フローティングデザイン」から継承される「透明感」「浮遊感」を活かしつつも、WEGA が強かった頃の「アークデザイン」のテイストもうまく取り入れたデザイン。個人的にはフローティングデザインよりも落ち着いていて好みですね。
しかし、26 インチだと相対的にパネルの枠が厚かったり、両脇のスピーカが大きかったりとバランスがあまり良くないので、デザイン的にはより大きなサイズの方が見た目は良いと思います。液晶ならばより低機能だけどコンパクトで安価な「ハッピー<ベガ>」シリーズもあるので、どちらを選ぶかといったところでしょうが・・・。

KDL-L26HVX KDL-L26HVX

特徴的なアクリルパネル。強度の兼ね合いもあってガラス製だった「フローティングデザイン」の WEGA からみるとコストダウンされてはいますが、透明の中に浮かび上がる SONY ロゴや LED などの特徴は受け継いでいます。この辺の演出がうまいのはソニーならではでしょうが、徐々に FPD のパネルも狭額縁が流行りそうな気配なので、こういうのも徐々に廃れていくんでしょうか・・・?

KDL-L26HVX

側面からみたところ。FPD の最大の売りは大きさやハイビジョン対応よりもやはり「薄さ」なのでしょうが、それでもこれだけの厚みがあるのが現状です(とはいってもこれでもほぼ同サイズの CRT WEGA の 1/4〜1/5 にすぎないのですが・・・)。WEGA HVX シリーズは薄さよりも画質や音質を売りにしているので、そのために許容している厚みもあるのでしょうが、イメージとしてはもう少し薄くなってほしいところですね。専用スタンド「SU-PT3S」も前後に多少張り出すので、実際の設置面積でいうとそれなりに場所は必要になります。欲を言えば(プロジェクションスクリーンを下ろしたときにスクリーンの背面に隠したかったので)ほぼ壁につけられるくらいのところに設置したかったところ。まあ I/O パネルやら諸々の基板やらが本体に実装された一体型なので、そこまで薄くできないというのもあるのでしょうし、パネルサイズが小さいので相対的に厚く見えるのでしょうが。

KDL-L26HVX KDL-L26HVX

入出力は側面(ビデオ入力、i.LINK、メモリースティック、USB、RGB 入力)と背面(アンテナ入力、ビデオ入力×2、ビデオ出力×1、D 端子入力×2、AV マルチ入力×1、スピーカ系の入力その他諸々)に分かれています。今まで使っていた CRT WEGA よりも入出力が豊富になっているのはさすがイマドキのテレビでしょうか。
専用スタンドにはケーブルガイドがついていて、ここに通すことで表側からケーブルが見えなくなります。どうしてもケーブル接続が煩雑になりがちな一体型にはありがたい配慮。

KDL-L26HVX

本体背面には、両肩におそらく 8cm 角のファンが 1 基ずつ。Nidec(日本電産)製ですが、自作 PC で見慣れているパーツを見つけるとちょっと嬉しくなりますね(ぉ
動作中にはかなり低回転では回っているものの、やはりそれなりに音はします。PSX ほどではないですし、テレビの音を出していれば気にならない程度ですが、CRT ではまず冷却ファンなどなかったのでちょっと気になってしまうところ。

KDL-L26HVX KDL-L26HVX

で、冷却ファンの下には B-CAS カードが。
一応、挿してはあるものの、うちは BS アンテナが立ってない上に地上派用アンテナがデジタル放送非対応でしたorz 意味ない・・・。
なんか本来の性能の半分も引き出せないという予感を感じつつ、明日以降のソフトウェア/画質/音質面の評価につづく・・・。


[ KDL-L26HVX (1) ] 2005/04/29(Fri)
液晶 WEGA が、きたーーーーー。



って、買ったわけではないんですが(^^;
実は、先月 Sony Style で募集していた「30DAYS Digital AV ENJOY PORJECT」に応募して、当選していたんです。
http://www.jp.sonystyle.com/Style-e/Special/Try/
これ、50〜26 型のプラズマ/液晶 WEGA をそれぞれ単体あるいはシアターセットとの組み合わせで 30 日間体験し、気に入ったらそのまま購入できるというキャンペーンなんです。そういえば 2 年半ほど前に CoCoon でよく似た「なっとく・購入プラン」というキャンペーンをやってましたが(私も利用しましたが)、あれと同じパターンですね。

去年の秋モデルあたりから「そろそろ FPD も買い時かなあ」と思いつつ、単価の高さから二の足を踏んでいた FPD ですが、3 年前に購入した 25 インチの WEGA にもそろそろ物足りなさを感じてきていたので、じゃあ実際に自宅に導入してみたらどうなるか?は一度試してみたいと思っていました。体験プランはパネルサイズや組み合わせるシアターセットにもよりますが、シアターセットは自宅にソニー製よりもよっぽど良いのがあるし、どうせ返却するので(ぉ)とにかく安くあげたいということで最も小さいけど安価な 26 インチの液晶 WEGA「KDL-L26HVX」単体コースを選択しました。
http://www.ecat.sony.co.jp/visual/tv/products/index.cfm?PD=17810&KM=KDL-L26HVX
届いたのは、「KDL-L26HVX」本体とテーブルトップスタンド「SU-PT3S」のセットでした。
本当は体験商品の配送期間は 4/9(土)〜4/24(日)となっていましたが、個人的に結婚式があったりしたので(^^;4/28(木)指定で配送してもらいました。他のコースだと \10,000 以上するのですが、26 インチの単体コースだけは \3,000 とかなり安かったです。\100/日 で体験できるなら安いものです(体験期間終了後に購入しない場合は、別途 \5,000 の返送料がかかります)。体験料に \10,000〜20,000 も払ってしまうともったいないのでそのまま購入してしまいたくなりそうですが(笑)、\3,000 なら間違って買ってしまいそうにはならないでしょう(ぉ

とりあえず、設置してみました。

WEGA THEATERWEGA THEATER

画面サイズ的には 25→26 なのでほとんど変わっていませんが、縦方向のサイズが小さくなったので 4:3 の地上放送を見る分にはサイズダウンですね。ただ、CRT であった圧迫感がないのと、ちゃんとオーディオラックの中央に置けるようになったのは大きな進歩です(笑)。センタースピーカは床に置かざるを得なくなりましたが・・・。
30 日あるので、これからしばらくはこの WEGA の体験日記も綴っていきたいと思います。


[ Connect On Your Own Terms ] 2005/04/24(Sun)
さて、昨日の Column では Intel・AMD のデュアルコア CPU の発表と「Pentium D」を搭載する VAIO の発表時期について話しましたが、今日はもうひとつの未発表製品・VAIO モバイルノートについて今後の予想をしてみたいと思います。

今シーズンのモバイルノートのポイントは、やはりモバイルのフォームファクタが Sonoma プラットフォーム(というか、Alviso(i915 シリーズ)チップセット)に対応するのかどうか、というところだと思います。Sonoma=新 Centrino Mobile Technology プラットフォーム自体は昨シーズン・2005/1 時点で登場しましたが、予想を上回る消費電力の高さ・発熱の多さによって当初は対応がハイパフォーマンスノートに限られ、モバイルノートのほとんどでは従来の i855 系チップセットが継続される結果になっていました。
Intel のロードマップによると 2005 年のモバイル向けチップセットの主流は Alviso(i915)となり、i855 系チップセットについてはあまり大きく扱われていないため、モバイルでも徐々に移行が進むものとみられます。

先週、IBM から同社の B5 ファイルサイズ初の Sonoma 対応ノートとして ThinkPad X41 が発表されましたが、これに加えて ThinkPad X40 シリーズよりパフォーマンスに優れる X30 シリーズの後継・X32 が同時発表されたことはともかく、従来の i855GME チップセットをベースとした ThinkPad X40 もマイナーチェンジして継続しています。
これは Alviso チップセットのパフォーマンスや将来性を選ぶか、i855GME チップセットの省電力性を選ぶかでユーザーに選択肢を与えている反面、暗に「i855 と i915 では厳密には同じプラットフォームとはいえない」と言っているようなもの。
本田雅一氏による ThinkPad X41 開発者インタビュー記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0421/mobile286.htm
の中でも、「Alviso の熱は予想を大幅に超えていた」とありますが、やはり i915 と i855 ベースの PC を併売することにより、i915 で従来機種並みの発熱・消費電力に落ち着かせることができるまでは「逃げ道」を用意しておきたい、というのが X40・X41 併売の意図ではないでしょうか。

同じ B5 ファイルサイズクラスでも、先に Sonoma プラットフォームに対応した VAIO type S あたりは当初から Sonoma を意識して排熱に余裕を持たせた設計になっており、それはバッテリ込みで 1.95kg という重めのサイズからも読み取れます。それに対して、ThinkPad X41 は 1.27kg(標準バッテリ装着時)と、排熱マージン的にはかなり攻めた設計になっているはずであり、どちらかというと VAIO type T のような 10 インチクラスと比較すべきフォームファクタであるといえます。
ThinkPad X41 の登場は、ある意味従来の i855 ベースのフォームファクタでも Sonoma プラットフォームのマシンが作れることを意味していますが、その分排熱は強烈にシビアになることと、どれだけがんばってもバッテリ性能は少なくとも 20% は下がってしまうということも表しています。また、筐体サイズを大きく変えずに Alviso を搭載できたのは(それでも)12.1 インチのフットプリントがあったからで、VAIO type T などに代表される B5 ジャストサイズ(10 インチクラス)以下のマシンではさらに困難になるということも言えるでしょう。そこにあえて i915 を搭載する意義を見つけ、技術的なハードルを乗り越えて i915 を搭載するのか、通常であればフェードアウトしていくはずの i855 系チップセットの製造を PC ベンダーが Intel に要請するのか、あるいは(Mobile Pentium 4-M に対する Pentium M が登場したように)モバイルに特化した省電力チップセットの登場を、市場が求めるのか。
先日の libretto U100 の登場でサブノート/ミニノート市場の可能性が再び問われているところですが、ユーザー側でも期待している人はかなり多いはずです。果たしてここに、どんな形で type T の次期モデル、あるいは後継モデルを投入してくるのでしょうか?


そんなところに、掲示板で情報提供をいただきました。
engadget の記事(英文)
http://www.engadget.com/entry/1234000850039942/
海外発の VAIO ニューモデル情報。型番は内部型番で「PCG-4E1L」となっていますが、見るからに type T の新機種です。
850/1800/1900MHz の 3 バンド対応 GSM 電話機能を内蔵し、Wi-Fi や Bluetooth まで搭載したモバイルノート。液晶の右サイドにアンテナらしきものがみえますが、これが GSM 用のアンテナでしょう。音声通話に関しては本体のどこかにヘッドセット用の平型コネクタが実装される可能性もありますが、Bluetooth 搭載ということで Bluetooth ヘッドセットを利用するのが自然でしょう。3G であれば SIM カードの交換で音声通話は専用端末を使うこともできますからね。昔あった「H"IN」(PC や PDA に PHS が内蔵されていた)とは違い、回線契約の使い回しがきくのも実用性が高いです。
問題は、これが海外発の情報であるということ。ソニーは CLIE で欧州向けにのみ Bluetooth 対応端末を投入し、日本には同じ製品を Bluetooth 抜きで発売したという経緯もあります。今回の情報は GSM 対応ということで、PDC・CDMA のみが利用されている日本市場では同じモデルをそのまま投入するわけにもいかないという問題もあります。そうなると、日本向けには相変わらず従来モデルのマイナーチェンジモデル(せいぜいカラーリングやマテリアルが新しくなって HDD が少し増えたくらい)が登場する可能性もあり、実際のところは登場してみるまで結局分かりません。言えることは、少なくとも当面の type T は新プラットフォームへの対応よりもワイヤレス・通信周りの機能強化で価値を高めていこうという方向性にある、というところでしょうか。

記事によるとどうやら海外での正式発表は 5/10(火)となるようです。日本での発表日もちょうど GW が明けた同日になる可能性が高いですね。少し先ではありますが、楽しみにしてみたいと思います。


[ Pentium XE VS Opteron DC ] 2005/04/23(Sat)
ソニーの新ルームリンク「VGP-MR100」の DLNA 正式対応ファームウェアが公開されています。
ダウンロードサイト
http://vcl.vaio.sony.co.jp/download/SP-009609-00.html
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050422/sony.htm
これまでは「VAIO Media」対応機器のみをサポートしていた VGP-MR100 ですが、DLNA ガイドラインに正式対応したことで、VAIO 以外の DLNA 対応ホームネットワークサーバのクライアントとしても利用可能になりました(これまでも非サポートながら多くの機能は使えてはいましたが)。VGP-MR100 では DLNA ではオプション扱いである WMV がサポートされないため、DiXiM など VAIO Media 以外のサーバソフトでは WMV が利用できないといった制限こそありますが、PC 以外の DLNA クライアント製品の選択肢自体がまだ多くない現状では、VGP-M100 は今回のアップデートにより有力な選択肢になった、と言えるでしょう。
私も MTVX2005 の導入で自作機をメディアサーバにすることが可能になってきたので、よさそうなら購入を考えてみてもいいかなとは思っています。


さて、今週は Intel・AMD という二大プロセッサメーカーから相次いでデュアルコア CPU が発表されました。
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0419/intel.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0421/amd.htm
Intel からは「Pentium Extreme Edition」(コードネーム Smithfield-XE)、AMD からは「Opteron Dual-Core」および「Athlon 64 X2」が登場しました。Intel は Extreme Edition ということで、ハイエンドコンシューマ/ゲーマー向けの高プレミアムな CPU であり、供給量はごく限られているようですが、AMD は Intel に先立ってデュアルコア戦略にシフトしており、当初からそれなりのボリュームでデュアルコア CPU を出荷してくるものとみられます。
Intel は今回の Pentium XE だけでなく、間もなく登場するメインストリーム向けの「Pentium D」(コードネーム Smithfield)も含め、当初のデュアルコア CPU はほぼ 1 のシリコンに 2 つのダイを搭載しただけの間に合わせ的な設計であるのに対し、AMD は当初からデュアルコアを想定して開発していたことによる技術的な優位性と量産体制をアピールしています。Intel も今四半期中には量産版の Pentium D を出荷開始する予定となっていましたが、かつての CPU 1GHz 競争ですんでのところで AMD に「初の 1GHz 到達」を奪われた経緯があり、今回はなんとしても AMD に先んじるため数量限定の Pentium XE を AMD の 1 日前に発表してきたものと思われます。
しかし、これらのデュアルコア CPU を搭載した PC は、ほとんどどこのメーカーからも発表されていません。このことは、もはやプロセッサのパワーアップはユーザーを置き去りにしたまま進められていることを如実に表していますが、CPU の世代としては一世代進んだと言っても過言ではない進化であることを考えると、残念であると言わざるを得ません。PC メーカーは続く「Pentium D」の正式発表に合わせて搭載製品を発表してくるものと思われますが、逆に PC メーカーはこのデュアルコア CPU を有効活用し、セールスポイントとなるアプリケーションを用意できるのか。デュアルコア CPU 時代の PC づくりも、論点は当分そこから変わることはなさそうです。

「Pentium D」の正式発表は 5/下旬〜6/上旬とのことですが、これを搭載した VAIO type R が出るとすれば、最近の傾向から推測すると GW 明けくらいに「CPU:未公表」で本体だけ発表して後付けで詳細発表、という感じになるのでしょうか。まあ、フライングで未発表チップセットを含むスペックを公表した前科もあるので、いきなり詳細発表の可能性も考えられなくはないですが・・・。


[ QUALIA 002 ] 2005/04/22(Fri)
ソニーの「QUALIA」シリーズ新製品。「クリエーションボックス」QUALIA 001 に続く「QUALIA 002」は、HDV カムコーダでした。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200504/05-0421/
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050421/sony.htm
最近の QUALIA は「Sony Hi-Vision Quality」の象徴となるべく HD 対応の映像周りの製品が続いていますが、HD で撮影ができる「QUALIA」はこれが初めて。これで、HD で撮る〜観るところまではひととおり QUALIA ブランドの製品が出揃ったことになります。
ベースは昨年発売された HDV Handycam「HDR-FX1」。これに FX1 の業務用バージョン「HVR-Z1J」で改良されたソフトウェアを載せたというのが基本的なスペックです。これに加えて、QUALIA 専用の高精度な研磨を施したレンズ「バリオ・ゾナー SQ T*」や「クリアフォト液晶」、新設計の内蔵マイクを備え、アクセサリキットやガンマイクが標準装備されるなどの差別化が図られています。カラーリングも他の QUALIA シリーズに倣ったブラックで、高級感を演出しています。
価格は約 60 万円と、HDR-FX1 の約 40 万円という価格からすると高価に見えますが、オプションが付属していることを考えると実際の価格差は 10 万円前後といったところでしょうか。これなら積極的に QUALIA ブランドを選択する意味もあるというもの。QUALIA ならばもっと突き抜けた製品でも良かったような気がしますが、それだけ HDR-FX1 の基本設計の完成度が高く、レンズやマイクなどを改良するくらいしか差別化のポイントがなかった、ということでもあるのでしょう。

QUALIA ブランドで HD にあと足りないのは、やっぱり編集ということになるのでしょうか。となると、次に出てくるのは QUALIA ブランドの HD 編集 PC かも・・・?VAIO type R ベースでデュアル CPU やデュアルコアの Pentium Extreme Edition を搭載した QUALIA PC ならば、可能性はありそうです。


ソニーと東芝が次世代 DVD の規格統一に向けて交渉を行っている、というニュースが流れています。
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/21/news015.html
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/21/news033.html
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050421/bdhddvd.htm
早ければ今月中にも統一規格の共同開発で合意する可能性がある、とのこと。一般のニュースでも報道されていたので、IT 業界に限らずかなり注目を浴びているようです。
ソニーの経営陣刷新の発表前後に久夛良木 SCEI 社長などが「次世代 DVD の規格を統一する用意がある」旨の発言を行ったことも話題になっていましたが、ソニーとしてはここのところの MP3 対応や VAIO での SD/xD などメモステの競合メディアのサポートなど、ユーザーの利益を優先した(言葉を換えれば市場に支持されているフォーマットに対応することで、苦戦している市場でなんとかシェアを伸ばしたいという)戦略転換が続いており、ある意味その流れに沿った「ユーザー本位の」方向転換であると言えます。また、次世代 PlayStation では Blu-ray をサポートすることも発表されていますが、次世代 PlayStation の CPU「Cell」を共同開発している東芝としても、この Blu-ray サポートの発表によって CPU だけでなく光ディスクでも歩調を合わせるべきとの判断に至ったとしても何ら不思議はありません。「今月中にも合意」の可能性は、来月に行われる E3 での次世代 PlayStation の正式発表を睨んだもの、とみて間違いありません。

Blu-ray と HD DVD は、MPEG-2・H.264/MPEG-4 AVC HP・VC-1(旧名称 VC-9)といった CODEC、および著作権保護技術である AACS など、採用している論理フォーマット面では多くの部分で共通しており、ソフトウェア面では規格統一は比較的容易であるといえます。また、青紫色レーザーを利用するという技術基盤でも共通しており、乱暴な言い方をすれば異なるのはディスクのカバー層の厚み(Blu-ray:0.1mm、HD DVD:0.6mm)やカートリッジの有無などを含む物理フォーマットのみ、と言っても過言ではありません。
そういうわけで、次世代 DVD の統一規格はほぼ物理フォーマットの仕様をどのようにするか、というところが焦点になるでしょう。製造コストで考えれば HD DVD の 0.6mm カバー層・カートリッジ無しという仕様に合わせた方が安価にできますが、既に対応ドライブが発売されているという面では Blu-ray の仕様に寄せた方が既存ユーザーには優しいわけです。しかし、政治的にはどちらかの仕様に極端に近づけるわけにもいかないでしょうし、実際の仕様策定にはまた各社(ハードウェアメーカーだけでなく、今度は映画会社も巻き込んだ形で)の綱引きが行われる可能性はありますが、来月の E3 をひとつのマイルストーンとするならば、物理的には Blu-ray か HD DVD のどちらかがベースになることも十分に考えられます。あとは、既存の Blu-ray レコーダ製品の扱いをどうするか、なのですが、ソフトウェア面はともかく物理仕様が変わってしまった場合には、既存製品のサポートはほぼ絶望的といっていいでしょう(まあ、既存製品でも既に二層ディスク非対応なものや BD-ROM 非対応のもの(これは既存製品の全てに言えることですが)などまちまちなので、新規格がサポートされなくてもやむを得ないでしょうが)。個人的には、HD DVD 対応製品が未発売でかつ統一規格が E3(即ち PS3)を意識して策定されるとすれば、Blu-ray 寄りの仕様になるのが自然な流れで HD DVD 陣営には損がないような配慮がなされる、というあたりが落としどころかな、と見ているのですが、実際にはどうなるのでしょうか。あるいは、PlayStation 3 が BD-ROM+統一規格ディスクのハイブリッド対応になる、という可能性もありますが・・・。


[ libretto U100 ] 2005/04/20(Wed)
Sony Style での NW-HD5 の受注が開始されましたが、それに合わせて今まで未発表だったソニスタモデル「NW-HD5/H」が発表されています。
http://www.jp.sonystyle.com/Product/Paudi/Nw-hd5h/Store/
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050420/sony2.htm
NW-HD5 のディスク容量を 30GB に増設した上位モデル。基本的には HD5 のシルバーモデルに準ずるデザインですが、ボタン周りだけブラックモデルと同じ黒いパーツを使っていて、シルバーモデルよりも落ち着いた雰囲気になっています。
価格は \37,800(税込)。ソニスタモデルということでヘッドホンが付属しませんが、それを考えても 20GB の \34,800 と比べてかなり割安感があります。わざわざソニスタで買うような人は、どうせヘッドホンなんて好みのものに交換してしまいますしね。30GB 版 iPod photo の価格(\38,800)を狙った価格設定がニクいなあ(^^;これなら 20GB 版はもっと安くてもいい気がしますが・・・。
発送が 5/下旬ということで少し先になってしまいますが、NW-HD5 を狙っていた方にはかなり悩ましい選択肢でしょう。というか、20GB モデルを買う意味がこれでなくなったような・・・。
ところで、もしかしてこの HD5H って PCG-X505 の HDD を増設する現状最安の手段なんじゃないだろうか(ぉ

ソニーのオーディオ系でもう一つ。Hi-MD 対応製品が追加されています。
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050420/sony.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050420/sony3.htm
MDLP 対応の据置型デッキ「MDS-JE580」と、Hi-MD 対応のシステムステレオ「CMT-AH10」の 2 製品(後日註:MDS-JE580 は Hi-MD 非対応の MDLP 対応デッキの誤りでした)。どちらも既存機種のマイナーチェンジですが、Hi-MD の据置型としては今までソニーの SoundGate シリーズおよびオンキヨー製品しか出ていなかったので、ようやく選択肢が広がったことになります。
ただ、CMT-AH10 はオーディオシステムとしてはエントリークラスに位置づけられるもので、高級機が出てこない(フルサイズのデッキが低価格モデルすら出てこない)のは非常に残念なところ。リニア PCM 録音に対応し、高音質をセールスポイントにできるといポテンシャルがあるにも関わらず、ES シリーズをはじめとするハイエンドモデルが登場しないところ(QUALIA のポータブル MD プレイヤーなんかも Hi-MD 対応版が出てしかるべきなのに)に、ソニーの Hi-MD に対する本気度が窺えるというものです(まあ、MD デッキのハイエンド自体、Net MD 対応機種すら出ていませんが)。やはり、全社的な方向性としては MP3 に向かう流れにあり、スタンダードへの対応という意味ではそれは歓迎すべきところなのですが、オーディオの「質」というものを考えたときにはソニーが全社を挙げてそちらに向かってしまうことは憂うべき事態でもあるのでは、と思います。


さて・・・

東芝からモバイル PC の新機種発表。なんと、libretto です!
ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2005_04/pr_j2001.htm
製品情報
http://dynabook.com/pc/catalog/libretto/050420u1/
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0420/toshiba1.htm
同社のノート PC 20 周年を記念したモデル、ということですが、しばらく休止していた libretto ブランドがここで復活してくれたことを歓迎している人は少なくないのではないでしょうか?ノート PC 事業で言えばソニーは今年で 8 周年、IBM ですら 14 周年というところなので、東芝の 20 年というのがどれだけの歴史かおわかりでしょうか。モバイル PC をとってみても、初代「Libretto 20」を発売したのが Windows 95 が登場して間もない 1996 年春、ソニーが VAIO で PC 市場に再参入する 1 年あまり前、PCG-505 の 1 年半前ということになります(PCG-C1 からすると 2 年半前)。PCG-C1 が登場してからの Libretto は徐々に存在感が薄くなっていきましたが、VAIO が C1 で「ミニノート」というジャンルを確立できたのもそれまでの Libretto が培ってきたコンテクストがあったからかもしれませんし、そういう意味では今回の libretto 復活によってまた風がそちらに向く可能性は十分に考えられます。型番が「libretto U100」と「U」がついているあたり、某ライバルメーカーに「こっちに来いよ」と煽っているんじゃないかと邪推してしまいますが(笑。
スペックはワイド 7.2 型 WXGA(1,280x768)液晶に Pentium M 733(1.10GHz)、i855GME チップセット、PC2700 DDR SDRAM 256MB(最大 1GB)、60GB HDD とモバイルマシンには申し分ありません。USB 2.0×2、IEEE1394、Ethernet、ワイヤレス LAN(.11b/g)、PC カードスロット、SD カードスロットと拡張ポートも十分。A5 サイズで重量は 999g、ああ、これでなんで VAIO じゃないんだろうと思うくらい(ぉ
しかも「DVD ドック」と呼ばれる DVD スーパーマルチドライブ内蔵ドッキングステーション(本当にドライブしか内蔵してない)で DVD や CD が楽しめますし、ドック接続状態では Windows を起動せずに DVD/CD プレイヤーが使える(いわゆる「インスタントモード」)とか、なんで VAIO じゃn(略

サイズは 211×165×29.8〜33.4mm と、だいたいちょっと薄めの初代 PCG-C1(240×140×38mm)というところで、もう一声薄くても良かった気がしますが、1kg を切っていますしまあ悪くないところでしょう。薄さ 9.9〜19.8mm の新型 dynabook SS SX もよさげですが、この新生 libretto の前には薄れてしまった感があります。

最近ではまたアンダー B5 サイズのモバイルノートが見直され、徐々に市場が拡大傾向にあるようですし、この手のモバイルノートが再びブームとなる可能性はあります。今回はそれを単なるブームで終わらせずに、確実に PC のいちジャンルとして定着させ、メーカーが最も付加価値をアピールできるジャンルのひとつとして成長させていくには、ただ「薄く軽い」「小さい」だけではない何かが必要だとは思います(C1 や U が「ブームの予感」で終わっていったのは、やはり製品そのものの面白さや新規性に頼っていた部分が大きかったからでしょう)。が、現在のサブノート市場はその「何か」を見出せる可能性があるだけの市場になりつつあると思いますし、今の PC 市場自体が、上向くためのその「何か」を欲している状態なのではないでしょうか。その「何か」をつくるのはソニーであってほしい、と、いちファンとして純粋に思うわけです。


[ M1000 ] 2005/04/17(Sun)
最近かなり興味を惹かれたニュース。
ニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/05/whatnew0414a.html
ケータイ Watch の記事
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/23471.html
NTT DoCoMo が発表したモトローラ製 FOMA 端末「M1000」です。単なる FOMA の新製品というわけではなく、法人およびビジネスコンシューマをターゲットにしたスマートフォンなんです。Symbian OS 7.0 をベースに、ワイヤレス LAN(IEEE802.11b)、Bluetooth、W-CDMA/GSM/GPRS の公衆回線に対応し、POP/IMAP4 対応のメーラと Opera 7.5 ブラウザを搭載、MS Office 文書や PDF 文書の閲覧にも対応したスマートフォン端末。既存の FOMA 端末でも Symbian OS をベースにした製品は発売されていますが、いわゆる「スマートフォン」の形態をとっているのは DoCoMo ではこの M1000 が初となります。
スマートフォンは欧米市場で先行しているという背景からか、日本市場では欧米向けモデルのローカライズ版にすぎない製品が投入されることも多く、メディアの入手性が悪かったり国内キャリアのサービスが一部使用不可能だったりするという制限があることがほとんどですが(NOKIA 702NK あたりが良い例でしょう)、この M1000 もその例に漏れず i モードメールや 800MHz 帯の周波数には対応していないという問題があります。とはいえ、FOMA に対応したこの初のスマートフォン端末には、魅力を感じる方は少なくないでしょう。
縮小市場というか既にほぼ「終わった」市場である PDA 市場を顧みてのことなのか、M1000 は当初から法人およびビジネスコンシューマのみに絞った展開を行う見込み(販路は一般の携帯電話などと同じくドコモショップおよび量販店となる見込み)で、販売台数もそれに見合った規模になるものと思われます。カメラ機能のように携帯電話のほとんどにスマートフォン機能が搭載されるようになることはまずなく、あくまで携帯電話のいちジャンルとして定着するようになるにとどまるでしょうが、欧米での注目度の高さをみると PDA とは異なり、市場で一定の地位を築いて定着していくようになるのではないでしょうか。もちろん、今の日本市場ではようやくスマートフォン端末が各キャリアから 1、2 製品ずつ実験的に投入されるようになった段階にすぎず、どんな展開になるにせよまだまだこれからといった案配ですが・・・。

しかしスマートフォンに関しては、個人的には懐疑的な面があります。だって、スマートフォンって電話しながらスケジュールやアドレス帳を確認したりメモを取ったりできないじゃないですか。今の携帯電話でだって、「○○さんの電話番号教えてくれる?」「えっと、○○さんは・・・ちょっと待って、一度切って電話帳確認してからかけ直す」なんですから(笑)。例えばイヤホンマイクで話しつつ通話中でも PIM ほかの機能は利用可能、というならまだしも、電話中は他の機能が全く使えない、では困る場面が多いはずです。なので、そこが解決するまでは(スマートフォンを使ったことがないので、もしかしたら既に解決されているのかもしれませんが)やっぱり電話と手帳(あるいは PDA)は別々にしておくべきだと思うのですが・・・。


[ VAIO 2005 SUMMER debut (3) ] 2005/04/15(Fri)
夏 VAIO の展示が始まっているということで、先日に引き続き銀座ソニービルに行ってきました。
今日は、軽くフォトレビューなど。

VAIO type H

まずは今回唯一のフルモデルチェンジとなった VAIO type H。掲示板でも「富士通みたい」という声がありましたが、実物を見ると確かにそんな感じで、VAIO ロゴがなかったら分からないかも。ホワイト×ダークグレーってもともと富士通の配色でしたね。
そう思って見ると、やっぱり少し面白みのないデザインではありますね・・・。

VAIO type H VAIO type H

本体は type HX のときに比べて高さがなくなり、その代わり少し横幅が出て全面パネルに丸みがついたことで、ちょっとずんぐりむっくりした印象になりました。でも、type HX は背が高くて軽く圧迫感があったので、このくらいのサイズの方が落ち着いて使える気がします。
サイドパネルのミラー加工された VAIO ロゴは type HX のそれを継承しています。本体の質感はツルツルで、だいぶプラスチックっぽいですね。type HX よりも前の HS シリーズに近い質感で、高級感があまりないのが残念なところ。

VAIO type H VAIO type H

フロントパネルの最上段に光る「VAIO」ロゴ。こういうのは嬉しいです。でもこれがなかったら VAIO と気付かないデザインであるのも事実(ぉ
正面向かって右手のドアを開くとカードスロット/拡張ポートがずらり。スマートメディアこそないですが Duo 対応メモリースティック、xD、SD/MMC、CF/Microdrive と何でもこい。そして、最近ほとんどの VAIO で切られてしまったメモステスロットの MagicGate 対応が密かに復活しています(^^;
向かって左手のドアの中には光学ドライブが。ドアとドライブのフロントベゼルはくっついていないため、光学ドライブの換装は比較的容易なはずです。また、フロントパネル下部のカバーの中にはビデオ/オーディオ入力端子があります。

VAIO type H

話題(え?あまり話題になってない?)の FeliCa ポート。
正直ここにあるのはあまり使いやすくないのではないかと思いますが・・・それでもキーボードやマウスに比べれば使用頻度なんてたかが知れているので、さほど困らないのでしょうかね。でもそういう姿勢では「FeliCa をどんどん使ってもらおう」という想いが伝わってこない気がします。まだ VAIO 全機種に USB FeliCa リーダ同梱、の方が良かったような。

VAIO type H

付属の液晶ディスプレイ。写真は 17 インチモデルですが、額縁が厚めで両脇にスピーカも内蔵しているのでかなり大きめ。HT ディスプレイなどではワイド液晶ながらスピーカを液晶下部に内蔵して額縁も薄く作ってあるので省スペースですが、これはけっこう邪魔になるかも。
そういえば何かが富士通製 PC に似てるなーと思っていたんですが、付属ディスプレイのこのデザインが、少し前の FMV-DESKPOWER にそっくりなのか・・・。


VAIO type M

続いて type M の新色「スカイブルー」。ブルーグリーンの色合いは前作「ブライトブルー」と同じようですが、組み合わせる色がホワイトになるだけでずいぶん印象が違いますね。グレーと組み合わせたために何となく濁って見えた前の色合いよりは爽やかで好感がもてる気がします。

VAIO type M VAIO type M

キーボードを開くと、全体的に白。背面までまとめて白いです。ショールームでは後ろからライトアップされていたせいか、どこか白々しい感じはありましたが(笑)なんとなく白い無塗装のプラスチックを見ると、塗装せずに素組みで組み立てたプラモデルみたいな安っぽさを感じてしまうのは、私だけ?


VAIO type A VAIO type A

こちらは新 type A 15 インチモデル。一見旧 type A と見分けがつきませんが、左パームレストに描かれた FeliCa のシンボルマークが新シリーズの証。やっぱりユーザーインタフェースでもある FeliCa ポートはキーボードやマウス(タッチパッド)の近くにあるべきだと思います。でも、これをつけると type T のようにパームレストをカーボンやマグネシウムで作れなくなってしまうのは、痛し痒しといったところ。

VAIO type A

新型 type A のもう一つの特徴である「ワンタッチボタン」。一時期多くのメーカー製 PC に装備された「マルチメディアボタン」はニーズがなく徐々に衰退していきましたが、液晶パネルの性能向上や DVD 再生品質の向上、「Do VAIO」に代表されるメディア系アプリのユーザビリティ向上などの流れに乗って復権しつつあります。中でもこの新 type A に搭載されたような「インスタントモード」の実装は、「ワンタッチボタン」とは非常に相性の良いものです。
この流れ、次の type S や type T にも反映させてもらいたいところですね。


VAIO type F [SPEC-S]

新色「メタリックグレー」が追加された type F [SPEC-S]。
ハードウェアスペックは家庭向けモデルとほとんど違いがありませんが、Do VAIO などのアプリケーションが省かれている点が異なっています。

VAIO type F [SPEC-S] VAIO type F [SPEC-S]

が、この新色、「メタリックグレー」と言いつつ(隣に並んでいる type A と比べるとよく分かるでしょうが)VAIO type A とほぼ同じカラーリングなんですよね。液晶を閉じてしまうと微妙なラインの違い以外に type A と type F [SPEC-S] の違いが分からないくらいによく似た雰囲気になってしまいます。個人的には、(特に家庭で使うなら)ノーマルモデルの「パールホワイト」の方が好みかな。


VGP-UMS50 VGP-UMS50

新しい USB マウス「VGP-UMS50」。円柱を切り出したような斬新なフォルムのマウスです。
type F との組み合わせを想定しているようですが、展示機ではカラーリングの異なる type F [SPEC-S] と組み合わせてあったのでちょっと違和感がありました。

VGP-UMS50 VGP-UMS50

デザインは見た感じそう悪くなく、目新しい分少し格好良くすら見えるのですが、使ってみるとそんなに使いやすくないかも。ちょうどエッジの部分が手の腹に当たるので、長時間使っていると違和感があるか掌が痛くなってきそうです。三点支持は良いのですが、人間工学的に言うならば三点「のみ」支持ではなくて三点支持した上で他の部分も軽く添えておけるようなデザインが望ましいのではないかと・・・。
VAIO のマウスは毎度律儀に買ってきた私ですが、今回はさすがに見送りかなあ。というか、そろそろコード付きのマウスは買う気がしないので、ワイヤレスを出してほしいのですが・・・。


VGP-MBB10 VGP-MBC10

VAIO 用バッグの新製品、ビジネス向けの「VGP-MBB10」(写真左)とカジュアル向けの「VGP-MBC10」(同右)。衝撃吸収構造「VAIO Smart Protection」(←大げさ)ということですが、吉田カバンでいうと TANKER シリーズに芯材を入れて形をしっかりさせたような感じです。デザインは割とフツーですし、たいていの人はノート PC はインナーケースに入れてからカバンにしまうはずなので、衝撃吸収構造が多少しっかりしているとはいってもこれに \19,800 払うくらいなら、そこそこのブランドのバッグを買った方がいいような。


・・・こんなところです。
やっぱり今シーズンの VAIO には「これは!」というのがないですね・・・。モデルチェンジが残っている他のシリーズに期待でしょうか。個人的な予想としては、GW 明けくらいに(といっても商機を考えると GW 直前の発表も十分考えられますが)とっておきが出てくるんじゃないか、と睨んでいるのですが、果たして・・・。


[ DS-HMD1 ] 2005/04/14(Thr)
VAIO 新製品インプレ記事のおかげで書きそびれていましたが、Hi-MD 関連の新製品が発表されています。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200504/05-0413/
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0413/sony.htm
Hi-MD ディスクをリムーバブルストレージにできる PC 用 Hi-MD ドライブ「DS-HMD1」だそうです。
USB で PC と接続し、いわゆる MO みたいな感覚で使えるストレージを目指しているのでしょう。メディア単価は通常の MD なら一枚 \100 もあれば買えてしまいますし、Hi-MD ディスクなら \700 前後で 1GB の容量をもっているので USB メモリを使うよりはリーズナブル、と言いたいのでしょうが、HDD 容量が余りがちな今、実際そこまで複数枚のメディアを使い分けたいというニーズも多くないでしょうし、そもそもドライブのコスト(約 \15,000)だけで 1GB の USB メモリが買えてしまうとあれば、微妙な位置づけの製品であるとしか言えませんね。転送方式は USB 1.1 だし。
SonicStage 3.1 から Hi-MD AUDIO データも転送できる(従来の MD フォーマットで ATRAC MD/MDLP モードで転送し、Net MD ドライブ風にも使える)とはいえ、既存の Hi-MD 対応製品では再生専用ウォークマン以外は同様の機能を備えているわけですし・・・単体でウォークマンとしても使えれば、\25,000 くらいでも買う人はいるでしょうが。どうも、Hi-MD 周りは盛り上がらないなあ。

・・・と思いきや、バッファローからポータブル Hi-MD プレイヤーが発表されています。
ニュースリリース
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/new/2005/003_1.html
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050413/buffalo1.htm
ポータブルではソニーのみ、据置型ではソニーとオンキヨーのみ(ソニーはデスクトップオーディオシステムのみ)という寒い状況が続いている Hi-MD 対応機器ですが、ポータブルの 2 社目は意外なところで周辺機器メーカーのバッファローからリリースされました。雰囲気的に PC 周辺機器としての Hi-MD ストレージデバイスながら単体での音楽再生も可能、という位置づけのようですが、\26,400 という(Hi-MD 対応製品の中では)比較的購入しやすい価格設定が魅力でしょうか。
液晶やボタン配置、特にジョグ周辺のパーツを見た感じソニーとバッファローの共同開発かあるいはソニーの OEM だろうと思われますが、AIWA ブランドを使わずにあえて他社(しかも周辺機器メーカー)から出してきたのは「独自フォーマット」を早く卒業したいという狙いがあるのでしょうか。


ポータブルオーディオつながりということで小寺氏のコラム。ソニー NW-E505 と松下 SV-SD100V の比較レビュー記事です。
対決!「ウォークマンスティック VS D-snap Audio」〜 国産メモリプレーヤーはどこまでイケル? 〜
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050413/zooma201.htm
一応、参考のために貼っておきます。かくいう私は最近どうも今回の「ウォークマン スティック」はやっぱり待ちなのかなぁ、という気持ちにシフトしつつあるのですが・・・。

同じくネットワークオーディオつながりの記事 3 件。
「iTMSが早く登場すればいい」――Moraプロデューサーが語る音楽配信への期待(前編)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/13/news079.html
「2005年は“改善”の年」――Moraプロデューサーが語る音楽配信への期待(後編)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/14/news095.html
LabelGate の赤坂雄治氏を招いてのインタビュー記事。日本における音楽配信サービスの現状と、今後(特に 2005 年)のビジョンを語った記事です。iTMS の日本参入を歓迎し、むしろ Mora も含めた EMD サービス全体の市場を拡大したいという発言は、今までのソニー関係者の発言にはあまりなかったものですが、本来こういう立場であるべきでしょうし、逆に言えば iTMS が上陸しなければ EMD 自体も盛り上げようがない、ということの裏返しなのかもしれません。
また、後編ではこの Column でつい最近書いた内容とも被りますが、「着うた」と PC 向け配信サービスの違いを挙げ、PC 向けサービスへ顧客を誘導するためには DRM の仕組みをより柔軟性の高い、使い勝手の良いものにしなくてはならないことが述べられています。具体的な施策は比較的地味なところから始まるのかもしれませんが、この記事を読む限り、少なくとも改善に向けての期待は持ってもよさそうです。

メモリプレーヤーの“音質評価”は難しい!?
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/14/news003.html
MP3 や ATRAC3 などの圧縮音楽フォーマットに対して「CD 並みの音質」とする機器メーカーに対し、JEITA が疑問を投げかけているという記事です。
最初は MD の登場のときだったでしょうか。「CD 並みの音質で、CD より小さく、録音・編集・ランダム再生可能なメディア」として MD が登場し、あっという間にカセットテープを駆逐して日本の録音メディアのスタンダードになってしまいました。その後、インターネットの普及に後押しされる形で MP3 というフォーマットが「CD 並みの音質で、ファイルサイズは 1/10」として広まったのはまだ記憶に新しい話です。いずれも心理音響技術を利用した非可逆圧縮方式であり、聴きようによっては「CD と遜色ない」と感じられる場合は確かにあっても、よく聴き比べると「CD 並み」とは必ずしも言えないほど情報が失われていることは事実。最近のメモリ/HDD 搭載ポータブルプレイヤーの容量競争の結果、圧縮率を上げて(音質を落として)何万曲入る、という音質と容量の相関を明確にしない広告戦略も相まって、知識のないユーザーに混乱を来している現状に警鐘を鳴らしています。
ポータブルプレイヤーに付属のイヤホンで聴き、容量重視の適当なビットレートで音質にも満足しているユーザーにはあまり関係のないことなのかもしれませんが、少なくともメーカーお仕着せのビットレートでは「本来のいい音で音楽を楽しむ機会」がメーカーによって奪われていると言っても過言ではありません。64kbps 程度のビットレートで何万曲入る、といった馬鹿げた容量競争(個人的には ATRAC3plus 48kbps とかいったビットレートはカタログ表記の曲数を増やすためだけに作られたんじゃないかと思っているくらい)ではなく、客観的に許容できる音質を満たすビットレートの基準を作り、カタログ表記を極力統一化していくべきたと思います。とはいえ「音質」に「客観的」も何もないのですが・・・。


[ VAIO 2005 SUMMER debut (2) ] 2005/04/13(Wed)
昨日に引き続き、本日は 2005/夏 VAIO のカタログインプレ後編をお届けします。
ニュースリリース
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0412.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0412_biz.html
VAIO | 2005 夏 ラインアップガイド
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/Topics2005_2Q/


●VAIO デスクトップ


VAIO type H VGC-H70, H50, H30
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-H70/
VAIO type H VGC-H70WS, H30S (Sony Style)
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/H/
旧 VAIO「PCV」シリーズから型番だけを現行の「VGC」型番に変更して継続していた type HX がようやくフルモデルチェンジし、新シリーズ「type H」となりました。縦置きスリムデスクトップという従来の路線を踏襲しながらも、よりコンパクトかつ親しみやすいデスクトップに進化しています。
本体サイズはスタンド込みで幅 180×高さ 330×奥行 415mm と、type HX(幅 160×高さ 368×奥行 378mm)より低くてコンパクトに見えるようになっています。容積ベースではほとんど違いがないというより若干 type H の方が大きくはなっていますが、高さがないぶん圧迫感がないのと後述する FeliCa リーダの使い勝手に寄与しているというメリットがあります。
デザインは「コ」の字型のプレートを 2 枚組み合わせたようなイメージだった type HX に対して、非常にスタンダードなスリムデスクトップのお手本のような、教科書的なデザイン。正面中央に縦長のダークグレーのラインを配置するなど薄く見えるような工夫もあって嫌いではないのですが、あまり目新しさがないといえばないかも。大衆向けの製品なので、無難なデザインの方がハズレがないという判断なのかもしれませんが。

「可もなく不可もなし」といった案配の type H ですが、特徴としてあげるとすればポイントは二つ。FeliCa リーダとダブルチューナ搭載モデルの存在です。
昨日ご紹介した type A の 15 インチモデルにもありましたが、今回はこれに加えて type H にも FeliCa リーダが搭載されています。しかも、本体の天板に(笑)キーボードのパームレスト部やマウスに内蔵するならともかく、デスクトップの本体に内蔵ってちょっとどうかなと思わなくはないですが、本体だけデスク下やモニタ裏に置いて使う人ってあまり多くないんでしょうかね(私はデスクトップ機はデスク下に置いて使う派)。デスク上のディスプレイ脇に本体を置いて使うとすれば、本体の高さが低いことも相まって FeliCa も使いやすいでしょうが、それ以外の使い方をする人には却って使いにくいかも。FeliCa リーダ内蔵キーボードを開発してしまえば他のデスクトップ VAIO でも一気に搭載できて楽だっただろうに、とは思います。
あと、ダブルチューナ。最近では HDD/DVD レコーダでも地上波ダブルチューナ搭載を謳う製品が増えてきていますが、PC でも徐々に増えてきつつあります。とはいえ、ひとくくりに「ダブルチューナ」といっても、PC 側にチューナを 2 つ内蔵して 2 番組同時録画可能なタイプと、本体側と液晶側に 1 つずつチューナを内蔵してライブの視聴は液晶側、録画は本体側という使い分けを提案するタイプの 2 種類が存在しています。前者は同時に 2 チャンネルの録画が可能というメリットがありますし、後者はテレビ視聴だけなら PC 本体の電源を入れなくてもできるというメリットがあり、type H では前者のタイプとなっています(H70W、H50W のみ)。まあ発表されたばかりの HT ディスプレイをアドオンすれば実質トリプルチューナになり、後者のメリットも併せ持つことができるようにはなりますね。
ダブルチューナに関しては、VAIO でいえばよりテレビ志向な type V か高級機である type R あたりから先に搭載してくるだろうと見ていたのですが、意外なところで type H からの搭載となりました。テレビの画質にこだわるなら type V、ダブル録画なら type H みたいなちょっとちぐはぐしたラインナップになっているのが気になりますね。また、ダブルチューナのためにアンテナ入力が 2 系統別々についている(アンテナケーブルをあらかじめ 2 つに分配して接続しなくてはならない)のがどうもスマートではありません。それくらいは内部で分配すべきでは・・・(ちなみに 7 チューナ内蔵の type X ではちゃんと内部で分配していました)。

価格はエントリーモデルの VGC-H30B5 では \169,799、ディスプレイ無しのソニスタモデルでは \99,800 から(いずれも Sony Style 価格)と、なかなか良い値段をつけています。大手メーカー製 PC でも 6 万円台で買えてしまう時代なので極端な割安感はありませんが、テレビチューナ内蔵であることを考えるとこんなところでしょう。ただ、低価格を前面に打ち出すあまり、従来の「スタイリッシュな VAIO L 系の後継」というよりは「安価な VAIO JX シリーズの後継」的なイメージが強くなってしまったところは残念です。


VAIO type V VGC-V204RB, V174RB, V174B
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-V204/
VAIO type V VGC-V204S, V174S (Sony Style)
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/V20/
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/V17/
えっと、どこが変わったの・・・?というくらいのマイナーチェンジモデル。CPU がグレードアップし HDD が増量された程度の違いしかありません。とはいえ高画質化技術「Motion Reality」をハードウェア搭載しているのが液晶一体型の type V のみなのは、相変わらずデスクトップ VAIO の他シリーズに対するアドバンテージにはなっています。
最近の PC はマイナーチェンジだと多少 CPU クロックを上げて HDD 容量を増やすくらいしか変えようがなくなっていますが、特にテレビ PC のカテゴリではどちらかというと HDD/DVD レコーダとの差別化が求められてきているように思います。そういう意味では、次のモデルチェンジあたりでは type H のようなダブルチューナ搭載や type A のような「インスタントモード」の搭載など、使い勝手におけるブラッシュアップが必要となってくるのではないでしょうか。


VAIO type M VGC-M52B/W, M52B/L, M32B/W, M22/W
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-M52B/
VAIO type M VGC-M72/W (Sony Style)
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/M/
type M も同じくマイナーチェンジのみ。しかし今回はカラーバリエーションがホワイトと「スカイブルー」となり、従来の「ブライトブルー」のブルーグリーン×ダークグレーの配色からブルーグリーン×ホワイトのカラーリングになりました。今の季節に似つかわしい爽やかな配色ですが、個人的にはちょっと軽すぎるかな。type M にはどちらかというと「中高生が初めて自分用として買ってもらうテレビ兼用パソコン」というイメージを持っているので、これくらいのポップな色の方が受けるのかもしれません、というのは思春期を 10 年あまり経過した大人の勝手な偏見かな(笑)なお、カラーリングでいえば Sony Style 限定のシルバーモデルは廃止され、旧機種 M71/S の在庫分のみになっています。
type M はどうも私みたいなユーザーはそもそもターゲットにされていないので(^^;、モデルチェンジがあってもあまり惹かれないなあ・・・。


デスクトップ VAIO の新製品は以上の 3 シリーズ。
今回はフラッグシップ type R のモデルチェンジが見送られていますが、これはまず間違いなくデュアルコア CPU「Pentium D」(コードネーム「Smithfield」)の発表待ちのためとみていいでしょう。Pentium D は当初の予定よりもリリーススケジュールが前倒しされ、この第 2 四半期にも投入される予定とのことですから、早ければ今月中にもプロセッサのリリースと搭載製品(type R ニューモデル)の発表が行われる可能性があります。とはいえ、デュアルコア CPU を必要とするユーザーはごくごく一握りでしょうし、最近の type R は(type A 17 インチモデル同様)ただでさえターゲットを見失っている感じがありますから、ニューモデルが登場したところで、相変わらず悩ましい状況は好転しないような気もします。


全体を通してマイナーチェンジが中心だった今回のモデルチェンジですが、トピックとしてはやはり FeliCa 搭載モデルの拡大が挙げられます。とはいえ、FeliCa リーダを搭載しただけでは、なかなかそのメリットを多くのユーザーに伝えることは難しいでしょう。
当然ソニーグループ内での FeliCa の最大のアプリケーションとなる Sony Style では、5 周年記念キャンペーンを VAIO・FeliCa・ショッピング・パレットをリンクさせて展開したり、今回の VAIO ニューモデル発売に合わせて啓蒙コンテンツを公開したりと普及に力を入れているようですが、なかなかそのメッセージを明確に伝えるというところまでは至っていないように見えます。FeliCa 自体は確かにオンラインショッピングの利便性を向上させるツールだとは思いますが、それ自体がテレビ録画や音楽再生などといった「楽しみ」を提供する機能ではないので、「FeliCa リーダがついているから」が選択の積極的な理由にはなり難いのではないでしょうか。しかし、Edy や eLIO 決済をより多くのショッピングサイトに普及させ、「ショッピング・パレット」等で FeliCa と絡めた魅力的な施策(FeliCa を使って買うと安い、早い、ポイントがたくさん貯まる、など)を打ったり、少額決済で購買頻度も比較的高くなるであろう音楽配信が一般的なものになったりすれば、盛り上げようもあろうというもの。
あるいは、現行の FeliCa では Suica/ICOCA に関しては利用履歴を見ることしかできませんが、これを PC 上でチャージ可能にしたり、利用履歴を外部アプリに読み込ませて会社の交通費精算を楽にしたりできるようにするというのは実用的な進化の方向でしょう。また、最近 IBM などから指紋認証機能搭載 PC が発売されていますが、FeliCa リーダも個人認証に使うことが可能なので、セキュリティを重視する企業向け PC に搭載していくというのも手かと思います。

Suica を日常的に使う首都圏にいると、FeliCa ももうかなり浸透していると勘違いしがちですが、FeliCa の全国的な普及はそうそう一朝一夕にはいかないでしょう。交通機関で Suica/ICOCA を使う、コンビニや飲食店が Edy 決済に対応している、カード決済に抵抗がない、などの理由で都市圏のユーザーには FeliCa の普及も早いでしょうが、それ以外の地域ではそうもいかないはずです。しかし、クレジットカードや携帯電話に FeliCa が内蔵されるのが当たり前になり、店舗や交通機関への FeliCa の導入が進んで「FeliCa」というインフラが全国的に整備されてくれば、FeliCa は「普及する」というフェーズを通り越して一気に「当たり前になる」はずです。
そう考えると、USB ポートなどのように「気がついたら全ての PC に標準搭載されていた」というのが FeliCa リーダ普及のシナリオなのでしょう。ソニーグループという視点でみると、FeliCa リーダがついていることで VAIO が多少売れることよりも、競合他社も含めて全ての PC に FeliCa リーダが搭載されて FeliCa がより多く使われるようになることの方が、うまみがあるはずです。なので、FeliCa はかつてテレビ録画機能が VAIO から爆発的に他メーカー製 PC に広まっていったのとは、違う普及の道を辿るのではないでしょうか。今回の VAIO への FeliCa リーダの標準搭載は、あくまでそれに先鞭をつけたにすぎないのだと思います。

■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0412/sony2.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0504/12/news022.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2005/04/12/655297-000.html
WPC ARENA の記事
http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20050407/111922/


[ VAIO 2005 SUMMER debut (1) ] 2005/04/12(Tue)
VAIO の 2005/夏モデルが早くも発表になりました。
ニュースリリース
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0412.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2005/products_0412_biz.html
VAIO | 2005 夏 ラインアップガイド
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/Topics2005_2Q/
春モデルが正月明けという異例のタイミングで発表されたこともあり、夏モデルも通常のサイクル(5/中旬発表)から大幅に前倒ししての登場となっています。比較的地味なところから始まった今回のモデルチェンジですが、今日のところはノート系およびその関連製品(今回アクセサリはノート PC 向けのみでした)について見ていきたいと思います。


●VAIO ホームノート


VAIO type A VGN-A63B
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-A63/
VAIO type A VGN-A73PS, A73S (Sony Style)
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/A17/
「VAIO 第二章」発表時のインパクトの高い登場からはや一年。既に 4 世代目となる VAIO type A のニューモデルは、堅実なスペックアップを中心としたマイナーチェンジに留まっています。が、今回から type A は 17 型と 15 型の分化がより明確になり、VAIO ノートのフラッグシップをなすワイド 17 型の「VGN-A」シリーズと普及モデルのワイド 15 型「VGN-AS」シリーズに分化。また、17 型の市販モデルは WSXGA+(1,440x900)のみとなり、より高解像度な WUXGA(1,920x1,200)は Sony Style モデル限定に。やはり WUXGA はハイエンドすぎて量販店向けにはあまり数が出なかったということでしょうか。画面解像度以外の違いも WUXGA モデルの方が CPU クロックが若干高くて無線 LAN が IEEE802.11a/b/g 全対応という程度の違いしかなく、実質解像度の好みしか選択のポイントがないという状態でしたからね。ほとんどのユーザーには USXGA+ ほどの解像度があれば十分ですし、WUXGA を欲しがるユーザーは Web のダイレクト販売を利用するユーザー層とほぼ一致するので、そういうユーザーはソニスタで買ってください、ということなのでしょう。
それにしても 17 型の type A はここにきてちょっと行き場を見失っている感覚がありますね。ある意味デスクトップをも超えたハイエンド PC として登場したこのシリーズも、根本的なスペックアップの鈍化と PC 市場全体の低価格化に煽られてモデルチェンジの方向性を見出せずにいるような気がします。キラーアプリとして期待される HDV 編集も現状ではとにかく重い上にニーズもまだない(HD 撮影できるカムコーダが HDR-FX1GR-HD1 の 2 機種だけでは、さもありなん)ようですし、最速の CPU、最速のグラフィックチップ、より高精細なディスプレイが多くのユーザーに必要とされていない状況下でマス向けに出せるのは VGN-A63B のように「とりあえずハイエンドっぽい」仕様で「買えなくはない」コンフィギュレーションのモデルくらい、というのは、今後のハイエンド PC のあり方に波紋を投げかけているように感じます。


VAIO type A VGN-AS53B, AS33B
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-AS53B/
VAIO type A VGN-AS53PS, AS53S (Sony Style)
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/A15/
新しく「VGN-AS」の型番が与えられた type A 15 インチモデルは、一見マイナーチェンジに見えながらもけっこう細かいところに手が入っています。旧モデル(春モデルでは 15 インチ液晶は Sony Style でしか選択できませんでしたが)ではワイドと 4:3 で選択可能だった液晶パネルがワイド WXGA(1,280x800)のタイプのみになり、「これからのノートはワイドがスタンダード」という VAIO の流れに沿ったものになっています。また、Sonoma プラットフォームに正式に対応し、SerialATA や DDR2 が利用可能な i915GM Express チップセット(下位モデルの AS33B では FSB 533MHz に対応しない i915GML Express チップセット)を搭載しました。これにより、グラフィック機能がチップセット内蔵のものを利用する形になっていますが、デュアルチャネルに対応する i915GM Express の内蔵グラフィックであれば FFXI 程度はそれなりにプレイできる性能があるようなので、よほど重いゲームでもやらない限りは十分な性能が見込めるでしょう。
また、昨シーズンの type T(Sony Style モデル)に引き続き、この 15 型 type A にも FeliCa ポートが標準装備されたことも見逃せません。FeliCa 自体は今のところソニスタでのオンライン購入や Suica/ICOCA の残高確認程度しか使い道がありませんが、今後は携帯電話への FeliCa 搭載が進み来年初頭には首都圏にて「モバイル Suica」のサービスも開始されることから、今はあまり使わなくても一年後にはとても便利だった、ということがあるかもしれません。

そして、個人的に FeliCa 機能搭載よりも注目しているのが「ワンタッチボタン」と「インスタントモード」が提供する使い勝手の良さ。本体に「ワンタッチボタン」と呼ばれるリモコンと同様のボタンを備えており、Do VAIO の操作(ソースの切り替えや録画・再生系の操作)が直接行えるようになっています。さらには、本体の電源オフ時にこの「ワンタッチボタン」あるいはリモコンのボタンを押すことにより、Windows が起動しない状態でテレビの視聴や DVD・CD の再生・停止が行える「インスタントモード」が搭載されました。同様の機能はシャープ等の製品で既に実現されており、どうしてソニーがやらないんだ、とすら思っていたくらいでしたが、今回は本モデルのみとはいえこれがようやく実装されたことになります。しかも、VAIO ならではの新機能として、この「インスタントモード」中にテレビを DVD に直接録画することも可能など(HDD への記録は Windows を起動させて「Do VAIO」上でやらなくてはならない)、type A を簡易 DVD レコーダ付きテレビとして使うことができるようになっている点はなかなか見逃せません。
本来ならば type A のような DTR(デスクトップリプレースメント)ノートではなくモバイルの type T でこそ搭載されるべき(せっかくハードウェアボタンまでは実装しているのですから)機能のような気もしますが、これは次期モデルでの課題といったところでしょうか。ともあれ、この type A 15 インチモデルは一見地味なマイナーチェンジに見えて、実はなかなか気合いの入ったモデルチェンジであった、と言えそうです。


VAIO type F VGN-FS71B, FS51B, FS31B, FS21B, FS21
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-FS71B/
VAIO type F VGN-F91PS, FS91S (Sony Style)
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/F/
VAIO type F [SPEC-S] VGN-F91PS, FS91S (Sony Style)
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/F_specs/
昨シーズン、ソニーが渾身の想いを込めて投入したスタンダードノートの新機軸「type F」に 2 世代目が登場。2 代目というと通常はマイナーチェンジに留まるところですが、今度の type F には着実に進化を遂げています。
マシンスペック的には CPU が速くなったり HDD の容量が増えていたり(FS21 シリーズは逆に減ってますが、これはエントリーモデルの価格を下げて割安感を出すための構成でしょう)していますが、逆に言えばその程度。特筆すべきは今回からオプション提供ながらテレビポートリプリケータが用意され、これをドッキングすることで type F にテレビ録画機能を付加することができるのです。ある意味、スタンダードノートらしからぬこだわったデザインに加えてハイエンドからローエンドまで死角のないラインナップを用意していた初代 type F がそこまでのヒットに至らなかった(それなりによく売れてはいたようですが、このモデルのもつポテンシャルから考えるとそこまで売れなかったとも言える)理由の一つは、今や当たり前になったテレビ録画機能がなかったからなのでしょうか。逆に今回 type E のモデルチェンジが発表されていないのは、type E と type F の差別化要因であったテレビチューナが type F にオプションで用意されたことによるのかもしれません。
type F は VAIO ノートの中でも(もしかしたら全 VAIO の中で、かも)最も玉数の出るシリーズなので、初代 type F も台数ベースでは売れていたようですが、BCN ランキングなどを見てもシェアではなかなか NEC や富士通の大衆向けモデルに勝つことができないでいるようです。PC 市場自体が飽和状態にある中、単純に台数が伸びないならまだしも、シェアで勝てない理由は「同じ値段ならあえて VAIO を選ぶ理由がない」ことではないでしょうか。今のノート PC の一番の売れセンは \14〜15 万のオールインワンノートのようですが、どうもそこで勝てていない。そこで勝つのがソニーのビジネスではないとはいえ、戦わない(製品を出さない)わけにもいかないのですが、じゃあそこで何を差別化要因にするかといったら・・・「この価格帯でもオプションを買えばテレビ録画ができます」といったところでしょうか。単純ですが、最もボリュームの出るところでユーザーニーズの最大公約数を取るとそのあたりに落ち着くのでしょう。が、ソニスタモデルあたりで一時の type B [SPEC-S] よろしく最小構成 10 万円そこそこの価格設定を撒き餌にして割安感を煽っているあたり、ちょっと不安を禁じ得ませんね。ハイエンドからローエンドまで取り揃えた type F にあって低価格モデルにばかり需要が集まってしまうという現状も、PC 市場全体としても考えさせられるところです。

また、今回の type F にはビジネス向けモデル [SPEC-S] が用意されています。
ビジネス向けということで「Do VAIO」をはじめとする各種ソフトウェアが省かれて基本価格が \3,000 下がっていたり、[TUNE] で選択できるグラフィックアクセラレータに GeForce Go 6200 with TurboCache がなかったり(グラフィックがチップセット内蔵固定で選択可能なのは画面解像度のみ)という違いはありますが、ハードウェア構成に違いはない模様。「Do VAIO」が搭載されないことでオプションのポートリプリケータが使用不可、という違いもありますね。
なお、type F [SPEC-S] ではカラーリングにソフトなパールホワイトではなくシックなメタリックグレーが使われ、オフィスや書斎にも似合う風貌に仕上がっています。普通にオールインワンノートとして使いたい向きには、こちらのモデルの方が適しているかもしれないですね。

テレビチューナオプションの提供とシックなビジネスパーソナルモデルの登場でより多くのユーザーにフィットする間口の広いモデルとなった type F。初代モデルを購入して満足していた方々の中からも、「待てば良かった」という声がさっそく聞こえ始めていますが・・・。


●VAIO モバイルノート


VAIO type S VGN-S73PB/B, S53B/S
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-S73PB/
VAIO type S VGN-S93PS/S, S93S/S (Sony Style)
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/S/
今回のモデルチェンジでモバイルノートは type S のみ。それも地味なモデルチェンジに留まっています。春モデルであったカラバリの追加もなく、下位モデルがついに Sonoma ベース(i915GM Express チップセット)になりましたが、トピックといったらそのくらいでしょうか。
まあ、初代 type S からもともと完成度の高いシリーズでしたから、これはいつ買ってもあまり大きく失敗しないモデルだとは思います。個人的にも次の仕事マシンに悪くない選択だとは思いますが、これでもう少し薄く軽ければ・・・。




●VAIO 関連製品


テレビポートリプリケータ VGP-PRFS10V
http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?PD=21236
上述の type F 向けテレビポートリプリケータ。おそらくこの中にチューナやエンコーダチップを内蔵しているのでしょうが、三次元 Y/C 分離回路や DNR など押さえるところはちゃんと押さえた作りになっています。
しかしこれ、初代 type F が発売されてから作ったものとは思えないので、その気になれば昨シーズンからオプションとして出そうと思えば出せたんじゃないの?と思ってしまいます。Do VAIO 非搭載の [SPEC-S] はともかく、旧機種での使用がサポートされないのは(動作保証外なだけなのか、本当に動かないのかは知りませんが)ちょっとどうかな。後追いでも良いから動作保証をつけてくれることに期待したいです。


ビジネスバッグ VGP-MBB10
http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?PD=21235
カジュアルバッグ VGP-MBC10
http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?PD=21234
最近純正バッグに力を入れている VAIO のオプションですが、今回は本格的なビジネスバッグとカジュアル向けのトートバッグの 2 種類が発売されます。いずれも、硬めの芯材+側面・底面に使われた低反発ウレタンによる耐衝撃構造「VAIO Smart Protection」が一般的なファッションブランドのバッグとの違いでしょうし、PC メーカー純正とは思えないデザインはサプライメーカーのバッグとの違いになっていると思います。っていうか「VAIO Smart Protection」ってそんなところまで商標化しなくても(笑
ビジネスバッグはややおっさん向けスレスレのデザインかな(ぉ と思わなくもないですが、 オールブラックのナイロン×本革の素材感に救われている感じ(^^;VAIO ノートの持ち運びを考えてキャパシティは多めに確保されているようですし、間仕切りやポケットなど使いやすそうではあるのですが、これに \19,800 払うならあと \10,000 プラスしてブランドバッグ買った方がいいよなあと思います(^^;ま、今までは ThinkPad だったのでバッグの耐衝撃性を考えなくてもまず壊れなかった、というのもあるんでしょうが。
カジュアルトートのほうは、昔あった純正トートバッグよりは作りがよさそうかな、と思います。トートバッグで PC 用に緩衝材がしっかり入っているものって一般的にはなかなか売っていませんしね。でも私は NEIGHBORHOOD × Sony Style も含め普段使いのトートは 2 つ持っているので、いいや(^^;←ひとつ気に入ると似たようなデザインのものばかりいくつか続けて買う人



USB 光学式マウス VGP-UMS50
http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?PD=21232
円柱を斜めにカットしたような不思議な形をしたマウス。主に type F との組み合わせを想定して開発されたマウスのようです。
この独特の形状ですが、カタログサイトによると「手の構造に適したゆるやかな傾斜と適度な高さが、マウスと手が接する3点をしっかりとホールド。長時間使用しても手が疲れにくく、正確なマウス操作を実現します。」とのことですが、ホントにそうなのかな?個人的意見を言うとすれば、いくら面取りしてあるとはいってもエッジが手に当たるようなデザインは人間工学の話をしなくても工業デザイン的にも NG だと思うんですけど・・・。PCGA-WMS5 のときも思いましたが、最近の VAIO のマウスって奇抜なデザインばかり重視して「本当の使いやすさ」とは何かを軽視しているような気がします。
また、底面にフッ素樹脂を採用して一般的な滑性シートよりも潤滑性が高く操作が滑らか、という触れ込みですが、これってもしかして私も愛用しているパワサポの「AirPad Sole」と同じものというか OEM なのでしょうか。AirPad シリーズは非常に気に入っているだけに、気になります。

個人的には有線のマウスを使わなくなって久しいので、例えモバイル用であれケーブル付きマウスが出ても興味を持てなくなってしまいました。マウスメーカーの製品を見ていても分かるように、そろそろノートでもワイヤレスマウスが当たり前の時代がくると思います。ノート PC にワイヤレスマウスの受信ユニットを内蔵しておいて、オプションのマウスを買えばすぐに使えるようになる、とか、Bluetooth マウスを開発する、とか、例えばロジクールと協業して VAIO ノートの全モデルでロジクール製ワイヤレスマウスをアダプタ無しで使えるようにする、とか、マウスに関してはいくらでも作りようがあるのではないでしょうか。いつまでもただの光学式ホイールマウスを形だけ変えて出し続けてもしょうがない、と思うのですが、どうでしょう?ロジクールの V500 みたいなのが VAIO でアダプタ無しで使えたら、かなり欲しいんですけど・・・。


縦置きスマートケース VGP-CKS2
http://www.ecat.sony.co.jp/vaio/acc/acc.cfm?PD=21233
type F 向けに発売された「おかたづけケース」のコンパクト版。type S や type T のサイズに合わせて作られています。モバイルノートでも自宅でメインマシンとしても使っているようなケースでは、縦置きにしてコンパクトに収納したいというニーズはけっこうあるのでしょう。私も次の仕事マシンに type S か type T を買うならこのケースを使ってみたい気がします。あ、今 X505 や U101 をおかたづけするのに使ってもいいですね。ひとつ買ってみるかな・・・。


ノートおよび関連製品は以上になります。
明日は後半、デスクトップ編をお送りします。

■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0412/sony1.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0412/sony3.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0504/12/news021.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2005/04/12/655314-000.html
WPC ARENA の記事
http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20050407/111922/


[ MFM-HT ] 2005/04/11(Mon)
ソニーのコンピュータディスプレイの新製品 2 機種。
MFM-HT75W
http://www.ecat.sony.co.jp/computer/display/products/index.cfm?PD=21249&KM=MFM-HT75W
MFM-HT95
http://www.ecat.sony.co.jp/computer/display/products/index.cfm?PD=21251&KM=MFM-HT95
地上波アナログチューナ内蔵の液晶ディスプレイです。アメリカでは 1 月の CES 2005 の時点で発表されていた製品。ソニーから TV チューナ内蔵のディスプレイが発売されるのは、it WEGA のとき以来実に 3 年半ぶり。最近、DELL やシャープなどチューナ内蔵ディスプレイをラインナップにもつメーカーが増えていますが、ソニーもこの流れに乗ったものと思われます。
勝因構成は、17 インチワイドの「MFM-HT75W」と 19 インチ 4:3 の「MFM-HT95」。解像度は 17 型が WXGA(1,280x768)、19 型が SXGA(1,280X1,024)。画面サイズの割に相変わらず解像度が低めなのが気になりますが、低解像度な地上アナログ放送や DVD の映像を観る分にはこのくらいの解像度の方がアラが目立たなくていいという見方もあります。私にとっては PC のディスプレイは作業をするための表示装置であり、文字情報や画像(主に静止画)を表示するためのデバイスなので解像度命なのですが、最低でも SXGA+ じゃないとダメ、欲を言えば UXGA 欲しいというユーザーは、おそらく少数派なんでしょうね・・・。

デザインはコンピュータ用ディスプレイとしてはかなり斬新。新型の「HS」ディスプレイと同様の「ライジングデザイン」になっています。本家液晶 WEGA の 20 インチクラスや「ハッピー<ベガ>」シリーズよりもデザインがいい気がするんですが(^^;
ディスプレイパネルはやはりというか「クリアブラック液晶」で、入力端子は DVI-I とアナログ RGB、D4 端子とコンポジット端子を備えています。チューナは VHF/UHF/CATV 対応の地上アナログチューナのみですが、I/P 変換回路や DNR も備えており、普通に 17 型・19 型のテレビとして使えるだけのスペックを備えています。
例えば 20 インチの液晶 WEGA「KLV-20SP2」がヨドバシ価格で \89,800 なので、それを考えると省スペースにこだわるなら MFM-HT95(店頭予想価格:約 9 万円)の方が良いケースもあるでしょう。画面解像度は違うし、デザインもいいですし。KLV-20SP2 の方はもともとテレビとして作られているので、BS アナログチューナ内蔵だったりビデオ系の入出力端子が多かったりしますが、このあたりは用途次第といったところ。

最近ではデスクトップ PC でテレビ録画機能がついていない製品を探す方が難しいような状況になってしまっていますが、そんな中であえてチューナ内蔵ディスプレイが一定の市場を築く気配を見せているのは、やはり PC は「テレビ」ではなく「ビデオデッキ」的な位置付けにあるからでしょう。ほとんどのデスクトップ PC にテレビ録画機能が内蔵されているとはいえ、複数系統のチューナを内蔵している PC は稀で、録画中は裏番組を視聴することはまずできません。でも、チューナ内蔵ディスプレイならば PC で録画中でも他局の番組を楽しむことができます。テレビを観るのにいちいち PC の電源を入れなくていい、というメリットもありますしね。
専用機のテレビの方も、ここ数年は FPD の普及により液晶やプラズマで XGA 程度の解像度をもつ製品が増えてきました。PC と RGB や DVI で接続できる製品も少なくなく、ある意味テレビが PC ディスプレイの市場を侵食しつつある状況であるとも言えます(実際に、Mac mini をリビングのプラズマ TV に接続して使っている例は少なくないと聞きます)。また、一年前にナナオ(EIZO)が「FORIS.TV」ブランドで液晶テレビ市場に参入したように、AV と IT の境界が曖昧になってくるにつれて、テレビとディスプレイの境界も曖昧になってきているようにも思えます。

そういう意味では、3 年半前にソニーが「it WEGA」を出したのはある意味今の状況から顧みると早すぎ、また CRT ディスプレイの投入時期としては遅すぎた(it WEGA の画質はかなり素晴らしいものだったと聞いていますが)のだと思います。が、今ならば PC ディスプレイに「WEGA」ブランドを着せてみても面白いのではないでしょうか。折しも、昨年末の「VAIO type X」向けの「トリルミナス」フル HD 液晶ディスプレイはあの「QUALIA」の子どものような製品でしたし、テレビの技術を使って質の高いコンピュータディスプレイを作ることが不可能ではないことは実証済みです。あとは、「WEGA」のブランドバリューさえ、回復してくれれば・・・。

■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0411/sony.htm
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050411/sony.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0504/11/news007.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2005/04/11/655052-000.html


[ Walkman Records ] 2005/04/10(Sun)
ソニービルをジャックして開催中の「もっともっとオンガクとあそぼう」キャンペーンを見に行ってきました。
http://www.sonybuilding.jp/campaign/walkman/

Walkman Records Walkman Records

というよりはどちらかというと NW-HD5 の現物を確かめたかっただけなんですけどね。
週末、しかもソニーが本格的に iPod 追撃のために力を入れている製品&キャンペーンということで注目度が高かったのか、けっこう人が集まっていました。

NW-HD5

NW-HD5。写真はシルバーモデルです。
カタログ写真や Web のニュース記事なんかを見ていると、シルバーというよりは白っぽいのかなと思っていたのですが(このあたりかなり iPod のイメージに引きずられている)、素直なシルバーでした。外装素材は梨地加工のマグネシウム(?)で、ケースに入れていないとすぐに傷が付きそうな感じ。

NW-HD5 NW-HD5

まずは手始めに、初代 NW-HD1 との比較から。
スペックを見比べるほどにはサイズ的な違いは感じませんでした。少なくとも NW-HD3 よりは薄くコンパクトですし、NW-HD1/HD2 と比較しても若干厚みがあること以外は遜色ないサイズだと思います。ただ、デザインや素材感はかなり変わってしまいましたね。私はやっぱり HD1 の方が「ソニーらしい、ウォークマンらしい」と感じるというか、HD5 のデザインはソニーらしくない(まだ AIWA ブランドなら納得できたかも)と思うのですが・・・。

NW-HD5

操作ボタン。クリアパーツで成形されたボタンの中にヘアライン加工の素材感が透けて見えていておしゃれです。
ボタンは NW-HD シリーズの中で最も大きく押しやすいですが、その一方で iPod のような回転系、あるいはページ送り系のインタフェースがないため、大量のリストから選択したい場合にはかなり面倒になります(上/下押しっぱなしが必要)。こういう製品にこそジョグダイヤルをつけるべきでは・・・。

NW-HD5

液晶ディスプレイ。カタログサイトではモノクロながらかなり高精細に見えたのですが、実際には解像度的に NW-HD1 と大差ないレベルでした。カラーでもないので必要十分なスペックではあるのですが、なんか物足りない。
バックライトがホワイトになっていますが(アクティブ表示/パッシブ表示切り替え可能)、iPod を意識しすぎていてちょっとなあ・・・という感じです。

NW-HD5 NW-HD5

リニューアルされた検索画面。通常のパターンでの検索に加えて、曲のタイトルのアルファベットから検索できる「イニシャルサーチ」機能が新設されています。
でも、これ、個人的には曲タイトルだけじゃなくてアーティスト名もアルファベット順に検索したいんですけど。HDD に入っている音楽が 10GB を超えてくると、アーティストもかなり増えてくるので、普通にアルファベット順で探していくとイライラするんですよね。逆に曲名からサーチすることって(少なくとも、私の使い方では)あんまりないし・・・。
このあたり、やろうとしていることは良いんですが、どうも少し詰めが甘いような気がします。VAIO pocket のときも思いましたが、これを作っている人たちは本当にこの製品で音楽を聴いているのだろうか?10GB 単位のライブラリを自分で持っていて、日々音楽を楽しむ生活をしているのか?ということを疑問に感じてしまいます。実際に、本当のシチュエーションで使っていたら、どういう条件でどういう仕様で検索したいか、想像できないわけはないと思うんですが・・・。

NW-HD5 NW-HD5

本体の液晶は正方形の 7 行表示液晶ということで、横向きにも表示できるのがセールスポイントのひとつとなっています。ただ、元来縦長で使うことを前提に作られている製品を、わざわざ横長で使おうという人はあまり多くないのではないでしょうか。
ちなみに、設定画面では液晶の向きを「縦/自動/右/左」から選択できますが、縦や左右はいいのですがなんだ自動って。ジャイロ内蔵で、持った方向によって自動的に画面を水平に合わせてくれる・・・わけでもないし。普通に使ってみた限りでは、「自動」は縦に表示されました。

NW-HD5 NW-HD5

本体背面と、外部インタフェース周り。
背面には「ATRAC AD」という謎のロゴが・・・と思ってみると、これ、「ATRAC Audio Device」の略だとか。
http://www.faq.sonydrive.jp/fQA.php?qid=29744
ATRAC3/plus フォーマットの音楽データを OpenMG で暗号化して PC に転送する規格だそうですが、一瞬また ATRAC のスペックが変更になったのか?と焦りました・・・。
外部インタフェースは USB 2.0・AC コネクタがこれまでの専用形状から一般的な USB MiniB や標準的な AC コネクタになったので、ケーブル等の取り扱いは楽になります。が、クレイドルがオプションですら用意されていないのは、これはこれで残念です。

NW-HD5 NW-HD5

カラーバリエーションのブラックとレッド。ブラックはシックに、レッドは鮮やかにという感じでそれぞれイメージが大きく違います。
自分で買うなら無難なシルバーか落ち着いたブラックだと思いますが、HD5 自体にそれほど興味がないのであんまり・・・(ぉ

NW-HD5 NW-HD5

そして、こちらが YUKI モデルと ASIAN KUNG-FU GENERATION モデル。Mora で期間中 \2,000 以上買い物をしたユーザー合計 100 名に当たるという特別バージョンです。
こうやって背面にデザインを施してやると、のっぺりとした HD5 の背面にもオシャレさが出てきて良いですね。できればエンドユーザーのカスタムデザインもオプションサービスで作らせてもらえると良いんですが、そうなるとまた iPod の二番煎じみたいになりそうですし、微妙かな。でもオリジナリティを出すためにシールを貼るなどの工夫はしてみても良さそうですね。

NW-E507/N

おまけ。NW-E507/N(ソニスタ限定ゴールド)とソニスタオリジナルのケースです。
ケースは正直、微妙・・・。というか NW-E50x 自体発表からずいぶん経ってしまったので、だいぶ萎え・・・。

ちなみに、メディアージュで見たときには傷だらけだった NW-E400/500 シリーズですが、これはお台場のスタッフさんに確認するとどうやらショールームに届けられたときから細かな傷がいっぱい入っていたそうで、展示中についた傷ではないとのこと。どのくらいのダメージで傷がつくということは分かりませんが、少なくともメディアージュのせいではないらしいです^^;


さて、今回のウォークマンのキャンペーンは、iPod の後塵を拝しているデジタルオーディオ市場で「マインドシェアが欲しい」ために行っているものということですが、
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/ex03/369035
iPod がブームになっているのは単にスタイルやデザインだけでなく、マーケティングの巧さによるマインドシェアの高さだけでもない、ということを理解できていないといくらキャンペーンを打ったところで成功しないと思うのですが・・・。iPod のマインドシェアの裏側にあるものを見ず、ただプロモーション手法を真似ただけではせいぜい「iPod のソニー版」という呼び方をされるのが関の山だと思います。
確かに新規性のある製品を斬新なマーケティングと組み合わせて新しい市場を形成するのはソニーの得意とする分野だったとは思いますが、それはあくまで 2〜3 年前までの話。今は、ちゃんと地に足のついた製品開発と、ユーザーの方を向いたマーケティングでなければ・・・と思うのですが、こういう安直ともいえるやり方になってしまうあたり、対 iPod についてはかなり焦っているのでしょうね・・・。


[ Blooming Spring ] 2005/04/09(Sat)
ここのところ春の陽気が続いていて、東京はすっかり桜も満開になりましたが、昨日は午後からお花見(いわゆる「お花見」ではなく、本当に桜を愛でるほうのお花見)に行ってきました。平日の昼間っから暢気に桜を眺めに出かけられる生活・・・「ゆとり」って素晴らしい(^^;

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/250(秒) / F7.1 / 64 / 19(mm)

この Column では毎年この時期に桜の写真を載せるのが恒例になっていますが、今年も例に漏れず DSC-F828 を携えて出かけました。一応、これでも年々少しずつ上達してはいるつもりですが・・・どうでしょうか・・・。ちなみに今年は、デジカメ Watch の実写記事のフォーマットに倣って撮影データをつけてみました(どちらかというと自分の復習のためのデータだったり^^;)。

※写真はクリックすると拡大表示されます。拡大表示の写真は撮影画像にレタッチを加えず 1,280x960 にリサンプルしたものです。

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/250(秒) / F5.0 / 64 / 42(mm)

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/250(秒) / F5.6 / 64 / 46(mm)

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/250(秒) / F5.0 / 64 / 7(mm)

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/50(秒) / F2.0 / 64 / 7(mm)

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/125(秒) / F4.0 / 64 / 11(mm)

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/125(秒) / F4.0 / 64 / 15(mm)

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/200(秒) / F4.0 / 64 / 7(mm)

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/250(秒) / F5.6 / 64 / 7(mm)

Senzokuike Park
3,264x2,448 / 1/250(秒) / F5.6 / 64 / 39(mm)

カメラを持って出かけるとついいい写真を撮ることに気持ちがいってしまって風景を楽しむ余裕がなくなりがちなので、最近はちょっと気をつけるようにしています。実際改めて振り返ってみると、今まで撮ってきた写真の中で、写真を撮ったシチュエーションとかフレーム単位での風景は憶えているけど、そこの空間全体としての風景を憶えていないということって少なくないですから(^^;写真はあくまで自分が風景を楽しむ行為の副次的産物だと思うようにしていたいですね。
私はもともと植物や風景の写真を撮るのが好きなのですが、日常的にはサイト掲載用のブツ撮りをすることの方が圧倒的に多いので、どうしてもマクロ撮影が多くなってしまって、大半が日の丸構図なせいか、趣味の撮影でもつい日の丸にフレームを切ってしまう癖がついてしまっている気がします(汗)。今年はなるべく撮影の幅を広げようと思って今回は動物や人にもなるべくレンズを向けるようにしてみたのですが(人にレンズを向けるのって勇気が要りますね)、その結果は果たして・・・ってやっぱりほとんど日の丸だorz

購入して 15 ヶ月ほど使ってきた F828 ですが、画質そのものには未だに不満らしい不満を感じていません。が、機能面ではさすがに不満がぽつりぽつりと出始めましたね。連写が遅いことや、CF スロットがメモステスロットに比べてアクセススピードが遅いこと(でも容量を考えるとどうしても CF スロットに Microdrive を突っ込んで使ってしまう)、そして何よりは EVF の解像度でしょうか。液晶ビューファインダは液晶モニタよりは圧倒的に解像度が高いですが、それでも 23.5 万ドットというのは VGA(640x480)よりも粗く、3,264x2,448 などのサイズで撮るためのファインダとしてピント合わせに使えるかというと、正直あまり使い物にはなりません。一応マニュアルフォーカス時にはフレームの中央部が EVF に拡大表示されるため、ここでピントを合わせることはできるのですが、それでも粗いので、私の場合はだいたいここだろうというところで微妙にフォーカスをずらしつつ 2〜3 カット撮って、保険にオートフォーカスモードで 1〜2 カット撮っておくというやり方で撮っています(←せこい)。

正直、そろそろ DSLR に切り替えたいという思いはあるんですけどね・・・まだまだ F828 を使い切れていないと思う反面、デジ一眼ならもっとうまく使えるに違いない、という気がしています。やっぱりドットのないアナログ式のファインダは強いですよ・・・。
実は今回、撮影中に同年代の夫婦+赤ちゃんのファミリーに「すいません、写真撮っていただけませんか」と言われて一眼レフ(銀塩のほう)を預けられたのですが、お三方をフレームに納め、シャッターを切りつつ、ファインダの見え味の良さとシャッターを切ったときの手応えに、改めて物欲を新たにした私でありました(^^;EOS 30D まで待てるかどうか・・・。


[ DLNA ] 2005/04/08(Fri)
来週末に発売の迫った Cyber-shot T7 ですが、ソニスタでの受注が始まっています。
http://www.jp.sonystyle.com/Product/Dsc_mvc/Dsc-t7/
Sony Style での Cyber-shot 購入特典としては吉田カバン製オリジナルケースがおなじみとなっていますが、今回はこの吉田カバン製に加えて Whitehouse Cox とのコラボレーションケースも用意されています。しかも限定 200 個!しかし、吉田カバン製ケースは \9,450、Whitehouse Cox に至っては \21,000 という、DSC-T7 の本体価格(\54,800)を考えるとちょっと腰が引けてしまう価格設定になっています。そういえば iPod にも本体と同じくらい高いグッチやプラダ、ヴィトン製のケースが発売されていましたが、T7 は果たしてそれだけこだわる価値のあるデジカメに仕上がっているのでしょうか・・・。
最近のソニスタは以前にも増してファッションブランドとのコラボレーションに力を入れていますが、5 周年記念イベントといい、ソニスタはファッションブランドとコラボ製品を出すだけの会社になったの?セレクトショップにでもなりたいの?高所得層の買い物を煽るだけの場所になったの?というような、何か履き違えていないかな・・・と感じることが増えてきたような気がします。自分の好きなブランドとコラボレーションしてくれたときは確かに嬉しいのですが、反面、なんだかなあ、と感じることも少なくありません。まあ、とりあえず吉田カバンと組んどけ・・・という発想は昔から変わっていませんが・・・。
いや、Whitehouse Cox のケースが高いからひがんでいるわけではありません(ぉ T7 の画質が劇的に改善していたら危なかったかも。


昨日まで行われていた IDF 2005 にて、DLNA 対応メディアクライアントが大量に展示されていたようです。
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/07/news097.html
Broadband Watch の記事
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/event/9238.html
このうち、ソニーの新ルームリンク「VGP-MR100」などいくつかの製品を除いてはほとんどが試作機だったようですが、それでもその多くが年内の発売を目標にしているようで、今年後半にかけては DLNA ガイドラインに準拠したホームネットワーク機器が一つのトレンドとなりそうです。とはいえ、「これからは『ホームネットワークの時代』」として国内 PC メーカーを挙げて盛り上げようとして失敗した 2 年前の経緯があるだけに、メーカーにもユーザーにもあまり走りすぎるのは危険だという意識があることも事実です。この DLNA メディアクライアントの普及も、当面は緩やかな普及にとどまるでしょう。
ただ、個人的には買っちまった MTVX2005 があるので、ここらでひとつメディアクライアントで PC と AV 機器を繋いでみても良いかな、とは思っています。MTVX2005 に付属の FEATHER2005 は現状 PC 向けのソリューションで DLNA には非対応ですし、DiXiM とルームリンクでも買って繋いでみるか、と考えていますが、DiXiM はともかく今のルームリンクを買うのは何となく先物買いっぽいし、音楽は AirTunes を使っているのに映像だけ DLNA という分散した使い方もスマートじゃないし・・・ということで、ちょっと迷っています。
クライアントに関して言えば、将来的にはテレビや AV アンプに内蔵されていくものでしょうから、今単体で買うのもどうかな、とは思いますが、それは少なくとも 2〜3 年後の話(いや、それ以前にホームネットワークが再び廃れてしまう可能性もあるな)。とりあえず、年末までには製品も出そろうでしょうし、ルームリンクも新バージョンが出るかマイナーチェンジくらいはするでしょうから、そのときに考えてもいいかな?個人的には、AV のネットワーク化に積極的なオンキヨーあたりから、ホームシアターにもマッチする Integra 系の高級なデザインで出してきてくれたら嬉しいのですが・・・。


[ もっともっとオンガクとあそぼう ] 2005/04/07(Thr)
NW-E400/500 シリーズおよび NW-HD5 発売を記念したウォークマンの春のキャンペーンが始まっています。
もっともっとオンガクとあそぼう
http://www.walkman.sony.co.jp/root_spring_camp.html
iPod にどうしても勝てずにいるウォークマンの認知度を少しでも高め、新製品の発売を成功させようという今回のキャンペーン。新規に携帯電話向けサイトまで立ち上げるほどの力の入れようです。
オンラインのイベントだけでなく、リアル向けの展開でもソニービルをジャックしたプロモーション「WALKMAN × Mora Sony Building Jack Promotion」や、
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050407/sony2.htm
同プロモーションに絡んでのソニービルでのプレス向けイベントなど、
http://www.sony.jp/mysony/mail/050407/report/
かなり多岐にわたっています(どうやら、今後渋谷の街や渋谷・原宿・新宿駅のジャックも行われる模様)。具体的な内容としては、
  • Walkman × Mora プレゼントキャンペーン

  • Mora で \2,000 以上楽曲を購入したユーザーの中から抽選で 100 名にアーティストがオリジナルデザインを施した NW-HD5 が当たるというもの。デザインを提供しているアーティストは、ASIAN KUNG-FU GENERATION(うう、知らない・・・汗)と YUKI。YUKI のポップなデザインセンスは昔から評価が高いですが、今回の NW-HD5 も本体背面のプレーンなデザインをキャンバスとして有意義に活かしたデザインになっています。NW-HD5 の通常モデルは要らないけど、こっちは欲しいかも。
  • Mora ネットミュージッククーポンプレゼント

  • ソニスタ限定の NW-E507/N(ゴールドモデル)を購入したユーザーにもれなく ASIAN KUNG-FU GENERATION のリコメンド曲と YUKI のベストトラックの中から 6 曲ダウンロードできる Mora のクーポンをプレゼント。ちょっとプレゼントされる曲が限定されすぎているかも。YUKI ファンにはいいかもしれませんが・・・。
  • Walkman Records

  • 4/7(木)〜5/15(日)の期間、銀座ソニービルをジャックして行われるイベント。基本的には Mora と新ネットワークウォークマンの体験・購入イベントで、Mora の音楽ダウンロード体験や NW-HD5・NW-E400/500 シリーズのタッチ&トライができるようです。これは私も近々行ってみるつもり。
  • ウォークマンオリジナル壁紙プレゼント

  • 2 シリーズの新ネットワークウォークマンをモチーフにしたオリジナル壁紙が公開されています。NW-E400/500 はいいとして、HDD タイプはデザイン的にちょっと微妙なので、壁紙になってもなあ・・・。
こんなところです。
今回のキャンペーンに合わせて、「ネットワークウォークマン」というブランド名をあえて使わずに、HDD タイプを「ウォークマン スクエア」、シリコンタイプを「ウォークマン スティック」と呼び分けており、新しい「ウォークマン」のイメージを作ろうという狙いがみられます。カテゴリ分けをライバルと揃えることで「iPod」「iPod mini」「iPod shuffle」とそれぞれ対抗していこう、という意気込みでしょうか。ま、確かに今までのように一緒くたに「ネットワークウォークマン」じゃ伝わりにくかったですからね・・・。
しかし、このキャンペーンで使われるモチーフが線画にデフォルメされた NW-HD5 と NW-E400/500 シリーズなのは、どうかと。色遣いが違うとはいえ、フラットなデザインイメージは iPod の焼き直しともとれなくもないですし、E400/500 の方はデフォルメしてしまうとあの有機 EL を中心とした製品イメージが伝わらなくなって逆効果なのではないかと思います。さらには、スタッフのトレーナーにそのイラストを入れて着させるところなんて Apple Store のまんまじゃん・・・と発想の安直さにがっかりしてしまいました。まあ、そもそも NW-HD5 のデザインからして、微妙に外したところを狙っていたようで外れてない、何とも言えないデザインなのですが・・・。

・・・ちょっと心配になってしまいました。


[ NW-HD5 ] 2005/04/06(Wed)
昨日ビデオキャプチャカードを買った矢先、同じシリーズの高画質版(これはある意味予測していた)に加えてチューナ外付けのハイエンドモデルまで発表になるとは。まあ、テレビに関してはそこまで重要度が高くないのでそれほど気にしていないとはいえ・・・うーん、タイミングって難しい。


CYBALION の掲示板情報です。PCG-C1Xx/C1Vx 系の増設メモリが以下のサイトで販売されているとのこと。
http://www.4allmemory.com/
海外のサイトなのでちょっとハードルは高いですが、国内ではアイ・オーやメルコといった数少ない対応メモリベンダからの販売が既に終了しており、同機種ユーザーのアップグレードパスが絶たれた状態になっていました。今でも同機種を使い続けているユーザーさんはもう多くはないでしょうが、メモリ増設や HDD 換装で愛機を延命したい方には朗報ですね。とはいえ、アイ・オーの SNC1 シリーズのように専用蓋が付属していないので、そのままでは閉まらない蓋の処理をどうするか、という問題はつきまといますが、それはそれで知恵の絞りがいがあるというものです(^^;興味のある方はどうぞ。


ソニーの HDD ネットワークウォークマンのニューモデル「NW-HD5」が発表に。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200504/05-0406/
製品情報
http://www.walkman.sony.co.jp/root_hd5.html
先月下旬の時点で「NW-HD3」がすでにディスコン(生産終了)になっていたため、新製品の発表も噂されていたところでした。今までの NW-HD シリーズはしばらく初代 NW-HD1 のマイナーチェンジという感じで引っ張ってきていましたが、今回デザインを含めてフルモデルチェンジとなりました。
折しも昨日、HGST が 3.5inch HDD で 1TB のディスク容量を実現する垂直磁気記録技術を発表し、IT よりもむしろデジタル AV の用途での可能性に大きな期待が寄せられているところです。通常のデジタルレコーダのサイズで全チャンネル 1 週間分まるまる録画できる製品や、2.5inch HDD を搭載してより小型化された(例えば PlayStation 2 のようなサイズで縦置きもできる)レコーダ、あるいは iPod mini クラスのサイズで 20GB の容量をもつポータブルプレイヤーなど、次世代 HDD を搭載した AV 機器の登場が期待されるところですが、少なくとも最終製品の登場は 2007 年頃になるということなので、まずは目の前にある新製品を見てみましょう。

従来の横長スタイルを捨て、基本的には iPod と同じ縦長のスタイルに変更。とはいえ、液晶ディスプレイは正方形になり、縦横どちらにも表示ができるようになっています(情報量は従来機種から変わっていませんが、液晶はより高精細なものになって画面表示が滑らかになっています)。これにより、好みに合わせ、iPod を意識した縦型としても、また従来のような横型としても使えるようにデザインされています。また、操作ボタンは円形の方向ボタンを廃し、正方形のボタンを格子状に並べたデザインとなりました。流行のタッチパネルにしてこなかったのは、あくまで iPod の真似はしたくないという意地なのか、G-sense が流行らなかったことに対する反省なのか(ぉ
本製品の特徴は、新しいデザインだけでなくソフトウェア面でのブラッシュアップが行われていること。特に操作性に関してはアルバム、トラックなどの検索モードに加えて曲名をアルファベットから検索できる「イニシャルサーチ」が加えられたり、操作や検索のどの階層にいても検索のトップ画面に戻れる「SEARCH」ボタンを本体に搭載するなど、使い勝手の面でどうにかして iPod に対抗できる使いやすさを手に入れるか、に腐心しています。実際にそれが使いやすいかどうかは実機を見てみないことには判断できませんが、少なくとも MD 時代の操作性に囚われてなかなか「ネットワーク時代」のポータブルオーディオの操作性への進化を考えてこなかった今までのウォークマンを省み、新しいものを作ろうという試みがなされていることは、前向きに受け止めたいと思います。
このほか、バッテリでの連続再生時間が 40 時間と現存のポータブル HDD オーディオプレイヤーの中では群を抜いて長くなっているのが特徴でしょうか。ま、個人的には NW-HD1 の 30 時間でも十分すぎますが。(^^;ただ、バッテリがリムーバブルになっているので、今まで「バッテリがヘタったら修理扱いかよぉ」と購入を躊躇っていた方には朗報だと思います。まあ、普通はバッテリがヘタる前に HDD が壊れて修理することになるでしょうが。(^^;

この HD5 を他のプレイヤーと比較するとこんな感じ。

機種NW-HD1/2NW-HD3NW-HD5gigabeat F20iPod 20GB
奥行89.0mm90.8mm89.3mm106.0mm103.5mm
62.1mm63.4mm59.9mm63.0mm61.8mm
厚み13.8mm15.7mm14.5mm16.0mm14.5mm
重量110g130g135g160g158g
連続再生30 時間30 時間40 時間16 時間12 時間


先代 NW-HD3 よりは着実にコンパクトになっていますね。それでも、初代 HD1/HD2 より薄さも軽さもまだ負けている(特に重さでは歴代の NW-HD シリーズの中でワースト)あたり、やな感じです。厚みは現行 iPod と同等以下にすることは必須だったのでしょうが、HD1 に比べてこれだけ厚く・重くなってしまうとわざわざソニーを買うメリットがないような気がします。相変わらずバッテリ性能だけは突出していますが・・・。
デザインに関しても、正直言ってこれには惹かれないという方は少なくないのではないでしょうか?なんとなく、東芝の gigabeat を微妙にソニーっぽくアレンジしただけのようなデザインで、あまり「ソニーらしさ」がないように思います。反論を恐れずに言うなら、よくこのデザインで「ウォークマン」ブランドをつけることを許されたな、という感じ。サイズもデザインも初代からだんだん悪い方向に向かっているように感じるのですが、気のせいでしょうか・・・。

個人的には MP3 対応アップデートをかけた NW-HD1 に対するメリットをほとんど感じないので、NW-HD5 はパスかなあ。しかし、例の NW-E505 の方も、発表から発売まで待たされすぎていること、そして転送が USB 1.1 でしかできないこと、などから次第に萎えモードに入ってきてしまったのですが・・・さて、どうしたものか。


で、この NW-HD5 に付属する SonicStage の新バージョン「SonicStage 3.1」が早速今日からダウンロード提供されています。
パーソナルオーディオカスタマーサポートのダウンロードサイト
http://www.sony.jp/support/p-audio/contents/download/ss31_upgrade.html
Mora のダウンロードサイト
http://www.mora.jp/help/download_ss.html
例によって Mora 経由であれば誰でもダウンロードできるので、実質無償提供されていることになります。
今回の目玉は何と言っても「MP3 のエンコードにネイティブ対応した」こと。従来の SonicStage では、MP3 対応といいながらも他のソフトウェアでエンコードした MP3 ファイルをインポートするか、あるいは CLIE 用の MP3 エンコードプラグインを購入して SonicStage にインストールするかしかなかったのですが、これで SonicStage から簡単に MP3 ファイルが作成できることになりました。これ、実はかなり大きな意味を持つのでは?圧縮音楽フォーマットの事実上標準となっているフォーマットへのエンコードをサポートすることで、iTunes と同じく統合音楽管理ソフトになる可能性を得たことになります(使い勝手ではまだまだ iTunes に勝っているとは思いませんが)。
というわけで、早速インストールしてみました。

SonicStage 3.1

録音フォーマットに普通に MP3 が選べるようになっています。ビットレートはデフォルトでは 160kbps ですが、96〜320kbps の間でかなり細かく設定することができ、設定の幅だけで言えば ATRAC3/plus よりも全然広いくらい。再生側の機器の対応状況に応じて柔軟に選択できます(VBR かどうかは不明ですが、おそらくは CBR でしょう)。SonicStage でエンコードしたファイルの音質の方は・・・まだ試していません(^^;試した方いたらぜひ感想をお聞かせください。

ここまでだけだと、「なんだ、SonicStage 3.1 っていっても 3.0 に例のプラグインをバンドルしただけじゃないの?」と思いがちですが、なんと今回のバージョンアップではこっそり PSP への転送がサポートされているんですよね。

SonicStage 3.1

音楽の転送先に USB 接続した PSP(もちろんメモリースティック Duo を挿しておく)を指定すると、モードが「PSP 転送」モードになって自動的に「\PSP\Music」ディレクトリに MP3 ファイルを転送するモードになってくれます。今までのように他のソフトウェアでエンコードした MP3 ファイルをエクスプローラから手動でメモステ Duo にディレクトリを作って転送する、という面倒な手順を踏まず、エンコードから転送まで SonicStage 上で完結できてしまうのがお手軽ですね。
ちなみに転送できるのは MP3 ファイルのみ。ATRAC3 に関しては、例え PSP に MagicGate メモリースティック Duo をセットしていても転送されません。ある意味、潔い割り切りです。

SonicStage 3.1

転送したファイルはそのまま PSP で再生可能。ID3 タグ情報もバッチリで、SonicStage 上で設定したジャケット画像までしっかり反映されています(写真は SonicStage についてきたサンプルファイルを転送してみたところ)。これは素晴らしいかも・・・ですが、いちいち SonicStage でジャケット設定しませんね(ぉ

SonicStage 3.1 に関してはとりあえずこんなところ。また何か発見したら書いてみたいと思います。

■記事リンク
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050406/sony.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/06/news025.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2005/04/06/655074-000.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/04/06/010.html


[ MTVX2005 ] 2005/04/05(Tue)
昨日一昨日の話の流れでいくと、こうなります、ということなのですが・・・(ぉ

MTVX2005

ビデオキャプチャカードを買ってきました。

カノープス MTVX2005
http://www.canopus.co.jp/catalog/mtvx2005/mtvx2005_index.htm

ビデオキャプチャカードでは少し前にピクセラから HD 品質でデジタル放送を録画・再生できるキャプチャカードが発表になりましたが、これは OEM 向けですし HD 録画を考えるとマシンパワー不足とか HDD 容量不足とかいろいろとネックになる要素が大きいので、当面 HD は考慮しないことにしました。
C1MSX 以外で私が PC 用テレビキャプチャ製品を購入したのは 4 年ほど前に SmartVision Pro を購入して以来ですが(しかも結局ほとんど使わなかった)、長年 VAIO を使っていながら PC でテレビ周りをいじるのはほとんどこれが初めてに近い状態なんですよね。なので、PC でのテレビ録画機能のトレンドってほとんど知らなかったりします。とはいっても、デジタル放送が始まったとはいえこの数年間で地上アナログ放送の方式が大きく変わったというわけでもないので、単純にテレビを録画するという用途であれば(使い勝手以外の面では)それほど変わりようもないのでしょうが・・・。
一応スペック的には 3 次元 Y/C 分離回路、3 次元 NR、GRT、タイムベースコネクタといった高画質回路とソニー製チューナ、NEC 製映像処理エンジンを搭載した PCI ベースのチューナ内蔵ビデオキャプチャカードになります。MTV シリーズといえば(最近はちょっと落ち目ですが)アフターマーケットの PC 用テレビキャプチャ製品の定番ですね。
これ自体は自作機の空き PCI スロットに挿してアンテナケーブルと音声出力ケーブルを接続して完了なのですが、昨年の MTVX2004 以来の MTVX シリーズの特徴はむしろキャプチャカード以外の部分にあるといえます。同社が推すマルチメディア操作環境「FEATHER2005」です。

FEATHER2005

FEATHER2005 の画面。なんとなく「Do VAIO」っぽい画面をカノープスなりに色づけしてみた程度、という感じで画面の見栄え以外にこれといって目新しさもありませんが、DiXiM なんかにしてもそうですが、今の AV 統合操作アプリケーションってほとんどがこんな感じで縦横にアイコンを並べてメニューを辿っていくタイプですよね。10 フィート GUI でリモコン操作となると普通に考えればこの辺に落ちていくのでしょうが、なんとなくちょっとつまらないような気もします。
今のところはほとんどコンテンツも溜まっていないので、コンテンツが溜まってきたときにどんな使い勝手になってくるのかまだよく分かりません・・・が、テレビと DVD はともかく音楽や写真まで FEATHER で管理するつもりがないので、半分くらいは無駄な機能になっていまいそう。

FEATHER2005

画質なんですが、640x480 程度では全く不満がないものの、全画面表示(うちのディスプレイでは 1,600x1,200)とかにするとかなり派手にコームノイズが見えてしまいます(インターレース素材だから仕方ないんですけどね)。画面表示の設定をプログレッシブ表示に設定してやると多少軽減されるのですが、そうすると今度は映像が音声に対して 1〜2 フレーム程度遅れて表示されるようになって(気にしなければそこまで気にならないとはいえ)ちょっと微妙な感じ。VAIO のテレビ機能ってこのくらいのクオリティだったかな〜、と考えてみても、今までと Giga Pocket/Do VAIO のテレビ画面ってあまりじっくり見たことないんだった・・・。
とはいえ、今の私の使い方で言うと、テレビ画面を PC のディスプレイで高画質で観たい、という感じではなくて、残しておきたい番組をなるべく高画質に DVD 化したい、というのと、PSP への書き出しを(PSX→DVD-RW→PC 経由でなく)なるべく手軽に行いたい、というのが MTVX2005 の主な用途でどちらかというと後者の役割の方が大きいので、多少のことは気にしないことにしました(でも、なんかいい設定方法あったら教えてください)。
あとは FEATHER で録画と同時にメモリースティックビデオフォーマットに書き出しておいてくれる機能が追加されるアップデートがあると文句ないのですが・・・。

ちなみに MTVGA と MTVX を組み合わせてどうか?ということなのですが、組み合わせたからといってこれといって付加価値みたいなものはなかったような気がします。とりあえず相性が保証されていることくらいかな・・・まあ、FFXI は SXGA でプレイしても(かなり混雑している狩り場でもない限り)モタつくこともなくなったので、よしとしますかね。


[ 今だからこそ PC で ] 2005/04/04(Mon)
今日の ITmedia に掲載されていたおなじみ小寺信良氏のコラム。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/04/news004.html
新入学・就職シーズンだからか、転職の話題に絡めて日本でのサマータイム導入の可能性に関する記事です。話のもっていき方がなかなかすごいですが(笑)、「精神的な健康」を求めての転職、というのはすごくよく分かる気がします。私も転職を決めた理由は「ものづくり」へのこだわりに加えて、もう少し(生活面でも、精神面でも)「人間らしい生活」がしたい、という気持ちがありましたから。なんとなく自分の今の状況とオーバーラップするものを感じたので、ご紹介してみました。


少し前の Column でホームオートメーションについて少し書きましたが、最近私が何かと気になっている分野の話なので、今日もその話題について少し。
ソニーの「airboard」が今年から「LocationFreeTV」にワールドワイドでブランドを統一してからというもの、ソニーの広報が注力しているのか、あるいはメディアの注目が集まっているのか、新型 LocationFreeTV および同アプリケーションの PC 向けソフトウェアがよく記事になっている気がします。以下はその一例。
ソニースピリットはよみがえるか 第 24 回 「いつでも、どこでもリアルタイムにテレビを見る」
http://nikkeibp.jp/style/biz/management/sony/050401realtimetv/
タイムシフトの次は“場所シフト”〜小さくなったロケーションフリーTV「LF-X5」
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0502/28/news009.html
この「LF-X5」は個人的には欲しいとは思わないけど小型化して携帯性が高まったり無線 LAN の使い道が広がったり(公衆無線 LAN 経由で NetAV 機能が利用できるようになった)今までの airboard/LocationFreeTV よりもだいぶ使いどころが増えたんじゃないかと思っていました。今までの LocationFreeTV では購入者の多くは海外出張のサラリーマンだったということですが、ディスプレイが身軽になったことでもっといろんなことに使えるだろうと感じたんですよね。

上記記事中にも書かれていますが、ワイヤレスなタッチスクリーンディスプレイで AV 機器を操作できるという操作性は、以前製品化されていた PLASMA WEGA「HZ1」シリーズに搭載された「パレットディスプレイ」に通じるところがあります。採用している技術にこそ違いはありますが、手許にあるディスプレイをコントローラにしつつ、そのディスプレイがビューワになるという点、IEEE802.11 ベースのワイヤレス LAN 技術を利用している点など多くの共通点があります。AV 機器の操作というひとつ観点で異なる製品から似たようなコンセプトの製品が出てくるということは、ある意味市場の方向性がそちらを向いているということは言えないでしょうか。

そこで、思い浮かぶのが先日の Column でも述べた VAIO type U です。これも、「VAIO Media」とワイヤレス LAN を利用すればワイヤレスで他の機器をコントロールしつつ、そのコンテンツを手許のディスプレイに持ってくることが可能。さすがに WEGA HZ1 や AirTunes のようにコンテンツの出口をネットワーク接続された AV 機器にすることこそできませんが、VAIO Media もパレットディスプレイも LocationFreeTV もある意味同じアプリケーションに落とし込むことができる、ということになります。例えば国内発表も近いとみられる「LocationFree Player for PC」を使えば、LocationFreeTV というハードウェアがなくても PC を「LocationFreeTV」にしてしまうことが可能ですし、接続できる機器の幅広さや対応するメディアフォーマットの多彩さを考えると PC であることのメリットの方が大きいでしょう(逆にコンテンツサーバ側でフォーマットの違いを吸収することができれば、受け口は PC である必要性もないのですが)。

以前、ライター小寺氏が type U 登場時のレビュー記事の中で

> リモコンが本体で、本体がリモコン。テレビやレコーダのリモコンを見て、これってここに画面付いてたらそれでいいんじゃねえのとか思ったことはないだろうか? type Uが描くのは、そういう未来なのだ。

と述べていましたが、キーボードレスで VAIO Media/Do VAIO とワイヤレス LAN を備えた type U がまさにハマるアプリケーションは、モバイルではなくホームネットワークコマンダー/ビューワとしての用途なのかもしれません。

ただ、家中の PC が全部 VAIO でオーディオもビジュアルも全部 VAIO が用意してくれたアプリケーションにおんぶにだっこ、という環境が整ってでもいない限り、VAIO type U を単なるホームネットワーク端末として購入するのはいくらなんでも割に合いません。だいいち、家の中で大きいテレビがあるのにわざわざ 5inch の画面で動画や静止画というのも馬鹿げてますしね・・・(type U をホームネットワーク端末兼モバイル端末としていつでも・どこでも使うならペイするでしょうが)。母艦となるデスクトップ PC や Mac にコンテンツを溜め込みつつ、type U をコンテンツのプレビューもできるリッチな GUI を備えたリモコンとして使いつつ、実際の音や映像はリビングのオーディオや大画面ディスプレイで楽しむ、という、今の「VAIO Media/Do VAIO」の一歩先往く使用感が、今の「VAIO Media/Do VAIO」の次に実現されるべきなのではないでしょうか。実際にそれを実現するハードウェアは PC なのか LocationFreeTV あるいは PSP など PC 以外のハードウェアなのかは分かりませんが、少なくとも昔ながらのリモコンで画面を見ながら操作するには、今の AV はハードウェアもコンテンツも多様になりすぎました。地上・BS・CS デジタルチューナ内蔵テレビにデジタルレコーダが繋がっているだけのテレビ周りならば、今までのテレビとビデオの延長線上で使えるのでしょうが・・・。

ともかく、2005 年の私は、AirTunes の導入をいいきっかけとして、PC と AV のこういうつながり方をどうやって実現していくか、いろいろ試行錯誤してみようと思っています。ノート PC をリモコンにしつつ AV 機器から映像や音を出すという使い方は、今のところ AirTunes 以上のことはできそうにないですが、まずは DLNA 対応機器を試してみるところが先かな。そういう意味では、キャプチャボードの内蔵など、「PC でなんでもできる」環境を整えてみる必要があるでしょう。PC で何でもやること自体が面白かった時期を過ぎてからは極力デスクトップ PC にいろいろ内蔵することを避けてきましたが、現状ではホームネットワークのサーバにするにはデスクトップ PC を母艦にするのが最も近道ですから(かといってそれ用にデスクトップ VAIO を購入するほどコストをかけるつもりもない)。とりあえず PC で録画できる環境があれば、PSP ももう少し活用できるでしょうし・・・。
専用機に新しい機能を付加することは素人には無理ですが、PC ならば努力次第でなんとかすることができますからね。ちょうど VAIO も黎明期だった Win95〜Win98 時代の PC のように「無理かもしれないけど失敗してもそれなりに面白かった」頃とは違い、今の PC ならば「やってできないことはない」くらいに環境は整っているといえます。今だからこそ「PC でなんでもやってみる」価値はあるように思いますし、逆に PC のコモディティ化による価値の低下を防ぐには、PC が「なんでもできる」ことを上手く利用しない手はないと思うのですが、いかがでしょうか。

まずは、キャプチャカードを買わないと・・・いや、その前にもう少しテレビを観る生活にならないと、買っても無駄になるな(^^:


[ MTVGA 9600XT SE ] 2005/04/03(Sun)
暇な時間もできたことだし、久しぶりにヴァナ・ディールに復帰するかー、と思い、より快適にプレイするためビデオカードをグレードアップしました。

カノープス MTVGA 9600XT SE
http://www.canopus.co.jp/catalog/mtvga/mtvga9600xtse_f.htm

MTVGA 9600XT SE

ミーハーっぽいですが(^^;カノープスのビデオカードです。カノープスのビデオカードは昔(nVIDIA 製チップを採用していた頃)は高画質化・高速化のために基板やドライバまで自社開発していたのですが、昨年 ATI 製チップに乗り換えてからは基本的にチップメーカーのリファレンスを踏襲したデザインを基本路線とするようになり、どちらかというと AV 周りの高画質化のためのチューニングや AV 系ユーティリティの充実を付加価値とするようになりました。
ビデオカード本体に至っては基本的に GeCube の OEM 品になってしまったというのも有名な話らしいので、今やあまりカノープス製ビデオカードを積極的に選択する理由もないと言えばないのですが、逆に今の SAPPHIRE 製の RADEON 9200 搭載ビデオカードよりもスペックが高く、なおかつ静粛性を兼ね備えたビデオカードというもの自体に選択肢がなく、ファンレスで RADEON 9600XT を搭載したこのカードを選んだというわけです。

ちなみに、製品名が MTVGA 9600XT "SE" となっていますが、付属の AV 再生ソフト「FEATHER」がバージョン 2005 に差し替えられた Second Edition という意味だと思われます。

MTVGA 9600XT SE

RADEON 9600XT 搭載でファンレスなビデオカードはあまり出回っていませんが(RADEON 9600LE とか 9550 であればけっこう見かけますが、これは性能的に 9200 から大した変化がなさそう)、このカードではヒートパイプを利用してボードの両面に巨大なヒートシンクを取り付け、ファンレスでの排熱を実現しています。RADEON 9200 ではほとんど同じようなレイアウトのボードに控えめのヒートシンクがついていただけだったので、それからすると 9600XT はかなり盛大に発熱するということになります。

MTVGA 9600XT SE

カノープスの MTVGA シリーズは同社のチューナ内蔵ビデオキャプチャカード「MTV」シリーズとの連携を強く意識した製品ということで、テレビ録画した映像をコンポーネント端子に出力(DVI 端子から変換)するアダプタが付属しています。D4(フル HD)まで出力できるという優れモノですが、とりあえず PC をテレビ録画に利用していない私には無用の長物だったり(^^;


そんなわけで、とにかくベンチマークです。
ビデオカード以外のスペックは、Pentium 4 2.40B GHz、i845GE、PC2100 DDR 1.0GB、HGST HDS722516VLAT80 といった感じ。ビデオドライバは双方同じく CATALYST 5.3 for WinXP を使いました。

ベンチマークRADEON 9200RADEON 9600XT
3DMark2001 SE695210924
3DMark0310603715
3DMark05起動せず1604
FFXIBench 3-L3702
(とてつよ)
4371
(とてとて)
FFXIBench 3-H2296
(おなつよ)
2757
(つよ)

3DMark シリーズの結果では対 RADEON 9200 比で大幅に伸びています。3DMark2001 SE のスコアで 1.5 倍、3DMark03 のスコアではなんと 3.5 倍、最新の 3DMark05 では RADEON 9200 は起動すらできない(3DMark05 は DirectX 9 非対応の GA では動作しない)のですが、DirectX 9 に対応している 9600XT ではちゃんと動いています(それでもかなり重いですが)。
しかしその一方で、FFXIBench では思ったほどスコアが伸びていません。低解像度(L)、高解像度(H)ともに約 20% の向上に留まっています(まあ、ビデオカードの変更だけでベンチ結果が 20% 伸びていれば十分とも言えますが)。これは、DirectX の各機能のサポートをシビアにテストする 3DMark のような総合ベンチマークと、DirectX 8 世代の実ゲームをもとにした FFXIBench というベンチ幕プログラムの性格の違いでしょう。逆に言えば FFXI は DirectX 9 の機能を必要としていないため、単純にコアクロックやメモリクロック・バス幅といった性能の差がスコアの差となって顕れている、と言えるでしょう。RADEON 9200(コア 250MHz・メモリ 250MHz)と RADEON 9600XT(コア 500MHz・メモリ 300MHz)ではコアクロックが 2 倍、メモリクロックが 1.2 倍の違いなのでまあ妥当なところでしょうか。公式サイトに掲載されている指針ベースでもそれぞれ 1 ランクアップしているので、従来よりは快適度がアップしているはず。具体的には FrontBuffer を SXGA 程度に上げてもストレスなくプレイできそうです。

これ以上スコアを上げるとすると今度は CPU を換えなくてはならないので、そうなるとマザーボードも換えなくてはならないしビデオカードも PCI Express に換えなくてはならなくなり、さすがにコストがかかりすぎるので、当分はこの辺で満足しておこうと思います。


[ Transmeta ] 2005/04/02(Sat)
さて・・・今日からはしばらくは、少しいつもより肩の力を抜いて更新していきたいと思います。とはいっても、手を抜くつもりはありませんので、ご安心を・・・。

JATE の認定機器一覧表にソニーエリクソンの「SO506iS」が掲載されているとのことです。
JATE 認定機器一覧表 平成17年3月1日〜平成17年3月15日認定
http://www.jate.or.jp/jp/tanmatsu/20050301_20050315.shtml
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0504/01/news021.html
SO506iS といえば、型番からいって「premini-II」のカジュアルモデル「premini-IIS」と言われているモデルではないですか。当初から premini-II にも -S モデルが登場する可能性が公表されていましたが、思った以上に早いタイミングで出てくることになりそうです。・・・でも、premini ばっかりじゃなくて FOMA もちゃんと作ってください(ぉ

PlayStation 3(仮称)に搭載される CPU「Cell」に Transmeta の「LongRun2」テクノロジが搭載されることが発表されました。
ニュースリリース(英文)
http://investor.transmeta.com/ReleaseDetail.cfm?ReleaseID=158938
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0401/transmeta.htm
Transmeta は同日に CEO の交代も発表していますが、ファブレスの x86 互換プロセッサメーカーから IP(知的資産)のライセンス事業をビジネスモデルの中心に添え、プロセッサ開発自体からは撤退する方向性をより明確にしています。プロセッサの製造については既存 OEM 顧客に向けて期間限定で供給を続けるようですが、それ以外についてはプロセッサ開発から完全撤退となります。PCG-C1VJ(TM5600 600MHz)から PCG-U3/P(TM5800 933MHz)まで Transmeta 製 CPU 搭載 VAIO を応援してきた私としては、微妙に複雑な想いもありますね。
今年の 1 月に Transmeta の「LongRun2」テクノロジのライセンス先の一つがソニーであることが発表されていましたが、このときの Column でおそらくこれはデジタルレコーダ等の IT 家電に搭載されるソニー製半導体に応用されるのであろうというようなことを書きましたが、やはりこういうことでしたか(現在の青写真では Cell がソニーのあらゆる情報家電のコアになる)。
Cell の動作周波数は 4GHz だが、実際の消費電力や発熱を考えると PS3 に搭載される Cell の実クロックは 3GHz 程度になるだろう、と予測する後藤弘茂氏の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0209/kaigai154.htm
もありましたが、家電に搭載される CPU としては動作クロックがかなり高くなる Cell のスペックでは、家電としては消費電力も発熱も高くなりすぎます。例え 3GHz にクロックを制限したとしても、例えば PlayStation 2 のような筐体で 3GHz もの高速プロセッサの熱を捌くのはかなり厳しいといえるでしょう。そこで、LongRun2 を使って消費電力や動作周波数をダイナミックに制御してやることができれば、3GHz に到達するのはあくまで高負荷時だけでいいということになります。これなら 3GHz の Cell を使うことに現実味も出てきますし、そもそも「単純なプロセッサと高級なミドルウェアの組み合わせ」で高効率なプロセッサを作る、という考え方は Cell も Crusoe/Efficeon も非常によく似ています。LongRun2 は、ある意味 Cell と非常に相性の良いテクノロジなのかもしれません。
我々が Transmeta ロゴの入った PC を購入することは今後ほとんどなくなってしまうでしょうが、おそらく来年以降に PlayStation 3 やソニーのテレビ、デジタルレコーダ等の製品を購入すれば、もれなく Crusoe の血を受け継いだ半導体が使われている。C1VJ を大切にしていたユーザーとして、こんなに嬉しいことはありません。


[ 転機 ] 2005/04/01(Fri)
今日は 4 月 1 日ですが、これから書くことは冗談ではありません。
かなり私的なことではありますが、よろしければお付き合いください。

今日で、会社を辞めました。
正確には、しばらく会社に籍を残したまま休暇を消化することになるのですが、ともかく、今の会社には明日以降行くことはありません。
社会に出てちょうど 5 年、節目としてはいいタイミングだったと思っています。

このサイトではあまり自分の仕事について書いたことはありませんでしたが、私は某 SI ベンダ系の SE をやっていました。5 年の間に、地方(故郷)への転勤や東京への再びの転勤、北海道への長期出張など、わりといろんなところを転々としてきたような気がします。「ものをつくる人」になりたくて SE の仕事を選んだ私でしたが、今の仕事が本当に自分のやりたい仕事なのか?を 5 年間探り続けた結果、この業界では必ずしも自分が望む「ものづくり」はできない、という結論に達しました。

もちろん、今の生活があまりにも仕事に追われすぎていて家族や自分を大事にできる余裕がない、というのも見切りをつけた理由のひとつではありますが、それ以上に自分が作る「もの」そのものに疑問を感じた、というのが最も大きな理由です。

自分が作ったものが必ずしも人の役に立つばかりではなくて、自分の作った「効率的な」ものによって仕事を奪われ、「不要」になってしまう人たちがいること。
自分の作るものが「システム」という感情を排した数値が支配する世界であること。
成功するのはあたりまえのことで、失敗してはいけないという強迫観念に常に駆られて過ごさなくてはならないこと。
そして何より、自分の作ったものがごく一部の人の目に触れることしかなく、「これは私が作ったんだよ」と自分の大切な人々に胸を張って言うことが、なかなかできないこと。

このことが、「つくって」いて辛かったんだと思います。自分自身があまりお金勘定の得意な部類の人間でないということもあり、「これができたらこれだけの経費削減が見込める」「これができたらこれだけ売上が伸びるだろう」「これができたらこの部署から何人の人員が削減できる」ということを目的とする仕事は、やっていて精神的に辛いものがありました。中には、グループウェアのアプリケーション開発のような、使っている人の顔が見える仕事も、いくつかはありましたが。
その一方で、決してそれ自体がお金を生み出すわけではないけれど、人生を豊かにしてくれるもの、人に幸せな気持ちを与えてくれるもの、をサイトで取り上げ、あるいはそれらを作っている人々に接し、また自分自身が作ったものを必要として集まってくれる人々と接するほど、自分が生業としている「ものづくり」と、自分が本当に求めている「ものづくり」とのギャップに、耐えがたいものを感じるようになりました。

そして私は、自分に与えられた力、自分に与えられた時間を、本当の意味での「創造」のために、誰かの・自分の喜びや幸せのために使いたい。自分にとっての、ものをつくるということ、しあわせということ、いきるということは、"think" することではなく "imagine" することによってのみ得られていくんだということに、気づいたんだと思うんです。
客観的にみれば甘い戯れ言に過ぎないのかもしれませんが、この願いに嘘をつかずに「ものづくり」に携わりさえすれば、きっと納得のいく「ものづくり」ができるんじゃないか、と思っています。
できれば、(Web での活動をお金儲けの手段にしようとは思っていませんし、なるとも思っていませんが)このサイトで行っているような活動と、次の仕事を、何らかの形で繋げることができれば面白いな、とは思いますが、それはまた次の課題かな。

明日からしばらくは、数年ぶりの長いお休みに入ります(このサイトまでは休止しませんが)。実に 5 年ぶりに与えられた、大量の「何もしなくていい時間」に何をするか、まだ全然考えてもいませんが、しばらくは何もせずにぼんやり過ごしてみるのもいいかな、と思っています。で、その次は・・・何をしようかな。

My Diary Version 1.21
[ 管理者:Brown Sugar 著作:じゃわ ]